ガンダムビルドファイターズ07   作:ジムスキー

11 / 11
第10話 情熱のバトル部・リーダー

そして週末がやって来た。

予想通りと言うか、相手チームは迷彩服姿である。

さて、どう戦うのだろうか。

 

【PLEASE SET YOUR GANPLA】

サエコは相変わらずのサイコガンダム。

バックパックが大型化してい様だ。

最早変形は出来なさそうでは有るが、一度も変形させてないので問題は無かろう。

キシダの機体は前回と同じジムカスタムストライカー。

リュウセイの機体はアイザックだろうか、短期間にポンポンと新作を持ってくるのは流石である。

そして相変わらず赤い。

 

【BATTLE START】

バトルフィールドは密林、ジャブローやギアナ高地を思わせる。

こちらには有利不利は無く相手次第のフィールドだ。

バトル開始と共に先行するリュウセイのアイザック。

あまり目立たない脇役に徹する作戦だろうか。

飛行しながら先行するアイザックが遠方に敵MSを発見する。

アニメ機動戦士ガンダム第08MS小隊の主役機であるRX-79陸戦型ガンダムの様である。

他の二名のMSは見付からない。

(光学迷彩…では無さそうだが…。)

リュウセイはミリタリー同好会の名に似つかわしくないアニメ準拠のカラーリングの陸戦型ガンダムに違和感を感じたが、接近し過ぎるのも危険と感じて距離を取る。

「あの電子戦仕様の機体、侮れんぞ。」

先程確認した陸戦型ガンダムのパイロットは言う。

180ミリキャノンの射程ギリギリで距離を取られては流石に成す術を持たない。

「我々は我々の戦いをするだけですよ、隊長。」

「我々の戦争をするだけです。」

部下二名の通信が続く。

一方、キシダのジムカスタムストライカーは鬱蒼とした木々を切り払いながら前進する。

一見すると密林は不利なフィールドだが、これでどうして距離を詰めれば殆どの火器類を封殺出来る。

フィールドの中程まで達した辺りで小型ミサイルが機体をかすめる。

(小さすぎる?)

1/144という規格で考えても小さいミサイルが多方向から飛んでくる。

数発直撃するもダメージは殆ど無い。

警戒するキシダのジムの目の前を小型の機体が横切る。

「ワッパだと?」

アニメ機動戦士ガンダムに登場する二人乗りの小型ホバークラフトである。

ファイターがこれに乗っているとは思えない。

何故なら少なくとも四機はここに居るからだ。

「地上戦セットのオマケか、良く出来てる。」

キシダは指先程の小型のガンプラの出来に思わず賛辞を贈る。

だが、このまま長居をしたらアニメ作中の『時間よ、止まれ』の二の舞である。

第七回世界大会で似た様な戦術を組んだレジェンドファイターのレナード兄弟によってこの戦い方の有効性は示されている。

(ミサイルはダミー、本命は違う何か…一度下がって作戦を練り直すか?)

考えながらもスロットルを絞り前進してしまうのがキシダの良いところであり弱点でもある。

ワッパの速度では着いては来れない、よって小細工は無意味。

それがキシダが加速しながら到達した結論である。

が、しかし…。

右足が突如爆発を起こす。

どちらかと言うと爆弾では無く撃ち抜かれたダメージだ。

「何っ!?」

キシダは突然の攻撃に声を上げる。

ワッパの火力では到底不可能な威力の攻撃だ。

(一体どこから…。)

だが足を止めていては謎の攻撃に晒されるだけで問題は解決しない。

キシダは加速を続けながら周囲の木を切り払い続ける。

今度はバックパックが爆発する、やはり振り返っても敵の反応は無い。

オールレンジ攻撃も考えたが、ファンネルやビットの攻撃ならば既に自機は破壊されてるだろう。

キシダは地面に向けて頭部バルカンをばら蒔く。

ワッパか何かが密林に紛れて攻撃している可能性を感じたからだ。

手応えは無いが謎の攻撃は止む、やはり地上からの攻撃であるのはまちがい無いだろう。

次の瞬間、機体の様々な所が爆発を起こしキシダの機体の四肢はバラバラになる。

「しまった!」

油断は無かったが、地上からの攻撃に意識を持っていかれている内にワッパが追い付き爆弾を仕掛けられたのだろう。

成す術無く横たわるキシダのジムに対して謎の攻撃が再開され、機体は耐えられず爆発する。

 

