IS~自称策士は自重しない~   作:reizen

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みなさん、あけましておめでとうございます。
この小説「IS~自称策士は自重しない~」並びにその作者であるreizen共々、今年もよろしくお願いします。

では新春一発目、数字的にキリがいい61話をどうぞ!


#61 マナー違反だけど愛さえあれば関係ないよね

 色々とカオスな時間が流れて夜になった。

 織斑一夏のIS「白式」の考察をするという約束はどこに行ったのか、未だにする気配がないことにショックを受けている鈴音は廊下を歩いていると、妙な一団に出くわした。

 

「………アンタたち、何やってんのよ」

 

 箒とセシリアの二人が一夏の部屋の前で聞き耳を立てており、鈴音の姿を見たセシリアは口を塞いだ。

 

「ちょ、ちょっと何するのよ」

「静かにしてくださいな」

 

 言われて鈴音は黙り、二人に習って同じく入口の襖に張り付く。中から在室中なのか織斑姉弟の会話が聞こえて来た。

 

『千冬姉、久しぶりだからちょっと緊張してる?』

『そんな訳あるか、馬鹿者。———んっ! す、少しは加減をしろ……』

(………何、これ)

 

 鈴音の思考がパニックになるが、それでも会話は進んでいく。

 

『はいはい。んじゃあ、ここは……と』

『くあっ! そ、そこは……やめっ、つぅっ!!』

『すぐに良くなるって。だいぶ溜まってたみたいだし、ね』

『あぁぁっ!』

 

 日本の法律では兄妹または姉弟での行為は禁止されているが、当人には関係ないようだ。

 

(いやいやいや、アウトでしょ!? というか一夏は一夏で何やっちゃってんのよ!!)

 

 思わず声に出しそうになるが、なんとかこらえた鈴音。だがその思考は徐々に変化していった。

 

(というかそんなことする前に悠夜のことを何とかしなさいよ! アイツずっと頑張ってんのに自分の立場をわきまえて何もしていないのよ!?)

 

 そこまで考えていると、鈴音の顔にドアが直撃。どうやら箒もセシリアも間に合わなかったようで、鈴音と同じくダメージを食らう。

 

「何をしているか、馬鹿者共が」

「こ、こんばんは、織斑先生……」

「さ……さようなら、織斑先生っ!!」

 

 箒とセシリアが逃げようとするが、箒は首根っこを取られ、セシリアは浴衣の裾を踏まれて動きを止められた。

 

「盗み聞きとは感心しないが、ちょうどいい。入っていけ」

「「えっ?」」

(あ、アタシはいいかな……なんてことを言える状況じゃないわね、これ)

 

 まさか千冬にそう言われると思っていなかったのか、箒とセシリアは変な声を上げた。

 

「ああ、そうだ。ほかの三人―――ボーデヴィッヒとジアン、それと更識も呼んで来い」

「は、はい」

「はい」

 

 鈴音と箒が返事をして部屋を出る。

 

「では私はシャルロットを呼んでくる。鈴は―――」

「ラウラと簪ね。わかったわ」

 

 そう言ってまずは4組の所へと向かう。その最中、鈴音はふと思った。

 

(これに乗じて逃げ出すのも悪くないけど……後が怖いか)

 

 何の話をするか興味があることもあって、とりあえずみんなに声をかけることにした鈴音。だが―――

 

「え? 更識さんならいないわよ? たぶん桂木君の所じゃないかしら?」

「そう。ありがと」

 

 そう言って今度は悠夜の所へと向かう。悠夜の部屋は1組よりも2組の方が近く、また2階にある4組の下の部屋なので箒が向かった1組のエリアよりも鈴音が向かった方が近い。

 

「悠夜、いる~?」

 

 ノックせずにドアを開けた鈴音。だがそこには誰もおらず、荷物が置いてあるだけだった。

 

(パソコンが外に出しっぱなしじゃん。金品は金庫に入れているにしても、部屋の鍵はかかっていないし、ちょっと不用心過ぎない?)

