月一に更新したいけど、時間がない(笑)
まぁ、書いていて思うことは「どうしてこうなった」なんですけどね。たぶんここよりもグロく、物凄く不快だと思います。
それはともかく、アルケーガンダムは腰近くの物を付けなかったらほとんど木の棒を合わせたような感じって言うね。HG作って驚いた。
第三アリーナ。そこでは珍しく人がおらず、俺たちの貸し切り状態にできた。
目の前にいるのはラウラであり、
黒鋼が一般的な一対多を目的とした大量破壊兵器としたら、恐らく雨鋼は一対一を連続して行う別の意味での一対多を目的としたものだろう。ほかにラウラがドイツ出身ということもあってか手首には何かが備え付けれているようだ。
「兄様、私とあなたの差はわかっているつもりですが……全力で来てください」
「……………」
どうしよう。真面目な話、ISだと俺たちってあまり差はないんじゃなかったっけ?
「…どうしました?」
「いや、なんでもない。それに他の奴らならともかく、ラウラや簪が相手の時ぐらいは全力を出すさ」
機体性能も含め、二人は油断ならないからな。楯無の場合はアイツは性悪だし。ま、サファイア辺りは適当にしていても勝てると思うだろうが。……と言うのはさすがに冗談だ。
そもそもケイシー先輩もサファイアも、そして楯無も戦い方…というよりも機体が特殊だからな。魔法使いを相手にしていると考えれば少しは楽なんだがな。あくまでも気持ちだけだ。
「そうですか。では、遠慮なく―――」
いきなりトップギアで突っ込んでくるラウラ。格闘戦に持ち込む気らしい。
俺は体をねじって避ける。
「何の!」
両肩の装甲が開き、ミサイルが―――違う、これは手裏剣だ。
(くそ、頭にゲルマン忍者が出て来ちまった)
同じドイツ関係者だし、なくはない……なんて馬鹿なことを考えながら避けるが、その手裏剣はホーミング機能があるらしい。無理に追って来れない場所へと移動したはずなのに、手裏剣がこっちに飛んできた。
「隙あり!」
するとラウラが目の前に現れ、俺に警棒のようなものを振り下ろした。それに対応するために、すかさず《蒼竜》を展開して防いだ。
(金属……いや)
危なかった。武器のチョイスは間違いではなかったようだ。
特殊な金属を使っているからか、《蒼竜》はビーム系の武装を防ぐことが辛うじてできる。そしてそれは、ラウラが持つ特殊な警棒も例外ではない。
「ヒート警棒?」
「ヒートロッドらしいです」
つばぜり合いを止めて距離を俺たち。だが着地してラウラを見ようとするが、既に彼女の姿はなかった。
(……一体どこに?)
完全に消えた? ISにはステルス機能は存在するが、確かそれはIS条約で対戦では使用禁止となっているはずだ。
(それこそ本気ということかよ)
だが、いくら透明になろうともサードアイの前では無力だ。
「開眼」
視界がぶれてシステムの起動を確認する。
「丸見えだぜ、ラウラ!」
《デストロイ》のハッチを開いて無数の光弾を放ちまくる。
「———ええ、知っています。ですが、この機体もメタルシリーズです」
すると肩部から筒状のものが現れ、そこから熱線が飛んできた。俺はそれを回避して《アイアンマッハ》で潰しにかかる。
「そして、これにはあなたが知らない物が搭載されている」
手首に何かを展開したラウラは右腕を伸ばして何かを撃った。それが俺の目の前で爆発し、視界がブラックアウトしてしまう。
「これはまさか……」
「サードアイ封じ。レーゲンを使用していた時の私と同じと思わないでもらいたい!」
クソッ、視界が回復しない。
ISを展開するとハイパーセンサーを通して物を見る。そしてサードアイはそのハイパーセンサーにさらに眼鏡をかけるようなもので、それが封じられては何も見えない。
(同じ「雨」なのに………ここまで違うとはな)
内心舌打ちしていると、ラウラが挑発してきた。
「この程度ですか、あなたは!」
「………いいや、まだだ」
だがこの程度、生憎俺には通じない。
おそらくラウラもこの程度で俺を倒せるなどとは思っていないだろう。