サエコのサイコガンダムの元にもワッパが迫るが、サエコは完全に無視を決め込む。

何をどうしようとサイコガンダムにダメージを与える事が出来ないのだ。

超重量級ガンプラであるサイコガンダムの場合、間接に爆弾を仕込んだ所で蚊にでも刺された様な物である。

そこに謎の攻撃が飛んでくる。

弾が飛んできた方向に容赦の無いメガ粒子砲が火を吹く。

周囲の木々が焼かれ、そこには半壊した61式戦車が横たわる。

アニメ機動戦士ガンダムに登場する二連装砲を装備する重戦車だ。

その戦車に向かってサイコガンダムがにじり寄る。

悲鳴を上げるファイターの声を無視してサイコガンダムは戦車を踏み潰す。

61式戦車というのは怪獣に踏まれる運命なのだろう。

「ガンダァァァァッブゥゥゥゥメラァァァァンッ!」

サエコは在らぬ方向にシールドの半分を投げる。

ブーメランとは名ばかりの質量兵器は迷わず隠れていたもう一機の61式戦車を捉える。

「なんだとっ!」

機動力に劣る戦車はシールドに押し潰され爆発する。

 

知らぬは隊長ばかりなりか、仲間の敗北に気付かぬ陸戦型ガンダムの元にリュウセイのアイザックが再び迫る。

だが、本来頭に付いているハズのレドームは楯として腕に付いている。

巨大なラウンドシールドを左腕に付けたザクと言った所だ。

「君達の作戦は見事だったよ。」

リュウセイは素直に賛辞を贈る。

「しかし、君達の作戦が通じるのは限られた機体のみだ。」

サイコガンダムに通じない時点で作戦は瓦解している。

それと

「ミリタリーというのも悪くは無いが、ガンダムという作品をもう少し知るべきだったな。」

衆目を浴びているハズなのに今日のリュウセイは饒舌である、ムカイの訓練の賜物だろうか?

「オメガ2、オメガ3何をしている!」

隊長は既に敗北した仲間に通信を送るが返事は無い。

「無駄だよ、ガンダムというアニメにはミノフスキー粒子という妨害電波が存在する。」

ここに来てジャミングという基本が抜けているミリタリー通というのもどうかとは思うが。

「だが、ミノフスキー粒子を散布出来るのは戦艦クラスくらいなハズだ!」

隊長のガンダムが180ミリキャノンを撃ちながら反論する。

リュウセイのザクがラウンドシールドを構えると、そこからプラフスキー粒子の波動が広がりキャノンの弾を無力化する。

「バリア!?」

隊長は起きている現象におののく。

「ガンプラバトルの初心者が陥るミスの一つに世界観に縛られるという物がある、君もそのクチだ。」

大方ミリタリーテイストの強い重力戦線でも見たのだろうが、対戦相手の心配までしてしまうのが彼の悪癖である。

相手に攻撃を仕掛けるべく加速を始めたリュウセイの背後からアラート、黄色いメガ粒子砲の光がリュウセイのザクの間近を横切る。

「この光、サエコ君か?」

背後から迫るプレッシャーにリュウセイは額に汗をかく。

「部長ぉ、折角改造したんだから試させてくださいよぉ。」

遠くからサエコの間の抜けた声がする。

「むっ、そういう事なら今回は譲ろう。」

轟音を立てて飛んでくるサイコガンダムの迫力に負けたかリュウセイはあっさり引き下がる。

「ガンダァァァァピストルッ!」

リュウセイのザクが退くと同時にサイコガンダムの両手人差し指から実弾が飛び出す。

ピストルとは言うが、その口径は既にそう呼んでいい代物では無い。

「バンバンバンバン!」

人差し指と親指を立てたサイコガンダムはサエコの掛け声と共に轟音を立てて攻撃をする。

さながらガンマンごっこである。

「なんだ、この目茶苦茶な攻撃は!」

堪らず180ミリキャノンを捨て森に隠れる。

「ビィィィィムチョォォォォップ!」

陸戦型ガンダムが逃げた方向に向けて、右手の四本の指からメガ粒子砲を発射しながら掃射する。

それにしても今日のサエコの攻撃は無駄が無く正確だ。

「ガンダムくん、君は監視されてるから逃げられないの。」

そう言うとサイコガンダムは天に向かって右人差し指を天に向けて突き刺す。

成る程、無敵衛星か。

「ガンダァァァァソォォォォドッ!」

その後、サイコガンダムの必殺技によって我が校の勝利は確定したのであった。

【BATTLE END】

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。