――『デモンベイン・ストレイド』。それが、俺に用意された新型の試作SR機だ。
嘗て開発され、諸事情によりその大部分が破壊された『ガイア・ギア』システム。その現存する内の一つを使用することで、無限のエネルギーと、搭乗者によるダイレクトなコントロールが可能というのが売りであり、同時に『魔術的偶像』というSR機の当初の理念を最もあらわす機体でもある。
つまりこの機体は、『機械でできたロボット』であるよりも、『人の形を模倣した鋼の塊』、もしくは『人の形をした鋼の巨人』という、科学で生み出されたくせにオカルト寄りの存在なのだ。
またその中枢、出力・制御システムとなっているガイア・ギアシステム。これは一種の半永久機関で、無限のマナを生み出し、同時に魔術的SR機とシンクロする、という能力を持っている。言ってしまえば実のところ、コレは俺という存在を機械的に再現しようとして生み出されたものだったりする。
で、このガイア・ギアシステム。オリジナル一号機はアリサに融合してエヴォリューダー化して、現在ストレイドに搭載しているこのガイア・ギアは、損壊していた二号・三号機のニコイチ品だそうだ。
現在ではこのガイア・ギア、偶発的とはいえエヴォリューダーを生み出したりと、かなりヤバイ代物だという認識が出来ている為、部分的に性能を再現した廉価版が量産型ガオファイガーに組み込まれていたり、IFS(イメージフィードバックシステム)っぽい魔術刻印が出回ったりしている。ネタだ。
さて、話を戻す。
俺と言う存在は、元は対ギーオス戦用に未来に残された、半人半プログラムの戦闘兵器だ。ところが現在の俺は、そのシステム上で運用される筈であったマナというオカルトエネルギーにより、大分その本質を変化させてしまっている。
元々の俺がピノキオだったとすれば、現在の俺は型月的な意味でアリストテレス級だ。別に星の意志の代理でこそないが、それの意志を感じる事は出来る。もしかしたらオリジナルのガメラはガイアのアリストテレスだったのかも、なんて思ったり。
要するに現在の俺は、妖精さんなのだ。――野郎の妖精とか誰得だろう。
まぁ、そんな俺は実質無限に近いエネルギーを生み出す事ができる。とはいえ最大出力は人型である以上限界がある。星のマナを借りて外部出力で、という方法もあるが、それをやると本末転倒なのだ。ギャオスハイパー発生的な意味で。まぁ重要なのは、俺と言う存在は、限りなく無限に近いエネルギーを生み出すことが出来る、という点だ。
さて、その上でこのストレイドには、俺と言う存在を機械的に模倣しようとして生み出されたガイア・ギアが搭載されている。これが如何いう意味か分るだろうか。
つまり『無限×無限』なのだ。――なんて厨二病。
「ティマイオス! クリティアス!」
断鎖術式、一号『ティマイオス』、二号『クリティアス』。空間を撓ませることで、その反作用を利用し、跳躍や攻撃などに用いる魔術兵装。
飛行ユニット『シャンタク』と併用する事により、空中をジグザグと動き回る事で、直線速度において圧倒的に上を行くイリスを撹乱する。
――KYUAAAAAAAAAAAAAAAAAAA……!!
真空に程近い超高高度。そんな中でも魔素を伝って響き渡るイリスの咆哮。咄嗟にシャンタクのスラスターを吹かして回避機動をとる。
その直後。イリスから伸びた無数の触手から放たれる黄色い光。再び放たれた魔力共振メス。雨霰の如く放たれる光の包囲網をかいくぐり、なんとか接近を試みるも、その弾幕を潜り抜ける事は凄まじく難しく、回避で手一杯だ。
「そっちが遠距離戦をするというのなら」
此方もそれに付き合ってやろう、と言うわけではないが。腰にマウントされたその武器。ライフル型のソレは、簡単に言ってしまえばビームライフルだ。但し現在装備している物は荷電粒子を発射するのではなく、魔術砲撃プログラムを仕込んだ逸品だ。
地味に砲撃の種類や属性を変更したり出来る便利な代物なのだが、対イリス戦においては選択肢は一つ。選ぶのはプラズマビームの一択だ。
腕を伸ばすストレイドの先、ライフルから放たれた銀朱の閃光。それは黄色い弾幕を潜り抜け、イリスの触手の一本を千切り飛ばした。
「よし……っあ!?」
ガコン、という爆音。同時に機体が大きく宙を泳ぐ。即座に機体状況をチェック。左脚部に損壊発生!?
