それでは、今回のお話。
いよいよ、最終回です。今回は、クウガの最終回をイメージしていただければちょうどいいと思います。
あとがきがあるので、本編は短めです。け、決して、書くことがなくなったわけじゃないんだからね!!
それと、活動報告にアンケートを用意しております。読み終わった後に、ご協力していただければ幸いです。
……それでは、本編に行きたいと思います。
お楽しみいただければ幸いです。
鈴谷町 鈴音東高等学校
「ここか……」
とある部室の前、少年は深呼吸した。どことなく活発そうな雰囲気を漂わせた彼は、この学校の新入生である。さっそく、目的の部活に入ろうとしていた。
「失礼します! 一年の鏑矢浩太です! 入部しに来ました!」
「え? 本当? よかった……今年はゼロかもしれないと思ってたんだー」
部室にいた少女は、うれしそうにそう言った。彼女は、浩太の前に入部届を出した。
「これが届だよ。これに、名前を書いてくれたら私が後の処理はしておくよ」
「本当ですか? ありがとうございます!」
少女は届を出そうとして、ふと手を止めた。ペンを取り出していた浩太は顔を上げた。
「どうかしたんですか?」
「あ、確認を忘れてて。えっと……この学校は、一度入部するとよほどの理由がない限り辞められないし、兼部や転部も禁止。それは、大丈夫?」
「どうってことないです!」
「そう? じゃあ、これ、書いてね」
届を渡され、浩太は名前を書いた。そして、少女にそれを渡した。少女は、立ち上がって部室を出ようとした。
「じゃあ、これを職員室まで出してくるね。あ、私は永見優希、部長だよ。それと、もう一人、三年の三坂貴大っていう人が部員だからね。私が帰ってくるまで、そこに置いてある本でも見てていいよ」
「あ、はい」
少女……優希はそう言うと、部室を出た。その足取りはとても軽く、駆け足気味で職員室に向かった。浩太は、しばらくして叫んだ。
「よっしゃ!! これで、
浩太はウキウキしながら本棚の本を見た。
「何々……『なぜ、口裂け女はポマードを恐れるか』『メリーさんの転移能力の秘密』『人面犬は存在するのか』……ん? なんでこんな本が?」
浩太はそう思っていると、ふと思い出した。ダンス部の隣には、都市伝説研究部がある、と……
「ああああああああっ!!!!!!」
浩太はダッシュで隣の部室に駆け込んだ。隣では、音楽に合わせてダンスをしている人達がいた。
「あの……どうかしましたか?」
「ここ……何部ですか?」
「ダンス同好会ですけど……」
浩太の背中に冷や汗が流れた。そして、「失礼しました」と一声かけると、優希を追いかけようと走り出した。
「入る部活、ミスったあああああああ!!!!」
余談ではあるが、この年の都市研の入部人数は、一人だったらしい。
鈴原町 高畑緑宅
「…………先輩」
「竜崎君ことかい?」
「はい。彼……なんで」
「さあね。それは、彼にしか分からない。僕達は、仮定でものを語るべきじゃない。人の感情は、愛衣の専門だよ」
高畑緑宅。緑は、いまだにあることに気を病んでいた。彼女は、うつむきながら言葉を吐き出す。
「どうして……どうして、
「高畑君……」
大我は何も言えなかった。沈黙が流れる中、鴻崎と愛衣が部屋に入ってきた。
「二人とも……例のあれ、今のところは異常なしだよ」
「そうか。もう、“ココロ”が表にも裏にも出てこないことを祈るよ……」
「そうね。勇介君達が調べてくれた限りだと、被害者は一千人を超えているみたい……」
「……そうか。僕は、罪深いことをしたね」
「してないさ。僕達は研究者で、その職務を全うしただけなんだから」
鴻崎はそう言った。大我は、また何も言えなくなった。その横で、愛衣も黙っていた。
「ああ、暗い! はい、全員立って! なんか食べてこよう!」
「なんかって?」
「何でもいいよ。僕のおごりだからね!!」
鴻崎はそう言うと、全員を立たせて家を出た。
鈴谷町 風音通り
「西崎っち」
「ん? なんだい?」
「……どうして、西崎っちはこの学校に来たっすか?」
「それは、俺も気になるな。西崎なら、隣町の西郷学園にだって行けただろう?」
「まあ、お金の問題だったとしても、西高でもいいっすしね」
西崎新二、山宮和馬、片山響。三人で帰る途中、響がいきなり新二に質問をした。新二は、しばらく悩んで言った。
