女子会を抜けて、私たちは別れた。
私は、皆とは違う寮に住んでいる。
寮って言っても、美都先生の家。
先生の家は、裕福な家だからね。山の上にある、豪華な建物が先生の家。
20分に1本で出ているバスに乗り、山の上まで直行!
いつもなら1人の道だけど、今は・・・
「話し、聞かせてくれるのか?」
「うん、しょうがないや」
―――ヒカルも一緒。まぁ、自分が言っちゃったからしょうがないかぁ。
「えっと、前、どこまで話したっけ?」
「ミゼルトラウザーが、ジンさんたちの攻撃によって、とまったところ」
「あ、結構クライマックスだ」
先生の家の2階の一室が、私の部屋。
生徒の部屋なのに、かなり広い。今日は、ヒカルに泊まって行ってもらおうかな・・・さびしいし。
「それから、私たちはミゼルトラウザーに乗り込んだんだ。先頭が私だったんだけど・・・」
「どうしたんだ?」
「入った瞬間、睡眠ガスが充満しててね、私はそこで気を失った」
「そうだったのか」
「うん」
もちろん事実。お兄ちゃんたちが入る前に、私が試しに入ったの。そしたら・・・って話。
「周りには、たくさんのミゼルの操るベクターもいたし、一緒に戦ってくれた人もいた―――グランドスピアを守るため」
此処から先、ヒカルは口を挟まなかった。否、はさめなかったのかもしれない。
「お兄ちゃんたちは、オーレギオンっていう、ミゼル―――コンピューターウィルスがそのまま入ったLBXと戦った。
ランちゃんのミネルバ改は、完全破壊に近い状態になった。
ミゼルの攻撃は止まらなくって・・・でも、お兄ちゃんたちは戦った。負けることなんて、考えてなかった。
大きな攻撃が来て、ミネル改バが食い止めた。そして・・・完全破壊された。
人間って、すごいよ。協力して、心を通わせて・・・戦えるんだもん。
お兄ちゃんとバンさんは、“グロリアスレイ”と“ビックバンスラッシュ”で、ミゼルを倒した。
完璧なLBXだったよ、オーレギオンは。でも、オーディーンとアキレスが合体したら、完璧なんかじゃ無くなった。
“完全が、不完全に負けるとは”―――ミゼルがそう言ったのは、私も覚えてる。意識が戻ってきてたし。
人間は不完全だけど、だから完全を目指して進化する。ミゼルはそれを聞いて、こう言った。
“不完全だから、進化する・・・か。いいさ、好きにしたらいい”―――そしてミゼルは、動かなくなった。
意識が戻って、お兄ちゃんにおんぶされた。そして、お兄ちゃんたちの笑顔を見て、ミゼルを倒したってわかった。
―――地球は救われたんだよ。
・・・でも、ミゼルトラウザーに積み込まれてた、セト50っていう爆弾が、起動し始めて・・・。
5分の間で、出ないといけなかった。私は考えたよ。何としても、3人は助けたかったから。
ランちゃんが得意の空手でドアを破って、必死で出口を探した。やっと見つけたところ―――でも、そこは高い位置だった。
お兄ちゃんたちはあきらめてなかったけど・・・私は、3人を無事に帰したかった。
3人が柱に捕まった。ランちゃんが手を伸ばしたけど、私は首を振った。私は、ちっちゃかった。足手まといだった。
だったら・・・って思った。
お母さんや、お兄ちゃん、皆の顔が浮かんで―――
寸前に見た、お兄ちゃんたちの血の気の引いた顔だけが、フラッシュバックしてきた。
後ろから、ものすごい熱気を感じて・・・
―――死ぬことを覚悟した。
でも、死んでなかった。だって、此処で生きてるしね(笑)
―――目が覚めたら、シートの上にいた。
真上に、泣いてるお母さんの顔と、お兄ちゃんの顔と、皆の顔があって・・・
朦朧とする意識の中、お母さんに抱きしめられた。でね、泣いちゃった。きっと、やっぱり怖かったんだと思う。
あと、ランちゃんに怒られた。“何で手を伸ばさなかったの!?”って。だから、足手まといになると思った、って言ったら、今度はバンさんに怒られた。
―――そして、戦いは終わったの。長かったよ、ディテクターから、パラダイス、そしてミゼルと戦って・・・とても長くて、危険で、楽しい1年だった。
・・・なんて、これで終わりっ!どうだった?」
ヒカルのほうを向いたら、ヒカルは俯いてた。
「どうしたの?」
「俺が、ミクと仲良くしていいのかと思った。救世主だぞ?」
私は、おかしくなって笑った。
「な、何がおかしい?」
「うん、とってもおかしい。私、救世主なんかじゃないよ?お兄ちゃんたちはそうだけど、私はやっぱり足手まといだったし?
でも、それでいいと思うよ。だって、こうしてヒカル達と会えたから。
本当に救世主だったら、今頃世界にでも羽ばたいてるかもしれないでしょ?」
意地悪に微笑んで、ヒカルのほうを向く。ヒカルは、ちょっと驚いて、そして笑った。
「そうだな、ミク」
―――ふぅ、これでヒカルへのお話、終了(笑)
お兄ちゃんの話は、いつまで続くのやら・・・はぁ・・・。
話ねつ造V2、スイマセン。