第3小隊は、今までに類を見ない小隊だった。
隊員は皆、小隊長である彼―――東郷リクヤを守るようにして、戦い、そしてLOSTしていく。
私にとって、そんな小隊を理解するのは、かなり時間がかかった。
―――1年生の時の話。
今でこそ私が会長になったため、当時副委員長だったハルキが委員長をしているものの、当時は私が委員長だった。
私は、1年生の時は1度もウォータイムに参加しなかった。
危ないことなんか、特にはなかった。
だからこそ、第3小隊は余計に理解しがたかった。
私と第6小隊は、当時から付き合いがあった。
ムラクがシルバークレジット高額獲得者として、表彰されてから仲良くなった。
ムラクに、私は必死でウォータイムについて聞いた。
そして、それがどれだけ恐ろしいものか知った。
LOST―――退学と、隣り合わせ。
リクヤについて、沢山調べた。
そして、詳しいことは調べられなかったけど、何か“使命”を与えられていることをつかんだ。
初めてちゃんとリクヤと話したのは、初代の第3小隊プレイヤーが、LOSTした時だった。
皆がリクヤを責めた。
リクヤはそう―――今同様、孤立していた。
そんなリクヤに、ハルキが止めるのも聞かず、1人で話しかけた。
「孤立してるじゃん、リクヤ。いいの?私は、放っとけない。皆も、これから仲間がLOSTすること、沢山あると思うんだけど?そのたびに、自分が仲間外れにされたら、どう思うの?」
その言葉に、皆が無言になった。
「ミクの言うとおりだな」
ハルキが同意してから、どんどん同意が増えていった。
結局、最初入学した時のジェノックメンバーって、もう半分くらいになってる。
ハルキ、サクヤ、ゲンドウ、リンコ、リクヤ、コウタ、ユノ、キャサリン、キヨカ、カイト、ナナミ、私くらいだったはず。
小隊編成で、何度かメンバーは変わっているんけど。
小隊長は、初期メンバーになっている。
でも、第3小隊のやり方に、理解してくれるものはどんどん減っていった。
とうとうリクヤには、“仲間殺しの東郷リクヤ”の異名がついた。
事情を知らない人ばっかり―――知っているのは、私とコウタくらいなものなのだから、しょうがないといえばしょうがない。
―――私は知っている。
仲間がLOSTしたときは、リクヤはなかなかコントロールポットから出てこない。
中でずっと、泣いている。
すすり泣く声が聞こえてくる。
「無理はしなくていいんだよ、リクヤ」
―――2年生、現在。
アキトがLOSTした日。
なかなか開かないリクヤの入っているコントロールポットに寄りかかって、語りかける。
中からは、涙声のリクヤの声が聞こえる。
「無理なんてしていませんよ」
「嘘つきさん」
無理やりコントロールポットを開けて、リクヤの目を見つめる。
「私が嘘つきだと?」
「うん。悲しいなら、泣いちゃえばいいのに。私は、誰にも言わないよ?だったら、ここで泣いちゃったらいいよ。悲しいんでしょ?」
リクヤの瞳には、さらに瞳がたまった。
「ほぅら、泣きたいんじゃん。・・・そりゃあ、理解してくれない人が多いけど、私とコウタは少なくとも、リクヤの見方だよ?コウタなんか、ずっと一緒にいてくれるじゃん?」
「それは偶然です」
目線をそらす。私は、首を振る。
「何言ってるの?小隊編成の時、リクヤがずっとあの異名で呼ばれてるのに、コウタは私と美都先生に、リクヤの小隊のメカニックにしてってお願いしてるんだよ?毎回毎回」
「そんなこと・・・」
「ほら、また。嬉しいなら、喜んじゃえばいいじゃん?誰も見てないよ。私も一緒に、喜んであげるから」
にこって笑うと、リクヤも少し口角をあげてくれた。
理解しがたい小隊。
―――それが、東郷リクヤの率いる第3小隊。
いつか必ず、リクヤが皆と分かり合える日が来ると信じて・・・
「私はずっと、リクヤのこと、信じてるから!」