IS~自称策士は自重しない~   作:reizen

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なんだかんだで完成してしまった。
ですが更新不定期期間は続いています。


#70 第一回優勝者の実力

 その頃、東京の国際ゲームドームではSRs世界大会の日本第一区の大会が行われていた。日本で開発されていることもあって日本ではより多くの参加者が見込めることがあり、全国で10区から2人ずつ選抜される。次第に各国も地区を増やし、開催年数や大会数も短く、そして多くする予定だ。

 そして今日、そこに出場していた御手洗(みたらい)数馬(かずま)は呆然としていた。

 

「……何で……何で決勝で負けたんだよ、僕は」

 

 そう言いながら彼はザメザメと涙を流した。

 日本の……特に東京や横浜と言った参加人口が多い地域の場合、1回戦に5~6人の部隊戦を行ってから、そこからタッグ形式でランダムで選択された相手タッグと戦い、勝ち残った方をさらにランダムで1区に付き二つのトーナメント表が発表される。自分が入っているトーナメントで優勝すれば世界大会に出れる方式となっているが、午後からの第一トーナメントで彼は負けたのだ。

 

「そう落ち込むなよ。今度は再来年にするって話だし、それまでまた強いものを作ればいいんだって」

 

 友人の五反田弾がそう言うが、数馬は一向に泣き止む姿を見せない。

 

「だらしない。そんなことでいちいち泣かないでよ」

 

 その妹の蘭は厳しい口調で言うが、その言葉で復活した数馬は蘭の両肩に彼の両手を乗せた。

 

「それは君が「あんなゲーム、子供みたい」だとか勝手に決めて出場しなかったから言えるんだよ! やったことないのに勝手にふざけたこと言ってんじゃねえ!!」

 

 傷口に塩をたっぷりと塗られた反動からか、血走った瞳を蘭に向けて揺さぶる数馬。その形相と行動に慌てた弾は殴って止めた。彼は普段から殴って止めるなんてことはしないが、今回ばかりはそれくらいにまずかったのである。

 

「殴っておいてなんだが……大丈夫か?」

「ご、ごめん、弾。つい感情を暴走させちゃって……」

 

 数馬は申し訳なさそうに言うと、本来答えるべき人物である蘭ではなく弾が答えた。

 

「いや、正直な話、今回は蘭が悪いと思う」

「お兄!?」

「いやぁ、正直な話、あのゲームってマジで面白いな。IS(インフィニット・ストラトス)/VS(ヴァーサス・スカイ)も好きだが、こっちはこっちでまた違った面白さがある」

「じゃあ、弾も本格的に一式買ってみたら? そうしたらビット操作もできるからさ」

 

 先程の泣きそうな顔をしていた彼はどこへ行ったのか、相手が同性だという事も忘れて弾に迫る数馬。

 

「そんな金、ウチにはありません」

 

 家族の代弁をする蘭の言葉を聞いた弾は盛大にため息を吐いた。

 

「まぁ、最初は結構割安だったけど、今では何万もするもんな」

「大丈夫だって。半月以上コンビニでバイトをすれば余裕で買える」

「お兄にそんな時間ないわよ」

 

 それを聞いた弾は顔を引きつらせ、数馬は同情的な視線を向けた。

 

「いや、あるだろ! っていうかお前に構っている暇のほとんどを回せばあるっての!」

「……へぇ~」

 

 それを聞いた蘭の瞳が怪しく光ったことで弾は怯んだ。

 弾は五反田家の中で一番ポジションが低い。「男の子」ということもあるが、何よりもこの世界なら普通ならば味方になってくれてもおかしくはない祖父が蘭を溺愛しているため自然と優遇される。そして蘭が買い物に行こうとするならば絶対と言っていいほど弾が護衛兼荷物持ちとして付いて行かされるのだ。祖父の(げん)曰く「護衛としてはからっきしだがいないよりマシ」らしい。

 

「……俺、絶対に一人暮らしするんだ」

「……頑張れ」

 

 蘭に聞こえないぐらい小さな声で呟くように言う弾に、数馬はそっと肩に手を置いた。

 

