ゆっくり魔理沙「色々とあっちのネタバレが多いから注意なんだぜ」
前回、まさかの劇的ビフォーアフターな進化を果たした甲三郎に、どういう感じか調べていた。
「い、行くでヤンス!」
用意された的に甲三郎は緊張しながらも落ち着こうと深呼吸してから狙いを定め…
「発射!でヤンス!!」
ドゴーン!!
号令と共に放たれた砲弾は的をあっさりと貫く。
「護、どんなよ?」
「とんでもねぇッスね~、今の砲撃直撃したら鬼だろうが姫だろうが腹に風穴開けて内臓ブチ撒けるか、脳漿撒き散らすかって威力ッスよこれ。名付けるなら砲台棲姫ってところッスかね~?」
「すげぇなそれ、普通にアタシらなら即死だな」
「お前はサラリと言うな涼風;」
それを見ていた戦治郎のに明石と共に見ていた護がそう言い、感想を述べる涼風に天龍は冷や汗を掻く。
「せかせか……、ん~~~……、したらどうすっかね~……」
「?どうしたんですか?何か問題があるんですか?」
困った顔をする戦治郎に鎧は聞く。
「いやな?俺のとこのペット衆って大体役割ってのがあるんよ、太郎丸だったら航空戦で制空権取ったり、大五郎だったら俺と一緒に砲雷撃戦やったり外部から要塞みたいな建築物ぶっ壊したりって感じでな。そんで甲三郎は対空装備が碌にない大五郎の高角砲として、大五郎の上走り回りながら相手の艦載機迎撃したり、大五郎の砲撃のアシストや追撃って感じでサポートメインの立ち回りやってもらってるんだわ。実際甲三郎の追加武装もそっち方面のばかりだからな……、っと、んで今回のこれはどう見ても前線でドンパチやる感じじゃん?そうなると俺の方は対空装備無くなって艦載機のいい的になっちまうし、甲三郎の方も碌な装備も無い状態で不慣れな前線に出る羽目になっちまう。このサイズだと前みたいに大五郎の身体の上を走り回るなんて芸当も出来そうにないからな……、かと言って専用装備作って前線向けに鍛え直すとかすると資金、資源、時間がどうしても必要になっちまう……。俺が提督になる前だったらそこら辺あんま考えなくて済んだんだが、今は首輪繋がれちまったからどうしても考えなくちゃいけなくなるんだよな~……、しかも甲三郎を前線に立たせられるようにする為の手続きの為に書類書かなきゃいけなくなるし……、いやホントどうしたもんか……」
「成程な、単純にポジションとバトルスタイルが噛み合ってないって事だな…ついでにリアルの事情もあって難儀だな」
そんな鎧のに対して解説してから悩みだす戦治郎のにハーケンも納得して肩を竦める。
「戦治郎からしたらハーケンがついでと言った方がメインのようだがな、こちらは戦わなければいけない組織の数が多い上に、その組織の規模も大きいものが多いからな……。そんな状況を日本海軍が切り抜ける為には海軍全体が一丸となって戦わねばならんのだが……」
「今の海軍は鷹だ鳩だで派閥争いしてて、とても一致団結出来るような状態じゃないのよね~……」
ハーケンの言葉を聞いた空がこの様な言葉で話を切り出し、剛がやれやれとばかりに頭を振りながら空の言葉に続くのであった
「しかもこの派閥争い、今は鷹派の中でも派閥争いが発生してるんッスよね~。確か金と肉欲まみれの強欲派と戦果と憎悪と鉄の臭いに憑りつかれた武闘派だったッスか?」
「私達が桂島泊地を襲撃するまでは、桂島の提督がその2つの鷹派を束ねて穏健派の妨害を実行していたのですが、私達に襲撃されて桂島の提督がお縄になった事で、また鷹派が分裂してしまったんですよね……」
「穏健派を妨害するだけならまだしも、一部が転生個体の組織と繋がってて色々やらかしてやがるのがな~……。強欲派が人身売買や資材資源の横流し関係で繋がってたリ、武闘派が深海棲艦の強硬派の情報を得る為に余所の鎮守府なんかの情報を売ってたり、新兵器開発の為に艦娘を実験台や標的にしてたりとかな……」
話題に乗るしかないと言わんばかりに、護、通、シゲの3人が聞いているだけでも吐き気を催す様な事を口々に言う。
「ちょ、ちょっと待って下さい!襲撃ってどういう……」
「Hey!Hey!」