「ならば、これで―――」
「サードアイ、オフ」
そして視界が回復されるはずだが、どういうことか視界が回復しない。
「言い忘れていましたね。このサードアイ・クラッシャーを使用した場合、サードアイ・システムが自動的に発動する仕組みになっています」
「………なるほど、黒鋼が奪われた時のことを考えて、か」
「はい」
仕方がないとはいえ、一度黒鋼を奪われている身としては何も言い返せない。
しかし俺を実験台にするとは人が悪い。後で二人にはおしりぺんぺ………アイアンクロ………うん、なんとかしよう。
「さっきはああ言いましたが、流石に目を奪われては抵抗はできないでしょう。降参を―――」
「おいおい、そいつは早計だぞ」
俺は思わずニヤリと笑った。
■■■
外から見れば黒鋼がサードアイを使用した時に黒い線で描かれた瞳の形をした模様が浮かび上がる。それがサードアイを封じた「サードアイ・クラッシャー」のせいか赤い線に変化していた。
(兄様が笑った……)
朱音が十蔵にサードアイ・システムを悪用させないためのシステムを開発するようにと言われている時、近くにラウラもいた。そして実験台に悠夜を選んだのも十蔵であり、二人はそれに対して猛反発するも結局は押し切られた。曰く「本当は人が死ぬほどの高出力のスタンガンを当ててみたいのですがねぇ」と意味深な言葉を言われたため、「まだ少しだけ目が見えなくなる方がマシ」という結論に至ったのである。
そしてそれは「内密に」という条件だったこともあったので、二人は仕方なく黙って攻撃した。
「なら、勝たせていただきます!」
ラウラは雨鋼の手首に装備されているリングから伸びてきたバーを掴み、さらにコンピュータ制御で《ヒートロッド》がリングにできている窪みにはまったことを確認し、悠夜に接近した。
(これで―――!)
ラウラは《ヒート・トンファー》を振り下ろそうとした瞬間、悠夜は手を伸ばす。そしてそれが―――ラウラのふくらみかけの胸に触れる。
「に、兄様!?」
『お兄ちゃん!!? ちょ、対戦中に何してるのよ!?!』
黙って観戦していた朱音も思わずインカムを使用して叫んでしまうが、ラウラにはもう胸を掴まれた動揺はなかった。
「ゼロ距離なら、当てられる!」
だがその拳はラウラの顔に近づくも、途中で止まった。
「……に、兄様……?」
悠夜は拳を降ろして、掴んでいた胸も離す。
「どうしてです、兄様! 今のは攻撃してもおかしくない状況です!」
「………その、だな」
悠夜は口を動かして何かを言おうとするが、恥ずかしいのか顔を赤くして閉ざしてしまう。それから数秒して口を開き、はっきりと言った。
「ただ実験台にされたからって理由で、今のラウラを殴ることなんてできない」
「……それは……私が弱いからですか?」
「……………」
さらに顔を赤くする悠夜。
そう、今回殴らなかったのは、ラウラが弱いから同情したとかではない。むしろ悠夜はあの時点で本気を出そうとしていたぐらいである。
それでも殴らなかったのは、単純に―――
「ああ、もう無理!」
「はい?」
叫ぶとほとんど同時に「サードアイ・クラッシャー」の効果がなくなり、悠夜の視界が明るくなった。すると悠夜は雨鋼を展開したままのラウラをそのまま抱きしめる。
「ちょ、兄様!」
『ラウラずるい! 私なんて最近そんなことされていないのに!』
「今はそんなことを言っている場合ではないだろう!」
二人がそんなことを言っていると、理性が崩壊したのか悠夜はそのまま強く抱きしめ、虚ろな瞳を向けながら語り始めた。
「そもそも常日頃から尻尾を全力で振りまくって近づいて来るような女の子をいくら模擬戦で絶対防御があろうがなかろうが殴るなんて論外すぎる。それにいくらあんなことをされたからと言って、それでキレて殴るなんて俺にはできない!」
さらに強く抱きしめたことで、ラウラの方がいよいよ限界を迎える。
(落ち着け。こんな機会はめったにないんだ。むしろ今ここで拒絶したら、私が兄様に嫌われる!)