「それに、大体そんなゲームやおもちゃを買って何になるのよ。どうせ結果残せず無駄遣いするだけでしょ」

「まぁ、確かに結果は残せなくても思い出になるし、何よりもこういうのをしていれば予め戦い方とか自分なりの攻め方が確立するからアドバンテージがあるんだよ。去年の世界大会の準優勝者「KAN-ZAN」も今は代表候補生で専用機持ちの更識簪だし、あの人、結構強いって話だし。蘭ちゃんも少しはやってみればいいさ」

「でも、全体的にダサいじゃない」

 

 すると数馬の中で何かが割れたようで、再び彼女の両肩を掴んだ数馬はそのまま揺さぶった。

 

「じゃあ自分で最初から作れよ! あのガン○ル一期のヒロイン「コウ○カ・チ○」だって自作で「べアッ○イⅢ」を作ったんだよ! そっからしろよ! してから言えよ!」

「ちょっ、お兄、助け―――」

「なぁ、せっかくだしこれからショップに行かねえ? 模型店ならたくさんあるだろうし」

「お兄っ!?」

 

 妹を完全に無視して二人は近くの模型店へと向かう。その模型店は大きいこともあって至る所に広告用のディスプレイもあり、それでは今大会のPVが流れていた。

 

「そういえば、これって前大会の優勝者の機体だっけ?」

 

 今回のタイトルロゴの一部となっている機体を指して弾が聞くと、数馬は頷いた。

 

「そうそう。正式名称は「堕天機神ルシフェリオン」って言って―――」

「だ、ダサくないですか!?」

 

 付いてきた蘭がそう言うが数馬は相手にしなかった。

 するとタイミングがいいのか悪いのか、映像では相手の機体諸共地球を破壊するシーンが流れた。

 

「あ、これかぁ、ネットで騒がれていた「絶対にありえないシーン」って」

 

 弾の言葉に再び数馬は頷いた。

 

「うん。「リアル規格のルシフェリオンが地球を破壊するほどの出力を持つ砲撃を出すことなど不可能」って世間一般で言われているし、大幅アップデート後、ルシフェリオンが現れなくなったことで「バグを知ったプレイヤーがズルして勝った」って言われてるよ。まぁ、確かにあの件を知らなかったら僕もそう思っていたんだろうけどさ」

「あの件?」

「うん。実は3年前、写真でだけど中身を見せてもらったんだよ。そしたらすごかったよ。コクピットブロックとか作られているし、エンジンも精巧に作られていて、配線なんかも拘ってたんだ。いやぁ、あれはすごかった。それに実際重かったし、振ろうとしたら懇願されたんだよ。「振るのはマジでやめてくれ」って」

 

 急に語り出した数馬に対して少し引き気味になる五反田兄妹。だが、日頃時間を見つけてはプラモ相手に四苦八苦している弾はその凄さと異常性に気付いた。

 SRsは正式名称「スーパーロボッツ・バーサス」通り、様々な作品のロボットを使って戦うゲームだ。だがグルンガ○トやマジ○ガーZのようなスーパー系と呼ばれる機動力がない代わりに装甲が厚く、攻撃力が高い機体もあれば、ガン○ムやヴァル○リーのようなリアル系と呼ばれる装甲が薄い代わりに機動力が高く、一発一発の攻撃力よりも連撃を重視している機体もある。それらのプラモはすべてSRsが発売されて半月後に連動稼働商品として販売されるや否や、生産した分の9割は完売し、各模型店で売り切れが相次ぐほどだった。

 そしてそれらに様々な細工をする場合、より高度な技術を必要とするので普通ならばしないが、完全オリジナル機体として発表するならば推奨されている。もっともする人間なんてごく少数で、大抵は数馬が持つ「RX-78」をA○E1グランサのような改造を施すなど、存在するものを少し改造する程度だ。

 感心する弾の横で、蘭はあることに気付いた。

 

「ちょっと待って。数馬君、これを作った人とコンビ組んだの!?」

「うん。1回戦の部隊戦なんてすごかったから。最初は動かなかったけど、こっちの部隊が壊滅しかけた時にようやく動いたかと思ったら、1分ぐらいで相手を全滅。それで最初の通り名「戦場の死神」が付いて、その次のタッグ戦で黒い粒子ビットを球体状に展開して一人で潰したことで「黒い凶星」の名が付いたんだよ」

