どうしてこうなった日記~ぐだぐだ人生録~   作:花極四季

11 / 20
リアルで色々あったようなそうでもないような気がして遅れた。

いやぁ、ぐだぐだ本能寺は強敵ですね(ノッブ宝具5が廃人仕様、問題多発によるプレイ時間の制限etc……)
そんなことより、うちにおき太がいないんじゃが……。なんじゃクソゲーか。



幕間の物語~嵐の前の団欒~

○月z日

 

昨日は色々あった。

理子ちゃんの召喚ではランサーのクー・フーリンが召喚され、自分の時はモードレッドが召喚された。

那岐知ってるよ、モードレッドって、ブリテン崩壊の一手となった人物だよね。

……やっべぇ、とガチで思った。

それでなんかモードレッドがリリィに必死に何か叫んで詰め寄るものだから、つい武力行使で黙らせてしまった。

今にして思えば、安易な行動だった。リリィが危ないと思うと、つい反射的に……。

その時は後日謝ろうと意気込みつつ、なんやかんやでリリィとモードレッドが二人きりでOHANASHIしたいって言うから、不安はあるものの見送った。

それにしても、モードレッドは随分男勝りな性格をしていた。

見た目はリリィとそっくりなのに、何か違和感。

 

それから、ふと召喚サークルの方に目をやると、何かが落ちていることに気付いたので、拾ってみる。

それは、グリップ部分がバイクのハンドルのようになっている、自分の身の丈ほどはある片刃の機械で出来た剣だった。

……ヤダ、カッコいい……!!

何か、男の浪漫を詰め込んだ感じが凄い。機械の剣って、男の子だよな。

当然、それに興味を持つ理子ちゃんを初めとした面々。

ロマニ曰く、聖晶石を本来の必要数の倍を投入したことで、副産物として召喚された可能性のあるものだとか。

ぶっちゃけ、そんなことはどうでもよくて。一刻も早く、どんな仕組みかを調べたかった。

そんな理由でけんもほろろな態度を取っていると、ランサーが性能を試すと言う理由で模擬戦を申し出て来た。

え?ヤダよ。そんなこっちの希望とは裏腹に、ロマニやダ・ヴィンチちゃんが観戦モードに入ってしまい、そんな空気が伝播したことで、最早逃れられないモードにまで発展していた。

特に理子ちゃん、そんなキラキラした目で見ないで。眩しすぎて死んじゃうから。

 

そうして、ランサーと自分はアリーナにいる。

このアリーナ、サーヴァントの性能確認の為に建造された設備らしく、かなり丈夫らしいので暴れてオッケーとのこと。

やめてください、しんでしまいます。

しかし、戦わないという選択肢もない。

それに、決して自分にとっても悪い話ではない。

これからは自分も最前線――まではいかなくても、戦いに駆り出される機会が出てくるのは確定している。

だったら、模擬戦という形で自分に宿っている未知の能力の使い方を学べた方が、いざって時に生き残れる確率が高まるだろうし。

手加減して欲しい、と伝えたら意味深に笑うだけに終わった。……この時点で、嫌な予感をひしひし感じていた。

 

いざ始まった模擬戦だが、結果だけ言えばドローだった。

と言うのも、ランサーがこちらの気持ちを汲んでくれたおかげで、自分の能力でもなんとか拮抗できたのだ。

縛りという訳ではないけど、模擬戦の条件の中にさっき手に入れた機械剣を使うことが挙げられていたので、こんな馬鹿でかい剣でランサーの攻撃を捌けるかどうか不安だった。

実際、捌くのは無理だった。ただ、ランサーが手加減してくれていたことが功を奏し、攻撃を避けることは十分に可能だった。

馬鹿兄貴がミリオンスタンプだったかほざきながら木刀で突いてきた速度よりも多少速い程度だったので、マイボディがハイスペック化と合わさって回避することが出来た。

しかし、それでは防戦一方。痺れを切らされてもこちらが困るので、何とか攻撃に転じようとするも、上手くいかない。

槍は懐に入れば攻撃できない~なんて聞くけど、プロの槍兵なめんな。無理だから。

一瞬の隙をついて少し距離を取るも、ランサーは瞬時に肉薄してくる。

ヤベェ、と思って剣を握る力が強くなると、ドゥルン、てな感じの音が鳴った。

それが機械剣のハンドルを回したことによって鳴った音だと気付いたのは、突然暴走を始めた機械剣に振り回されてからだった。

何か滅茶苦茶な馬力と、過剰熱によるオーバーヒートで剣が燃えてるんだけどぉぉぉ!!

しかも馬力凄い上に体勢半ば崩れてるから止めらんないのぉぉぉ!!