そのシーンが脳内で再生されたことで自分にショックを与えるラウラ。自分から離れていき、自分が知らない女と去って行く悠夜の姿を(自分で)見たラウラは涙を流し始めた。
(……それは嫌だ!)
するとラウラも悠夜を抱きしめ、涙を流しはじめた。それを見た悠夜は抱きしめていた腕を緩くし、ラウラの頭を撫で始める。
———そんな時だった
『お兄ちゃん、Bピットに高エネルギー反応! 逃げて!』
通信が入り、悠夜はそこから移動する。するとさっきまでいた場所が爆発を起こした。
「………凰か」
「久しぶりね、悠夜」
Bピットのカタパルト射出口には鈴音が甲龍を纏った状態で立っており、今もエネルギーをチャージしている。
「何の用だ?」
「アンタと戦いに来たのよ。アタシ自身の中にある何かと決着をつけるために」
そう言って鈴音はそこから飛び出して《双天牙月》を展開して悠夜に斬りかかる。悠夜はラウラを捨てて《蒼竜》を展開して受け止めた。
「流石ね、周りは理解していないみたいけど、実質学年……下手すれば学園最強の実力は持つだけあるわ」
「そこは世界最強って言っておけよ。ISで取る気はないけど―――な!」
力で弾く悠夜。鈴音はその勢いを利用して距離を取りつつ甲龍の第三世代兵器「衝撃砲」《龍砲》で悠夜に仕掛ける。悠夜はそれをここ最近身に着けた勘で回避するも、やはり勘のみではすべて回避することは無理なようだ。
(こいつ、今まで手加減していたのかよ)
繰り出される衝撃砲の数、そしてその狙いが的確で苦戦を強いられる悠夜。
「いっけぇええええ!!」
最大出力―――とはいかずともそれなりの威力となった衝撃砲が発射される。悠夜は《デストロイ》を起動し、拡散式の光弾を飛ばして爆発させる。
(これなら、サードアイがなくても―――)
意外とサードアイが封じられたことを気にしている悠夜。爆発を起こして見えない衝撃砲を対応しようとするが、それを瞬時に見抜いた鈴音はわざと拡散させて混乱させた。
「それでも、アタシが勝つ!」
そして煙を突っ切って鈴音は現れ、悠夜に斬りかかる。それを回避する悠夜だが、鈴音はすかさず左手にバックルを展開して鎖を飛ばした。
(こいつを使えば―――)
飛んでくる鎖を悠夜は掴み、引っ張ろうとした瞬間に全身に電撃が走る。
「兄様!」
「手持ち式の《
「そうかな」
黒鋼の手が光った瞬間、鎖が爆発を起こした。
「え? ちょ―――何で!? 結構高い電圧を浴びせたつもり―――」
「まぁ、確かに凰の攻撃は効いた。だが悪いな。俺もこいつの威力は試してみたかったんでな」
そう言って悠夜は改修された自分の両手の掌を眺める。その眼は何かを愛するような目だが、今も例の眼鏡をかけているので周りからは見えない。
「………ねぇ、いくらなんでも黒鋼ってもう大会規定に違反してんじゃないの?」
「正しくは「規定
(もっとも、凄いのは朱音ちゃんだけど)と内心補足する悠夜。それを聞いた鈴音は一瞬顔を赤くし、周りに聞こえないように小さく言った。「やっぱり」と。そして鈴音は悠夜。
「ねぇ悠夜、こんな時に言うのもなんだけどさ」
「……あ?」
「アタシ、やっぱりアンタが一人の男として好き」
それを聞いた瞬間、悠夜の思考は止まり、ラウラからは殺気が漏れ始め、朱音はさっきの戦闘データを消し始めた。
「貴様、まさか政府から言われて兄様を取り込むつもりでそんなことを言っているのか!」
「違うわよ! っていうかアンタが来る前から悠夜のことはちょっと気になったりしてたっていうか………」
鈴音の顔がますます赤くなっていき、さらに恥ずかしさ故にとうとうラウラに八つ当たりを始めた。
「羨ましかったのよ! アンタもあの更識って子も、アタシと同じでそんなに胸がないのに、仲が良いっていうかちょっと度が過ぎても意識してくれるし、普通に優しく扱ってくれるし―――」
「織斑も優しい方なんじゃないか?」
「アレに「女」として意識されたことなんてないわよ!」
「……マジで?」
