まあ、僕のことは置いておきましょう。それで、今回のお話についてです。
今回は短めですが真っ黒なあのチップが使用されます。
……と、最近チップの効果を考えていると中二チックな能力ばかりでてきます。もしかしなくても、今回出てくるのも中二チックかもしれません。それと、最近血みどろな話が多いと思いました。そういうのは次回くらいで“流す”ことにして、夏らしいものを作ってます。
それでは、お楽しみいただければ幸いです。
鈴原町 上空
「フフ、処刑だ。まあ、まだするとは決まっていないからな。落ち着いて次の奴の働きを見ないとな」
蜂はやはり空から総慈を監視していた。蜂は下にいる総慈を自分の針で殺すのを想像しては嬉しそうに嗤うのだった。だが、ふと顔を曇らせて一言。
「なんでいちいち他の奴を送ったりするんだ。命令だから従うが、はやく殺したいんだよ」
この蜂は上の命令が気にいらないようだ。上司にイラつくのは、人間でも“使心獣”でも変わらないようだった。
??? ???研究所
何処かにある何かの研究所。ここでは相変わらずとある科学者が一人、貴大の戦いをモニターで見ていた。
「フフフ、やっぱり何度見ても面白いね」
そこに三人の青年が入ってくる。三人とも恐ろしいほどのオーラを放っていた。よく見てみると、そのうちの一人は、三将の一人である“ホホジロザメ”だった。そして、“ホホジロザメ”の隣にいた青年が口を開いた。
「ドクター。仮面ライダーの様子見なんだけど、いつまですんの?」
「……そうだね。とりあえず、次の春を目途にしているよ。その頃には彼が死ぬか僕らが壊滅的になっているかのどちらかさ」
科学者は青年の質問にあはは、と笑いながら答えた。この話で三人はあからさまにむすっとしていた。そして、青年たちは続ける。
「ドクター。見たでしょう?あの“海”の奴がやったの。あれなら、俺たちが壊滅的になるとかあり得んのだけど」
「君たちはハーツという存在を理解していない。彼はね、戦いながら生きながら強くなるんだ。成長するんだ。新たなの能力が増えたりしてね」
「……じゃあ、なんで生かすんだ。今のうちに始末すれば簡単に目標は達成だが?」
青年たちはいらいらしながら話す。科学者は相変わらず、笑いながら答える。
「だから、いつも言っているだろう。僕は科学者なんだ。彼を観察してみたいと思うのは正しい反応なのさ。君たち“三将”のように戦うだけではないのさ」
科学者はどんどん自分の意見を言い始める。それは青年たちに発言する暇を与えないようにしているようだった。そして、科学者は言う。
「ああ、そうだった。No2、君のおかげで彼が新しく何かスペックオーバーしたチップとやらを手に入れたようだよ。さあ、この映像を見て御覧」
科学者は自分の見ていたモニターを青年たちにも見えるようにした。そこは、鈴本町の羅音通り。画面の中央には一人の青年がいた。
鈴本町 羅音通り
「うう、こんな仕事させられるなんて。絶対に死んじゃう仕事じゃないか。ああ、僕も脱走したらよかったかな?」
何やら、やりたくないことをさせられているらしい青年がいた。がっちりで少し大きい体ではあるが、ほとんど平均くらいな身長。だが、顔は優しそうというか真面目な印象を受けるだろう。そんな彼は逃げ出そうかとぼやいていた。だが、彼は比較的、真面目な性格だ。一度やることになった仕事をやめることはない。適当に終わらせることはあるが。
「よし! それじゃあ、やるぞーー!!」
彼が大声で叫んだことで大勢の人が彼に注目する。彼はみんなの注目を集めたところで言った。……その姿を人と亀をミックスしたものにしながら。
「ほらほら、にーげーろー! 襲われるぞー!」