襲撃と言う単語が通の口から飛び出し、それを聞いたマーベラスを除いたメンバーが唖然とする中鎧がその件の詳細を通に尋ねようとしたところ、護が割って入りこの様に大声を上げながら『あなたは18歳以上ですか? はい/いいえ』とか書かれたピンクのフリップボードをこちらに掲げて来るのであった。
その様子を見た天龍達は(あ、これは普通に聞いたらあかん奴や……)と誰もが察して、戦治郎達によるこの世界の桂島泊地襲撃についての顛末を追究するのは止めとこうと決めた。
「こういった事を浮き彫りにしてブラ鎮を撲滅する為に、今のこちらの海軍は報連相打を徹底し書類関係も厳しく精査、組織の管理体制をしっかりと強化する流れが出来上がった訳だ」
「今戦治郎がこうやって色々考えてるのは、こういう経緯で細かく内容を調べられるようになった書類にこの甲三郎の事をどう書くか悩んでるってところだろうね……」
「書類に嘘を書けば間違いなく戦治郎は懲罰を受ける事になるだろうよぉ、だが真実を書きゃぁ今度はおめぇらの方がヤバくなっちまうんだよなぁ」
話はまだ終わらない、そんな雰囲気を漂わせながら空、光太郎、悟が言葉を紡いでいく
「この世界は転生個体のせいで本当にピリピリしていますからね……、アビスコンダクターって言う転生個体の組織が未遂とは言えゾアを召喚して世界を滅ぼそうとしたくらいですから……」
そんな中、翔が突然とんでもない事を言い出した。
「(どこのクトゥルフ神話TRPGだよ…)」
「(と言うか普通にSANチェックですよね;)」
「(リアルに発狂したくないな~)」
その発言に天龍、白雪、北上は各々にそう思った。
「その前に翔が我や父上、クタニド殿を味方につけた事で、最悪の事態は待逃れたのだがな!」
「クタニドさんとルルイエの皆さんは僕達に全面的に協力してくれると約束してくれましたけど……、時々ゴキブリみたいに湧いて来るニャルラトホテプや、クトゥルフさんと対立しているハスターさんがいますから今後どうなるか分からないんですよね……、もしかしたらハスターさんとアビスコンダクターが組む可能性もあり得るし……」
翔の言葉を聞いた当事者であるゾアがフォローを入れるのだが、それはあまり効果が無かったようで翔はゾアの殻を優しく撫でながら自身が懸念している事を言葉にするのであった。
「すいません。流れる様にさらりと言いましたが翔さんの友好関係が凄い事になってませんか;」
「ぐう;」
「成程、凄いフリーダムだね」
「お前が言うな、けどマジで神話生物と仲良くなってるのはすげぇ…」
そんな翔のに対して赤城はツッコミ、エルヴィンも冷や汗を掻く中でポーズを取った響に天龍はツッコミを入れてそう述べる。
「それについては安心していいと僕は思うよ?ハスターはこの件に関わる気がこれっぽっちも無いみたいだし、僕の方は君達を観察してる方がよっぽど面白い気がするからね」
そんな天龍達や戦治郎達へといつの間にか翔の隣に立ち、翔の肩に自身の肘を預けてHAHAHAと笑いだしそうな雰囲気を湛える何者かがこの様な事を言い……
「「賊だーっ!!!」」
翔とゾアが一斉に叫び声を上げながらその何処かの誰かさんに向かって砲撃、艦載機による爆撃、紫色のビームを放つ。
そんな2人(?)のターゲットとなった謎の人物は大声で笑いながら2人(?)から逃げる様に何処かへと走り去っていくのであった……
「何、今の…」
「……あ~……、翔が何を言いたかったかって言うと、この世界の人間からしたらアンタ達もさっきの神話生物と同じ未知の存在だからさっきのや転生個体と同じレベルで、ものスゲェ警戒されるってこった」
「あんなのと一緒ってのは癪だな」
「と言うかさっきの奴は神話生物だったの…ド変人ね」
いきなりの事で唖然とする天龍達に翔達に攻撃されて逃げ出した人物を見送ったところでシゲが口を開き、マーベラスは嫌そうに呟き、ビスマルクは呆れた顔で走り去って行った方を見て呟く。
「あ~……、もし戦治郎が甲三郎の件で書類書かなきゃいけなくなったら、こいつらの名前出さなきゃいけなくなるのか……」
それを聞いた輝が納得したと言った感じで頷きながらそう呟く
「その通りです輝さん……、先輩がここで書類にマーベラスさん達の事を書けば、大本営は間違いなく私達にマーベラスさん達を拘束して大本営に連行するよう指令を出すでしょう……」
「そんな……っ!?」