 

 そう思って鈴音は部屋を出る。

 実は彼女は気付いていないだけなのだが、これは悠夜の罠である。

 敢えてドアを開けておき、馬鹿にしながら侵入してきた女たちを狩るためのものでパソコンも餌として出しっぱなしにしているのだ。実際、死角にはスパイボールの戦闘版である「ガーディアンボール」が配置されており、すぐにでも戦闘が可能だ。

 ちなみに鈴音が部屋に入っても無事だったのはあらかじめ鈴音のデータと彼女が持つIS「甲龍」のデータが入力されており、この二つがあることでガーディアンボールは攻撃することを止めたのである。もし鈴音ではなくフォルテならば間違いなく捕まっていただろう。これに捕まる基準はこれまで悠夜に対してどれほどの貢献をしてきたかということであり、セキュリティの甘さがそれに出ている。

 さらに補足するとガーディアンボールに襲われる手順は決まっていて、最初におとりが現れて空気砲で攻撃、その隙に本体が弛緩剤を打って動きを止め、高耐久のロープを出して器用にもそれで拘束するのである。

 もしこれが悠夜ではなく普通の男ならばIS学園に所属する女という事で容赦なくどこぞの同人誌みたいな展開になるだろうが、悠夜の場合はそうはならないという点が唯一の安心部分だろう。

 

(とりあえず、あの部屋に戻ろ)

 

 そう思った鈴音は部屋に戻るとすぐに千冬が聞いてきた。

 

「? ほかの二人はどうした」

「見当たらなかったので帰ってきました。たぶん、お風呂でも入っていると思いまして」

「………そうか」

 

 ふと、鈴音は一夏がいないことに気付く。

 

「あれ? 一夏は―――」

「ああ、アイツならばオルコットのマッサージをして汗をかいていたのでな。風呂に行かせた」

「………へぇ」

 

 猛烈に嫌な予感がした鈴音は、騒動が起こらないように祈るが、それは届かなかったようだ。

 

 何も知らずに風呂に入りに向かった一夏はこれより1時間と30分頃、掃除道具が入ったロッカーの前で目を覚まし、風呂に入るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本音にキスされてから、後悔と罪悪感で思考が占められたことでまともに動いていないことは確かだ。気が付いたら遠泳をしていたし、そしたら沖とやらに出ていたので急いで戻ってきた。幸い、サメなどに襲われることはなかったので五体満足で生きている。

 

(………何でこんなことになった)

 

 当初の計画ならば、それなりの成績で進級し、できるだけ目立たないようにするつもりだった。俺の得意分野でISで活かせるのは知識だけ。だから以前の手を使う事なんてできないのだ。

 だけどどうしたことか、ここに来てから3人とキスをしている。少なくとも恋愛をする気はなかった俺にとっては不要なことだ。

 

(……そんなことをして、一体何になるんだよ)

 

 仮に、俺が誰かと結婚をしたとしよう。一人は日本の代表候補生、一人は日本人、そして最後の一人は日本人だが人外の孫だ。

 だがその人外も俺の祖母とは違ってもうかなりの年齢だ。いつ死んでもおかしくはない………いや、死ぬところは想像できないが、少なくとも俺たちが生きている間には間違いなく死ぬだろう。

 確かに俺の祖母も人外だ……人外だが、どうやら俺の祖母は日本が飼っている狂犬みたいなもので、日本から援助金をもらっているらしい。そんな祖母が日本の言う事を聞かないわけがない。「いつも金をやっているのだから」という理由で売られる可能性もある。それに俺に子供ができたらどうなる―――なんて、考えるまでもない。俺が仮に強くなったところでその子供が狙われることは必須だ。あくまでも俺が強いだけで、俺がいつも近くにいるわけではないからな。

 

