リリカルに立ったカメの話   作:朽葉周

41 / 42
40 終末の光

 

 

事が始まったのは、管理局『オム』艦隊が地球連邦政府に対して宣告した時間の、一時間ほど前。

 

最初にソレを観測したのは、月のシャロン電波望遠鏡基地。安定した重力場異常と、空間の魔素濃度係数が通常値を大幅に上回った事を観測した現地の観測員は、即座に電波望遠鏡で異常な数値を発した地点を観測。

 

その結果、その場に巨大な魔法陣が浮き上がり、その魔法陣をくぐって巨大な異形の“フネ”が次々とワープアウトしてくる様子が観測できたのだ。

 

「きやがったぞぉ……っ! しかも予測ポイントのど真ん中! 至急幕僚本部に情報を送れ。観測班はそのまま観測を継続!」

「「「「了解!!!」」」」

 

そうして現場から送られた情報は即座に連邦勢力内を駆け巡る。量子コンピュータと地球圏全域をカバーする高度情報伝達ネットワークにより即座に全ての地球人の知るところとなった管理局の侵攻。

 

コレに対して地球圏は即座に派遣で来得る全ての戦力を月基地へ配備。予備戦力どころか地球圏の防衛戦力すらもつぎ込むという作戦が強行されたものの、反対派に対する強硬派の「では予備戦力を出すのは何時だと? 今でしょう!?」の一言に撃沈。

 

結果火星強襲部隊の一部部隊を帰投させ、これを側面から突くという形で奇襲をかけることに。

 

火星までの道程は、道中のレギオンを殲滅するという目的の為アナクロに純粋情報書き換え推進による航行で侵攻ルートを確保しながらの物だったが、地球圏、月軌道上はほぼ完全に連邦の支配化にある。

 

L4地点に転移した一部強襲艦隊が、月面に向かう管理局艦隊を強襲。これを側面から叩き敵の隊列を乱すという目論見であった。

 

そして更に月の裏側――L2周辺には戦力が集う。L2に運ばれた資源衛星。ソレを秘密裏に改造し、密かに其処に集められた無人スーパーロボット軍団。彼女らにより密かに宇宙に配置されたバスター軍団やらオービタルフレーム「ラプター」やらが小惑星帯の中に潜む。無人ならではの力技だが、結果としてソレは実際に出現した管理局艦隊の極めて近隣に潜む事に成功する。

 

その距離なんと500メートル。デブリに擬装した幾つかのラプターは密かに艦隊に取り付き、何時でも“自爆”可能な状態で待機していた。

 

更にそんな様子を確認する無人スーパーロボット軍団指令S.F。

 

「各員、準備は宜しいでしょうか」

『Tesでありますお姉様っ! ノノの軍団は須らく艦隊をロックオンしてます!!』

『此方KOS-MOS。敵艦隊を第三種兵装の射程に補足完了』

『ADAからSfへ。ベクターキャノン照準完了。チャンバー内正常加圧。何時でも撃てます』

『報告するであります、アイゼンメテオールの全火器完成システム正常に稼動、相転移砲含め、全ての兵装の発射準備を完了しております』

「宜しい。では各自、開戦の合図と共に手加減容赦なくその一切をこの宇宙から消し飛ばして差し上げなさい」

「「「「「「「Testament.!」」」」」」」

 

ヒューマノイドを模し、そしてそれを圧倒するSR機をも越える戦闘能力を与えられた、通称スーパーロボっ娘軍団。

彼女達の唱和が、密かに宇宙に響いていた。

 

そんな最中の事だ。

定刻の時刻の三十分前。突如として月面基地を激しい衝撃が襲った。

 

「如何した!? 何が起こった!!」

「こっ、攻撃です!! 基地防衛用に展開されていた次元断層バリアに凄まじい負荷! これは……管理局次元航行艦の『アルカンシェル』ですっ!!」

「なんだとっ!?」

 

オペレーターの言葉に、月基地本部に陣取る司令部の面々が驚愕の表情を浮かべた。

 

「馬鹿な、宣告の時間までまだ30分はあるわよ!? 第一返答だって未だ……」

「相手もハナから此方が降伏するはずが無いと解っていたんでしょうね。だから時間を待たずして攻撃を開始したんじゃない」

「で、でもなら何でもっと早くに攻撃してこなかったのよ」

「……可能性としては、此方の戦力が月に集結したところを一網打尽にする心算だった、とかかしら。他にはアルカンシェルの発射に時間が掛かった、なんて可能性は……流石に無いと思うけれども。と言うか作戦部長、こういうの考えるのは技術部の私の仕事じゃなくって、貴方の仕事じゃないのかしら?」

