バカと辛党とちみっこと召喚獣   作:レフェル

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第4問 改

兼人席に着席して次は明久の番となった。

 

「吉井明久です、趣味は料理で得意科目は日本史等の歴史系です

どうかよろしくお願いします」

 

席を立ってそう言って自己紹介をするが反応うすいことに涙目になりそうなになった。

明久が着席すると従弟の彰仁が席から立ち上がる。

 

「吉田彰仁だ。 さきほどの明久の従弟だ! 料理はまあまあで得意科目は化学系だな

どうか弟共々よろしく頼む!」

 

そう言いながら彰仁は笑みを絶やさずに自己紹介を終えると席についた。

 

「吉原明香デす♪ よロしクでス☆」

 

にこにこ笑顔で自己紹介する明香。

 

明香が着席すると不意にガラリと教室のドアが開き、息を切らせた女子生徒が現れた。

 

「あ、あの、遅れて、すみま、せん」

『えっ? なんで?』

 

誰からともなく、教室全体が豆鉄砲を喰らった鳩のようになった。

 

「丁度良いですね。みなさんに自己紹介して貰っているところなので、

姫路さん、あなたもお願いします」

「あ、はい! えと、姫路瑞希です。よろしくお願いします……」

 

つぐみ程ではないものの、小柄な身体を縮こまらせ、恥ずかしげに自己紹介する瑞希。

 白い肌と柔らかそうな長い髪は、いっそ小動物的な保護欲をかき立てる。

現に彰仁は瑞希を見て癒されているような表情を浮かべているからだ。

 

「はいっ! 質問良いですか?」

「あ、はい。どうぞ」

 

瑞希はいきなりの質問に、少し驚いているようだ。

 

「なんでここにいるんですか?」

 

かなり失礼極まりない質問だ。しかし、クラスの大半が感じている疑問でもあるだろう。

 この可憐な少女は、入学後に行われたテストで、

学年二位を記録しており、その後も必ず上位一桁以内に名前が残るという才女だからだ。

 だれもが彼女はAクラスに違いないと確信しているに違いない。

 

「えっと、その、ですね……」

 

緊張した様子で、瑞希が口を開く。

 

「振り分け試験の最中に高熱を出してしまいまして……」

 

文月学園では。試験途中での退席は、かならず0点扱いとなる。

 そのせいで彼女はFクラスとなってしまったのだ。

 

『そう言えば、俺も熱(の問題)が出たせいでFクラスに』

『ああ。化学だろ?あれは高難度だったな』

『俺なんか、事故にあった弟が心配で集中できなくて』

『黙れ? 一人っ子♪』

「実は、朝まで彼女に求められて……」

「うん♪ 今年一番の大嘘をありがとう♪」

 

 見事にバカばっかりである。

 

「で、では、一年間よろしくお願いしますっ!」

 

ピンクの髪が跳ねるほどの勢いでお辞儀すると、

パタパタと恥ずかしそうに明久と雄二の間の、空いている卓袱台に着いた。

 

「はあ、緊張しましたぁ~……」

 

 瑞希は、安堵の表情で卓袱台に突っ伏した。

そのさい彼女の豊満の果実がちゃぶ台に押しつぶされるようになってしまう。

それを見て康太がカメラを構えていたりするのだが気づいていないだろう。

 

「あ、あの姫「姫路」」

 

彰仁が瑞希に声を掛けようとすると、それに被せるように、強い声で雄二が声を掛けた。

 

「あ、はい。なんでしょうか? えっと……」

 

人間はとっさの場合、より力強い言葉の方に反応する。この場合は雄二だ。

瑞希は丁寧に雄二の方に身体を向けた。

 

「坂本だ。坂本雄二。よろしくな」

「あ、はい。姫路です。よろしくお願いします」

 

そして、深々と頭を下げる。その所作ひとつひとつに、育ちの良さが表れていた。

 

「ところで姫路。体調の方はもう良いのか?」

「あ、それは俺も気になる」

「ぼくもかな」

「ワたシもデすヨ~!」

「実はあたしも気になっていたりして」

「俺もかな」

 

と、次々と手を挙げて会話に加わるつぐみ達。

 

「あ、彰仁くんに明久くんに明香ちゃん! 平川くんにつぐみちゃん!」

 

瑞希はようやく気づいて彰仁達を見て驚きを顕にしていた。

この時は周りがよく見えていなかったのだろう。

すかさず雄二が、

 

「あー、姫路。明久と彰仁と兼人がブサイクでスマン」

 

さりげにチャチャをいれる。

 

「そ、そんな! 目もパッチリしてるし、顔のラインも細くて綺麗ですし、

全然ブサイクなんかじゃありませんよ!」

「ミズーキの言うとおりデす!」

「兼人はブサイクじゃないよ! 黙っていれば好青年みたいだと言われるんだからそんなこと言わないでよ!」

 

すぐさま反論する瑞希と不機嫌そうに注意するつぐみ。

フォローなのだろうが、それはフォローとはいいがたい。

 

「なるほど……たしかに見てくれは悪くないかもしれないな。

俺の知り合いにも、彰仁達に興味を持っている奴がいたはずだし」

 

「え? それはだ『それって誰ですかっ!?』あう……」

 

嬉しそうに詳細を尋ねようとした彰仁を遮って、瑞希が身を乗り出す。

 

「確か、久保」

「「「久保……」」」

 

三人は、素早く久保姓の女生徒を検索し始める。

 

「利光だったかな」

 

久保利光 → ♂(性別/オス)

 

「………………俺、もうお婿にいけない……」

「ホッ…………」

 

げんなりと落ち込む彰仁と明らかにほっとする瑞希。




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