大切な人が命を落としそうになった時、
あなたならどう選択しますか?
その選択はあっていると思いますか?
0話 始まりの悪夢
朝、俺が寝覚めた時、背中が湿っている感覚に気がつき、起き上がった。
「これって――、俺の寝汗か……」
それはベッドの7割を埋めるほど濡れていたからだ。
さっき見た悪夢に近い夢がそれを語っていた。
いや悪夢と言っていいかもしれない。
それは今でもある時期になると俺の事を苦しめる、そして俺がこの時以上に強くなるようになった要因でもある悪夢……。
[0]
月も出ていない夜。
当たりは暗く、
「ハァハァハァ」
黒い服に身を包んだ、一人の若い男が息を切らしながら走る。
背中には自分の背丈ほどに大きな武器を担いで。
(暗い。なんで、これは俺か? 俺は走っているのか? いったいここはどこだ?)
と思いながら。
その男は月も出ていない暗闇を、木々や地面の草花を避けながら、走っていた。
時折服に草や枝が擦れる音が、本人には聞こえてないだろう。
それよりも、早く、早く、走らなければ。
(俺はいつまで走るんだ、クッソ、体が言うことを効かない。)
そんな、彼の考えとは裏腹に、走る。
走る。
何かから逃げているかのよに走る。
同じ道なき道が続く――。
そして数分後――。
道が開け、視界がクリアになる。
だが、そこは……。
「ハァハァ……」
ゴックン。
唾を飲み込み、息を整える。
そして下をのぞき込む男。
「高さは10mってとこか」
ここで気がついた、彼は一人で走っていなかった。
後ろから一緒に行動していた3人が現れた。
彼は安全を確認する為に先頭を行っていたのだ。
そして4人は崖の端に立っていた。
暗くてわかりづらいが、彼ら彼女らの見た目は、中学生か高校生ぐらいの感じだ。
「しんちゃん、ちょと早い――」
一人の黒髪で髪の長い、弓を背負った女の子が、先頭を行っていた男に声をかけた。
だがその言葉は最後まで言い終えずに終わった。
途中で言葉を止めたことに、気がついたメガネをかけた男が、声をかけてきた。
「どうした!?」
それに応える黒い服を着た、しんちゃんという名の男。
「崖だ」
「早くしないと、このままじゃ追いつかれちゃうよ」
そういう、弓を背負った女の子。
(なんだよ、もうこれ。でも聞いた事がある声だ。誰だ)
もう一人、背中で剣を背負っている男があることを言ってきた。
その内容は、あまりいい提案とは言えるものではなかった。
「俺が、囮になる。そのうちに皆は――」
(よせ!)
「よせ、ゆうき! 皆で生きて帰るんだろうが! なにか別のいい方法があるはずだ」
その提案を言ったのは、ゆうきと言う男だった。
キュアアァァァ!
後ろから、そう遠くないところから鳴き声が聞こえた。
それも、ドラゴンの鳴き声が。
少し考える黒服の男。
目の前は崖、なぜだか分からないが、ドラゴンから追いかけられているということ。
崖の下をのぞき込み何かを確認する。
そして決心する。
「ここで奴を倒す」
(違う、その考えは――!!)
すると、メガネをかけた男が。
「まて! あんなのに勝てるのか」
とっかかって胸ぐらを掴む。
掴まれた方は動揺しない、むしろすることは決まっている。
俺にやらせろ、と言っているかのようだった。
「勝算はある」
といって背中の武器をチラ見する。
その武器は、製造が制限されている武器である。
この時代、世界最強シリーズの武器。
「お前……」
(違う! その考えは、間違っている!)
(みんなで、逃げろ!)
彼はずっと叫び続けたが、彼等には聞こえない。
胸ぐらを掴んでいた男は手を離して、――すまん――と言った。
そして崖の端に立ち直す。
「最初、皆は岩陰に隠れろ。俺の最初の攻撃後にユウキが上から奇襲。ナナは弓で翼を、マグナは奴の足を狙え。行くぞ!!」
4人は下に降りた。
3人は岩陰に隠れた。
1人は真ん中に立って。
そして……。
(違う! そのまま隠れて、戦わずにやり過ごせ!)
(奴は……、奴は!)
フッ!!