彼は大きな声を出しながら(緊張感は一切なかったが)動きだした。彼が目に入った人達は皆、叫びながら逃げていく。彼はさっさと仮面ライダー来ないかな、と思いながらじっと待つ。そうして、しばらくすると仮面ライダーこと、三坂貴大が走ってきた。
「おい、お前! お前が……あれ? 蜂じゃないのか?」
「蜂? ……ああ、彼か。彼は見てるだけらしいよ。それにしても、君、遅い。僕待ちくたびれてそこのコンビニで立ち読みしてようかと思ったよ」
「た、立ち読みってなあ。まあいい。お前を倒せばいいんだからな」
貴大はそういうと腰にドライバーをセットする。亀はああ、ようやく変身かと思いながら彼を待つ。“使心獣”達の中で亀はトップクラスのヒーロー好きで、変身中に待つのは常識だと思っている。そして、それを他のものに広めたりもしていた。
「変身!」
「
ドライバーから音声が流れると彼の周りに“装甲”が現れる。それは真っ白でガチャガチャと彼に装備される。すべてが終了するとすごいなあ、と興奮している亀を見てからチップをとりだす。
「
この音声が流れると、今度は装甲ではなく炎が現れる。その炎は貴大を飲み込む。貴大が火だるまになったかのように見えたが、その火はすぐに消えた。そして、炎が消えるとそこには真っ赤な色をしたハーツ“
「おお! それが例の燃える姿だね! ……だけど、僕の防御を破ることはできないよ」
「ハッ、言ってろ。絶対にその甲羅ぶち抜くぞ! ……えっと、亀だよな?」
「ああ、そうだよ。僕、No40ニホンイシガメの“Mauremys japonica”は君、仮面ライダーを倒すよ!」
亀はそういうと走り出した。……だが、そのスピードは歩いているのと大差はなかった。貴大はあらっ、となりかけたが、なんとか持ちこたえて走り出した。……しかし、こちらもそんなに速くなかった。両者は少し時間をかけてぶつかり合う。貴大は全力で攻撃を繰り出すが全く効いている様子がない。
「な、なんて硬さだ。こうなったら、こいつらだ」
「
「これでどうだ!」
貴大は“
「ど、どうしたらいいんだ。……こうなったら必殺技をぶち込んでやる!」
「“
ドライバーから音声が流れると、貴大の拳が燃え始める。貴大はゆっくりと亀に近づく。亀の方は防御の準備をしていた。貴大は大きな声で叫んで拳を振りおろす。
「燃やせ怒気を! “
貴大の拳は見事に亀に当たった。亀はぐぅ、とうめいて後ずさる。貴大は今度はうまくいったかと喜んだが、それはぬか喜びであった。亀はすぐに何もなかったかのようにたちあがって、言った。
「あはは、今のは効いたけど、僕を倒せるほどではなかったよ」
「な、何!? これを使っても駄目だなんて……」
貴大の放った“
「く、くそっ! 何かほかにないのか!」
「あはは、嬉しいな! 仮面ライダーをここまで苦戦させたのは僕が一番最初だよ! どうだい蜂君! すごいだろう!」
貴大は自分の攻撃が全く通じないことにショックを受けているときに、亀の方は嬉しそうに叫んでいた。亀はよほど嬉しかったのか貴大に止めをさすこともなく騒いでいる。貴大は亀が叫んでいる間にどうしようかと考え始めた。そして、その時緑や翔逸、勇介。更には総慈までもがやってきた。
「貴大君、今の状況は!」
「……やばいです。全然攻撃が通じません」
「え!? その姿でも?」
「はい。それに“A”のチップで強化もしましたし、必殺技もやったんですけど……」
緑は驚いていた。あの赤い姿は攻撃に特化した姿なのだ。それが効かないとなると、とても厳しい状況だろう。緑は考えてた。そして、一つだけなんとかなるかもしれない方法を考えた。それは彼女の第六感が危険だと警告して来るほどのものだった。彼女は貴大に向かって叫んだ。