 

 自分のことではないのに自慢げに話す数馬。それを見た蘭は再び引いたが、ここで一般的に名が通っている世界最強を話題に出した。

 

「でも、千冬さんの方が強いでしょ? 機体性能が良くってもって聞くし」

「………」

 

 そこで数馬が黙ったが、やがて口を開いた。

 

「……悪いけど、そればかりは否定させてもらうよ」

「? どうして?」

「真面目な話、いくら千冬さんが強くてもあの人の強さは別格だ。確かに機体性能でも暮桜の方が圧倒的に下だけど、それだけじゃない。千冬さんは見える敵に対して素早く移動して斬るってのが基本スタイルなんだけど、ルシフェリオンは音もなく消えたり、残像を残して移動したり、それでいて近接戦が最も得意なんだ。そしてなによりも、強者を欲しているんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「———やれやれ。面倒なことになったな」

 

 そう言った悠夜は操縦者と思われる女性を捨てる。それを鈴音が受け止めると同時に文句を言った。

 

「ちょっと! 危ないじゃない!」

「んなもん知るか。そいつを連れてとっとと帰還してくれ。邪魔だ」

 

 先程の魔王口調はどこへ行ったのやら、いつもの口調へと戻っていた。

 まるで朝になったかと錯覚させるほどの神々しい光が消え、福音の全貌が顕わになる。

 第二形態(セカンド・フォーム)の福音は二基のウイングスラスターの代わりに非実体のウイングを備えていた。だが、第三形態(サード・フォーム)は紅椿との交戦データもあるからか、所々に展開装甲が加えられていた。

 

「さしずめ、悪魔に制裁を下しに来た正義の天使ってところか?」

 

 だが福音はそれに答えない。それどころか悠夜に背を向け一直線に下降した。

 

「———ああ、そういうこと」

 

 

 

 

 今、海面では鈴音が福音の操縦者「ナターシャ・ファイルス」を抱えて風花の間へと向かっている。簡易だが、それでもほぼ一般医療施設の設備が整っているため、状態を見、ある程度の措置ならば取れる。

 そして鈴音の後ろにはエネルギーが回復したため、セシリアとシャルロットが同行している。

 

「———そんな!? 鈴さん!」

 

 後ろからそんな声が鈴音の後ろから聞こえ、ハイパーセンサーを使って後ろを確認した。だがその時には既に彼女と福音の距離はそこまで離れていない。そして―――福音は《ジャッジメント・ランス》を展開して鈴音に突き刺した。

 

 

 

 彼女―――篠ノ之束が福音にそう指示したのはかなり単純な理由だった。

 それは4月下旬の話。凰鈴音は二つのアドバンテージを持って転校していた。

 

 ———一つ目、箒が転校してから中学二年まで共にいる

 ———二つ目、専用機持ちであるため、IS学園で行われている長い手続きを無視してすぐに練習に参加できる

 

 体型は言うまでもなく箒の方が優れている。だが、中学二年―――つまり1年のブランクはあるもののほとんど最新の情報を持っていると言っても過言ではないほど鈴音は一夏に対して有益な情報を持っているのだ。さらに、そのブランクも日頃から一緒にいる男子二人とも仲が良いため、仕入れようと思えばいつでも仕入れれる。束もやろうと思えばできるが、彼女の場合、そもそも自分が「自分のお気に入りの友人」というだけの凡人と接するはずがない。

 そういうこともあり、束は邪魔であると判断した鈴音を殺す―――もしくは潰そうとした。

 だが、その目論見はまたも外れる。

 

 

 

「———よっと」

 

 福音と鈴音の間に割って入った悠夜は突き出された槍の軌道を逸らす。

 

「ゆ、悠夜……アンタ……」

 

 悠夜が振り向くと同時に風が吹き、鈴音にだけだが前髪が顕わになった。

 

「ほら、早く行け。時間は俺が稼いでやる」

「………う、うん。ありがと」

 

