東京喰種~Twin~ 作:トリガーハッピー
今回も展開が遅いのでご了承ください
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side ???
肉切包丁。4年ほど前、東京2区で初めて目撃されたこの喰種の特徴は大きく3つある。
まず一つ目はフードつきの地味目の黒いマントコートと黒く着色された麻袋の簡素なマスクをかぶっていること。
二つ目は右肩から中華包丁のように片方にしか刃のない四角い形をしたをした甲赫の赫子を持っていること。
そして三つ目は最初に発見されたとき一目散に逃げて行ったこと。
これらから最初の方はまったく脅威とされていなかった喰種だったが、すぐにそんな考えは甘いことが分かった。
次に彼が現れたのは最初の発見からわずか一週間後だった。当時の捜査官たちは2区にあるすでに潰れた廃墟に幼い十数人程度の喰種がいるという情報を聞きつけ田中丸望元特等捜査官を含めた20人以上の捜査官で討掃作戦を行った。しかしそこで待っていたのは人を喰らう若い芽ではなく、
包丁のような赫子を携えし黒ずくめの喰種だった。
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side GHOUL
これは会議が起こる9時間前、東京20区午前0時。比較的喰種による捕食件数も少なく安定している区であるが以外にも大粒な喰種が多い。
たとえば、特定の部位のみを捕食するSレート喰種、【美食家】。
たとえば、
「ひ、ひぃぃぃぃ!!!た、助け………ごっふぇ!!」
「ふふ、だめじゃない。そんなに暴れちゃあ……!!」
現在20区の捕食件数の約3割強を一人で行っているSレート喰種【大食い】。
薄い紫の美しい髪を振り乱し喰種が持つ捕食器官、赫子を用いて男性の四肢を壁に縫いつけつつその体を捕食する。かみつくたびに血が流れ男性の体から生気が抜けていき、一切動かなくなった。
「んー。ちょっといまいちかしら。やっぱりもう少し若いほうがよかったわ……そうだそろそろあの子をいただこうかしら……ふふふ」
命を奪われたにもかかわらずイマイチと呼ばれた男性は本当に遺憾としかいうことがなかった。大食いはそのまま今度は脳みそがある頭部のほうにかじりつこうとした。その時だった。
「なぁ、お姉さん。もしかして大食い?」
突如後ろから若い男の声が聞こえてきた。大食いは食事の興を殺がれたためかやや不機嫌気味に声が聞こえたほうを向いた。そこにいたのはフーデッドマント、麻製のマスクともに黒で統一され深夜では輪郭だけが浮かび上がっていた。またマスクに開けられた二つの穴から覗く赤い瞳が彼が自分と同じ喰種であることの証明になっていた。
「あら、あなたは誰かしら?このあたりであまり見ない喰種だけど……もしかしてココ、あなたの狩場だったかしら?」
「いやいや気にしねぇでくれよ。おれも最近2区から戻ってきたばっかりだったから狩場なんざ持ってねぇし……。ただ」
黒の麻マスクの喰種はその赤い瞳で睨みつけるように大食いを見た。
「この一週間で3人……ちょっと食べすぎじゃねぇのかねぇ、
大食い……リゼは知的な眼鏡の奥にある赫眼を静かにいらだたせながら細めていったが麻マスクの男はそれに気づいていないのかは分からないが続けてこういった。
「つーわけでこの学区の治安の維持のために一カ月にせめて二人か三人程度にしてくれ。白鳩とかが来られたら面倒だしな」
「ねぇあなた、もしかして警告に来ているつもりなのかしら?それに関してはありがとう。でもね私は結構強いの、
……あなたをグチャグチャにして惨殺できるぐらいには」
その瞬間麻マスクの前にいたリゼは一瞬にして消えた。だが麻マスクは見失ってはいなかった。
「!!上か!!」
しかしその反応では遅かった。喰種の身体能力と無数の捕食によって大幅強化されている鱗赫を使い大きく跳躍したリゼはさらに四本もの鱗赫は力強く後ろに引かれていた。そして、
ぶぅん!!
という音とほぼ同時に赫子が麻マスクのところに突き刺さった。それによって地面から大量の砂煙が舞い上がり、その後静かにリゼは着地した。そしてどこか嘲笑めいた口調でいまだ立ち上る砂ぼこりに向かって言葉をかける。
「私のこの世で嫌いなことは食事を邪魔されることと他人から説教されること。残念、もしも一つだけだったらそこまで無残なオブジェにならずに済んだのにねぇ。ふふふ」
「………あれ?これ俺完全に殺されたことになってる?」
「?!」
リゼは驚愕めいた目を向けながら砂ぼこりのほうを確認した。そこには膝をつき両肩から金属質の甲赫を出現させ防御されていた麻マスクの男がいた。しかもその甲赫は多少ひびが入っているだけでそん回までには至ってなかった。
「(こいつ……相性がいいはずの甲赫であの程度のダメージしか与えられなかったんなんて……!!て言うかあの甲赫)ねぇあなた、ずいぶん珍しい形の赫子を持っているのね……。」
リゼは自分の思考に生まれた混乱を一切表には出さず、彼に向って問いかける。中華包丁のように片方にしか刃がないがその代わり分厚くそれでいて鋭い黒と金色を主体とした甲赫を持つ黒ずくめの青年に向かって。
「別に……こいつはガキの頃からこんな形だったよ。……さてさてリゼさん」
彼はゆっくりと立ち上がり顔を前に向ける。この動作の間にクモの巣のようにひびが入っていた甲赫が修復されていっているのが彼の強さを表している。11区では敵なしだったリゼでさえ少々額から汗を流した。
「こいつはあんたから売ってもらった喧嘩だ……ありがたく、買わせてもらうぜ!!」
20区午前0時3分23秒。誰も知らないこの場所でSレート同士。
戦いが始まった。
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PS:シンタロウのイラストを書いてくれる人がいたら本気でうれしいです。