「レーザーを回避し損ねて、どこかが誘爆したか……」
即座にダメコンにより左脚部損傷箇所へのエネルギー供給をカット。以後左脚はAMBAC用の錘として使うしかない。断鎖術式も片方が仕えなくなってしまっている。これはちょっと拙いかもしれない。
と、そんな事を考えていると、不意に機体が警告音を発信した。
何事かと即座にシステムに向き直り、目の前に此方へ向けて高速で接近するイリスの姿を見て。
「……っ!!」
ストレイドを防御体勢に。更に障壁を展開することで、突進してきたイリスの体当たりを何とか防ぐ事が出来た。
が、どうやらそれだけでは終わらないらしい。
「……っ、コイツ、触手を!?」
――KYUUAAAAAAAAAAAAAAAAAA……!!
欠損した左脚を含め、ストレイドの四肢に触手を絡みつかせ、その動きを封じようとしてくるイリス。どうやら此方の機体の左脚が損壊し、機動力が落ちたのを見計らって接近戦に持ち込んできたらしい。
然しそれは寧ろ、此方にとっても都合がいい!!
「アトランティス……」
脚部次元断鎖術式に莫大なマナが充填されていく。閉鎖した左脚部が火花を上げるが、ソレを無視して更にマナを注ぎ込む。
四肢を触手で拘束してくるイリス。だがそもそも術式兵装を物理的拘束で止められる筈も無しッ!!
空間が撓み、擦れたビデオテープの如くストレイドの像がぶれ、次の瞬間イリスの真正面、手を伸ばせば触れられるほどの距離へと現れて。
「ストライクッッ!!」
ゴッ、という爆音。そう、爆音だ。
デモンベインの“移動距離”を時空間歪曲により圧縮、瞬間移動の如く対象の前に移動し、“歪曲させて溜め込んだエネルギー”を相手に叩き付ける。これこそがこのデモンベイン・ストレイドのプリセット、近接粉砕呪法、術式兵装『アトランティス・ストライク』。
※因みに変形は在りません。
「ちっ、ダメか」
アトランティス・ストライクを起動させる為の断鎖術式は、空間機動などにも用いる為、その設置場所は脚部に存在する。アトランティス・ストライクは特に攻撃呪法。既に損壊していた左脚部にも当然莫大な負荷がかかり、その結果イリスへ攻撃が直撃したその直後、ストレイドの損壊部分も再び誘爆してしまったらしい。
まぁその爆発すらもイリスに対する攻撃になっているのだから、ストレイドには申し訳ないが、此方としては不満は無い。
――KYUUUUUUGIIGIGIIIIIIIIIIIIIIIIIII!!!!!!
魔力素の風を伝わり成層圏に響くイリスの悲鳴。アトランティス・ストライクの一撃により、イリスのその右脇腹に大穴が開き、同時にストレイドの暴発によりその傷口が滅茶苦茶に焼け焦げていた。おぉ、ヒドラの首!
更に場所的に勢い良くミッドチルダに向かって蹴りだされたイリス。無重力に程近い成層圏を縦横無尽に泳ぎ回っていたイリスは、今度はその母なる大地の重みに引き摺られ、凄まじい勢いで地上へ向けて加速し始める。
コレなら! なんて思っていると、不意に体をガッっと引っ張られる。何事かと改めて機体をチェック。損傷箇所は無し。但し左脚欠損部位に異常な負荷が掛かっている事が分る。
ストレイドのメインカメラを自らの左脚へ。其処にはレーザーにより裂かれ、エネルギーのオーバーフローにより派手に爆発し、酷い有様になっているストレイドの脚。……そしてソレに巻きつく数本の触手の姿が。
――奴め、俺を錘にする心算か!!