「う゛っ、ユリコぉ~」

「やめなさい、良い年齢してそんな声出して。みっともないわよ、コトノ」

「ミツイシ、ヤマグチ君、じゃれるのはその辺りにして、そろそろ作戦指揮を執ってほしいのだが?」

 

と、そんな二人のじゃれつきを副指令である壮年の電ちゅ……老人が止める。そんな副指令の言葉に二人は慌てて敬礼し、改めて正面の戦線指揮モニターに視線を移すのだが。

二人の部長クラスのそんな掛け合いに、周囲のオペレーターたちは若干苦笑を漏らしていた。

 

「……さすがだな」

「あぁ、見事なものだ。さすがはドイツに名を馳せた『黒の魔女』。自らを道化にあっという間に司令部の空気を元に戻してしまったよ」

 

そういって密かに司令部を見渡す二人。先ほどの攻撃の際、完全に動揺に飲み込まれてしまっていた司令部は、けれども既にいつもの、適度に緊張した状態へと戻っていて。

 

ソレは間違いなくあの二人の掛け合い漫才の結果によるものだろう。彼女――ミツイシコトノは、意図的にか天然にかは全く解っていないが、こうした強襲をドイツで何度も経験し、そのたびに自ら率いる部隊を生還させ、勝利させてきた戦場のエキスパートであった。

 

「……あれで後は遅刻と飲酒に関して控えてくれれば問題は無いのだがな」

「……交通局からの苦情も来ている」

「あぁ、そういえばそうだったな。全く、一つ優れた人間と言うのはどうしてこうも何処かブッ飛んでいるのだろうな」

 

副指令キヨカワの言葉にタチキ指令が付け加える。彼女ミツイシ作戦部長は、着任に遅れそうだという理由で、月の輸送機を占拠、表基地から裏基地までを交通ルール完全無視で突っ切らせたというとんでもない経歴を持っていたりもする。

ちなみにコレは月裏基地の必死の工作によりもみ消されているのだが、その賠償に多額の基地資金が飛んだとかいう噂が有ったり。

 

「「……………」」

 

何かを考えて疲れたような表情を浮かべた二人は、けれども再び気を取り直してモニターへと向き直る。

 

「基地の被害状況はどうなっている」

「次元断層バリアの展開が間に合いました。おかげで基地の被害は、アルカンシェルの衝撃によりランチが転覆した、等の被害が報告されている程度です」

「技術部から連絡が入りました。急造品ででっち上げていたバイパスが火を噴いたそうです!! 急ぎ修復に入りますが、ソレまでバリアの出力低下が予想されます!」

「修復無しで後何発アルカンシェルを防げる」

「今の一撃でバリア出力が70パーセントにダウンしています。多く見積もっても三発、でもバイパス強度を考えると……」

「一発でも少なく事を終わらせたい、ってわけね……」

 

そういってニヤリと不敵に笑うミツイシ作戦部長。

 

「で、ミツイシ一尉、どう行動する心算なのかね?」

「如何もこうもありません。相手が予定よりも早く行動しましたが、我々は予定通りに行動するだけです。多少此方の予定も早めますがね。……指令、構いませんね?」

「勿論だ。管理局を倒さぬ限り、我々に明日は無い」

 

ニヤリ、と腕を汲みながら、そんな『台詞』を言ってみせるタチキ指令。そんなタチキにミツイシはニヤリと微笑んで、ヘッドセットのマイクに手を当てた。

 

「此方月裏作戦本部。我々は敵・管理局艦隊の攻撃を受けた。幸い次元断層バリアのおかげで我々はこうして生存している、が、コレは敵の先制攻撃と判断するに十分だろう」

 

そうして一拍。呼吸するように間を空けて。

 

「故に、本作戦司令部直属の作戦部として各部へ伝達、これより『対管理局L2迎撃作戦』を開始! 各員、敵を殲滅しなさい!!」

 

その彼女の宣告は、即座に作戦領域に展開した全ての部隊、いや、この戦闘の趨勢を見つめる全ての連邦軍人へと伝わった。

そうして、次の瞬間。月の裏側、ラグランジュ2で、眩いほどの光の輝きが相次いで瞬きだしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……管理局、終わったな」

 

そうして始まった戦いを見て、八神はやては思わずそんな言葉を口から零していた。然しそんな彼女の感想は、見る者からすれば至極当然の意見にも聞こえていた。

 

