「さて…明久に兼人、お前等にはDクラスへの宣戦布告の使者をやってもらう。大役だ。任せるぞ」
「「だが断る」」
雄二がそう二人に言うと明久と兼人は即答した。
「そうか、頼んだって……はあ!?」
雄二は即答で断れるとは思ってなかったのか大きな声をあげる。
「うるさいよ雄二」
「てか、よく考えてみればわかるだろうことだろ」
耳を抑えて不満を言う明久と呆れる兼人。
「いや、そうだけどな。 だが、たかが学生の戦争ごっこで本当に危害を加えるわけはないって」
「そんなに言うなら雄二がお手本見せてよ」
「そうだな、雄二が行けばいいだろ」
なんとしてでも行かせたい雄二を見て明久と兼人はてこでも動く気はないらしい。
「明久、俺も行くから」
「洸也も? それなら仕方ないかな」
洸也が明久に声をかけると渋々という態度で言った。
問第は兼人だが、彼をどうするかと雄二が悩んでいると。
「兼人、なんならあたしが行こうか?」
「駄目に決まってるだろ! いくらなんでも幼女に殴りかかるなんてことはねーだろうけどさ」
つぐみは笑顔でそう言うと兼人はつっぱねる。
さりげに禁句ワードを継ぎ足しているが。
「誰が幼女よ! 兼人だってチビでショタのくせに!」
「んだと、人がせっかく心配してやってんのに!」
にらみ合いをしだすつぐみと兼人。
雄二は呆然とその光景を見ているようだ。
「それはこっちの台詞よ!」
「はっ、心配されることなんざねーよ!」
つぐみは兼人を見ながら言うが兼人は別にどうじてもいない。
「二人とも落ち着け」
「けどよ、洸也」
「斎藤くん、止めないで! こいつはわかってないんだから」
洸也が間に入り、止めると兼人はぶっすうとした顔で言う。
つぐみも言いたいことがあるのか止まらない様子だ。
「どうせなら4人で行こうよ、ね? それで万事解決!」
「明久、お前なあ」
にこにこと笑みを見せながら明久が言うと兼人は呆れたように見つめる。
彼は不思議そうに兼人を見ていた。
「アキくんがそういうのなら、仕方ないかな」
「まあ、そう言われたらここで騒いでも仕方ないだろ」
つぐみはまだ納得がいかないがずっというわけにもいかないので言葉をおさめる。
洸也は内心さすが明久と思いながらの彼らを促して教室を出ようとする。
「ま、待て! 雨宮も行くのか?」
「え?うん、だって兼人は喧嘩ぱやいからあたしがいないと」
慌てて止めに入る雄二につぐみはキョトンとした顔で見つめる。
「いや、でも」
「とにかく、あたしは行くから!」
困った顔の雄二につぐみは言ってのけると、兼人達と歩いて行く。
暫くしてDクラスの前に到着したつぐみ達。
『失礼しまーす』
つぐみ達の声が揃って出る。
Dクラスの生徒達から注目がつぐみ達に集まる。
「……小学生と中学生?」
Dクラスの生徒のひとりがぽつりとつぶやく。
「ちっちゃくないよ!? あたしそこまでちっちゃくないよ!」
「誰が豆粒ドチビだあぁぁぁぁ!!?」
ちみっこ二人が大きな声で抗議する。
視線に気づいたつぐみは顔を赤くしてうつむいていた。
「え、えっと……このクラスになんの用だい」
「あ、僕達FクラスはDクラスに対して戦線を布告をしにきました。開戦は今日の午後で」
代表と思われる男子生徒が近寄ってきて尋ねると明久が宣戦布告をした。
「え、君たちFクラスがDクラスに!?」
驚きの声をあげる男子生徒。
彼の名前は平賀でこのDクラスのリーダーだ。
平賀の声を聞いて集まるDクラスの男子生徒達。
血気盛んすぎではないだろうかと思うほどである。
「そういうわけですので、これにて! 行くよ、洸也」
「ああ、そうだな。 それ!」
明久は兼人とつぐみの背中を押して外に出ると洸也が催涙爆弾を投げて、明久達の後を追いかける。
『げっほげっほ!』
『な、なにも見えない!』
『くっそ逃げられた!』
とDクラスの教室では起こっていた。
「……まったくなにやってんだか」
「そういう美春達はちゃっかりとマスクを持っておりますけどね」
明久達を見送った二人の男女は笑みを浮かべているだろう。