受験の結果発表もあったり、入学説明会に行ったりといろいろありました。これからの生活が楽しみですね。
所で、皆さんは「トライチェイサー」「マシントルネイダー」「ライドシューター」「オートバジン」「ブルースペイダー」などなど。これが何かご存知でしょうか?
今回のお話は仮面“ライダー”なら絶対にいるでしょうという“あれ”が出てきます。
……ですが、僕には良い言い訳が思いつきませんでした。更に法律は守らないとだめだし。ということで、貴大君の乗り物は“あれ”ではない、皆さんご存知のある物になってしまいました。なので想像力豊かにこのお話はお読みください。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
鈴谷町 鈴音東高等学校
「三坂。お前知ってるか?」
「何をだ?」
貴大は昼飯を食べながら、質問をしてきた友人、山宮和馬に訊いた。彼は最近、貴大と仲良くなった人物である。いつもは、委員長の新二やお調子者な片山響と一緒にいることが多くなっていた。
「俺はさ、陸上部なわけだ。それで最近変なうわさを聞いてな、都市研のお前に聞いてみているわけだ」
「……陸上部のうわさか? 聞いたことないけど」
今の貴大は優希のおかげで都市伝説とか街のうわさに詳しくなった。それで、とりあえず記しておくが都市研というのは貴大と優希の所属する“都市伝説研究部”の略称だ。
「最近、大勢のスプリンター達。特にすごく熱心に陸上に打ち込んでいた奴らがどんどんやる気っていうか“情熱”をなくしているんだ。これな、うちだけじゃなくて強豪の鈴二や鈴北とかも」
「へえ、そうだったのか。俺は最近陸上部の原田を見たんだが、いつもみたいにやる気に満ち溢れた目じゃなくて、ボーっとしてたな。あれは恋煩いかと思ったんだけど」
「違う違う。あいつもさっき言ったのとおんなじなんだ。そこでだ三坂、お前このうわさのこと調べてくれないか? 頼む! この通りだ!」
和馬は貴大に土下座した。貴大は周りから向けられる野次馬の視線に耐えながら、ここまでされたらなとか、本当に困ってるんだと思い、やるしかないかと覚悟を決めた。
「分かったよ。調べてみるよ。だけど、解決するかは分からないからな」
「ああ、それでもいいんだ。原因さえ分かればなんとかできるだろうからな」
貴大は解決できるかは分からないとは言ったが、実はこのうわさを聞いて原因が何か少しわかった気がしているのだ。それはズバリ“使心獣”だ。陸上部員の“情熱”が無くなるというのから、おそらくその陸上部員たちは“情熱”を喰われているのだと考えた。
「えーっと、原田君!」
「……ん? 誰だお前?」
放課後になると貴大は早速、調査を開始した。まずは情報収集と、被害者たちに話を聞くことにしたのだった。
「えっと、俺は最近引っ越してきた三坂貴大っていうんだ。今、大勢の陸上部員が“情熱”をなくしていると聞いて調べているんだ」
「三坂……ああ、そう言えば転校生が来たのは聞いたことがあったな。あれ、お前だったのか。で、あの賭けの話のことか? お前が調べているのは?」
「賭け? どういうことだ?」
「実はな………」
原田は実にあっさり話してくれた。貴大が調べている噂の真相はとある賭けだったのだ。その賭けとは、ある青年とどちらが速いか競争する、ただそれだけだ。勝つことができれば勝者はより速く走れるようにしてくれるらしい。……もし負ければ、二度と陸上に打ち込めないようにしてやるのだという。ただし、体には何もせず不思議な光を出して終わるらしい。そして、その後負けた者たちは陸上に限らず、何事においても熱心に打ち込めなくなってしまったらしい。それはこのことを話している原田も例外ではない。
「不思議な光……」
「ああ、そうだが。どうしたんだ? 何か知ってるのか?」