「………高が、IS如きになんで……」

 

 どいつもこいつも「ISが強い」なんて言っちゃって。確かにISは強い。操縦者の戦闘による死亡なんてものはなく、より生還率が上がって奪われることもないからだ。確かに性能面なども優れているから女を優遇したくなる気持ちはわからなくもない。

 だが、それによって生み出されたのは女による男の過剰使役。全員がそうではないとはいえ、見逃せないレベルにまで発展しているのは事実であり、否定しようがないことだ。

 それに調べたところ、出生率などの低下や男の死亡率の高騰もある。後者の原因は大半は自殺だが。

 

「本当にウザい」

 

 俺を殺そうとする女たちも、俺を使って自分たちもそれにあやかろうとする男たちもウザい。そして何よりもウザいのは織斑の存在だった。

 

(……………時間が経てば経つほど憎悪しかないな)

 

 そのことに俺は笑みを作る。確かに憎悪しかないが、俺の性格だけではなく向こうの性格も問題だろう。

 

(もしかしたら、近い内に殺してしまうかもしれないな)

 

 そう思った俺は内心笑っていると、入口の方から「カラカラ」と音が立つ。

 

(……噂をすればなんとやら、ね)

 

 ばれると面倒なので俺はできるだけ音を立てずに奥の方に引っ込む。そして岩で身を隠してぼんやりと月を眺めていると、どうやら先に体を洗っていたのか、ようやく入ってきたような音を立てた。

 

(………あれ?)

 

 気のせいか、こっちに移動して来る。まずい、しくじった。

 腕を構えて織斑の顔面を狙うために構える。そして影が見えたのですかさずボクシングで言うストレートを放った。

 

 ———パシッ

 

 壮大な違和感。

 思ったほど顔が低い位置にあることに気付いた俺は、敢えて掴まれたままにする。

 

(……女……小さい……)

 

 どこかで触ったことがあると思った。

 すると後ろから何か柔らかい感触が俺の感覚器官を襲う。

 

「たいしょ~、かくほ~」

「は、はぁあ―――」

 

 柔らかい手が俺の口を塞ぐ。どうやら俺に対して恨みを持っている奴ではないようだが、口を塞ぐかに見せて抱き着くのは止めてください。発情してしまいます。

 

「に、兄様ぁ~」

 

 煙が少し晴れ、殴った相手が姿を現す。やっぱりラウラだ。そして抱き着いてきたのは簪、そして後ろの感触は本音である。

 全員が全員水着を装着していて、ラウラの手には俺のパンツが握られていた。

 

「兄様、これを履いてください」

 

 そう言って差し出された水着をひったくるように受け取った俺はすぐに履こうとしたが、簪がそれを止めた。

 

「………確認」

「え? ちょっ、止め―――タンマ!!」

 

 ハイ、覚醒完了しましたぁ。

 完全に下の息子の覚醒し、その後に海パンを履く。幸い露出時間が短かったので見られてはいな―――

 

「……………すごく、大き―――」

「忘れろ! 今すぐ忘れろ!!」

 

 我を忘れた俺はつい叫んでしまった。

 

 

 

 

 ————閑話休題

 

 

 

 

 

「さて、理由を聞かせてもらおうか」

 

 三人娘を座らせてから俺は説教を開始する。

 

「………間違いを引き起こそうと」

「いや、意図して起こすこと自体が間違っているから! 止めよう。間違いなんて起こすべきじゃない!」

 

 だってISを動かしたという間違いを起こした結果、命狙われているから。

 

「兄様、従者が主と共に風呂に入り、従者の体で主の体を洗うと聞いています」

「………………おい。その知識をどこで手に入れた?」

「たまたまかけたアニメでそんなことを言ってました!」

 

 最近、出生率の低下関係で人間の性を促すために深夜番組でエロい番組をすることが多くなったなぁ。…………今後、ラウラはきちんと抱いて寝よう。主に真面目な拘束目的で。

 

