仮面ライダーHearts   作:山石 悠

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 お久しぶりです。受験が終わって、卒業式をして、片づけをして……と、思いのほかトントン拍子で物事が進んでくれたので、続きを投稿したいと思います。

 今回は三人称視点という形にしてみました。練習の意味合いがあるので意見があると嬉しいです。

 今回は今のうちに入れておきたいことを混ぜてあります。どれが、というのは言いませんが。

 それと、僕的には今回までが第一章という感じです。簡単に言うなら「始まりの章」というものです。

 今回が終わると本格的にバトル要素が増えていく予定です。


[息] 少年の休息

鈴原町 三坂貴大宅

 

 ジリジリ照りつける太陽。ミンミンだのツクツクだのうるさくなく蝉。……なんてものはいない。今は、ゴールデンウィークである。人によっては旅行に行ったり、一日中部活に精を出したりとわいわいがやがや過ごす日である。

 

 

 だが、ここにダラーっとだらけている少年が一人。彼の名は三坂貴大。どこにでもいる高校生のように見えて、実は仮面ライダーとしてこの鈴音市で人々の“ココロ”を喰らう怪物である“使心獣”と戦っている。そんなすごいことをしているわけだが今の彼を見せたら十人中十人が信じないだろう。

 

 

 それにしても、なぜ彼はこんなにもだらけているのか。それは彼が二度目の“使心獣”との戦闘が終わってからの彼の生活に原因があった。今回はそんな彼がどんな生活を送ったのか? そして彼のだらけ具合を見ていただきたい。

 

 

 

鈴谷町 鈴音東高等学校

 

「三坂君!! 知ってるかい!! 大ニュースだよ!!」

 

 

 二度目の“使心獣”との戦闘を行った次の日。彼の下に一人の少女が現れた。彼女は貴大のクラスメイトで、彼の所属する都市伝説研究部の部長の永見優希である。彼女は今、とあるニュースによっておかしなくらい(具体的にはクラスメイト達が引くくらい)テンションが上がっていた。貴大はなぜそうなっているのか予想は付いているがあえて尋ねる。

 

 

「どうしたんだ?」

「これだよ!! 見て見て!!」

 

 

 そう言って彼女が出したのはケータイ。そこにはとある映像が映っていた。それは先日貴大が戦った映像であった。貴大はその撮影している場所からやはりあの時見かけた人物だったのかと思っていた。彼は始めからその映像を見るがそこには変身していない自分は出ていないし一緒にいた神田刑事もいなかったことにホッとしていた。だが、そんな貴大を置いて優希はしゃべる。

 

 

「三坂君!! 今日の部活は仮面ライダーを探すよ!!」

「え!? ああ、そうなんだ……」

 

 

 自分が仮面ライダーだから探す必要なんてないな……なんて思いながら了承する。見つかることはないから、と。

 

 

 そして時間は飛んで放課後になる。

 

 

「三坂君!! 早く早く!! 急いで!!」

「はいはい、分かりましたよ」

 

 

 貴大と優希は部活の一環で街に出て仮面ライダー探しに出ることになった。だが、はたから見ればカップルがデートしているようにしか見えない。

 

 

 貴大は仮面ライダーは自分なので、それがばれないこと。そして“使心獣”が現れないことを願って行動している。彼は自分のケータイにある“Hサーチャー”が反応しないか不安になっているのである。

 

 

 ……だが、それは杞憂であった。実際は屋台のクレープ屋でクレープをいただいたり、お店に入って買い物という感じだった。それはまさしく一組の男女がデートをしている状況だ。と、そんな感じで部活は終わったのだった。

 

 

 

鈴原町 高畑緑宅

 

 この日、貴大は緑に呼び出されていた。貴大はろくな説明も受けられないままに緑の自宅の地下室へと連れて行かれた。

 

 

「さあ、貴大君。今日はチップの効果の確認と訓練をするわよ!」

「は、はあ!?」

 

 

 今回緑が行おうとしていたのは新しく使えるようになったチップのことだった。

 

 