貴大は気がついた。原田の話した不思議な光。それは間違いなく走者達の“ココロ”だと。そして、競争をするという青年は“人間体”になった“使心獣”なのだ。“使心獣”は大勢の走者達の“情熱”を喰らっているのだ。このことを知った貴大は、原田に尋ねた。
「原田! それはどこでしているんだ!」
「……え、ああ、えっと“木のド”のあたりだ。基本的にいつでもいるらしいぞ」
「そうか! “木のド”だな! ありがとう!」
貴大は“木のド”……鈴木町の土音通りへと向かった。それは“雷の羚羊”の異名を持っている原田も驚くほどの走りだったという。
鈴木町 土音通り
鈴木町は鈴谷町とは少し離れている(間に鈴坂町がある)ので時間はかかったが日がある内にはついた。それに緑と勇介には連絡を入れているので、二人ももうすぐ来るだろう。貴大は一人、先に青年に化けている“使心獣”を探し始めた。
「うーん、どこにいるんだろうか?」
「……このあたりのはずなんだけどな。誰が賭けとやらをしてるんだ?」
突然耳に入った声に貴大は驚いてしまった。貴大はその一言を言った人物の方を向いた。そこには大きく“SUZUNEKITAKO”と書かれた陸上の選手の着るユニフォームを着た貴大と同じくらいの年齢の少年がいた。
「なあ、君も賭けをする奴を探しているのか?」
「ん? “も”っていうことはおまえも探しているのか?」
「ああ。でも、俺は賭けはしないんだ。むしろそれを止めようとしているんだ」
貴大がそこまで言うと少年は怪訝な顔をして貴大を見た。貴大は彼も賭けをしようとしていると思い、やめさせようとした。
「あの、賭けなんだけどさ、やめた方がいいというか、やめろ」
「……なんでだよ。俺はもっと速くなるんだ。だれも追いつけないくらいに。だから、どんな方法を使ってもはやくなりたいんだ」
「だから、やめろって。いいか、お前が挑もうとしている相手って言うのはな……」
「……君達、賭けをしに来たのかい?」
貴大が“使心獣”について話そうとしたところで、誰かが割り込んできた。貴大は誰だ? と思い、割り込んだ人物の方を見た。そこにいたのはすらっとした感じのモデルになれそうなくらいのルックスの青年だった。その青年に少年が声をかけた。
「……あんたか、俺を速くしてくれるって言う奴は」
「まあ、そうだね。僕はそう言ったね。ただし、僕に勝てたらだけど」
貴大はここまでを聞いたところで素早くドライバーを出す。
「おい! そこの“使心獣”! お前にこれ以上、誰かの“ココロ”を喰わせるか!」
「……君か、最近僕らの邪魔をしてる奴って。ドクターは面白いとか言ってたけど、僕はそう思わないな。でも、君の持つ“ココロ”は相当だ。それにそっちの子の“ココロ”は僕の大好きな“情熱”ばかりだし」
青年は二人を値踏みするような目で見てから少し、体操をしながら言った。
「二人とも僕とレースするんだ。勝った時のご褒美は、そっちの情熱君は足を速くする。それでお邪魔君にはこれ以上誰かの“ココロ”を喰わないと誓うこと。これでいいかな?」
「もちろんだ。お前に勝って俺ははやくなる」
「……それでいいが、もし負けたときにも何かあるんだろ?」
「もちろんさ。負けた時は僕に“ココロ”を喰われる。ただし、今までのように“情熱”だけじゃないよ。“ココロ”全部を喰わせてもらうことにしよう」
青年はここまで言うと、ニヤリと笑った。貴大と少年はこの笑みに何か恐ろしいものを感じたが、少年の方が話し始めた。
「俺の方から賭けを始めろ。そこの奴はどうせ勝てないさ。お前ら二人の体を見ればわかる」
「僕としてはどっちでもいいんだけど、じゃあ情熱君から始めるか」
「おい! 待て!」
青年と少年が勝手に話を進めていく途中で貴大が待ったをかける。