「私は洞穴の中での続きを~」

「絶対にしないからな!」

 

 ただでさえ欲情しかけているというのに、こいつらと来たら揃いも揃ってバカなことをしやがって。

 

「いいか。俺は今後三人に手を出すつもりはないし、出すこともない。だからこんな無駄なことは一切禁止だ!」

 

 温泉に海パンというミスマッチな取り合わせの姿で俺はそう言うと、三人は(何故か)ショックを受けた。

 

「やっぱりあれは幻覚だったんだ~」

「こうなったらもう脱ぐしかない」

「兄様! 私は兄様の物です! 兄様が望むようなことを喜んで受け入れます!」

 

 普通ならばラウラに飛び込んでいくだろう。だが、それはあくまでも()()ならの話だ。

 内心ため息を吐きながら、俺はふとあることに気付いた。

 

(……………そういえば、織斑は?)

 

 別に織斑を待っているわけではないが、だとしてもこの状況を打開するには織斑の存在が必要不可欠だ。山田先生に「風呂に入れない」と言われて「何でですか?」と聞くような奴だ。この状況に飛び込んでくるに違いない。

 ちょうど話題を逸らせて覚醒中の息子も鎮めたいと思っていたので、早速話題に出すことにした。

 

「そういえば、織斑はどうした?」

「気絶させた。そんなことより、悠夜さんと間違いを起こす」

 

 流石は妹と関係を持とうモノならば容赦なく護衛対象すら殺そうとする女の妹。目が完全に正気を失っている気がする。………というか、今さりげなく「気絶させた」と言わなかったか? だとすればこの状況を打開できないじゃないか!!

 

(どこまでも使えない奴め!!)

 

 まことに勝手ながら「全く空気を読まない奴」認定してやる! いや、前から使えなかったけどさ!

 その後、俺はなんとか「数分間抱き着く」ということでこの窮地を乗り切り、ついでに息子の覚醒も終了してくれた。俺は一体何と戦うべきなのか、今一度知る必要性を感じた瞬間である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 IS学園生が全員寝静まり、簪が密かに行動を起こしている時、ハワイ沖ではある実験が行われていた。

 そこでは20代後半―――むしろ30前とも言える男が大あくびをしており、文字通り暇を持て余している。

 

「暇だなぁ」

 

 そう言った男は盛大に腕を伸ばすと、彼の左手が何かにぶつかった。

 

「………テメェ」

「おっと、悪い。いるの気が付かなかったわ」

 

 フランクに答えた男性の顔面に拳が飛ぶが、その男性は平然とそれをいなすや否や、何かを払う。

 すると男を殴ろうとした女性の双丘が大きく上下に動いた。

 

「やろ―――」

「ちょっとちょっと。お前の胸が揺れたのと俺は関係ないでしょうよ」

 

 今にも殴りかかってきそうな女性に対して、またも軽く答える男性。女性は怒り始める。

 

「コーリング中尉、そろそろ―――」

「うるせぇ、黙ってろ」

 

 女性を諫めようとした男性軍人がそう言うと「コーリング」と呼ばれた女性は噛み付くように言った。

 すると諫めようとした男性の横を一人の女性が通りすぎる。

 

「イーリ」

「ああ―――」

 

 「何だよ?」と女性が続けようとしたが、それよりもその女性から出ている殺気とそれを引き立たせる笑顔でさらに凶悪―――いや、恐怖を感じた女性は委縮した。

 

「よぉ、ナタっち―――とと、今はファイルス中尉でしたな」

「ナタっちは止めてください。ナタっちは」

 

 男性の言葉にそう言うと、「ファイルス」は「コーリング」に笑顔を向ける。

 

「あの、ナタル? これは向こうが悪いんであって、決して私に非があるわけじゃ………」

「たぶんそうだってことはわかるけど、でも止めようとした隊員にまで噛み付く必要はないわよね?」

「そ、それは………」

 