 そう言って鈴音は悠夜に言われた通りそこから離脱する。

 だが福音はなおも鈴音を追うため悠夜をやり過ごそうとするが、そのたびに福音の攻撃はいなされ続けた。

 そしていざ悠夜が反撃に転じようとした瞬間、福音に赤いカッターのようなものがぶつかる。

 

「加勢するぜ、悠夜!」

 

 そう言った一夏は《雪片弐型》を福音に振り下ろすが、その攻撃を悠夜が受け止めた。

 

「悠夜!?」

「貴様、邪魔をするな!!」

 

 後ろから箒が近接ブレード《雨月》で悠夜に向けて攻撃する。だが悠夜はあえて受けるもダメージを見せなかった。

 

「この―――」

「待ってくれ箒! 悠夜、どうして邪魔なんか―――」

 

 質問の代わりに帰ってきたのは蹴りだった。

 悠夜を信じ切り、攻撃してこないと思い込んでいた一夏は無防備に吹き飛ばされる。

 

「一夏!?」

 

 箒はすぐに一夏を助けに向かう。それを見た悠夜はいつの間にか離れ、力を溜めて自分のすぐ上に光の球体を生成している福音を目撃する。

 そして福音はそのまま悠夜に向けて野太い熱線で発射。だが悠夜はその場から姿を消し、寸でで気付いた箒が一夏を抱えて離脱した。

 

「———ちっ」

 

 悠夜は舌打ちしつつも、大型のライフルを展開して福音に向けて撃つ。一度銃口手前で生成された球体から破壊力があるビームが福音に向けて飛んで行った。だが福音はその場で滞空し、その攻撃を防ぐかのように別の機体が乱入してきた。

 それらは一機一機違う形をしており、獅子型、武士型、狙撃手型、アサシン型、と思われる形をしていた。

 

「…………」

 

 悠夜は黙る。だが、絶望ではなく浮かべているのは笑みだった。

 

「………やれやれ。別にここまでしてほしいなんて頼んでいないのだがな。ホント、ナイスな展開だぜ!!」

 

 そう言った悠夜は一夏と箒の方に向かず言い切った。

 

「テメェら。死にたくなければさっさと帰れ。さっきから邪魔だ」

「邪魔だと!? ふざけるな!! 私たちはまだ存分に戦える!!」

「そうだぞ、悠夜。それに、この状況で悠夜だけを置いていくわけには行かないさ」

 

 一夏たちの言葉に悠夜は舌打ちをすると、アサシン型の黒い機体が一瞬で悠夜の前に現れ、持っている短剣を振り下ろす。

 

「悠夜!!」

「アンタの思い通りには―――させない!」

 

 悠夜は素早く手をクロスにして受け止める―――寸前に手の甲の装甲で刃を破壊した。

 

「何!?」

 

 箒が驚いている間に悠夜は姿を消し、アサシン型の背後に回る。瞬間、悠夜に向かって獅子型からビームが飛んできた。

 

「うぉおおおおおッ!!」

 

 予め気付いていた一夏が悠夜を守るために第二形態(セカンド・フォーム)になって新たに追加された多機能武装腕《雪羅》をシールドモード『霞衣(かすみごろも)』にして割って入ろうとした。

 

「邪魔だ」

 

 だが悠夜は一夏を蹴り飛ばして射線上から退避させる。既に悠夜もアサシン型を持って離脱していた。

 

「貴様! せっかく一夏は貴様を守ろうとしているのに、それを蹴るとは何様のつもりだ!!」

 

 箒は怒り、悠夜に対してそう言った。

 だが悠夜にとって一夏の行為は邪魔でしかない。ましてや彼にとって自分の人生を潰された人間に助けられるのは屈辱以外の何ものでもないのだ。

 

「黙ってとっととそいつ連れて帰れよ! 邪魔だって言ってるだろうが!!」

 

 負けじと叫び返し、武士型の刺突を《ディス・サイズ》でいなす悠夜。すると箒も言い返した。そしてそれは、悠夜にとってもっとも屈辱的なものだった。

 

「黙れ!! そのような不格好なものを乗ってきて、挙句帰れだと!? さっきまでいなかった者が、調子に乗るな!!」

 

