「要するに、放送で済ませすぎなのですね。そのことは、薄々気付いていましたが・・・」
翌日―――神童は、麗子に昨日霧野に指摘されたことを、生徒会活動の際にいう。麗子は、珍しく俯き、考える。
そして、1つの結論にたどり着く。
「明日、集会を開きます。内容は、劇です。今から、シナリオを考えます」
しばしの沈黙。そして、生徒会室に阿呆見たいな声が響く。
「如月!今からって・・・もう4時だぞ?」
「だから何なのですか、三国君。すぐに考えましょう。阿部君、国語の成績が学年トップだったでしょう?考えていただけますか?」
麗子の威厳ある発言に、逆らえるものは誰もいず、ため息をつきながらシナリオを書き始める。麗子は、若干ずれた所がある。
「阿部君、たとえばこういうのは?“ラブストーリー”」
「却下ですね。もう少し具体的に」
「うぅ・・・神童君、スパルタぁ・・・」
書き始めると、1年生で成績トップの神童は、学年関係ないスパルタとなった。
「じゃあ、神童は何か案があるのか?」
片思いの相手の意見を否定され、なぜか阿部が逆ギレする中、神童は意見を出す。
「そんなの、卒業に関することいで決まりです。ベタでもかまいません。それが、最もオーソドックスですので」
その意見はもっともで、2年生の4人は神童にいう。
『考えてください、お願いします』
神童は、その言葉を聞かず、すでにシナリオを書いていた。
神童(ナレーション)「雷門中学校サッカー部。今日は、三送会です」
みかん(マネージャー)「い、いい、皆?3年生の皆さんに喜んでもらえるよう、が、頑張るのよー」
南沢(2年部員1)「にしても、今日もみかんちゃん、かわいいねー」
みかん「ヤメロヨコノヤロー!!!」
神童「南沢さんは、別名エロみ沢ナルシといいます」
三国(3年部員1)「全く、急に呼び出して・・・」
阿部(3年部員2)「どうしたんだよ}
南沢「すいません、まだ入んなよ?」
三国「敬語なのにタメ!!」
阿部「如月がいたら、何て言うだろうか・・・」
神童「会長は、ジャックと豆の木にのぼり、帰らぬ人になりました」
麗子(?)「はぁ・・・はぁ・・・今帰ったわよー」
南沢「麗子ー!可愛いねー!!」
みかん「南沢君!私のことは!?」
麗子「何言ってるのよ!篤志は私の・・・ど、同級生よ!」
神童「如月は、サッカー部の神です。・・・嘘です、2年生です」
麗子(2年部員2)「それより、3年生が空気じゃないの」
三国「如月・・・ありがt―――」
麗子「私を死んだことにしたんだから、空気でもいいんだけどね」
阿部「如月ー!!」
・・・しばしの沈黙・・・
皆『3年生の皆さん!ご卒業おめでとうございます』
この劇は結局、皆のドン引きだけを生んで、幕を閉じました。
後日談・・・
「うぅ・・・みかんさん・・・あんなに改造するなんてぇ・・・」
「ごめんね、神童君。でも、よかったでしょ?」
実はあの劇を考えたのは、みかんだった。神童が考えたのは、もっとすごく、感動的だったのだが、みかんにはそんなセンスがわからず・・・。
・・・結果、あの劇だ。
「西原・・・そのセンスはどうかと・・・」
「三国君、そんなことを言ってもしょうがないんですよ。西原さんの私服は、クマの毛皮でできていたりするんですけど?」
「西原・・・そんなところも・・・」
こんなセンスに、阿部はさらにみかんに惚れた。一方の麗子は・・・
「でも、篤志のキャラは好きでしたよ?エロみ沢ナルシ」
『確かに』
この麗子の発言には、皆が納得する。ただ、1名を除く。
「全く・・・俺はあんなキャラじゃ・・・」
「でも、二次創作ではそういうキャラのこと、多いのですよ?」
「それ言っちゃだめ―――!!」
・・・生徒会は、今日もにぎやかです。
あの悪夢のような劇から、1週間がたち、春休みに入ったとある1日。
久々に集まりたくて、生徒会メンバーは、生徒会室に集まる。
最初に来たのは・・・
「はぁ・・・はぁ・・・まだだったな・・・」
「早く切り上げてきたんだけどな・・・」
「そうですね」
サッカー部の、三国、南沢、神童だった。
3人が駄弁っていると、息を切らした大きな荷物を持った・・・
「ごめんなさい、遅れちゃって・・・」
「いや、いいんだ」
みかんがやってくる。みかんも部活だったらしく、自分の楽器のフルートを持って、生徒会室へと入ってきた。相当急いでいたらしい。
それから数分・・・今度やってきたのは・・・
「わりぃ・・・って、如月がまだか」
陸上部のオレンジのタンクトップを着た、阿部だった。阿部は、学年で最も長距離が得意だったりする。
―――しかし、麗子がまだ来ない。
麗子がやってきたのは、それから30分後だった。麗子は、ほかのメンバーが部活の恰好(みかんは吹部のブラウスに上品なワンピース)なのに対して、いつも道理の制服だった。
「すいません、先生の手伝いをしていまして・・・」
「先生の手伝い、ですか・・・?」
「はい」
麗子はそういうと、肩から掛けていたと―とバックの中身を出す。ドスンッ、と音を立てて、大量の資料を出す。
「これは・・・?」
「春休みの間、担任の先生、校長先生、理事長などに頼まれて、目を通した資料です。此処にあるのは、すでに解決済みですので、シュレッダーにかけていただけますか?」
5人は、驚きで声も出なかった。自分たちが部活をする中、麗子はこれよりもさらに多い量の資料を、1人で目を通したのだ。
麗子の緑色のリボンは、毎日付けているものだから、よれよれになっている。
「麗子はすごいな・・・」
南沢がつぶやくと、麗子は不思議そうな顔をする。
皆は思う。
―――こういうところが、麗子の支持される理由だろう。