「い、いいいくらな、なんでもそそそそれはひー、酷いとお、お、思います……」
輝の呟きを聞いた通がこの様に答え、それを聞いた望は両手で口元を覆う仕種をしながら驚き、藤吉がどもりながらも己の意見を口にするのであった
「シャチョーもマーベラスさん達が悪い奴じゃないってのは分かり切ってるッスからね、そんな人達を拘束、連行、尋問、そして尋問の結果分かった事を議題にした会議が終わるまでの期間中監禁するってのはシャチョーからしたら相当辛いと思うッス」
そんな年少組2人のリアクションを見た護がこの様な事を言い……
「そんな事になれば、ただでさえ異色の経歴を持つが故に悪目立ちしている俺達が更に目立ってしまい、最悪至る所からスパイなどを送られたり、俺達の存在を危惧する輩から襲撃される可能性があるからな……」
「それを避ける為に、そして貴方達との関係を悪くしない様にする為に、戦ちゃんは今こうして思考を巡らせているのよ~」
空がそうなった場合この長門屋鎮守府に降り掛かる可能性がある懸念事項を口にし、それを聞いた剛がこの言葉を以てこの話題を終わらせようとするのであった
「まあ尤も……」
その直後である、空がまた口を開く
「それ以上に、普段処理している書類がこれ以上増えるのが嫌だと言うのがあるだろうな……。戦治郎は鎮守府の運営関係の書類、太郎丸が管理している牧場関係の書類、俺が管理している工廠と資源採掘施設管理関係の書類、悟が管理している入渠施設の医療設備関係の書類、桂島泊地を作り替えて出来たテーマパーク『艦娘ランド』運営関係の書類、俺が鎮守府の外であの憎き悪魔達の巣を掘り返し殲滅しようとした際掘り当てた温泉『自由の湯』管理関係の書類など合計150枚以上の書類と毎日戦う事になっているからな……、これに甲三郎の観察記録関係の書類とマーベラス達の監視関係の書類が増えるとなると、きっと戦治郎は頭を抱えてしまうだろう……」
「うわ、普通にめんどくさいな」
「あたいらの世界が凄くゆるゆるなのが分かるな。そりゃあ戦う事あるけど、この世界ほど激しくねえもんな」
「と言うか多い多い多い!?どんだけ経営してるのよ!?牧場は聞いてたけど採掘施設とかランドも経営してるの!?と言うか泊地を作り変えたの!?」
「憎き悪魔達の巣って何!?」
空の口から告げられた事に深雪と涼風は心底いやだなと顔を歪め、多さと一部のツッコミ所満載のに霞と叢雲は絶叫する。
「因みに処理しないといけない書類が多過ぎるからここでは秘書艦補佐などと言う役職が導入されている。後は経営管理している施設関係は俺達がやらかした事に対して落とし前を付ける為にやっていると言ったところだ。それと悪魔達についてだが先程のニャルラトホテプ同様何処からともなく姿を現し、俺達の大切な甘味に群がり奪い取って行く小さな侵略者、人が蟻と呼ぶ生物の事だ。最後に艦娘ランドについて聞きたければ後で聞きに来たら教えてやろう」
「蟻の巣を掘っててなんで温泉当てるの!?と言うか悪魔ってどんだけ毛嫌いしてるの!?」
続けての空の補足に叢雲は再び絶叫する。
ちなみに天龍は空の言った奴で先ほどの奴ニャルラトホテプだったんかい…とTRPGで黒幕だったり観客だったり、気まぐれで手助けしたりする神話生物を浮かべる中で女性の方も過ってから出てこない出てこないと追い払う。
「簡単に言うと…食べ物の恨み、しかも普通なら滅多に買えない超高級品」
「OK把握、確かに許せない」
「いや確かに食べ物を粗末にされたら嫌だけど温泉掘り当てるのは本当に分からないから」
そんな叢雲のに答えた戦治郎のに初雪やレ級達は納得し、霞は疲れた顔でツッコミを入れる
「ま、まぁ、今回は砲台部分のに行き過ぎてるから相応の進化じゃなかったのか…」
「うう、少し残念でヤンス。喋れるのは嬉しいでヤンスが…」
それを横目に顔をヒクヒクさせながらも言った天龍の言葉に甲三郎は落ち込む。
そんな甲三郎に戦治郎は思考するのを止めて笑って肩を叩く。
「まぁ、今回は初めてだったんだから仕方ねえよ甲三郎、それに戻った時には喋る用のスピーカーなり付けてやっから」
「ご、ご主人~~~」
慰める戦治郎に甲三郎は嬉しそうに抱き着き、その様子に誰もが微笑ましく見る。