「ある人と、約束をしたんだ。……一緒の学校に行こうって」
「へえ……。で? その人は?」
「引っ越したんだ。いきなりでね。まず、同じ学校に入って、その後すぐに転入したよ」
「会えないほど、遠いのか?」
和馬はそう訊いた。新二の表情は、見たこともないほどに愛おしげで、二人は恋人だったのではと思っていた。
「……さあ。人間、本気になれば、会うことぐらいできるだろうね」
それが、答えだった。新二は表情を切り替えると、響や和馬に詰め寄った。
「さて、それはともかくとして……彼女持ちのお二人に、ぜひともお話を聞きたいものだね」
「なっ!? 何を言って……」
「そ、そうっすよ! にゃ、にゃんにもしてないっすからね!!」
二人とも顔を赤くさせて戸惑っている。新二は、先ほどの意匠返しと言わんばかりに二人に詰め寄った。
「さあ、ナックにでも入って話を聞こうじゃないか」
三人は、某人気ハンバーガーチェーン店の中に入っていった。数時間後、あまりの惚気に新二が倒れるのは完全に余談である。
鈴坂町 鈴音第三公園
「…………」
「…………」
翔逸と勇介がいた。二人は、両手を合わせていた。そこは、総慈が亡くなった場所だった。二人は、しばらくして顔を上げた。
「……神田さん、一緒に来てくれてありがとう」
「いや、俺も来ようと思っていたからな。それなら、一緒の方がいいだろうし」
勇介はそう言った。翔逸はうなずいて笑った。
「総慈さん……全部、終わったよ」
「“使心獣”は全員倒された」
胸の中で唱えていたことを、改めて口にした。言葉にすることに大切さを教えたのは、まぎれもなく総慈だった。
「……行こうか」
「そうだな」
鈴本町 鈴音駅前
「……見られてる、よね」
彼は自分に向かってくる視線は、勘違いではないと断定した。そして、落としていた顔を少しだけ上げた。その瞬間、一気に顔をそらされた。
「…………」
あまりの出来事に言葉も出ない。なぜ自分が見られているのか。それも、その視線を向けるのが女性だけであるのか。
「どうしよう……」
何もできない。しばらく、このままで時間を稼いでいこう。
「……なあ?」
「……ん?」
彼は、先ほどから隣に座った三人組に目を向けた。二人の少年に一人の少女。全員が、異常なほどの“ココロ”を持った三人組だった。
「緑さんがもともと考えてたのをもとにしてたんだろ?」
「そうでしたね。それを博士達が手伝って完成させた、と」
「……効果はあるみたいだけどね?」
「そうなのか?」
三人は色違いの腕輪をしていた。丁寧な口調の少年は、カラフル。砕けた口調の少年は白。少女は黒にも見えそうな青。
「だって、副作用が消えてるのよ」
「そうですね。三坂君はそういうのがないので、実感はわかないかもしれませんが」
「そっか……すげえな」
盗み聞き、というのは罪悪感もあるが、楽しさもある。彼は、もうしばらく話を聞いてみることにした。
「これをしてる限り、力は使えないんだよな」
「そうですね。まあ、あっても使う理由もありませんけど」
「これがあれば、早く達成できる気もするけど。急がば回れ。悪も使っていた力を使いたくないし」
「だな」
三人はそこまで言うと、立ち上がった。そして、三人とも別の方向に行こうとしていた。……ここで、別れるようだ。
「じゃあ、優希が呼んでるんでな」
「そうですか。僕も、池上君と出かけますし」
「私は商店街ね。いつものに行くわ」
それぞれの行先だろうか? を、語った三人は別方向に進んで行った。彼は、自分もそろそろ行こうかと思って立ち上がった。
「あ、君……っ!!」
「な、何か?」
いきなり、OLに声をかけられた。OLはあたりに殺気を飛ばすと、にこやかに彼を見た。……切り替えが早い。
「ねえ。君、モデルやってみない?」
「……え?」
「私、こういう事務所の者なんだけどね……君、良かったら、どう?」
「え? えっと……」
彼はそこまで言って気が付いた。自分が見られていたのは、容姿がよかったからのようだ。
「いや、でも…………僕、職なしで家なしですよ?」
「え? ……大丈夫よ! 君はきっといける! そういうのは何とかしてあげるわ!」
「いいんですか?」
この国で職なし家なしというのは、はっきり言ってよくないと聞いていた。しかし、こんなにあっさりと何とかすると言われていいのだろうか?