彼女ら新アースラクルー、もとい機動六課の面々が纏めて収容されている月面基地の一角。先ほどまで収容されていた会議室に比べると行動に制限が掛けられているものの、それでも機能的には先ほどと比べてもそん色ないほどの物。その部屋に彼女等は纏めて収容されていた。

 

地球連邦の最先端技術をこれでもかとつぎ込んだ月基地、その一室。実はアースラクルーほどの大人数を纏めて収容する為の施設を用意していなかったという話なのだが、当然そんな実情を彼女等が知るはずも無く。また彼女等にとってその部屋に纏めて収容された事は特に不利益を被るわけでもなく。

 

先に収容されていた部屋と同じく、月のメインフレームに接続されている端末からゲストIDで情報を引き出した彼女等は、リアルタイムでその光景を見ていた。

 

「此処まで、とは……」

 

先ず最初に放たれたオム艦隊のアルカンシェル。空間歪曲と反応消滅により対象を空間ごと消し飛ばす管理局の最終兵器。

放たれる瞬間、その威力を知る機動六課の面々は思わず悲鳴を上げていた。その威力を知る彼ら彼女等にすれば、自分達ごとの月への攻撃。それは間違いなく自分達の死を意味しているのだから。

 

誰もが目を瞑ってその瞬間に恐怖して。だというのに、彼女等の時間は何時までたっても終わる事は無く。ただ大きな揺れが襲っただけで終わってしまった。

 

「まさか……アルカンシェルを防いだんか……!?」

 

愕然と呟く八神はやての視線の先には、戦場が映し出される投影スクリーン。其処には薄透明の膜のような物が、壁一枚隔てた向こう側の反応爆発を防ぎきっている姿が映し出されていて。

その事に気付いた機動六課の面々は思わず自らが生き残れた事に安堵の吐息を漏らし、同時に前線メンバーの面々は自分達が生き残った、その意味するところを即座に理解して顔色を青く染めた。

 

(アルカンシェルの連続砲撃を無効化しおった……つまり、地球連邦と管理局が戦争になっても、アルカンシェルは使い物にならんと……)

 

それに加え、このアルカンシェル発射は明らかに地球連邦に対して喧嘩を売って、しかもこれを決定打に引き返せないところにまで一気に踏み込んだ。

幾ら宇宙空間でとはいえ、月の連邦基地に対してアルカンシェルを撃ち込んだのだ。いわば他国に核を撃ち込んだようなもの。言い訳のし様も無い、あきらかな戦争行為である。

 

(アルカンシェルを無効化する、魔導師を圧倒するギーオスを殺すロボットを量産し取る世界と戦争……?)

 

はやての頭の中での連邦政府とは、既に見せ付けられた様々な映像から、E.F.F>ギーオス>越えられない壁>>管理局魔導師と成っているのだ。

 

八神はやては機動六課の部隊長だ。仮に地球連邦と敵対した場合を想定して、既にある程度の戦略を練っている。練って、その結果は――無理だと判断した。

 

先ず原因の一つに、地球連邦で使用されているガイア式の存在が上げられる。これはギーオスに吸収されないという特性に加え、参照したデータが事実であるとすれば、魔法に対する優位性、例えるならガイア式のエネルギー……マナの方が、魔力素と比較し比重で勝っているのだ。つまり、魔法とガイア式をぶつけ合った場合、如何足掻いてもガイア式が打ち勝ってしまうのだ。

 

事実だとすれば「鉄と氷とぶつけ合ってどっちが砕けるか」と言うぐらいに明確に勝負が決まってしまうのだが、まずこの時点で勝負にならない。

 

まぁ実際のところ、マナは命そのものを対価とするという出力の制限が存在し、大気中の魔力素を扱う事でエネルギーを水増し可能な魔力は質を量で補える為に一方的にマナが有利であると言うわけでもないのだが。

 

幸い人的資源を考えれば管理局側に勝機はあるが、次点でこの利点は完全に消滅する。

 

 

 

とうのが、「人型巨大兵器」の存在だ。ぶっちゃけるならばロボットのこと。

 

矢張り参照データが事実であるという前提で考えるなら、地球連邦が保有するTSF、あれ一機で少なくともAランク空戦魔導師に匹敵する。それが無人機含めて大量生産されている次点で、数的有利はないに等しい。

 

更にこの上に連邦には宇宙用に再設計されたTSF、いやMSが存在し、更に圧倒的な力を保有するSR機が存在しているのだ。

 

