神童side
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
只今の生徒会室―――“暗い”。それ以外、言葉も見つからない。
「南沢さん・・・」
俺は、空いた書記席を見つめる。
数日前―――此処には、今期生徒会書記の、南沢篤志先輩が座っていた。しかし、南沢さんは・・・今は・・・。
何よりダメージを受けたのは、会長だった。
なんだかんだいって、あの会長は、南沢さんのこと、信頼していたからな・・・。
「会長・・・」
「麗子ちゃん・・・」
会長は、黙ったまま、生徒会室から立ち去る。
その後しばらく、会長は来なかった。
「会長がいないと、生徒会は成り立たないぞ?」
「三国さんの言うとおりです!」
会長がいなくなり、俺たちは会議を行う。あの調子だと、本当にしばらく来ないだろう・・・。
「そうだ・・・楓はどうだ?」
俺は、サッカー部部員の山吹楓のことを、ふと考えた。
―――先日、偶然・・・本当に、偶然、楓のお母様・山吹桜子総帥とであった。
そして、楓の過去について教えてもらった。壮絶な過去だった。そして、会長の過去も・・・。
そこで、1つ共通点があった。“実の母親がいない”。
「もしかしたら・・・楓なら」
俺は、三国さんに提案してみる。楓の生い立ちなんて、三国さんが知るはずがない。けど、三国さんは了承してくれた。
楓は、それほど信頼されているのだろう。
「それじゃあ、話が出来た時に」
そう話が収まり、その日は解散した。
しかし、そのあとゴットエデンに行くことになったり、いろいろあって・・・。
楓と話せたのは、数週間たったころだった。
しかし、会長は来ていなかった。仕事をさぼるような、そんな会長じゃなかったのに・・・。
「・・・楓」
「ほぇ?あ、拓人さん」
この楓は、完璧プライベートだ。っていうか、“ほぇ”って・・・。ちょっと、萌えるな←
しかも恰好が、ピンク色の小花がらのワンピースって・・・剣城に見せてやりたい(笑)
「ちょっと・・・いいか?」
「?・・・えぇ、どうぞ」
今、俺と楓はカフェにいる。デート・・・とでも言うのだろうか?
親同士が、月に1度、こういう日を作っている。許婚だが・・・お互い、そんな気はないのだが・・・。
「明日、生徒会室に来てほしい」
「えっ・・・なぜですか?私、全くそういうの・・・関係ないんですけど?」
怪訝そうな顔をする楓に、俺は必死に頭を下げる。
「頼む!事情は・・・また今度」
楓は、困ったような顔をする。しかし、すぐに笑って言う。
「了解です。明日ですね?」
「・・・ありがとう」
「いえいえ^^さぁ、次はバラ園にでも行きますか?」
「あぁ^^」
―――楓は、本当に頼りになる後輩だ。
・・・ということで。
「そうか・・・ようやくだな」
「はい、阿部さん」
生徒会室にて。阿部さんと話している。
「その、山吹さんは、本当にいい奴だな」
「はい。サッカー部の誇りですね。後輩として、頼れます」
「神童が言うくらいだからな。相当だな」
そのあと、みかんさんや三国さんもやってきた。
「そっか・・・山吹さんに、期待してもよさそうだね」
「楓なら、安心だからな」
―――楓、お前はすごいな(笑)
「失礼します」
恐る恐るドアを開けたのが、楓だった。
平静を保って、楓の前へ歩み寄る。
「来たな、楓」
「はい・・・キャプテン、何か私に・・・?」
―――そのあと、俺たちは会長について、話した。
楓には、ちょっと失礼になるかもしれないが、楓に頼んだ理由も、包み隠さずすべて話した。
楓は、無理やりだったが、ニコッと笑った。
「わかりました。難しいですけど・・・頑張ってみます」
長いような、短いような十数分が過ぎ・・・
ガララララ・・・
古びた扉が、開く音が響く。はっとして、皆がそちらを向くと・・・
「如月!」
「会長!」
―――そこには、如月麗子会長がいた。会長は、いつも・・・まではいかないが、力強い瞳で、俺たちに宣言する。
「いいですか?私は会長なのです!今度の件は・・・申し訳ありませんでしたが・・・でも、これからは、雷門中学校今期生徒会長、如月麗子として、日々精進いたします。
屋上にて出会った、1人の少女には・・・お礼を言いたいものです」
会長は、目だけ笑った。
「コソッ)神童、楓にメールしておけ」
三国さんが、横からコソッと言ってくる。俺は、無言でうなずき、携帯を開く。
“to 山吹楓
suありがとう
楓へ
あの後、会長が帰ってきた。
お前のおかげた。ありがとう。
また、お礼をする。
返信不要だ”
―――本当に、ありがとう。
そして、帰ってきてくれて、本当によかったです。
これからも、強いいつもの会長で居てください。―――如月会長。