内心ヒーヒー言いながらどうにか収まったと同時に、ダ・ヴィンチちゃんがストップをかけてくれた。

ああ、こっちが武器を使いこなせていないのを理解してくれて止めてくれたんだね。御免よ、君のこと誤解していたよ。ただのモナリザ厨じゃなかったんだね……。

 

肉体はともかく精神的にヘロヘロになったから、すぐ部屋に帰って寝た。

起きてから、リリィちゃん達を放置していたのに気づいた。死にたい。

 

 

 

○月Λ日

 

翌朝リリィちゃん達の様子を見に行ったら、モードレッドがわんこになっていた。な、何を(ry

昨日までの敵意剝き出しの彼女はどこへやら、ははうえーははうえーと緩んだ顔でリリィちゃんにすり寄っている姿は、皆一同を驚かせた。

憑き物が落ちた、と言うべきか。父――というか、アーサー王へ向けられた妄執やら憎悪やらは、つまるところアーサー王への関心が極みに達した結果だと見ていいだろう。

モードレッドがリリィちゃんに存在を否定されたような発言をした際、過剰なまでに反応していたことを考慮すれば、あながち間違いではないと思う。

そんな感じで、牙の抜けた獣のようになったモードレッドと、謝罪からの和解で正式にマスターとしての契約を結んだ。

まぁ、実際には最初からマスターなんだけど。パス繋がってるし。

エミヤだって名前の交換は大事だって言ってたし、そんな感じよ。

 

それで、朝食になったんだけど――やっぱり、どうにも美味しくない。

マズくはないんだけど、カルデアが研究機関だからってのもあるのか、味より成分とかを重視しているっぽくて、味気ないんだよね。

ここでの食事はまだ数少ないけど、理子ちゃんにしても納得のいっている様子はなかった。

研究しているならともかく、自分達が駆り出されるのは戦場だ。

肉体的、精神的に万全な状態でなければ、名だたる英雄と戦うなんてとてもじゃないけど無理だ。

幸いにも、そんな有り合わせなものだけではなく、調理前の肉や野菜も保存されているらしいので、自分で作ってみた。パンケーキを。

……肉と野菜のくだりがあって何故パンケーキかって?何となくだよ!!!

というのは半ば冗談で、こんな場所だと普通の食事はともかく、甘味処とは縁遠くなりそうな気がして、食べられるときに食べようという、何とも自分勝手な理由だ。

母さんの影響――というか、他の男共が家事をしないこともあって、流石にそれは可哀想だと手伝ったのが事の始まり。

最低限、それこそ一人暮らしなら問題なく出来るレベルの家事能力は鍛えられたと思う。

まぁ、一人暮らしなんてしようものなら、ここぞとばかりに馬鹿兄貴にマイハウスをいいようにされるのが目に見えているので、そんなことしないけど。

ただでさえ、ストロベリーサンデーなんて馬鹿兄貴の好物を作らされた挙句に味に文句付けてくるんだから、マジで勘弁してほしい。

……あれ?割と命の危機がある現状の方が、のびのびと出来ているってどういうことなの?

 

そんなこんなでパンケーキを作っている時、モードレッドが匂いにつられて現れた。

何というか、比喩ではなく、顔を押し出すような姿勢で匂いの元に近づいていく姿は、漫画みたいな光景で思わず笑ってしまった。

誤魔化す意味も兼ねて、パンケーキを譲ってあげたら凄い喜ばれた。食べたらもっと喜ばれた。

そういえば、ブリテンの食事情ってだいぶヤバかったらしいし、こんなものでも異常なまでに美味しく感じるのだろう。

それでも、美味いと言われれば嬉しくなるのが人情というもので。調子に乗って何枚も作ってしまった。

フルーツサンド仕立てだったり、ホイップクリームをふんだんに使ったものだったりと、アレンジを加えて攻めていけば、モードレッドもまた異なる反応を以て返してくる。

その様子が面白くて、いじらしくて――気が付けば、頭を撫でていた。

やっちまったあああああああ!!と内心バクバクになりながらも、手は止まらない。

何やこのふさふさほわほわな髪。こんなん触ったことないっての。

女の子の髪ってこんななの?母さんの絹のような肌触りともまた違う、太陽の暖かさを吸収した草原を連想させるそれは、触れているだけで気分を落ち着かせる。

モードレッドも食に夢中なのか、反応を見せる様子もなく、申し訳ないと思いつつもしばらくその手触りを堪能した。

 

そんな一時は、遠くからの足音によって中断された。

次にやって来たのは、リリィ。どうやら彼女はモードレッドを探していたらしく、その際に甘い香りがしたから立ち寄ってみたらということらしい。

モードレッドがパンケーキをリリィに分けようとする姿、そしてそれを拒否し自分で食べるように促すリリィ。

……本当に、ただの親子のやりとりだなぁ。

パンケーキを食べている姿もそうだけど、モードレッドの良くも悪くも明け透けない態度は、非常に動物的で分かり易い。

根が真っ直ぐだからこそ、包み隠すことをせず、ありのままを表現できる。それは、とても尊いことだ。

その真っ直ぐさが、カムランの丘の悲劇を生んだものだとしても、それは彼女が悪いわけではなく、ただ間が悪かっただけに過ぎない。

そう信じなければ、目の前の二人が幸福であることが許されないことだと認めてしまうことになる。

そんな和気藹々とした様子を見守っている内に、一人、また一人と集まってきて、最後にはパンケーキパーティみたいな流れになっていた。当然、作るのは自分だけです。

まぁ、いいんだけどね。兄貴達と違って、素直に喜んでくれるから食べさせ甲斐あるし。

 