MSはまだしも、SR機になってしまえば魔導師では勝負にならない。仮にアルカンシェルを直撃させる事ができれば勝機があるいは、ともはやては考えていたのだが。

 

(……対策、存在しとったみたいやしなぁ)

 

地球連邦がアルカンシェルを防いで見せた、と言う事実は此処に確定してしまった。

 

これが仮に「月基地と言う大規模設備を用いた防御」であったのならばいい。大規模設備があったからこそ防げたのだというのならば。然し仮に、SR機がアルカンシェルを防ぐ術を持っているのだとすれば。

 

そのときはもうどうしようもない事が確定してしまう。絶望の底だと持っていたら更に下があるようなものだ。

 

で、そんな事を考えているはやての視線の先では更に戦況が進んでいく。

最初の一撃を防いだ月側は、次に防衛行動として全ての自立・半自立の迎撃対空砲・恒星間砲撃システム・スーパーレーザー、イオンキャノンなどの各種兵装を起動。これにより管理局艦隊に対する最初の一撃を与えた。

 

対する管理局艦隊は即座にディストーションシールドによる防御を実行。空間歪曲によるシールド防御は、場合によってはロストロギアの一撃すら無効化する優れものだ。が、それを支えるシステムはあくまでも現行の管理局の技術によって建造されている物だ。

 

最初の10秒は平然とその攻撃を受けていた管理局艦隊だったが、止む事の無い月面からの遠距離砲撃に次第に隊列が乱れていく。

何せ月側は縮退炉や反応炉、対消滅エンジンなんてもので馬鹿げた規模のエネルギーを使い、現在その各種ジェネレーターをフル稼働させ、余裕のあるエネルギーを全て管理局艦隊へ向けての砲撃につぎ込んでいるのだ。

 

幾ら性能の良いバリアとはいえ限界というモノは存在する。圧倒的なエネルギー量を誇る弾幕に晒された時空管理局艦隊のディストーションフィールドは、ジェネレーターを初めシールド発生装置、エネルギー供給ライン、それらを初めとする様々なシステムに過剰な負荷を受け、次第にその歪曲障壁を減衰させていく。

 

そうして消え行くバリアに恐怖するのが次元航行艦に搭乗する管理局員だった。幾ら優れたシステムを保有していても、人と言うのはやはり何処までいってもそう変わるものではない。

 

一隻の航行艦が、少しでも弾幕の薄い後方へ下がろうとする。と、ソレに釣られるように一隻、また一隻と後方へ下がろうとしていく。

その動きは次第に全体へと伝播し、気付けば我先に後方に下がろうと全ての艦隊が月面基地から距離を取り始めていた。

 

「……これで何隻沈んだんやろうか」

「幸い、でいいのかな? 殆どがXV級で構成されてた艦隊みたいだったから、まだ撃沈された艦は無いみたいだ」

「まだ、なんやな、フェイトちゃん」

 

はやての呟きに答えたフェイト。然し、続くはやての言葉には苦々しい苦笑しか、最早浮かべることは出来ない様子で。

 

そうしている内にモニターの中の、月面からの砲撃が唐突に途絶えた。

何か問題でも有ったのだろうかと首を傾げるが、そうしている内に戦場を移す映像が少し移動する。と、映し出された虚空。その暗い宇宙が不意に輝き、浮かび上がった輝く影が沸き立つように膨れ上がり、その中から実体を持った幾つもの宇宙船がその場に現れた。

 

「わ、ワープなの」

「改めてみたけど、ホンマに地球にはあんな技術があるんやなぁ……って、また何かでおったで!」

「……うわぁ、結構えげつない配置だ」

 

と、フェイトが指すのは、前面に投影される大型スクリーンとは別、フェイトの手元のPDA。早速操作方法を覚えたらしいフェイトは、その手元に表示されるデータをはやてとなのはの手元に転送して表示させた。

 

「なんやこれ?」

「戦況MAP。私達の平面MAPと違って、宇宙戦闘を想定してるから最初から三次元MAPみたい」

 

そういってフェイトが表示してみせたMAP。球形のデータ図の中には、その中央に次元管理局艦隊が表示されている。

 

「これが月で、これが管理局艦隊」

「この月と管理局艦隊の間にあるんが連邦艦隊、ちゅう事やな」

「うん、そうなんだけど、それだけじゃなくて……ほら、これ」

 

そうしてはやての視線の先に表示されるのは、管理局艦隊の存在する宙域。その背後の少し離れた位置。其処に表示される味方(連邦軍)のマーカー。

 

「……待ち伏せ?」

「そうみたい。しかも薄く管理局艦隊の背後を包み込む形で。これ、逃がす心算は欠片も無いね」

 