 瞬間、悠夜の怒りが許容範囲を超えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ■■■

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その頃、一機の輸送機が福音がいる空域に向かって飛行している。

 その輸送機は通常の運搬機とは違って大型で、高速機でもあるためかなりのスピードを出していた。

 中には操縦者と管制官、そして今回の任務に当たっている二人の操縦者がいた。

 

「そろそろ戦闘空域に接近します。コーリング中尉並びにサーシャス中尉は戦闘態勢に入ってください」

 

 管制官がそう言うと二人は「了解」と言ってイーリスはISようカタパルトで、そしてアルドは緑色の機体―――E(エクステッド)O(オペレーション)S(シーカー)に搭乗する。

 

「しかしアルド、テメェ本気でそんなもんで出る気かよ」

 

 イーリスがアルドにそう言うと「もちろん」と答えるアルド。

 

「安心しろって。俺はあれ以上の化け物を知っているからな」

 

 そう言ったアルドは入念に準備をする。

 今回彼が使用するものは基地で使用したものの旧式であり、あくまで援護を想定した行動になる。周囲は止めたがアルド自身が「関わった以上、関係者として参加するのは義務だ」と強く言ったこともあって条件付きだが許可を認められた。そのための改修作業がつい1時間前ほどに終わり、今こうして任務に参加しているわけだ。

 

『戦闘空域の映像をキャッチしました。出しますか?』

 

 先程イーリスに八つ当たりされた管制官がそう言うと、アルドが「やってくれ」と答える。

 するとえEOSに備わっている投影システムを使用して戦闘中の映像が現れた。だがその映像には時たまノイズが走っており、今にも映らなくなりそうだった。

 

「………作戦司令部だけっか? そこにつなげられるか?」

『は、はい。少しお待ちを』

 

 しばらくするとアルドの耳に女性の声が届いた。

 

『こちらIS学園、織斑千冬だ。そちらは?』

「アメリカ軍所属、アルド・サーシャスだ。聞きたいことがあるんだがよぉ、テメェはゲームはするか?」

『……この非常時に一体何の話だ』

「良いから答えろ」

 

 千冬の言葉に対して少し声を低くしてそう言うと、千冬は「いいや」と答える。

 

『生憎私はこれまで「鬼ごっこ」のようなものしか知りません』

「じゃあその黒い機体の説明は無理か。悪いことは言わねえ。赤のと白いのは学園のものだな。今すぐ下がらせろ」

 

 映像には黒い機体がアサシン型の機体を持った状態で白式、紅椿、福音、武士型、獅子型、狙撃手型と交戦している。

 

『通信が繋がらない状態です。すぐにはできません』

「…………そうか。じゃあ、その二人は運がなかったと思って忘れろ」

『何?』

 

 その言葉で先程から敬語を使っていた千冬が素の口調へと戻る。

 

『あの機体のことを知っているのか!?』

「ああ。知ってるも何も、俺はあの機体に恐怖を植え付けられたからな。悪いがブリュンヒルデ、俺たちは任務を停止し、そちらへと移動する」

「———おい!?」

 

 今まで黙っていたイーリスが通信に割って入る。

 

「テメェ! 恐怖心を植え付けられたからって任務を放棄するかよ!? ナタルをこのまま放置するつもりか!!」

「そうだと言ったら?」

「ふっざけんなよ!? 高がゲームの機体で臆病風に吹かれてどうするんだ! あんなもん、アタシがこの手で潰してやらぁ!!」

 

 だが、強気だったイーリスもアルドの一言で静まり返った。

 

「別にいいが、あの機体、実際はどうだか知らないが、ビームをぶっ放している今の段階で出力10%前後ってところだからな」

「『は?』」

 

 その言葉にイーリス、そして千冬を含め聞いていた教員たちが固まった。




まさかの70話を超えても終わらないんですが。
一応、原因は把握しています。でも上の部分があったら盛り上がるかなぁって思って乗せたんです。

個人的にあのトリオは
一夏……痛い突撃馬鹿
弾……主に奴隷要因
数馬……冷静なフォロー係

そんな感じになっています。
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