「貴大君。あなたが現時点で使えるの“H”のチップは“決意”の“Decision(ディシジョン)”。“好奇心”の“Curious(キュリアス)”。“緊張”の“Strain(ストレイン)”。そして“怠惰”の“Idleness(アイローネス)”。この四種類よね?」

「ええ、そうですね」

「貴大君。この中で“Idleness(アイローネス)”は使っていないから効果は分からないけど“Strain(ストレイン)”のように自分にまでよくない効果を与えるチップがあるのが分かったわ。それでこういった自分にまで悪影響を与えるチップを相手にだけになるように練習してもらいたいの」

「ああ、なるほど。それじゃあ、まずは“Idleness(アイローネス)”の効果を調べてから始めたらいいですか?」

「そうね。じゃあ、それからはじめてくれる?」

「あ、はい。分かりました」

 

 

 貴大はそう言って“ハーツドライバー”を腰に当てる。すると、貴大の腰にベルトが現れる。そして、叫ぶ。あの言葉を。

 

 

キィィン、ガチャ

「変身!」

Change(チェンジ)Decision(ディシジョン)”」

 

 

 ガチャガチャと機械的な音が鳴り、貴大の体中に“装甲”が与えられる。それは白を基調とした機械的な姿。貴大はこの姿を“仮面ライダーハーツ”と呼ぶ。

 

 

「終わったな。それじゃあ、とりあえずこれを……」

Heart(ハート)Idleness(アイローネス)”」

「どうなるか……うっ! ……だらぁぁ~~~」

 

 

 “Idleness(アイローネス)”のチップを入れた途端、貴大は倒れた。なぜなら、やる気が無くなった、つまりだらけてしまっているからだ。これこそ“Idleness(アイローネス)”の効果であった。

 

 

「へぇ~。そうなるのね。……貴大君、次は特訓よ。早く起きなさい」

「いやれすぅぅ~~~。おれはぁ~~寝ますぅぅ~~~」

「……ムカッ! コラッ! 起きなさい!」

 

 

 緑は貴大をを蹴っ飛ばした。そして貴大が起きるのはその十分後のことだった。

 

 

「もう、何寝てんのよ!」

「す、すいません。でも、効果がそうなってんだからしょうがないじゃないですか」

「しょうがなくないわ。……それで、“Idleness(アイローネス)”と“Strain(ストレイン)”だけど、その効果を相手だけに与えるように練習してほしいのよ」

「あ、相手だけですか? どうすればいいですかね?」

「分からないわ。でも“H”は人の感情などを現すのだから、精神論で多分できると思うんだけど」

「そんな無茶苦茶な。……はあ、やりますよ。やればいいんですね」

 

 

 そして、貴大は練習を始めた。やっていくにつれて少しずつ、効果に耐性ができたようでだんだん自分で能力の効果を受けることが減った。

 

 

 こうして貴大のとある練習漬けの一日が終わるのだった。

 

 

 

鈴原町 高畑緑宅

 

「貴大君、しっかり的を見るんだ。最初は相手だけに集中して!」

「は、はい」

 

 

 今貴大は銃の射撃訓練をしている。今回のコーチは勇介だ。刑事なので銃も使ったことがあるのだろう。貴大に的確なアドバイスをしていた。

 

 

 なぜ、こんなことをしているのかといえば、それはハーツになった時に使える武器を増やすためだ。ハーツの武器は数多くのものが存在するが、そのほとんどが貴大の使ったこともないような武器なのだ。そこで、教えてくれる人がいる武器から練習を始めたのだった。

 

 

バン!

「ふぅ~。当たった~」

「うん、いい感じじゃないかな。それじゃ、次の銃にいってみようか」

「はい! お願いします!」

 

 

 貴大ぐうっと伸びをして先ほどとは違った長身の銃を手に取る。この場にある銃は全てハーツに変身して呼びだした銃なのだ。

 

 

「それじゃあ、行きますか。ふぅ~、よし! 当ててやる!」

カチャ

 

 

 貴大が構えると同時にピリッとした空気に変わる。勇介は微動だにせず、貴大も身じろぎ一つしないで集中している。その様子を見ていると世界が停止しているのかと思われるほどだった。そして、貴大の指先が動く。

 

 

パン!

