~flower~   作:御沢

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アリスとハルキ。


もしも ~出雲ハルキ~

「痛いんだが・・・まだか?」

 

「すまない・・・もう少し待ってほしい」

 

「・・・ハルキの言うことだからな。わかった」

 

捻挫をした彼女の足首に、俺は包帯を巻いていた。

 

 

彼女の名前は、瀬名アリス。

 

俺の小隊のメンバーの瀬名アラタの双子の妹で、ハーネス第5小隊の小隊長だ。

 

それでいて、俺の彼女でもある。

 

アラタと同じオレンジ色の髪を、ポニーテールにしている。

 

今は部屋着を着ているものの、健康的な長い脚が眩しい。

 

 

「なぁ、ハルキ」

 

「なんだ?」

 

「兄貴にいつ言えばいいんだ?俺は別にいいんだが・・・兄貴、自分で言うのもなんだが、若干シスコン気味っていうか・・・」

 

そうだ。それが悩みどころだ。

 

―――アラタの奴は、結構なシスコンだ。

 

まぁ、ヒナにシスコン気味の俺が言えたことではないが。

 

「・・・いい加減に、だな」

 

「じゃあ、今から伝えてくるぞ?隣の部屋だしな」

 

今俺たちは、俺の部屋にいる。

 

いつまでも長引かせるわけにはいかないだろう。

 

 

意を決して2人でアラタの部屋のドアを勢いよく開けると―――

 

―――キスしているヒカルとミクがいた。

 

『え・・・!?/////』

 

「すっ、すまない・・・/////」

 

アリスと2人、顔をそむける。

 

本人たちも、顔を真っ赤にしてうつむいている。

 

「いや、いいんだ・・・////」

 

「う、うん・・・//////」

 

 

しばらくの沈黙の間、アリスが口を開く。

 

「兄貴はどこだ?」

 

「アラタなら、サクヤの部屋だよ、うん」

 

まだ顔の赤いミクが、隣を指差す。

 

「ふ、2人は・・・付き合ってる・・・んだよね?」

 

遠慮がちに聞かれて、戸惑うが、素直にうなずく。

 

「そうだな」

 

「あ、あぁ」

 

するとミクとヒカルは、顔を見合わせて笑った。

 

―――この2人は、本当にラブラブだな・・・。

 

 

サクヤの部屋に入ると、アラタがいた。

 

「兄貴、探していたんだ」

 

「2人してどうしたんだよ?」

 

「実は俺たち、付き合ってるんだ」

 

しばらくアラタはうつむいた後・・・

 

「はぁぁぁぁ!?」

 

耳をふさぐほどの声が聞こえた。

 

 

「本当に隠すつもりはなかったんだ、アラタ」

 

「・・・!」

 

「でも、兄貴・・・なんかちょっと・・・言いにくかった・・・っていうかな・・・」

 

「アリス・・・そんなに頼りないか?」

 

するとサクヤがなだめる。

 

「アラタはアリスが好きすぎるだろ?だから、心配だったんだと思うけど?」

 

するとアラタは、ため息をついて、笑った。

 

「確かに俺は、アリスが好きだけどさ、同じくらいハルキも好きだぜ?

 

相手がカイトとかだったら、怒ったけどな、ハルキだから全然許すって!」

 

―――アラタは、本当にいい奴だと思う。

 

 

サクヤの部屋から出た後に、ようやく思い出す。

 

「アリス、足は大丈夫か?」

 

「ん?・・・あぁ、捻挫していたんだったな。すっかり忘れていた」

 

アリスはそう言いつつも、いたそうに足をさする。

 

その姿を見て、俺は背を向けてしゃがみこむ。

 

「なんだ、それは・・・?」

 

「おんぶ、してやる」

 

「お、おんぶだと・・・ッ!?///////」

 

アリスは、こういうところが可愛い。

 

 

「照れるな」

 

「てっ、照れてなんかねぇ!ただ・・・兄貴にもしてもらったことないし・・・」

 

「だから、俺がしてやる」

 

「はぁ!?」

 

そう言いながら踏み込んだ足が、また痛んだらしい。

 

「無理はするな」

 

「・・・うん」

 

顔を真っ赤に染めたアリスが、俺の背中に乗る。

 

「ずっと俺が守ってやる」

 

「ハルキが守るのは兄貴だ。俺は、ヒナを守る」

 

「・・・あぁ、頼んだ」

 

窓からさす夕日が、優しい夕方だった―――。

 

 

 




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