何気なくした質問に返された答えを聞いて現実に戻された悠夜。さっきの言葉を聞いて改めて鈴音を観察するが、(確かに体型は幼いしなぁ)とは思った。
「まぁ、何が言いたいかっていうとさ―――」
凰が悠夜に突っ込み、押し倒しながらも悠夜とキスをした。
「き、貴様ぁあああああ!!」
ラウラが後ろで激昂するが、鈴音はお構いなしにキスを続ける。そしてようやく唇を離したが、
「アタシにも、アンタに甘えさせなさい!!」
「兄様! どうして私とはキスしてくれないのにそんな女とはキスをするんですかぁああああ!!!」
鈴音の突発的な告白から始まり、段々とカオスになってくる第三アリーナ。
それを管制室で見ていた朱音は、どこか微笑ましそうな顔をしていた。
「あなたは行かなくていいの?」
いつの間に現れたのか、朱音と同じくらい……いや、それよりも幼く感じる黒いオーラを纏っている少女が朱音に声をかける。
「うん。中国の代表候補生がいるからね。クロこそ、いいの?」
「クロ」と呼ばれた少女は一瞬驚くが、首を振ってこたえる。
「私は別にいいわ。彼は期待通りに動いてくれるし」
「………お兄ちゃんをどういう風に扱うつもりかわからないけど、あまり舐めない方がいいよ」
「忠告ありがとう。でも大丈夫よ。私だって死ぬつもりはないし、彼がこのまま暴れるだけで私の利益になるから」
そう言ってクロはその場から消えるのを見て、朱音はぽつりと言った。
「クロはもう少し素直になってもいいと思うんだけどなぁ~」
■■■
夏休みが始まって二週間。楯無たちが戻ってきた。
ようやく帰ってきたかと思ったら、急に呼び出しを食らってしまう……俺、何もやってないのになぁ。
「しかし、一体何の用なんでしょうね? 事と次第によってはどうにか処理しないと―――」
「いや、しなくていいからな」
まぁ、一応あの二人も日本所属の暗部だし、楯無に至ってはロシア所属の国家代表でもあるから警戒はしておいた方が良いだろう。俺の性欲的なことも含めて、な。
凰も凰でおかしいし、俺って何かそういうフェロモンでも出しているのだろうか。
(…織斑に対して何も言えないな、このままじゃ)
いや、でも学園のほとんどが姉のことも含めて織斑派だし? 副担任も(たぶん)敵だけど俺にはラウラがいるから大丈夫だ、問題ない。……何が問題でそうでないかはわからないけどさ。
「でもお前、簪や本音と仲良くなっているんだろう? だったらそういうことは別に考えなくてもいいんじゃないのか?」
「確かにあの二人は仲良くしてくれますが、兄様が優先です」
その考えを是非反対したい気分だ。
俺はため息を吐く。しばらくすると目的地である生徒会室が見え、俺たちは部屋に入る。そこには生徒会のメンバーである楯無に虚さん、それに簪と本音がいた。
俺たちは来客用のソファに座ると、楯無は妹の前だというのに挑発するようなことを言ってきた。
「ただいま、悠夜君。私がいないと寂しかった?」
「どうやらあのことを知っている奴が多くなったようで、あまり攻められることがないからつまらないな」
「……そりゃあ、壁を壊すような化け物を相手にしたいとは思わないんじゃない?」
「そうか。それならいっそのことどこかの国を破壊しておけば良かったな。怒り狂った奴らをあざ笑いながらルシフェリオンで潰すのは面白いからな」
そう言うとラウラが震え始める。簪も呆れているから「冗談だ」と訂正しておく。
「本当にしないわよね? 聞いた話だと、ルシフェリオンってそんなことは余裕でできるんでしょ?」
「とある遺児の逆襲計画を余裕で回避できる程度にはな」
楯無にそう答えると、どうやら知らないのか首を傾げた。
「………まぁ、雑談はこれくらいにして本題に入るわね」
誤魔化すようにそんなことを言う楯無。絶対に何かわからなかったな。
「悠夜君、ラウラちゃん。生徒会に入ってくれない」
「絶対にノゥ!」
反射的にそう答えた瞬間、簪は一人身をよじって笑った