それと、驚くべきことがあった。

後片付けをしている最中、リリィがお菓子作りを教えてほしいと頼んできたのだ。

当然、それを承諾。カルデアの備蓄にもよるけど、やれることはやるつもりだ。

騎士王のせいで、食べる専だと思い込んでいたからこその驚きであって、冷静に思い返せばリリィなら割と納得できる不思議。

習おうと思った切っ掛けも、純粋にブリテンでは食べたことのない程美味な食べ物だったから是非自分でも作れるようになりたいと言うもので、当時のブリテンの食糧事情が如何に酷かったかが分かってしまい、涙が出そう。

でもきっと、それ以上に。モードレッドに食べさせてあげたい、とかそんなのが本音なんだろうなぁ。わかるわ。

実際、昨日からリリィのお母さんパワーが凄い。

口におべんとつけてるモードレッドを拭ってあげたり、自分のを分け与えてたりと、もうね。

見た目的に同じぐらいの年齢なのに、どうしてこうなったとしか言えない。見てて微笑ましいから、全然ありだけどね!

 

 

 

○月Δ

 

今日は、新たな特異点を発見したとのことらしいので、事前準備も兼ねた作戦会議となった。

パンケーキを通して、交友を深めることも出来て、モチベーションも連帯感もばっちり。少なくとも、誰一人として不安な表情はしていない。

肩慣らしも兼ねて、一番特異点としての揺らぎのない場所を選んでくれたらしい。

因みにそれを含めて七つあるとか。マジかよ。

取り敢えず、自分達がその時代に飛んだ後にすべきことは、まずは召喚サークルを設置することらしい。

これさえしておけば、補給物資を定期的に送れるから超重要。そういった後ろ盾がしっかり出来ていると分かっているだけでも、精神的に余裕が出来るのはサーヴァント達のが良くわかっている筈だ。

その時代の霊脈を利用しないと駄目なのがネックだが、特異点となるような出来事が起こった場所ならば、そういった霊的要素のある土地が近場にあっても不思議ではないから、深く考える必要はないと言うのがダ・ヴィンチちゃんの弁。

そういうのは詳しくないんで、なるようになるだろうとしか言えない。

楽観的だと思われても仕方がないけど、気負って失敗するよりはいいさ。

ともあれ、自分は英傑が集うであろう戦場で、一介の兵士として戦うこととなった、その初陣になるのだ。

せめて、みんなに迷惑を掛けない程度に頑張ろうとは思う。これでも兄貴達の指導の賜物か、ランサーの攻撃を何とか凌げる程度には動けるっぽいので、何とかなるやろ。

それにしても、英霊って凄いってイメージあったけど、ゲーム的な演出のせいで過剰に持ち上げられてただけで、やっぱり人間の延長でしかないのかな、と失礼なことを考えたりもした。

実際、主人公だのあかいあくまだの黒桜だの暗殺教師だのと、限定的ながらもサーヴァントと互角以上に立ち回ることさえ出来ていたのを考えれば、別段不思議ではないんだろうね。

やっぱり重要なのは、宝具。あれは唯一無二の切り札だから、そんなもんのない自分はどう言い訳してもサーヴァントに勝ることは有り得ない。

例の右手と両脚――手の方は神判下せし右腕(ゴッドハンド)、脚の方は悪魔殲滅せし具足(デビルブレイカー)と原作風に勝手に命名――がそれに相当するものなのかもまだ分からないし、過信も出来ない。

というか、結局使う練習すらしてないやんけ。アカン。

まぁ、そんな取って付けた力に頼るようではこの先生き残れないだろうし、これは追々でいいかな。

あ……なんか胃が痛くなってきた。

 




Q:武器に振り回されてるけど、自慢の腕力どうした。
A:不意打ちで引っ張られて、腕が伸びきった状態なら力も入らんだろ(適当)

Q:別に信じてはいないけど送り出したモードレッドが、次の日リリィの母性に脳を溶かされわんこになっているなんて……
A;知ってた(諦め)

Q:那岐っちの料理の腕ってどんなん?
A:一般的な家庭料理とか、趣味で菓子を作る人レベル。つまり普通。でもモーさんは墜ちる。

Q:リリィが飯墜ち二コマシリーズ化していない……だと……?
A;うるさい馬鹿!そんなことよりモーさんの為に料理練習だ!

Q:作者の宝具?ネーミングセンスのなさ
A:すまない……。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。