実際のところ其処まで考えているのかは知らないが、少なくとも俺をつかんだ事でイリスの降下速度は一瞬減速した。ついでにストレイドまでミッドチルダに向けて引っ張られだしたが。
即座に術式『アルハザードのランプ』で焼き払おうとしたのだが、現在の損傷した状態のストレイドでソレをやれば、下手をしなくても爆発は必死。そもそもテストもしていない技だ。大気圏に突入しつつある現状でやりたい技ではない。
次に分解してマウントされているビームライフルを展開。即座に流し込まれるエネルギーによりライフルの先端が発光。いざ触手を打ち抜こう、としたところで再びイリスから魔力共振メスが放たれた。
黄金の光をスラスターで小刻みに回避。然しひも付きの現状でそう自由自在に動けるわけでもなく。まるで狙ったかのようにビームライフルを真っ二つに叩き切られてしまった。
「ちょっ」
拙い。コレでは触手を引き剥がす事が出来ないッ!
爆発するビームライフルを投げ捨てつつ、即座に次の手段を模索しようとして、即座に取れる手段と言うものが殆ど無いという点に背筋に冷たいものが走る。
そもそもこのストレイド、試作品でまだ召喚術式兵装、イコライザを装備していないのだ。現在の装備は内蔵式の基本装備、プリセットと、すべてのSR機に共通する共通装備のみ。
「――そうだ、ビームサーベル!」
そういえばそんな装備があったのだと、その時漸く思い出した。
プラズマエネルギーを磁場によりサーベル状にしたタイプのソレ。ガンダムで言えば∀のソレであるビームサーベルだが、ストレイドのサイズに合わせ、規模・出力的には寧ろイデじゃないか、と言うほどの物に仕上がっている。
腕部サブウェポンサイロに格納していたビームサーベルを射出。即座にビームを展開して脚に巻きつく触手へ――。
――コココゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォ!!!!!
そうしてその瞬間、ビームサーベルが不意にぐにゃりと歪み、同時に機体を凄まじい揺れが襲った。
「――っ、大気圏ッ!!」
そしてこの揺れ、大気摩擦かッ!
大気の壁に突っ込み、その摩擦で直線状態を維持できないビームサーベル。こんな状態では触手どころか機体そのものまで破壊しかねない。
一瞬脚を切断してしまえば、なんて考えが浮かんだものの、既に大気圏に突入しかけている以上、今ソレをやれば外圧に耐え切れず機体が爆発しかねない。いや、そもそも宇宙戦闘を想定しているSR機にそんな事はありえないと思うのだが、コレまだ試作機だし。
ビームサーベルでの切断が不可能である以上、大気圏突入は確定。設計上大気圏突入は可能な筈だが、今の触手に巻きつかれ、しかも部位欠損が発生している状況では耐久度にも不審点がある。
正直、絶体絶命だった。
――プチッ。
Side Other
ボッ、という音と共に、二つの影に火がつく。いや、正確には二つの影ではなく、その周辺。そのもののギリギリに、炎と平常点の境界線が薄らと見えていた。
その影の一つ、イリスは背を炎に焼かれつつ、静かに一人思考していた。
このイリスには任務が有る。ギーオスを統率し、地上にはびこる人類と言う汚染物質をすべての世界から消去すると言う任務が。
世界の懐は広く、星を滅ぼす人類でさえ世界のバランスに組み込まれてしまっている。人類の存在は星の滅びに繋がるが、人を滅ぼしても星はダメージを受けてしまうのだ。
だが然し、だからと言って人類をそのまま野放しにすれば、世界は必ず滅びる。
ソレを憂慮した、過去のアルハザードの過激派。末期的な状況に追い込まれ、色々な意味でキていた彼ら彼女等は、既に存在しているギーオスに人為的に手を加え、このイリスと言う怪物を生み出したのだ。
そうして生み出されたイリスの任務は、実に単純。世界から人類という存在に連なる全てを消去するというものだった。
そして今。
この世界に再び産み落とされた柳星張、いや『イリス』は、再びその自らの遺伝子に課せられた使命を果たすべく、先ず目の前、周辺に存在する魔導師たちからすべてのエネルギーを吸取ろうとした。その結果は失敗。数体の人類の捕食には成功したが、数としては全く物足りない。