 コーリングはチラッと先程噛み付いた隊員の方を見る。視線を感じた噛み付かれた隊員は元々優しい性格なのか、ファイルスに対して進言した。

 

「ファイルス中尉。それは私が勝手な真似をしたので―――」

 

 するとファイルスはその隊員に対して人差し指を当てた。

 

「世間じゃ女が優勢に思われているみたいだけど、わざわざ軍にまでそんなものは持ち込まなくてもいいわ。ISは一部を除いては女にしか扱えないけど、あなたたちがISをちゃんと整備しているから私たち操縦者は助かっているもの」

「は、はい………」

 

 その隊員は力を抜いてしまい、倒れかける。それを隣の隊員が受け止めるが、その後ろでは倒れている隊員を軽く殴っていた。

 

「さて、イーリ?」

「………ご、ごめんなさい」

「私じゃなくて、彼に謝るんでしょう?」

 

 あまりの恐怖に少し震え始めるコーリングは殴られている隊員に謝った。

 

「ご、ごめんなさい………」

「ぐほっ」

 

 するとその隊員は膝をついてしまう。

 

「あら、大丈夫?」

「は、はい! 問題ありません!」

 

 先程のダメージはどこに行ったのか、どこか輝いた顔でその隊員は元気よく答えた。

 

「そう? もし体調が悪いならすぐに医務室に行ってね? 悪いなら遠慮なく休んでね?」

「わかりました! ありがとうございます、エン―――ファイルス中尉!」

 

 今にも黄金に輝きそうな隊員を見て「元気になった」と思ったファイルスは「悪いけど」と隊員たちに言った。

 

「この二人を借りていくわ。あの子の警備、引き続きお願いね」

「「「はい!」」」

 

 隊員たちの元気な返事を見て満足そうにコーリングとちょっかいを出していたフランクな男性を連れて実験場を出るファイルス。

 どこか満足そうに歩く彼女を見て連れ出された二人はため息を吐く。

 

「……あれって、本気だよな?」

「ああ、疑う余地もない」

 

 コーリングの言葉をそう肯定する男性。彼は先程の隊員と同じ整備班に所属する人間だが、知識が豊富で今回の試験運用に使われる軍用IS「銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)」の設計にも携わっている。

 それゆえ、軍から重宝される人材ということもあってこうして彼らが所属する部隊での少しの粗相も許されている。

 ちなみに彼はまた別のことも知っている。例えば、先程の隊員のダメージの理由などだ。

 そして今頃、先程の実験場で隊員たちは―――

 

「ああ、ヤバい。ヤバいぞあの麗しさは! 結婚してぇ!!」

「コーリング中尉の極度だがツンデレ具合はヤバいよな。……デレてはないが」

「ど、どちらも最高だ。やはり二人とも手中に収めるべき………神よ。何故一夫多妻制度とやらがアメリカで存在しないのですか!!?」

 

 さっきの真面目さはどこへ行ったのか、歓喜に満ちていた。

 

 

「しっかし、軍用ねぇ。確かアラスカ条約って奴では軍用の製作は禁止じゃなかったっけ?」

 

 コーリングがそう言うと整備士の男は鼻で笑った。

 

「所詮、ISは兵器って上は考えているんだろうよ。今頃考えたところで無駄だと思うぜ」

「でもよぉ………」

「例え軍用だろうと……あの子はあの子よ」

 

 先程までの態度はどこに行ったのか、ファイルスは怒りを顕わにしていた。

 

 この時、彼らは思っていなかった。これから行われる「銀の福音」の試験稼働中に機体の暴走が起こり、その操縦者であるナターシャ・ファイルス中尉ごと基地から離脱。あんなことになるなど―――その原因となる存在が機体に近づいているなど、考えていなかった。




ということで次回からはいよいよ例のあの人と悠夜が出会ってしまいます。
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