東京喰種~Twin~ 作:トリガーハッピー
今回は短いです。
side CCG
「ではこれにて特等定例会議は終了とする。解散」
和修局長の号令のもと有力捜査官たちは立ち上がり会議室を去って行った。その中にはもちろんCCGから見ても異質な最年少女性捜査官、光田絵梨菜の姿もあった。
「20区に異動ですか……。肉切包丁を発見するためとはいえ、やっと2区の人たちとも友好関係を持ち始められたのに……」
「ま、仕事なんてそんなもんさ。僕なんか一時、一年で15回も異動されたりされたもんだからねぇ、普通普通」
「布笠さん……それ唯の厄介者のたらいまわしなんじゃ……」
このエリナから完全にあきれられている濃い顔立ちのこげ茶色の短髪をしている男性は
「ああ、そうだ今から20区を同じく担当することになったコンビのところにあいさつに行くから。準備してくれよ。」
「はい、ええっとその方々のお名前を聞いてもいいですか?」
「いやぁ知っていると思うよ二人ともかなりの有名人だからねぇ」
布笠は無精ひげが残っている顎を触りながら斜め上の天井の方を見てやや間を開けた後口を開き答えた。
「真戸呉緒と亜門鋼太朗。……CCGの中でも有力な捜査官コンビだよ」
*
CCG本局にある応接室そこに2人の成人男性がエリナ、布笠に向かい合うように並んで座っていた。一人は白髪でしわの多い不気味な顔立ちをした、かなり痩せている壮齢の男性、真戸呉緒上等捜査官。もう一人は屈強な体つきと鋭い目つきの特徴的な若い男性、亜門鋼太朗一等捜査官。どちらもその本来の階級とは合わない高い実力を持つ腕利きの捜査官だ
「はじめまして、真戸上等、亜門一等。2区から転属となった光田絵梨菜三等捜査官です、これからよろしくお願いします。」
「知ってると思うけど布笠信幸準特等捜査官だよ。しばらくよろしく、呉さん、亜門君」
「こちらもよろしく頼むよ光田君、信さん。ほら亜門君も」
「亜門鋼太朗一等捜査官です。よろしくお願いします」
4人とも座ったまま軽い会釈を行い今後の方針について話すことになった。
「とりあえず現在の私たちの現在の目標はとりあえずSレート【ジェイソン】と【大食い】に関する捜査、そして【肉切包丁】の討伐だ。両方ともまだ情報が少ない。今はとりあえず足を使っての現地調査だね」
「……「とりあえず」でSレート3体を言うとは相変わらずだねぇ……。呆れが一周通りこして普通に呆れちゃったよ」
「布笠準特等。今は話し合いの途中です。私語はしないでいただきたい」
「うちの上司がすみません……え、ジェイソンって、あの13区の!?今20区あたりにいるんですか?!」
ジェイソンとは、13区をテリトリーとしている別名「13区のジェイソン」と恐れられる恐るべき喰種である。食事として人を殺すのではなく遊びとして人をなぶり殺すという醜悪な性格をしており何人もの捜査官たちが返り討ちにされ変わり果てた姿で発見されているという。
「ああ、そうだ。そういえばまだ見せていなかったな。つい3日前大食いによる被害あとを見に行ったのだがねこれを見つけたんだ。」
そう言って真戸はビニール袋に入った大きなペンチを応接室の机の上に置いた。
「これは……喰種の医療道具かい?」
「そうだ。どうやらそれに少しの改造を加えて拷問用に作られているようだ……クズらしい道具だな」
真戸が吐き捨てるように言うとペンチを持ちながら立ち上がり最後にこう締める。
「まぁ手掛かりの糸はつかんだんだ。後はそれを手繰り寄せるだけだよ」
*
「真戸さん。本当に大丈夫なのですかあのコンビは」
顔合わせの後2組の捜査官コンビたちはそれぞれ別々のルートから20区を捜査することになった。これは効率を上げることのほかにもう一つ目的があった。それは布笠、光田ペアから亜門と距離を置かせることにあった。亜門は実直で熱い正義感を持つ捜査官であり唯々諾々と仕事を行っている布笠とは完全な水と油なのである。
「ふふふ、亜門君。信さんは性格には難があるが私と同期だ、実力は安心していい。むしろ私は光田君の方が心配だがね」
「……そうですね。いくらなんでも16歳は若すぎる。もっとCCGアカデミーでじっくりと学ばなければならないことがあるというのに……」
「ああ、確かにね。でもそれ以前に私は彼女が捜査官を目指すこと自体意外だと思っていたのだがね」
??と亜門が首をかしげる。エリナと会う前にお門は彼女のプロフィールを見せてもらった。喰種によって家族を殺されたという点も不謹慎だがCCGアカデミーの生徒だったら多いことであるためそこもちがう。そう、少女光田絵梨菜には彼女だけの特異点がある。それは、
「彼女は………信じがたいことに喰種に【愛】を持って育てられた人間だからな」
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