と、目の前が暗くなる。
何が起こったのかわからない。
頭が重い、首を左右に向けれない。
俺は何を、しているんだ。
――数分後
ドガアァァ!!!
真っ暗なか、大きな爆発音が聞こえた。
パラパラパラ。
石や砂が地面に落ちる音が聞こえた。
すると、雲が晴れ、月明かりが地面を照らし、草木を照らす。
辺りが明るくなり、人が――、人が、4人倒れている。
付近はクレーターのように凹んでいた。
近くにドラゴンの姿は見受けられない。
大きな武器を持っていた男が起き上がり、血みどろになっている仲間の元に駆け寄る。
(あの時の。あの時の記憶か……)
彼はどうして血みどろになっているのか……。
俺にはわかる……。
「―――! ――き! ゆうき! しっかりしろ! 大丈夫かっ!」
目を開けるゆうき。
視界には男の子が一人映っている。
泣き顔で……、涙がボタボタと落ちてくる。
「ーー、お前……は、大……丈夫か……?」
「あぁ、大丈夫だ。それとあまり喋るな」
目を開けて、少し涙顔だったのが、和らぐ。
他2人も起き上がり足を引きずりながら歩いてくる。
辺に落ちている木を拾い、杖のように使いながら。
さっきの大きな爆発音で吹き飛んで、怪我をしたのだろう。
「ゆうき君!」
「ゆうき!」
2人がその名を読んでいた。
(俺は、俺はなんて愚かなことを……。早く治癒術を――)
リアルな映像を見ているかのようなこの感覚。
VRのように目の前に見える映像。
自分の思うように体は動かせない。
でもなぜだか感触は確かにある。
生暖かい、感触が伝わってくる。
両手が赤く染まっている。
「ーー、あ…り…がと……な…….」
ゆうきが名前を言っているように見えるが、なんと言っているのか、聞き取れない。
そしてあたりが真っ暗に、何も見えなくなる
そして奥から誰かが歩いてくる、ふらふらと。
その姿は血まみれになった、ゆうきだった。
顔は片目が赤く光っていてそのまま迫ってくる。
後ろに足を引こうとしたが、足がすくんで動けない。
目の前でゆうきが立ち止まる。
「ねぇ、なぜあの時助けてくれなかったのか?どうして?」
ゆうきが話しかけてきた。
「いや、そんなわけでは」
「どうして?」
血まみれになったゆうきがどんどん近づいてくる。
「どう……して?
どう……シ……テ、
ド……オ……、シ……、テ、」
と手を差し出しながら、迫ってくる!
何かを奪おうとするような手つきで……。
「ド……オ、
シ……テ……、
ド……オ!!!!!!」
そして襲ってくる!!!!!
「ゆうきっ!!!」
ガバ!!!!
布団から起き上がる
「ハァハァハァ……、ハァァ……」
とても息が荒い。
深龍はベッドの上に座り込む。
今見た夢のことを思い返していた。
あの時の俺の判断は本当に正しかったのか……、と。
「ゆうき……」
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〜大戦の終戦期〜
とある都市の、高層ビルが崩れた跡地に立つ3人の男。
「お前はここで封印する!」
「やれるものならしてみろ! この十の神の力を持つ! この破壊神である俺に勝てるというのか!?」
と言い、背中に十本の白い六角中の柱を生やし、腕が左右に五本ずつ、十本も生えた人とも言い難い禍々しい姿をした巨人が現れた。
それに負けじと、漆黒に染まる龍と、腰に刀を4本差した純白の武者が現れた。
そして戦いが始まる。
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〜古からの言い伝え〜
世界戦争があった
かの戦争を止めた者は
かの者は自分の強さに飢え世界を滅ぼしかける
かの者を鎮める者が現れる
その者は空を舞う
その者は十の力を九つに分散し
かの使い手を封印し
その者は姿を消した
世界は真の平和へと
かの者を封印した者の子孫現れる
その者の名は深い龍と名乗る
その者の物語である。
「十一の力をなめるなよ」
☆あとがき☆
どうも、皆さん読んでいただきありがとうございます。
初めての方は初めまして、作者の杜木
事情があり、冒頭部分を前より大幅に変更しました。
次回からは本編とは別の2ヶ月前にあたる話をかいた、 - Outside a story - の総集編をお送りします!!
ではお楽しみに!