「ええ。だから、来ない? 試しでもいいし」
「……はい、行きます」
大丈夫だろう。最悪、あれで逃げればいいのだから。
「決まりね! じゃあ、まずは自己紹介ね。私は春日部真由美。君の名前は?」
「僕は…………」
考えていなかった。彼は必死に名前を考える。そして、とりあえず名前だけは決めた。
「あ、雨場。
「うん、シシン君ね。よろしく」
シシンは、真由美と握手した。これが、後のトップモデルの誕生秘話だった。
ここからはあとがきです。バカみたいに長いので、辛い方はゴーバックです。でも、活動報告のアンケートには協力していただければ幸いです。
『[悠] 山石悠の謝辞』
……という題名で、五十一話目を作ろうと思っていたのですが、本編以外は……というのを思い出したので、ここに書きたいと思います。
僕が初めて見た仮面ライダーは、何度も名前を出してきましたクウガです。あのクウガ物語が、僕のヒーローの原点になっています。
仮面ライダー・スーパー戦隊・ウルトラマン。この三つが、ヒーローの候補に上がってきます。その中でも仮面ライダーを一番好きになったのは、
そんな中で、僕の一番思い出深いのは仮面ライダーです。クウガに限れば、リント文字とグロンギ語だけで数時間は語れると思います。
……
そんなライダーが好きだった僕も、だんだんとライダーを見なくなりました。ポケモンや遊戯王を始め、「仮面ライダーなんて子供っぽい」なんて思うようになりました。それで、僕の中のライダーは思い出の箱にしまわれたのだと思います。
しかし、ある時、僕は箱からライダーを取り出しました。その理由は、ディケイドでした。ディケイドでは、全ての平成ライダーが出ると言われていました。また、あのクウガをテレビで見ることができるのか! と思い、再び見始めました。結局、O君のクウガは僕の見たかったクウガとはずれていました。まあ、あれはあれで好きですが。
結局、それがきっかけで、僕のライダーへの想いは再燃し始めました。僕の従弟(現在22)は、仮面ライダー好きで、ほぼ全部のベルトは持っているし、自分でライダーを作るほどには好きです(文化祭で映画を公開してました)。
そんなこんなで、ライダーは少しずつ僕の中で大きな位置を占めるようになりました。それと同時に、ライダーを見なくなったころから好きになった読書と創作。この二つも、僕の中で大きい位置を占めていました。
そして、中三の冬(受験? なにそれおいしいの?)。僕は、ネット小説を書き始めました。受験のストレスを発散するために始めたそれは、とても楽しかったです。そして、とうとうライダーの小説を書きたくなりました。それが、ハーツを書くきっかけです。
初めは、何のライダーにするかは決めかねていました。そして、いろいろ考えているうちに、思ったのです。「心って、テーマや主題には出てきても力にはならないな……」と。感情が大切な意味を持つ場面はたくさんありましたが、それ自体で戦うことはあまりないことに気が付きました。そんな時、ある作家の「パイロットは飛んだことない空は自分で飛ぶ。なら、読んだことない物を書こうと思った」と。僕は作家ではありませんが、それに触発されたため……はじめました。
一番最初は、「喜・楽」の力で、「怒・哀」の敵を倒す話でした。しかし、途中で思いました。「怒ったり、悲しんだりって、倒す者かな……」と。だから、僕はすべての感情を扱わせることにしました。ハーツの骨子が確定し始めてきました。感情から連想される力を。色を。と、少しずつ考えていくことで、ハーツは完成しました。
最終的に、もともとからは大きく外れました。グラント・ロストは出ない。神田さんが変身するかも。翔逸君が切り札。……等々、いろんなことが起きる予定でしたが、結局はこういう終わりを迎えました。これはこれで、いい終わり方だったろうと思います。
ハーツの物語は、ここで終わりです。番外編を作るつもりではありますが、彼らの物語はここで終わりました。これから、三坂君達は受験をすることになるでしょう。そして、離れ離れになることもあると思います。それでも、彼らは自分の“想い”を、“ココロ”を大切にしていくと思います。その“ココロ”を、力に“変換”し、未来を“創造”し、障害を“喪失”していくことでしょう。
この物語を通して、みなさんの中に何か残ったらいいと思います。僕の伝えたかったことの、十分の一、百分の一でも伝われば、一年と二か月ほどの間、この物語を紡いできたかいもあることと思います。
……さて、そろそろ二千字の大台が見えてきました(ただいま1800超)。なので、話もこのくらいにしておきたいと思います。
それでは、次は『仮面ライダー
Thank you for reading!
If there are Heats,Grant and Lost in your hearts,I'm very glad.
I wish I meet you again.
See you next time!