理想的な包囲網だ、何て呟くフェイト。つまり全滅フラグかっ! なんて戦々恐々としながら正面スクリーンに視線を戻すはやて。その目には、第二次攻撃――つまり艦隊及び機動兵器による直接攻撃が開始され、次元航行艦隊が派手に火を噴く様子が映し出されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「バスタァァァァァビィィィィイイイイイイムッ!! スラァァァアアアッシュ!!!」

 

その一撃で管理局艦隊が真っ二つに割れる。

 

更にその割れた艦隊に向かってKOS=MOSのX・バスターやらADAのB・キャノンが撃ち込まれ、既に行動不能に陥った危機的状態の上に更にバスター軍団のバスタービームが撃ち込まれ、容赦なく蹂躙された後、更に特務機動部隊HOLLOW率いるSR機部隊による殲滅砲撃が行なわれる。

 

その時点で既にアルカンシェルを撃つどころか、ディストーションフィールドを張るほどのエネルギーも残されていない次元管理局艦隊は、次々に火を噴き轟沈していった。

 

更にそれでも生き残った艦隊に対して、連邦月方面軍艦隊から放たれるメガ粒子砲、荷電粒子砲、イオンレーザー砲、リープレールガン、その他諸々の兵装が火を噴き、コレでもかと言うほどに徹底的に管理局艦隊を叩き潰しに掛かる。

 

これがただの戦争であったのならばここまで嬲るような叩き方は無かったのだろうが、管理局はよりにもよって地球連邦政府をテロ集団扱いし、挙句の果てには交渉も無く月基地に戦略兵器を撃ち込んだのだ。

 

幸い次元断層フィールドバリアの展開が間に合った為、死者こそでなかった。が、『戦略兵器の使用』や、『怪我人が出た』という『事実』は既に覆しようの無い事実として存在しているのだ。最早地球連邦軍に属する全ての人間にとって、管理局勢は「異世界“人”」ではなく、ギーオスやレギオンに匹敵する「外敵脅威」という扱いになってしまっていた。

 

――因みにこの地球における『外敵脅威』に対する『正しい対処法』は、『繁殖する前に根絶する』である。

 

数々の宇宙的脅威に晒され、幾度もの人類絶滅の危機を経験していた地球人は、生き残る為には全力を尽くす。幾ら同じヒューマノイドであろうとも、最早一欠けらの容赦すらない。

 

結果、地球連邦軍の可能な限りの大火力に晒されてしまった時空管理局「オム」次元航行艦隊は、生存者『数名』を残し、見事に宇宙の塵となって――いや、縮退砲含む各種兵装によって、塵すらも残さず、綺麗さっぱりこの宇宙から焼滅してしまったのだった。

 




・Testament.
誓約とか契約とかそんな感じの意味だったような。
出展は川上稔作品。テンション上る掛け声だと思う。

・月司令部
名前は声優ネタ。元ネタの人たちは二次創作とかでよく毒電波にそまってるけど、本作における彼女等は声優ネタなだけの別人で有る為普通に優秀。

・バスタービーム・スラッシュ
元ネタはトップをねらえ!2のバスターマシン7号「ノノ」の技で、その元ネタはウルトラマンAのバーチカルギロチン。宇宙怪獣じゃなくて管理局艦隊を真っ二つにした。


■総攻撃後の各員

・時空管理局オム艦隊
下手に地球連邦の基地にアルカンシェルを撃ち込んだ為、異世界の『人類』ではなく『外来性の敵』と判断され、一片の容赦なく駆逐。
「ひっ、光が……ウワァァァァァ!!!」

・B&TのHENTAI技術者共
ヒャッハー! 俺達のロボは「スーパー」「MS」「TFS」問わず無敵だぜええええ!!!!

・ロボっ娘軍団
ディストーションシールドとか張ってるからもう少し硬いのかと思ってたら、まさかの一撃余裕でした。
……でもどうせだから徹底的にやっちゃえミ★

・機動特務部隊ホロウ
うわぁ……。意味無いだろうけど、一応グラビティーブラストとか撃っておく……?

・地球連邦幕僚会議
……これ戦後交渉に影響でないだろうな?

・地球連邦軍
いざ気合を入れて出撃したら、何かあっという間に敵さんが殲滅されてたでござる。

・アースラR2クルー/機動六課
……………………(宇宙艦隊戦に呆然としていたら、管理局の艦隊が一瞬で消滅して魂消た)。


※次話で終わりかな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。