「お前は“使心獣”だ。はっきりいって人外な能力があることぐらいは分かる。だから、俺が先に勝負をしてそこの奴に教えてやる」
「……“使心獣”とかよく分からないことを言ってるが、そこまで言うなら譲ってやるよ」
「ありがとう。……じゃあ、始めるか。お前も“怪人体”なり“原獣体”になればいい」
「そうかい? では“怪人体”で勘弁してあげよう。なあに、ちょっとしたハンデさ」
そういうと青年の体が変化する。少しずつ獣の姿が混じる。そして完全に変わった姿は足の速い動物として知られる馬を彷彿とさせるものだった。その様子に少年は驚くあまりで動くことも話すこともできなかった。
「それがお前の“怪人体”の姿か。その姿は……馬か?」
「そうさ。僕はNo17馬の“Equus caballus”。それじゃあ、賭けを始める前に二つ」
「……なんだ?」
「まずは君も変身しなよ。これが一つ。もうひとつはしてからにしよう」
「ああ、分かった」
そこまで話すと貴大はドライバーを出す。そして“H”からチップを出すとあの言葉を叫ぶ。
「覚悟しろよ、馬野郎。……変身!」
「
その音声がなると貴大の周りには“装甲”が現れる。これらは全て貴大の持つ“ココロ”を使用している。それが全て彼に装備されれば仮面ライダーハーツの登場なのだ。
「……か、仮面ライダー」
貴大の変身に少年は更に驚いてしまった。だが、そんな少年をそこらの石ころ同然に扱う仮面ライダーと“使心獣”がここにいた。
「さあ、レースを始めようか。さっさと二つ目を言え」
「そうだったね。それで二つ目はルールの変更だ」
「ルールの変更?」
「なあに、簡単なことさ。ただレースをするんじゃなくて戦いながらするんだ。要するに相手を妨害してもいいってことさ。それに君は武器なんかのアイテムを使ってもらって構わない」
この変更には貴大はありがたいと思ったが、同時に怪しいとも思った。なぜなら戦いなしにただ走るだけなら十中八九、馬の方が勝てるだろうからだ。それが、なぜいちいち自分に不利になるようにするのか。
「なんで、その条件にした?」
「……簡単なことさ。僕はね面白い勝負、勝つか負けるかわからない勝負がしたいんだ。それなのに簡単に勝てるルールじゃ駄目だろう」
馬の説明は確かになと納得できるものだった。ただ、始めの無言さえなければの話だが。だが、貴大はあえてそれで納得しておくことにした。
「分かった。それで行こうか」
「フフン、そう来ないと。それじゃあ始めよう」
コースは人通りの少ない道。陸上で走るような場所ではなく、障害物競争のコースのようになっていた。距離も比較的長くなっていてすぐには終わりそうにもない。そのコースのスタートラインで両者は走り出す構えをとる。貴大は三つのチップをとりだしていた。そして馬はスタートの合図を言い始める。
「On Your Marks……Set」
馬はそこまで言うと体勢を更にしっかりとしたものにし、コインを投げだ。両者にこのことについては何も話し合われてはいないが、これがスタートの合図だということくらいは簡単にわかる。両者には“
キン
コインが、落ちた
「
貴大はコインが落ちると同時に三つのチップを入れた。そして手には白いメカニックな銃が現れ、射撃の強化、更に彼の意識は全て馬に向けられた。最後のは“
「チッ、やってくれるね」
馬の方は貴大に悪態をつくが、貴大の耳には入ってこない。彼はまた、銃を構えて打ち始めた。どうやら、レースをせず普通の戦闘で終わらせるつもりらしい。だが、馬の方は近くに落ちていた石を貴大に投げる。見事ヒットした石のせいで“
「あ、待て!」
「残念、僕はまたないよ!」
貴大は慌てて追いかけるが馬の方が速く差は広がるばかりだ。貴大はどうしたらいいのか考えはするが言い答えが出てこない。
「貴大君!」
「大丈夫かい!」
「緑さん!神田さん!」
