これは、私が神威大門に入学する前の話―――
「おにーちゃん。ダメ」
「いや、譲れない」
「譲って。妹だから」
「兄の威厳がある」
只今私とお兄ちゃんが、とあるものを巡って口げんか中。
―――そう、メロンパンを・・・。
メロンパンって美味しいよね?
だから、本当に食べたくって、隠してたの。
私がランちゃんにもらったし。
なのに、なのに・・・っ!
お兄ちゃんが、運悪く見つけちゃって・・・
「ミク、これは・・・?」
「メロンパンだよ?」
「じゃあ、いただきまーす」
「ちょっと待とうか、お兄ちゃん」
―――ということで、今の状況です、笑。
でも、私だって譲れない。
でも、お兄ちゃんのほうが強くって、負けちゃった。
盛大にため息をついて見せるけど、お母さんは今日はいなくって・・・
しょうがないから、パン屋へ行くことにした。
そうそう、此処で実は彼に会ってたみたい。
「こんにちわーっ」
「おぉ、ミクちゃん♪メロンパンだね?ヒロ君から聞いたよ」
「おにーちゃんから・・・?」
「そうそう。大きなメロンパンを、妹にあげたいって」
お兄ちゃんってば、本当にやさしいんだから・・・。
その時、ドアが開いて、見知らぬ少年がやってきた。
―――今思えば、それがヒカルだったってわかる。
私はまだ前髪があったし、ツインテールだったから、わかんなかったかも。
「コーヒーをください」
パン屋さんに来てまで、コーヒーを買って、ヒカルは去って行った。
「なんだったの・・・?」
首をかしげると、パン屋さんは笑った。
「時々来るんだよ。毎回違う飲み物買っていくんだよ」
「へ~・・・じゃあ、私もコーヒー、もらっていいですか?」
そこで私は、初めてコーヒーを飲んだ。
―――でもまずくって、すぐに噴き出しちゃった。
家帰る途中で、LBXショップへ行くと、小さい公式大会があった。
その時の私は小6で、アジア大会で優勝した直後だった。
でも、大会はやっぱり気になった。
その大会の優勝者が、実はアラタだったり、笑。
その大会を見終わって、LBXの雑誌を買った。
そこには、この前のテクノロジーコンテストの結果が載ってた。
優勝者は、細野サクヤだった、笑。
その彼と、商店街ですれ違った時は、正直びっくりしたなぁ・・・
最後は、ミゼルトラウザーのあったところへ行ってみた。
別に意味はないけど、時々行きたくなる。
あの事件は、いい思い出だし。
そこにいたのが、ハルキだった。
「何してるの?」
「此処で、あの事件があったんだな・・・と思いまして」
「そっかぁ・・・私も同じかな。じゃあね、また」
邪魔しちゃだめだと思って、私はすぐにその場を立ち去った。
―――そう、実はその日1日で、第1小隊皆と出会っていたの、笑。
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「―――なんてことがあったみたい」笑
「全く覚えていない」
アラタが頭を抱えてる。
只今私の部屋に集まって、お話の最中。
ハルキは、懐かしむ顔をする。
「入学式のとき、どこかで会ったと思ったんだ。髪型が違ったがな」
ヒカルも、目をつぶる。
「僕もだ。ちなみに僕は、コーヒーよりは、普通のミルクが好きだ」
サクヤも笑う。
「僕も、アジア大会優勝者と出会って、びっくりしたんだよ」
―――こんな運命的な偶然、めったにない気がするよ♪