てんこうぐらし!~SCHOOL LIVE! IF STORY~   作:委員長@バカ犬

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第7話「おでかけ」

決断してからの行動は早かった。

二人は持ち運べる程度の乾パンなどの非常食を学生鞄に詰める。あの手紙を見た限り、5人程で学校に籠城しているのだろうと思ったからだ。

弥涼は更に木刀を手に取る。そして圭の方は小さな巾着袋を持っていた。

 

「ほな、これからの手順を確認するで。

まずは二階まで降りる。二階までなら段差もあるし、あいつらも少ないはずや。

それから「それ」を使って一階に降りる」

 

弥涼が言った「それ」とは、圭が持つ巾着袋だった。

 

「急いで外に出たら、着たときに乗ったバイクで学校を目指す……ええな?」

 

「うん、私だって一度ここから出たことあるんだもん。きっと出来るよ」

 

「ホンマかー?怯えとるのがバレバレやで?」

 

「クスッ……弥涼こそ、震えてるよ?」

 

当たり前だ。もし失敗すれば間違いなく死ぬ。怖くないはずがなかった。

 

「……よし、行くで」

 

そうして、2人は避難所をそっと後にする。

 

「美紀……待っててね……!」

 

 

 

 

 

 

裏口の階段を伝い、二階までは無事に到達できた。運良くまだあいつらとは遭遇していない。

だが、一階となると話は別だった。

生ける屍がたむろしている。ほんの数週間前は賑やかなショッピングモールだったのに……いや、今でも賑やか…ではあるのだろうか。

無数のうなり声が響いてくる。

次の獲物をずっと求めているのだろう。

 

「……ほな、アレを使うで」

 

「わかった」

 

小さな声でやりとりし、圭は巾着袋から何かを取り出す。

それは学生の時に必ず貰っていたであろう。小さな防犯ブザーだった。

先生に「もし危ない目に合いそうな時に鳴らすように」と言われていたであろう。まさしく今がその時だ。

圭は躊躇なく防犯ブザーの栓を引く。耳をつんざかんばかりの高音が鳴り響く。

 

それを一階ロビーに置かれていたピアノの上目掛けて投げた。

ブザーの音とは別に、カーンッ!とピアノの屋根に当たる音が聞こえる。

勿論あいつらはそれに気付き、一斉にピアノへ群がっていく。

偶然あいつらの手が鍵盤に当たり、ジャーンジャーンと不協和音も鳴り響く。それが余計に周囲のあいつらも引き寄せる。

 

陽動はまさしく大成功だった。

 

「っよし!行くでっ!」

 

すかさず2人は階段を駆け降り、一目散に正面玄関を目指した。

正面玄関へのルートには入ってきたばかりのあいつらが2人ほどいた。

 

「……南無三ッ!!」

 

圭の前に出てすかさず木刀で近付くあいつらの頭を殴っていく。

悪いが弔ってやる余裕もなかった。

 

「弥涼っ!バイクあったよ!」

 

圭の指差す方向に、二人がここへ来るときに乗ったバイクがあった。

まだエンジンもかけれそうだ。

 

「よぉーし!ウチの後ろに乗ってや!」

 

「うん!」

 

圭が乗ったことを確認し、エンジンをかける。どうやらご機嫌のようだ。

 

「よし、行ける……!!」

 

「しゅっぱーつ!!」

 

未だに鳴り続ける防犯ブザーとピアノの不協和音をBGMに、二人を乗せたバイクは走り出す。

作戦が上手くいけた喜びからか、お互い大声で笑いあっていた。とても、幸せそうに。




次回、タイトル回収なるかっ!?
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