新米支援系魔法士(エンチャンター)の日常   作:ぬえと

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第四話 スケルトン退治で睡眠不足

 

 ーアイム村西周辺荒野ー

 

 私がアイム村にきてから二週間が経ちました。

 私が今ハマっている事はスケルトン退治です! このクエストは荒野に出没するスケルトンを退治してその骨を集めて納品するお仕事です。

 

 アイム村周辺のクエストをこつこつと頑張っていたおかげで最初の頃よりは力もつき新しい魔法も覚える事ができました。

 

「その魔法とは……てってれー!「第五支援魔法 光属性付与」ー!」

 

「この魔法は自身とその仲間の武器に光属性を付与できるのだー!!」

 

 私は杖を掲げ一人寂しく独り言を連呼している。

 ってこれって思いっきり言ってて恥ずかしくなるパターン?!

 まぁ、そういうわけでスケルトンは光属性に弱いというのもあって少し距離をとって攻撃ができる魔法職業は楽に退治できてしまうわけです。

 

 私は先日フィオナさんからこの光属性付与を覚えたらお金を貯めるのも少しは楽になると教えてもらい、せっせと骨集めに没頭していました。

 

(くぅ〜! あと少しお金が貯まれば、こないだ見ていたかわいいローブが買える!)

 

「あ〜フィオナさんに本当に感謝しないとなぁ」

 

 私は骨を集めては納品、集めては納品を繰り返していました。

 そして三日後、念願のローブをついにゲットできたのです!

 私の買ったローブは黄色の上下一帯型のローブで下はロングスカートのようになっているタイプで、ローブの中でもかなり人気の高い装備だったようです。

 

 これを買うのに何回スケルトン退治をやったことか…… 最近では夢の中でスケルトン退治をしてる夢を見ます。

 って ヤバくない?! というかもはや病気だよこれ! でも、一日中スケルトンばかり見てるとそうなってもおかしくはなさそうだよねぇ…… 。

 

 私は、くるっと一回り。

 

「やっぱりかわいいなぁ、このローブ!」

 

 私は次の日も、また次の日もせっせとスケルトンの骨を集めて納品していました。

 

 ーアイム村クエスト報告所ー

 

 私はいつものようにスケルトンの骨を納品にいきました。

 

「すみませーん! 骨を納品にきましーー」

 

 そう言いかけた時でした。

 

「ちょっとー!! スケルトンの骨の報酬前より安くなってるじゃないのー!! どういう事よー?!」

「お、落ち着いてください! スケルトン退治のクエストが以前より人気が高まりまして、大量に納品される方がではじめた為価格に変更が……」

 

(え? これは…… まずい雰囲気!!)

 

 何やら物凄い威圧的視線を感じる!! 私はそっと報告所を出ると一目散に逃げ出しました。

 

「ごめんなさあぁぁい!!」

 

 

 ーアイム村中央広場英雄像前ー

 

「はぁ……」

 

 ため息しか出ないとはこういう事なのか。

 絶対あれって私の事だよねぇ…… そりゃ何日も何日も骨ばかり納品してたらこうなる気はしていたけど……トホホ。

 スケルトン退治のクエストが出来なくなると別のクエストを探さなければいけなくなる。

 スケルトン退治は報酬もいい上力をつけるのに最適なクエストだったのもあり私は途方に暮れていた。

 私はこれからどうしようか悩みながらクエスト依頼所に向かうとすれ違いざまに冒険者さんの話が聞こえてきました。

 

「なんか新しいクエストが入ったらしいよ?」

「あ〜スケルトンのやつだっけ?」

 

 むむ! スケルトンですと? 私の目が一瞬キュピーンと光る。

 私は猛ダッシュで依頼所へ向かうのだった。

 

 

 ーアイム村クエスト依頼所ー

 

 私は依頼所につくと掲示板をじーっと見つめていた。

 でも、掲示板にはそのクエストは無くあれー? おかしいなーと見ていると依頼所の方が張り紙を持って掲示板に貼り付けた。

 

 私はすかさず、これだー! と貼られていた張り紙を取りクエストを受ける。

 依頼所の方に 一人で大丈夫ですか? 期限は三日しかありませんが…… と言われるものの私は大丈夫です! と張り切って答える。

 

 私は依頼所から出ると依頼書に目をとうす。

 えーっと何々、アイム村周辺南の墓場のスケルトンを退治せよ期限は三日、数は千体。

 私は目が点になった……。

 

「ええええ?! 千体ってこれ集団戦闘専用クエストー?!」

 

 やってしまった、思いっきりやってしまったのだった。

 最初に内容を確認してから受ければ良かったものを、私は内容を気にせずクエストを受けてしまったのだった。

 こうして僕らならぬ私とスケルトンとの三日間戦争が勃発したのだった。

 

 

 ーアイム村周辺南墓場ー

 

 スケルトン退治一日目。

 

 眠い……眠すぎる!! その前のスケルトン退治クエストで頑張りすぎていた私はもはやスケルトンとの戦いではなく睡魔との戦いが始まっていた。

 私は生身の人間、相手は骸骨なだけに睡魔などあるはずもない。

 

「卑怯だー! 」

 

 私は眠すぎるためかわけのわからない事を連呼している。

 かというスケルトンはというと表情一つ変えずにドヤ顔をきかせている。

 徐々に睡魔よりもスケルトンのドヤ顔に腹が立つもひたすら倒し続けた。

 

 スケルトン退治二日目。

 

 もう無理! 眠さからか感覚がおかしくなってきた。

 かれこれ何体倒し続けたのだろう、辺りにはスケルトンの骨が散乱している。

 あれだけスケルトンの骨拾いにハマっていた私でも流石にどうでもよくなってくる。

 相変わらずスケルトンはドヤ顔をきかせている。

 

 スケルトン退治三日目

 

 私の精神はすでに崩壊し始めていた。

 スケルトンのドヤ顔を見てもだんだんと愛くるしく思えてきた。

 あぁ、私はこのまま廃人になってしまうのだろうか。

 流れ行く時間の中で私はただただひたすらスケルトンを倒し続けた。

 そして遂に戦いは終わった。

 

 ーアイム村クエスト報告所ー

 

 私は報告所に戻ると、倒れ込むようにカウンターにもたれかかった。

 

「スケルトン退治終わりまじだぁ……」

 

 そこで私の意識はなくなったそうです。

 次の日この話は村中の冒険者さん達に知れ渡っていたそうです。

 

 

 ーアイム村宿屋ー

 

 私は気がつくと宿屋さんのベッドの上にいました。

 

「あ! 気がついたのねアルシェ!」

「あれ? フィオナさん? 私、どうしてここに……」

 

 フィオナさんは、はぁ…… とため息をつきながらいいました。

 

「あなた、集団戦闘専用のスケルトン退治に一人で行ったでしょ?」

「あ、そうだ…… クエストちゃんと報告できてたのかなぁ……」

「報告できてた以前にあなた、村中の注目の的よ〜もう!」

「えへへ……す、すみません私……」

 

 私が謝るとフィオナさんはコツンと軽くゲンコツをしてきました。

 

「無事だったから良かったものの、でもすごいわ、集団戦闘専用のクエストを本当に一人で終わらしちゃうんだから〜村中の冒険者達がすごい初心者がいるって驚いてるわ」

 

 フィオナさんに叱られながらも、私自身もう二度とやりたくないと本気で思った数日間でした。

 

 

 ーーとりあえずはしばらくはスケルトンは見たくないです!

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