偶然ぶつかったその女性の家は、普通の一軒家だった。
まぁ、私の家は・・・お母さんの研究のおかげで、ちょっと裕福だけど。
「さぁ、上がって」
家の中まで案内されて、気付く。
「いや、あの、やっぱり・・・!」
「いいからいいから!
・・・今ね、子供2人ともいないのよ」
そう言って、玄関先の自転車を見つめる。
「お2人、いるんですか?」
「えぇ、双子なのよ」
「双子ですか!私の知り合いにも、5組いますよ、双子ちゃん」
―――二宮双子、星原双子、出雲双子、法条双子、瀬名双子・・・アラタ・・・。
「5組もいるの!
・・・お嬢ちゃん?」
やばっ、考え込んじゃってた!
「す、すいません!子供さんたち、何してるんですか?」
「LBXが大好きでねー。
神威大門統合学園、ってあるでしょ?事件のあった。
妹の方は、そこに通ってるのよ。
兄の方は、世界を見て回るんだって、旅に出ちゃったけどね」
「へー・・・」
・・・おいおいおいおいっ、ちょっと待って!
妹は神威大門、兄は旅に出てるって、まさか・・・!?
「あの・・・もしかして名字、瀬名だったりします?」
「あら、私、お嬢ちゃんに教えたかしら?
私は、瀬名真由羅っていうのよ」
―――わぁ、やっぱり。
彼女、偶然過ぎるけど、アラタとアリスのお母さんだ・・・!
「私、大空ミクって言います!
神威大門統合学園の元生徒会長で、今は瀬名アラタ君と一緒に旅してるんです」
「えっ!?アラタと!?
・・・あぁ、アラタの言ってたしっかり者の旅のお友達って、もしかしてミクちゃん?」
「しっかりものかは分かんないですけど・・・まぁ、多分そうです」
「わぁ、びっくりね!」
ホント、私もびっくりだよ!
そのあと、部屋の中に案内されて、真由羅さんとお話。
そして、アラタと喧嘩しちゃったことも・・・
「私、4年前のミゼル事変の当事者なんです。
・・・そのことで、ちょっとアラタと喧嘩、しちゃって・・・」
「まぁ、アラタが悪いんでしょうけど」苦笑
「そんなことは!私もわるんです・・・
・・・私、アラタに謝りたいっ!」
そうだよ・・・私、アラタに謝らなきゃ!
勝手に逃げてきちゃって、きっと探してると思うし!
「じゃあ、アラタのこと、探してほしいな。
あの子、意外とさびしがり屋だし」
「アラタ・・・私、行ってきます!」
「うん、じゃあ、またいつかね!」
「はいっ!」
ソファから立ち上がって、瀬名家を後にする。
―――アラタ、どこにいるの・・・!?
必死に走って、探して探して・・・
「アラタッ!」
「ミクッ!」
―――やっとアラタを見つけたのは、夕方だった。
「俺、ごめん・・・ミクの努力、知ってたのに・・・」
「ううん・・・私も悪かったから・・・だから、もうお互いさまね!」
「あ・・・あぁ!」
ねぇアラタ・・・友達って、こうやってなっていくものなのかな?
「そういやミク、どこ行ってたんだよ?」
「えーっとね・・・あ、アラタの家だ」
「へぇ・・・って、えぇ!?どういうことだよ!?」
「えへへっ・・・アラタ、可愛いとこあるねっ」
「ちょ、ミクー!?」
―――たまには喧嘩も必要、かもね?