されど、確かに起こりうる可能性の物語。
SFの父と謳われ、その開祖と言われるジュール・ヴェルヌは著書にこのような台詞を書き残している。
「全ての空想は起こりうる現実である」
ウイリー・ワゴン
一話:幕開け
Fate/Cross destiny
いつからそこに居たのだろう。
何故そこに居たのだろう。
最初に目に入ったものは…
「ちょっと!何してるのルビー!!」
「いや〜士郎さんったら全然起きないじゃないですか〜、だからちょっと覚醒剤を打っただけですよ〜」
「だからなんでよー!ルビーの薬はロクな事にならないじゃない!」
「なんでさ…」
謎の浮遊物体とコントを繰り広げる
一話:幕開け
イリヤの顔を見て、とっさに起き上がるとそこが何処かの一室である事が分かった。
過去の
「ほら〜大丈夫って言ったじゃないですか〜。士郎さん、何処か身体に違和感とかあります?」
「いや、別に、ないけど…」
念入りに身の回りをチェックしつつ【浮遊物体】に答える。すると不意にイリヤが俺の顔を覗き込み、
「本当に大丈夫?お兄ちゃん。」
「酷いですね〜イリヤさん。少しは信用して下さいよ〜」
「イリヤ…?なのか?それにお前は確か…」
何かがおかしい。色々とおかしい。
大体、イリヤはここまで如何にも天真爛漫な女の子といった雰囲気を纏っていないし、あれは確か…そうだ、遠坂の家に封印されているはずだ。この三人(?)で鉢合わせる事自体がおかしい。
イリヤは迷惑ステッキとは面識がないし、あのステッキは遠坂の家で今も封印されている。
一体どういう事だ?
しかし、それ以上に【あり得ない物】が彼には見えていた。それは…
「イリヤさ〜ん、言ったじゃありませんか〜おそらくイリヤさんの知っている士郎さんじゃありませんって。
まずはお互いの現状確認が先です。」
「そうだね。うーん何て言ったらいいのかなぁ?」
急に黙って考えだすイリヤ(?)。とはいえこのままでは埒があかない。
迷惑ステッキは相変わらずイリヤの近くで浮いている。
「お…おい。どうしたんだ?」
「イリヤさん〜私が先に言っt「大丈夫だから少し静かにしてて!」ハァ…了解です…」
そして、イリヤはスゥーハァーと深呼吸して息を整えてから、急にかしこまって俺に告げた。
「ええっと、お兄ちゃん。」
ーーーあなたが私のマスターですか?ーーー
「えっ?」
彼女は確かにそう紡いだ。
予想が付かなかった訳ではない。彼女の"ステータス"が彼には見えていたが、その可能性を無意識に否定していた。
急いで右手を確認する。そこには、あの戦いで一角を残して失われた筈の
「何で、イリヤが…どうして…?」
「認めて下さい。事実です。」
俺はかつてないほどに動揺しつつ、それが十分にあり得る事も理解していた。
事実あの戦いでは"平行世界の自分"が召喚された。サーヴァントとは"英霊の座"から呼び出し召喚するもの。
英霊の座には"時間も平行世界も関係なく"等しく英霊となる条件を満たした者が登録される。ならばそこに平行世界のイリヤスフィールが居た所で何の問題も無い。
しかしまだ謎が残る。
「サー…ヴァント…?いや、俺は召喚何てした覚えが…大体俺にはセイ…バーが…」
「セイバーさん…ですか?いいえ、今の士郎さんにはパスはおろかイリヤさん以外の契約者はいません。先に調べておきました。」
!?頭が一瞬真っ白になる。ならばセイバーはどうなったというのか?