仕方無しにイリスは自らがいつの間にか取り込んでいた遺伝子情報を元に、無数の――それこそ百本近い――大量の触手を生み出した。
それを触媒にして自らの目覚めたその土地を探査し、新たな“餌”や、自らに有益な何かが存在していないかと探索を開始したのだ。
結果、莫大な魔力を持つ“餌”を発見。捕食しようとしたのだが、最後の最後で邪魔が入り、“餌”の捕食は失敗。
再び何か他の有益な物を探し出したイリスは、その中で一つ、巨大な魔力を持つ存在を見つけることが出来た。
ソレは“聖王のゆりかご”と呼ばれた巨大な魔導戦艦の主機、それを支える為、スカリエッティが密かに追加設置していた多数のジェネレーターであった。メインのジェネレーターこそ鉄槌の騎士に破壊されたものの、それだけでゆりかごが止まらなかったのはコレの存在によるところも有った。
莫大な魔力を生み出すジェネレーター。これ幸いとジェネレーターからの魔力供給を受けたイリスは、イリス本体も驚くほどの勢いで急速に成長を開始した。
そうして驚異的速度で中期成体へと変貌を果たしたイリス。脱皮も変態も一気に済ませ、自らの納まっていた入れ物を破り出て。そうして見えたのは、広い宇宙。眼下には見慣れない惑星が一つ。
少なくとも此処はイリスが最後に納められた土地ではないのだと、イリスは自ら思考して。
そうこうしている内に、いつの間にか自らの周囲を囲うようにして出現した次元航行艦隊。イリスにしてみれば新しい餌が次々と追加されたような物であった。
そうしている内に、次元航行艦の魔力出力が高まり――即座にイリスは行動を開始した。
一応兵器として設計されているイリスには、兵器に対する戦術的思考というのも元々に仕込まれていた。
イリス――ギーオスの系譜に当然装備されている魔力共振メスを用い、近寄る次元航行艦をバラバラに分割ないし刻んで行く。
そうして適度に刻んだあと、近付いてくるそれらに取り付き、放つ膨大な魔力を根こそぎ奪い取ろうと、イリスはそう考えていたのだが。
突如出現した鋼の巨人により、その考えは根こそぎ粉砕された。
巨人、デモンベイン・ストレイドの蹴り。それは蹴りなどという生易しい物ではない。空間を抉り飛ばすその一撃は、例えイリスと言えども直撃すればただでは済まない。
実際に大怪我を負わされたイリス。しかもこのままでは重力に引かれ、大気圏へと投げ出されてしまうだろう。
そもそもの航空方法がギーオスの空力学に則った物ではなく、寧ろデモンベイン・ストレイドに近い、魔力を噴射し力任せにすっ飛ぶという飛行方法を採用しているイリス。それゆえに大気圏外での行動も可能なのだが、その飛行方法の応用で大気圏突入程度で死に至る事はない。
だが然し、ただで大気圏に落ちてやるのをイリスは“勿体無い”と判断した。そして取ったのが、デモンベインの脚に触手を絡みつかせ、諸共地上に落ちると言うものだった。
イリスにしてみれば、地上に墜落するその直前にでも触手を解き、自らは悠々と飛行して離脱すればいい、という考えだったのだろう。現状の傷で大気圏突入を避けるのは難しいが、突入してしまえばその後は如何とでもできるのだ。
そうしてイリスは何とかして脱出しようとするストレイドを嘲笑うかのように、その脱出手段を一つ一つ奪っていき。
ついに大気圏突入が始まり、周囲が灼熱しだした事でストレイドはその動きを止めた。
――どうやら諦めたらしい。イリスはストレイドを見て、そう判断した。
――だがッ! その時だったッ!!
デモンベイン・ストレイドはッ! その操縦者のメラはッ!! 何を思ったか、その背部シャンタクユニットのスラスターを全力で噴出し始めたのだ。
次の瞬間、イリスは仰天したッ!! 普通、脚を引かれれば引かれまいとする。地球の重力を振り切ろうと思えば、尚更引き寄せられるわけには行かない。
然しッ! デモンベイン・ストレイドはッ! メラはッ!!
「おおおおおおおおッ!!!」
逆に思いっきり近寄ったッ!!
――QUGYYYYYYYYYIIIIIIIIIIIIII!!!???