「異世界の天龍、もし良いならそのBアークとかカードを調べさせて貰っても良いッスか?」
「別に良いッスよ。まぁ、此処だけに留めた方が良いかもしれませんけど」
勿論っス!と天龍は護へとBアークとカードを全部渡すとすぐさま護は調べに向かう。
「さて、こうなると後はこっちの龍田と瑞鳳を改二にしようかねぇ…マーベラス、練度以外に必要なもんあるなら教えてくんね?」
「ああ、良いぞ。教えてやる」
「もう担がれてる!?」
「あらあら~」
うっしと気合を入れて自分の方の龍田と瑞鳳をすぐさま肩に担いだ戦治郎がマーベラスと共に工廠に足を向けると、その様子を見ていた工廠組であるシゲ、護、空の3人もそれに付いて行こうとする。
ただ、その途中で止まる。
「あー、後の皆に関してはどうしようかねぇ…」
「その事なんだけど戦ちゃん。もう1回演習させて貰っても良い?それも1対1で別の人との」
うーむと考えようとした戦治郎に剛がそうお願いする。
「む……、ならば龍田達の改修はシゲ達に任せて俺もそちらに参加するとしよう。丁度いい相手がいるようだからな……」
剛が戦治郎にお願いしているところを見た空が、この様な事を口にしながら珍しく獰猛にその口角を釣り上げる。
だが普段から表情筋が死んでいるなどと言われている空の希薄過ぎる表情の変化に気付く事が出来たのは、彼と付き合いが長い戦治郎、光太郎、輝、悟と現場で関わる事が多かったシゲと護、武術の心得が有り相手の気配などを読み取る事が出来る通と剛の計8人だけだったのはここだけの話である
「剛さんに空か……、それぞれ誰とやるんだ?」
「俺はハーケンとさせて欲しい」
「お、指名されちまったな」
確認する戦治郎に空はハーケンを見て言い、ハーケンはニヒルに笑う。
「そして…アレディ・ナアシュ、私と1つ手合わせをお願いしても宜しいだろうか?」
その後に剛の言葉に戦治郎達は少し驚いた顔をする。
天龍側も剛の雰囲気の変わり様に驚く。
「え、なんか雰囲気と口調変わってなくね?」
「剛さんは本気の時に一人称と口調を変えるんですよ」
「だけど…それを申し込む時点でするって滅多にないわよ」
思わず聞く天龍に不知火は驚きながら答え、陽炎も驚いた顔で呟く。
「私とですか?」
「ああ、貴殿の実力を、改めて肌で感じ取りたいと思った」
確認するアレディに剛は食堂の時と違う覇気を放って返す。
「分かりました。私もまた、貴方方の誰かとやってみたいと思っていた所です。剛殿、その胸をお借りします」
「その言葉はこちらも同じだ。心行く演習をしよう」
了承するアレディに剛もそう返す。
誰もが息を飲む中で涼風が一言
「さっきまで女口調だったのと外見のもあってすっげぇ違和感あるな」
「それを今いっちゃいけねぇだろ涼風;」
「ほんまそれな;」
ある意味オチを付ける涼風のに戦治郎と天龍はツッコミを入れるのであった。
「因みに生前の剛さんの体格についてですけど、身長2mクラス、体重120kgオーバー、体脂肪率に至ってはギリギリ1ケタだったんですよ」
「わー凄い;」
「今の口調とピッタリですね…女性口調になったのが凄く不思議ですけど;」
「だよなー、ホント違和感ありまくりだろ」
補足する通のに五月雨は冷や汗を掻き、赤城とレ級はそう呟いた。
次回を待て
ゆっくり霊夢「と言う訳であとがきだよ~作者代行のゆっくり霊夢だよ~」
ゆっくり魔理沙「助手のゆっくり魔理沙だぜ☆」
ゆっくり霊夢「ここで言っておくと砲台棲姫はこのコラボだけの限定登場なのであっちには全然出ない事を読者の人に言っておきます」
ゆっくり魔理沙「ちなみに理由とかは設定だけでもかなりオリジナル要素が強いので、そこにオリジナル深海棲艦までブッ込んだら見てる人が吐き戻しそうと言う虧蚩尤さんの配慮なんだぜ」
ゆっくり霊夢「後、あっちの説明回的な感じで長くなったのは監修して貰った虧蚩尤さんからの補足のなんだよね」
ゆっくり魔理沙「いやホント…こっちの艦これ世界はマジで吹雪頑張りますをベースにしてるからマジでな…」
ゆっくり霊夢「猪突猛進な作者の行き当たりばったりなのを怒らずにいてくれてる虧蚩尤さんホントすいませんでした!」
ゆっくり魔理沙「次回はアレディとあっちの剛さんの演習になるんだぜ」