西村教諭とのやりとりをした後つぐみ達は3階にいた。
「うわ~……大きい教室」
「こんなんで勉強できんのか?」
つぐみと兼人は現在Aクラスの教室を見て驚いていた。
去年はほとんど来たことのない三階に足を踏み入れると、まず目の前に現れたのは通常の五倍はあろうかという広さを持つ教室だった。
その教壇に立つにはクールで知的な大人の女性の高橋洋子先生が居た。
黒板ではなく壁全体を覆うほどの大きさのプラズマディスプレイには高橋先生の名前が表示されていた。
「学年主任の高橋先生か、知的で大人の雰囲気が素敵だな~」
つぐみは高橋教諭を眺めてぽつりとつぶやいた。
彼女はコンプレックスがあるからああいう女性に憧れを抱くのも無理はない。
いつか、素敵な女性になりたいというのがつぐみの目標である。
「うわっ!席広っ!エアコンにパソコンに、あ!冷蔵庫まであんの!?」
「こレは教室じゃナくてホテルでスね!」
「これほどとはな……」
という声が聞こえて振り向くと明香・明久・彰仁の3人がいた。
「3人ともおはよ!」
「はい、おハよウでス♪」
「おはよ~」
「はよ」
つぐみが笑顔で挨拶すると3人も笑顔で返す。
「よっす、吉井夫妻」
「違うからね!?」
兼人がからかいまじりに言うと否定する明久。
「そ、そろそろ移動しない?」
と2人に声をかけるつぐみ。
「そうだね! 行こう!」
「あ、待っテくダさイ~!」
「まったく」
急いで歩き出す明久と慌てて追いかける彰仁と明香。
明香がこけると明久が手を引いて歩き出す。
兼人はにやにやと笑いながら追いかける。
つぐみはため息をこぼすとそのあとを追いかけようとするが……。
「では、はじめにクラスを代表を紹介します。霧島翔子さん。前に来てください」
「……はい」
名前を呼ばれて席を立ったのは、黒髪を肩まで伸ばした日本人形のような白い肌を持つ少女。
物静かな雰囲気を持つ彼女はその整った容姿と相まって、穢れを近づけない神々しさを放っていた。
「……霧島翔子です。よろしくお願いします」
先ほどと同じようにプラズマディスプレイに大きく名前が表示された。
Aクラスで自己紹介が行われていることに気づいて立ち止まるつぐみ。
視線をAクラスの教室の中へと向けた。
「……綺麗な人。 あたしなんかと大違い」
霧島翔子の綺麗な容貌につぐみはぽつりと呟いていると。
「つぐみ! なにしてる? いくぞ」
「あ、うん」
兼人に呼ばれて踵を返して、彼らの後をおって旧校舎へと向かった。
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「これはなんというか」
「廃屋じゃないかな、これ……」
「すげー」
Fクラスの教室を見て愕然とする彰仁と明久。
つぐみもあまりのことに呆然としているようであった。
「Aクラスとは逆の意味ですごいね、これ」
「ああ、これはひどすぎるだろ」
つぐみは口元をひくつかせており、兼人もこれはひどいという表情を浮かべている。
同じ旧校舎にあるEクラスと比べても、明らかにオカシいレベルでボロい。
「設備格差ってレベルじゃないよね……」
そうつぶやきながら、つぐみは戸を開いた。
「遅いぞっ!ウジ虫やろ……」
教壇に立っている野生味あふれる少年がつぐみの方を見て固まった。
トサリ。
つぐみが手にした学生カバンが落ちる。
「ふぇ……ウジ虫…じゃ、ないもん」
見る見るうちに涙が溜まり、ポロポロとこぼれ始めた。
「すっ、すまん!てっきり明久と彰仁と兼人のバカだと思「だらっしゃああぁぁっっ!!!」うおっ?!」
赤い髪の野性的な少年が戸惑っている中に飛び込んで殴り飛ばす兼人。
いつもながら素早い行動であると感心する彰仁。
「まあ、ここは便乗するしかないよね。 総員狙えっっ!!」
ウキウキしながらの明久の号令に呼応して、Fクラスの男子生徒の大半が上履きを構えた。
「お、おまえら!まだ知り合ってもない奴の号令に、何で即応できるんだっっ?!!」
「やかましいっ!」
「こんな可愛い子を泣かす奴に人権などあるかっ!!」
「ロリっ娘最高!!」
「合法ロリは人類の至宝!!」
清々しいほどのバカの集まりである。
振り分け試験を書くべきか迷いますね……。