「このままミッドの地表にたたき付けてやるッ!!」
そうしてメラはデモンベイン・ストレイドを更に加速させる。轟々と光を迸らせるシャンタクユニット。コレが科学式燃料スラスターであれば、まだイリスにも脱出のチャンスはあったかもしれない。熱負荷を抑える為、冷却時間の必要な燃焼ロケット式であれば脱出のチャンスはあった。
だが然しッ! メラの操るデモンベイン・ストレイド。その飛行ユニット『シャンタク』は科学燃料燃焼ロケットによる推力ではなく、デモンベイン・ストレイドから供給される膨大なマナを逐次圧縮・開放により生み出される莫大な推力を用いる推進方式を採用していたッ!!
つまりッ! デモンベイン・ストレイドは無限に加速し続ける事が可能ッ!!
――PIGYOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!
背を焼かれるイリスが悲鳴を上げ、更に我武者羅に魔力共振メスを振り回す。途端ストレイドの装甲がボロボロと削られていく。
だが然しッ! それでもストレイドのその鋼の豪腕は、イリスを掴んで一向に放そうとはしなかったッ!!
――QWYOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!!!!!!!!!
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!!!!!!!!!」
――大気圏再突入における問題とはッ!! ソレは『熱の壁』ッ!! 大気圏再突入時に発生する熱による問題である!!
簡単に言えば、大気圏突入において、突入対象により発生する潜熱ッ。これをいかに短時間かつ突入固体に影響を与えずに置くかと言うものだ!!
この簡単な解決法として、再突入物をゆっくりと地上に降下させる、と言うものがある。例えば軌道エレベーターや宇宙船をレーザーで押し上げる等と言う推進方式も提唱されている――が、これらは絶対的に大掛かりな施設が必要とされる。
であれば如何するか。熱の発生を不可避とするのであれば、熱によるダメージを軽減させればいいのだ。
例えばスペースシャトルなどは、船底に特殊な断熱材を敷き詰める事で、大気圏突入による熱の影響を最低限に抑えることに成功している。何せ使徒のビームを受け止められる程なのだ。人類の技術も棄てた物ではないのだろう。
話は戻るが、ストレイド――メラは、現在イリスと共に地球へ向けて勢い良く突入――『落ちて』いた。イリスを盾にして。そう、イリスを盾にしているのだッ!!
ストレイドの欠損状況では、熱によってどれ程の悪影響が出るかも分らない。勿論重要機関には断熱材の保護が掛かっているが、損傷時にも万全とは言い難い。故にメラが取った行動は、ストレイドにダメージを与える熱、その被害を減らす為に、イリスを断熱材として、盾にする、と言うものであった。
「――星に墜ちて砕けろッ!!」
――PIGYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!!!!!!
その日、ミッドチルダの各地からは、昼間の空に明るく輝く流星のような物が見えたという意見が聞かれるのだった。
※ジョジョの最終話を見ながら書いた結果がこれだよ。
■エヴォリューダー
事故によりとあるシステムと生体融合を果たした事により、半人半機の超人となる。
これにより生身でありとあらゆる空間においての活動が可能となり、また本人としてはメラやすずかと同類の超人と化したことに納得している。
■ガイア・ギアシステム
元ネタは某宇宙世紀の果ての小説。欲しい。
世界からマナを借り受けることで無限に近いエネルギーを扱う炉や、システムに意志をダイレクトに接続する特殊インターフェイスなどの複合装置。実はメラという存在をシステム的に再現することを目標とした装置。
何機かが試作されたが、レギオンの襲来によりその大部分は喪失。そのうちの一つがアリサと生体融合を果たし、エヴォリューダー化を果たした。
本来は携帯型の魔術・システムインターフェイスとして用いられる筈であった。
要するに魔力炉搭載の万能デバイス。
■ストレイドのスラスター
ストレイドはマナ・スラスターを搭載。但しマナ・スラスターの場合、本来燃料は搭乗者のマナであるため、人間個人で60メートル級のスーパーロボットを操るのは不可能。ガイア・ギア及びメラのような莫大なエネルギーを保有する個体を搭載して初めて運用が可能。この為大抵のSR機は光子力推進や数学的情報置換推進方式などを採用している。
量産機の代替装置としてフーン機関が提起されているが、運用に黄金の蜂蜜酒を常飲しなければならないという法的問題(飲酒運転)が有る為、最有力はやはり光子力推進となっている。
因みにグレートゼオライマーの推進装置は光子力+数学的情報置換で、ジェネシックガオガイガーは勇気と気合。