昔の私は、とにかく近寄りがたかったらしい。
特待生に勝手に縛られていた。
だから、全て1人でこなそうとした。
でも、限界はあった。
司令官としてだいぶんなれてきた頃。
私は思い出したくないことを思い出さされた。
ーーーはじめてのウォータイムで、WTSDにかかったことだ。
3年前ーーーミゼル事件がトラウマだったみたいで。
その頃の私は、クラスでも孤立していた。
だから、彼ーーー立花ユウキは、なんの躊躇もなく言ってきた。
「お前、散々司令官気取っといて、実はウォータイムできないなんだろ?」
その言葉に、思わずカチンと来た。
「なにも知らないくせに・・・よく言うよね」
「事実、だろ?」
笑いながら言うそいつに、本当に腹がったった。
「いいじゃない、私は強いんだから。少なくとも、あなたよりはね」
「はぁ?なめてんの?俺、優勝6回だぜ?」
「たかが6回で自慢?あり得ないけど?」
「じゃあ、お前はどうなんだよ?
特待生だかなんだか知らないけど、委員長までして。
生徒会にも入って、司令官して。
優勝なんて、言うほどしてないんだろ?」
自慢げに言うユウキに、みんなも賛同した。
泣き出しそうなのをこらえ、皆なにいい放った。
「私は大空ミク。
アルテミス、アジア大会優勝も含め、優勝は60回ほど。
3年前のミゼル事件ーーーあれを解決したなかに、私もいた」
途端に、クラスが静まり返る。
たぶん、皆ヤバイと思ったんだと思う。
でも、馬鹿にされて黙ってる私じゃない。
冷や汗をかくユウキに向かって、冷たくいい放つ。
「あそこまでいったんだから、私に勝てて当然だよね?
ーーー勝負しようよ。LOSTさせてあげる」
みるみるユウキの顔が、青白くなった。
「ミク、もうやめろ!」
そう叫ぶハルキを無視して、LBXをだした。
震える手で、ユウキもDCオフェンサーをだして、バトルスタート。
ーーー結果は、見えていた。
54回の優勝の差は、伊達じゃない。
ユウキのLBXは、ウォータイムじゃないのにLOSTした。
「待て、ミク・・・
これは、ウォータイムじゃない・・・よな?」
「ううん、ウォータイムと同じだよ。
LBXが完全破壊されたら、退学でしょ?
・・・バイバイ」
とびきりの笑顔で、そういった後、私は教室を出た。
「大空さん!」
「・・・たしか、鹿島さん?何か用?」
「ユウキのこと、ひどいと思うよ?
いくらなんでも、そこまで・・・」
追いかけてきた鹿島さんーーーユノに、とてもイライラした。
「そんな生ぬるい考えで、私に勝負を挑んだからだって。
バカなのはあっちじゃん。私は、あたりまえのことしただけ。じゃあ」
「え・・・ちょ、大空さん!?」
叫ぶユノを置いてきぼりにして、私はまた歩いていった。
涙をこらえながら、ずっと思っていた。
ーーーこんなはずじゃ、なかったのになって。