俺は思わず、迷惑ステッキに掴みかかって問い詰めた。
「おい!お前何か知っているのか!一体どういうことなんだ!」
「し、士郎さん!落ち着いて下さい!イリヤさんが固まっていますよ!」
脇を見れば、イリヤが完全に固まっていた。どちらかと言うと自分の剣幕に怯えているとも思える。
迷惑ステッキから一度手を離し、気持ちを必死に抑えながらイリヤの方に向いた。
「あ、ああ。いきなりごめん。」
「え…うん…」
そう言うとイリヤは、肩を撫で下ろし返事を返してくれた。
そして、再び迷惑ステッキの方を向き。
「だけどしっかり説明して貰うぞ。」
「ええ、先ほどイリヤさんにも伝えましたが現在分かっている事はこの大都市を中心に半径7km付近に強力な結界がまちを覆うように存在している事のみです。この都市にいる人間は物理的にも魔術的にもここの中に完全に隔離されています。
士郎さんのサーヴァントのセイバーさんとのパスが切れたのはそのせいでしょう。」
しまった。そう思った。このステッキがいう事が事実ならば完全に向こうは全く悪くない。
先ほどの行為は完全に俺が勝手に先走ってしまった結果だ。そう思うと急になんとも言えない申し訳なさがこみ上げてくる。
「ごめん。本当にごめん。」
「だ、大丈夫だよ、お兄ちゃん。私もお兄ちゃんが起きる5分くらい前まで散々ルビーに怒鳴ってたから…」
頭を下げつつ、今度はイリヤだけではなくステッキとイリヤの二人(?)に向かって謝罪をした。
それにしても意外だ、イリヤが怒鳴り込みとは…俺の知っているイリヤはそういうイメージが全くない。俺の知っているイリヤとは本当に別人だと実感した。
するとイリヤと俺の間にステッキが割り込み多少、拗ねたような口調で唐突に愚痴を言い始めた。
「全くですね〜こちらが真面目に説明しようとしてるのに話が全然進まなかったんですから。士郎さんはまだマトモに話を聞こうとしてくれて助かりました〜」
どうやらイリヤは本当に俺以上にこのステッキに怒鳴りこんだらしい。いくら人工精霊とはいえ、同じ内容を怒鳴りこんでくる人間に説明するのは精神的につかれたのだろう。
「う〜、でもちゃんと謝ったじゃない…」
「それにしても随分とアッサリ信じてくれましたね〜私が嘘を言ってるかもしれないんですよ〜?」
「ちょっとルビー!?」
うー、と唸りながら、スルーされた事に抗議しているイリヤを放置しつつステッキは俺に質問を投げかけてきた。
このステッキ、やはりフリーダム過ぎると思う。
やはり製作者が遠坂家に押し付けた理由には知らなくても容易に想像がつく所である。
「否定する理由は無いからな。それにお前はゼルレッチ卿の作った礼装だろ?」
「まあそれはそれとして、士郎さん。まだまだ気になる事、あるんじゃないですかぁ〜?」
やはり、こっちのこのステッキも製作者は嫌いなのか…?見事にゼルレッチ卿の話はスルーされた。
それと、まだ気になる事…?ああそうだ。
「イリヤが英霊か…何が起こるか分からないもんだな。でも何で俺のサーヴァントとして召喚なんかされてるんだ?」
「私、そんなんじゃないよ…」
純粋な気持ちを口にするとイリヤは若干困った顔でそう返してきた。
「どういうことだ?」
「どうもこうも私もイリヤさんも記憶がはっきりしないんですよ。士郎もここに来るまでの直前の記憶がありますか〜?」
疑問にはステッキが答えてくれた。
しかし俺も自分の記憶を辿ってみたが何も覚えてはいなかった。
「直前の記憶…? あれ…?だめだ全く思い出せない。何をやっていたんだ俺は?」
「士郎さんも同じでしたか…なら行くしか無さそうですね…」
「そうだね、ルビー…」
急に俺だけ話に置いていかれているのでどこに行くのか位は知りたいが、既にイリヤは先ほどまでのやりとりで少し散らかしてしまった部屋の片付けを始めてしまっているので、仕方がなくステッキの方に聞いてみた。
「行くって、どこにだ?」
「これですよこれ。起きたらこんな置き手紙がありまして〜」
ステッキが柄の部分で近くにあるテーブルの上をコツンコツンと叩いたので見てみると、一通の封筒が置いてあった。
「ちょっと見せてくれないか?」
そう言って俺は封筒を手に取り、その置き手紙を取り出す。そこには聖杯戦争のかなり具体的な説明が書いてあった。そして最後に、
ーーーもっと多くを知りたいのならば、街の南東にある教会へ来るがいいーーー
そう書き添えてあった。
夜はまだ始まったばかり、今再び聖杯戦争の火は灯る。
サーヴァント(第一のキャスター)
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン『Fate kaleid liner プリズマ☆イリヤ』
マスター
衛宮士郎『Fate』
(ステータス)
筋力E 耐久D 速さB+ 魔力A++ 幸運A+
(クラス別スキル)
『陣地作成』ランクD
魔を扱う者として、自らに有利な陣地を作り上げる。 ”結界”の形成が可能。
とはいえ、専らステッキ任せの為。ちょっとした保険程度のものでしかない。
『道具作成』ランクE-
魔術的な道具を作成する技能。
しかしこちらもステッキ任せな為、死にスキルとなっている。
(固有スキル)
『unknown』ランクB
unknown
『unknown』ランクB+
unknown
(宝具)
『カレイドステッキ』ランク B
補助宝具
レンジ 1人
最大補足 1人
とある高名な魔法使いの作成した魔術礼装。
『平行世界の使用者自身の技能の習得』、『純粋な魔力を打ち出す為、対魔力スキルを無効にする』、『ランクAに相当する魔術防壁の展開可能』などなど他にも様々な能力を持つ優れもの。
しかしステッキ宿っている人工精霊の性格にかなり問題があり人を選ぶ礼装でもある。
製作者自身もこのステッキをとある魔術家に押し付けるほど。
因みに魔法少女姿は人工精霊の趣味。
『unknown 』ランクB
unknown
『unknown』ランクA+++
unknown
やってしまいました。ハーメルン初投稿兼、事実上の処女作にFateシリーズを題材にする考え無しの見切り発進です。
ちなみに『unknown」はそのうち埋まって行くのでご了承下さい。