「貴大君! 黒よ!黒いチップ……“
「“
貴大は“H”からチップをとりだした。それは全てを消し去ってしまいそうなほどに恐ろしい黒だった。そして貴大はそれを何のためらいもなく入れた。
「
この音声が流れると、ドライバーから真っ黒な靄のようなものが出てきた。おそらくこれは“
「ア゛、ア゛、ア゛ア゛あああああああ!!!!!!!」
「すっごいだろ~♪ ……って、な、何事!?この恐ろしい“ココロ”は何だい!?」
貴大が叫びだして、亀もようやく今の緊急性に気がついたようだ。亀は焦りだして、とりあえず様子を見ることにしたようだった。貴大を飲み込んだ靄は少しずつ晴れだした。これで“
「ガアアアア!!!!!」
「ふ、ふーんだ。そんな姿になっても僕の防御は破れないさ。さっきと変わらないよ」
亀は怯えながらではあるが貴大に立ち向かっていく。緑達は完全に怯えていた。だが、総慈だけは貴大を見て何か思い出しかけているのか、頭を押さえてうずくまっている。
「あ、頭が……。う、うう」
「だ、大丈夫? 総慈?」
「う、うん。大丈夫だから」
「そ、そう?」
総慈が苦しんでいる中、貴大は狂ったように亀に攻撃を加える。……いや、狂っているのではないのかもしれない。今の貴大はただ、恐ろしいものを消し去りたいと暴れているだけなのかもしれない。
「ガアアアアア!!!!!!!」
「や、やめて。もう、甲羅も割れてる。つぎの攻撃が来たら、僕は、僕は……。ああああああああああ!!!!!!!」
貴大はやめろと叫ぶ亀に拳を打ち込む。それは、一度。二度。三度。四度。五度。……まだまだ打ち続ける。亀の腹部は割れた甲羅や貴大の攻撃のせいで血の色に染まっている。そして、その顔は絶望に染まっていた。亀は逃げ出そうとする。だが、亀の移動速度は遅かった。
「はあ、はあ……。もうヤダ。殺される。誰か助けて!」
「ガアアアアアア!!!!!!!」
「ギャアアアアアア!!!!!!!」
グチャ、という音が聞こえたと思えば亀の体には穴が開いていた。そして、その穴をあけたのは貴大の…………影だった。影はこの世の法則を無視したかのようにまっすぐ亀に伸びていた。緑はそれを見て驚いていた。
「あ、あれが“
亀は貫かれた自分の体を見て叫びだし……爆死した。貴大は亀が爆死すると、変身を解除して倒れた。そして、そこに意識を戻した緑達がやってくる。
「貴大君! 大丈夫? しっかりして!」
「……み、緑さん。だ、大丈夫です」
貴大はなんとか自分の言いたかったことを言い終えると、意識を手放した。緑達が慌てる中、総慈はいまだに頭を抱えていた。
「うう、怖い……。け、消される……。何か来る。思い出せない……」
総慈も何かうめいてから気絶してしまった。その、総慈のもとには翔逸がやってくる。
「総慈! 総慈! しっかり!」
そして、やはりここにも総慈を見ている何かがいた。
「思い出しかけたか……。まあ、構わん。奴はこの手で処刑してやる」
叫んだ何かは小さくなって近くに飛んでいく。
「決行はもうすぐ。フフ、楽しみだ」
……やっぱり、最近文章がいつも以上にひどいですね。これが限界だったので、これからの巻き返しに期待。
それで、今回はどうでしたでしょうか? “恐怖”にのまれた貴大君はなぜあんなにも狂ってしまったのか? これから制御できるようになるか? などなど、それはこの物語が進むことで答えが見えてくると思います。
今の僕はそろそろあれ、新しいあれを出したいなと思っています。大体は決まっていますので、何話かしたら少しだしたいなと思います。