 

 

 ドスン、と音がする。貴大は動かない。しばらくしてから口を開いた。

 

 

「……よし! いい感じじゃなかったですか?」

「うん、しっかり集中できていたしよかったと思うよ」

「よかったあ~」

 

 

 勇介の褒め言葉にホッとする貴大。そして、練習を頑張った彼には銃以外にも新しい力が与えられることとなった。

 

 

キィィン

「……ん? あ、新しいチップだ」

「本当かい? それで新しいのは何だい?」

「えーっと、“Concentration(コンセントレーション)”です。意味は確か……“集中”でした」

「“集中”かい? それはきっとさっきの練習のおかげじゃないかな?」

「俺もそう思います。それにしても、嬉しいなあ」

 

 

 貴大の頑張りが報われた一日はこうして終了した。

 

 

 

鈴原町 三坂貴大宅

 

「おにいちゃーん! 掃除終わったよ!」

「お、そうか。それじゃあ、休憩にするか」

「うん!」

 

 

 ここは貴大の自宅。この場には貴大と翔逸がいた。二人は一通りやることが終わったので休憩をすることにしたようだ。

 

 

「ぐう~~。疲れた~~」

「そうだな。……そういえば学校はどうだ?」

「それがね、なんかいじめてたこと友達になったんだ」

「そうなんだ………って、何があった!?」

「何があったといえば……」

 

 

 翔逸は貴大に新しく友人になった「羽水拓海」との間で起こったことを始めた。

 

 

「あれはお兄ちゃんに会った後、最初の学校だったんだけど……。えっと、それで拓海が僕を何も感じないやつだ、って言ったのに怒って殴ったんだ。それから喧嘩になって、なんだか分からないけどお前なかなかやるな、って感じになって友達になったんだ」

「……あ、え、えーっと、すごい方法で友達になったんだな」

「そうだね。でも、そのおかげでもういじめられなくなったしよかったよ」

「そうか、それは良かったな」

「うん」

「…………」

「…………」

 

 

 二人の間に沈黙が流れる。だが、この沈黙は貴大によってすぐに終わった。

 

 

「この後どうする?」

「それじゃあ、一緒に何処かへ行こうよ」

「そうだな。じゃあ、準備するぞ」

「うん!」

 

 

 二人は出かける準備を始める。そして、出かけてから貴大は翔逸にあちこち連れまわされたことによって、へとへとになった。その後、貴大はあっという間に夢の国へと旅立っていたそうだ。

 

 

 

鈴原町 三坂貴大宅

 

「はあ~~。だりぃぃ~~。いろんなことがあってすっげー疲れた」

 

 

 貴大はこの街に来てからのことを思い出した。貴大はこの街に来て多くのことがあった。

 

 

 “使心獣”や“ココロ”について知った。自分が“仮面ライダーハーツ”になった。さまざまな人々と出会い、たくさんの初めてを経験した。

 

 

「……疲れることばっかだったけど、結構楽しかったんだよな」

 

 

 この町に来てからの日々を思い出す彼は始めは嫌そうだな顔だったが少しずつうれしそうな顔に代わっていた。

 

 

「父さんたちがどこにいるのかとか、この町に何があるのかとか、わからないことは多いけど……」

 

 

 貴大は少しためてから続きを言った。

 

 

「みんな、俺が必ず守る」

 

 

 沈黙。そして顔を真っ赤にした。

 

 

「何言ってんだろ。俺」

 

 

 彼は恥ずかしいセリフを言いはしたがその内容に偽りなどない。貴大は今の言葉を胸に秘め、これからも戦うのだろう。




いきなり書き方が変わるとやはり読みにくいのでしょうか?

前書きでも言いましたが、今回で第一章が終わりです。始まりの章ですね。
次回から第二章。次回は貴大君が燃えます。そしてキレます。
……察しの言い方はこれだけで分かってしまうのでしょうか?

 それでは、次回[怒]の回も読んでいただけると嬉しく思います。

 ……あ、そうだった。[必]のところだけですが英語のところに読み方をつけます。間違ってる可能性もあるので気付いた方は教えてください。

 それでは、今度こそ。

See you next time!
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