その時、ようやく緑と勇介が来た。二人は貴大に状況を説明してもらいたいようだった。
「貴大君。今どうなっているの?」
「緑さん! それはあとで言いますから、先に速く移動できるものないですか?」
「え? はやく? ……えっと、確か“W”に“
「“
貴大は馬を追いかけながら“
「
「……よし、これで追いつける」
貴大はすぐに乗ってペダルをこぎ始めた。貴大はすぐに違和感を覚える。こういった場面ではハンドルのところを回したりするんじゃないのか? と。なぜこれは
「緑さん。なんでこれチャリなんですか? バイクじゃないんですか?」
「え? だって貴大君、二輪車の免許持ってないでしょ? だったら法律で乗ったらだめってなってるでしょう?」
貴大はそこで免許の存在を思い出した。貴大は免許を持っていない。したがって使える乗り物はこの自転車以外には存在しないのだった。だが、これはハーツのチップによって生み出されたものである。要するにこんの自転車はかなりの高性能なのだ。したがって、貴大と馬の距離は無くなった。つまり追いついたのだ。
「どうだ馬。これで追いついたぜ」
「なんだって!? まさかこの僕が追いつかれるなんて。それも自転車をこぐ仮面ライダーなんかに」
確かにそうだろう。想像してみればいいと思う、自転車のペダルを本気で漕ぎながら走る仮面ライダーを。確かにかっこ悪いかもしれない。だが、この際そんなことにかまってはいられないのだ。……と、そうしているうちにゴールが目前に迫ってきた。今は貴大の方が少し勝っている。しかし、その差はいつでも返せそうな差だった。
「……くっ、ここで負けるわけにはいかないんだ!」
「させるか!この勝負は俺が勝って見せるんだ。これ以上誰かの“ココロ”は喰わせない!」
両者はそれぞれの全力を出す。そしてゴールした。結果は………
「ま、負けた……」
「やったぜ! 勝った! やりましたよ! 緑さん!神田さん!」
……貴大の勝利だった。貴大は馬の方を見る。それと同時に彼の目の前に馬の蹄が見えた。
ドンッ!
「ガハッ!」
「……クソ、こうなったら貴様を蹴り殺す」
馬の方は負けたことによって自棄になってしまったらしい。貴大にどんどん蹴りをお見舞いしていく。しかし、貴大はなんとか一発をかわして馬の軸足を払った。
「……お、お前な。な、何発も。け、蹴ってんじゃねえよ」
「“
「届けろ決意を! “
貴大の右足に光のラインで視覚化された“ココロ”がたまっていく。その輝きが大きくなったところで、貴大は馬に必殺のキックである“
「く、クソおおおおお!!!!」
馬は叫びながら吹っ飛び、ドォン、と大きな音をさせて爆発した。貴大は疲れたのか、変身を解除して倒れこんでしまった。
「貴大君!」
「大丈夫か!」
緑と勇介の声を聞きながら貴大は返事をしようとしたが、声が出てこなかった。貴大は足に来る痛みと緑と勇介の声を感じながらその意識を落とした。
すいませんでした!
……良い言い訳が思いつかなかったんです。だって、貴大君がバイクの免許を持ってると思いますか?いや、持ってないでしょう。なら、チャリに乗せるしかなかったんです。
まあ、それは置いといて。……置いといていいのか分かりませんが。
今回は鈴音市の町と通りなどについて話ししましょう。
まずは町ですね。鈴音市には全部で12の町があります。全部言うと
鈴山・鈴矢・鈴木・鈴見・鈴原・鈴坂・鈴本・鈴谷・鈴浜・鈴沢・鈴田・鈴波です。
いくつかは見たことあるな、なんていうのがあると思います。これから全部の町がチラッとでも出てきますので、お楽しみに。
次は通りです。これは全部で7つです。これは西から
これは西からドレミ順になるようになっています。楽しいでしょ?
それでは長々しい話でしたが、このくらいで。
See you next time!