黒鉄のJ (緋弾のアリア×ジョジョの奇妙な冒険) 作:ぶたじる
それではお付き合いいただこうと思います。
名前に始まり、趣味や武偵としての意気込みなどおおまかな自己紹介を終えると面接官は核心に迫るかのように口を開いた。
「鉄城君… 君の曽祖父は…もしやシーザー・A・ツェペリではないかね…?」
その名前を聞いてまず最初に思ったのは何故彼らがその名を知っているのかということだった。シーザーの名は祖父から波紋を習った時に聞いたことはあったが財団の名は聞いたことがなかった。
「いえ…自分の曽祖父はミケーレ・A・ツェペリですが…シーザー・A・ツェペリはその兄にあたります。」
「では次に聞こう、この武偵高からの渡されている君の武偵としての能力。刀剣や銃の技能に関する評価が低いのに反して総合戦闘力は高く評価されている。一見すれば近接格闘が上手いとも見れるが、君のその名前から心当たるものがある… 単刀直入に聞こう、君は『波紋使い』か?」
「っ!!」
波紋まで知っている?あいつらはさっきシーザーの名を出した…俺でさえ具体的なことは聞かされていない人の名をだ…つまり財団前からツェペリ家について知っていたに違いない…だとすると回転のことも知られている可能性が高い…なんなんだ…?この財団は…ツェペリ家の何を知っているというんだ…??
「…はい、そうです。」
「やはりか…鉄城君、君を採用とする。直ちに帰宅、支度をして再度財団へ集合の後我々の車で現場へ向かってくれ。以上だ。」
「ちょっ…ちょっと待ってください!いくらなんでも納得できません!なぜ採用なんですか!」
採用と言われ、これで単位取得のためのハードルは超えたがそんなことはもはや俺にとってどうでもよかった、これではツェペリの名だけで採用になったようなものだ、怪しすぎる。だが俺は直後に面接官の放った殺気にそれ以上の言葉を許されなかった。殺気は一瞬で収まったが俺の心を凍りつけるには十分だった。
「…理由は後で話すことになる。今は時間を無駄にはできない、我々の指示に従ってもらう。」
殺気によって動けなくなった俺はただ頷いて部屋を出ていくことしかできなかった…
「この事件、このタイミングでとはな…これも何かの運命なのか…」
丈が出ていった扉を見つめながら面接官は次の面接者を呼ぶのだった。
―…―…―…―…―…―…―
俺が波紋を習ったのは中学の時だ。
中学入学前に父が死に、母と二人で母の実家のあるイタリアへ渡った。
その際、祖父から基本的な体術を習い始めた。母を守れるのは子である俺しかいないと言い聞かされ、毎日のように訓練に及んだ。
中学2年になった頃、祖父は波紋についての訓練に移った。だが俺には祖父程には波紋の素質はなかったようで、まともに波紋が練れるようになるまで一年近くかかってしまった。
基本的な技としてズームパンチを教わったが俺は関節を外す痛みを波紋で和らげきれず、若干鋭い痛みが走るので俺はこの技が一番苦手だった。
自身の波紋の弱さをどうにかしようと考え、何か手掛かりはないかとツェペリ家の歴代の書物なんかが多々置いてある物置部屋を探していたとき、それを見つけた。
埃を被った古い本で18世紀に書かれたものらしかった。
中には完全なる球体の鉄球を使った攻撃手段としての技術から医療に関する技術までが記されており、俺は密かにこの「鉄球を使った回転」についての練習を始めた。
この回転の技は波紋よりも俺にあっていると感じられた。
訓練こそ必要だったが慣れてくると様々に応用が効き、鉄球と黄金長方形さえあれば無敵だとも思っていた。
高校は日本に戻ると決めていたが勉学が苦手だった上に回転で少し天狗になっていた俺は東京武偵高校に進学し、強襲科を第一志望にして帰国子女枠で受験した。
だが現実は甘くなく、実戦テストで鉄球を使えず、ナイフ1本渡された俺は体術と波紋で襲い掛かってきた他の受験者はどうにかしたが学校側から仕込まれた試験官には勝てず、第2志望の探偵科に進むことになった。
―…―…―…―…―…―…―
殺気による体と精神の硬直が解けた俺は指示されたままに帰宅し、現場へ向かうための準備に取り掛かった。同室の奴が帰っていたので単位不足のことで馬鹿笑いを交わし、そのための緊急任務でしばらく留守にする旨を伝え寮を出るとなんだか妙な感覚が体を走った。
不思議に思い寮を仰ぎ見てみるが特に変な感じはしない。
「気のせいか…」
丈は歩き出す。だが彼は気づかない。たった今仰ぎ見た寮の出口。その近くのマンホールの蓋が不自然に持ちあがっていたことに…
To Be Continued
です。
この話を執筆中、まだ1話だというのにお気に入り、評価、感想をいただきました。感謝感激です。
作者多忙なためこのようなペースでの不定期投稿になってしまいますが今後ともよろしくお願いしたいです…
次話からいよいよ事件に関わっていくことになります。一応含んだ言い回しをしてはおりますが何分駄文なものでガバガバです。ある程度予想できる方もいらっしゃるでしょうがそのような方は、答え合わせのような気分で読んでいただけると幸いです。
ではまた次話にて