幼馴染は覇王でした。そして俺はーーー   作:流離う旅人

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ショウ「作者不在のためさっさと始めるぞ」

コロナ「どうしたんですか?」

ショウ「……二人が出番はまだか!って叫びながら引きずって行った」

コロナ「……強く生きてください、作者さん」

ショウ「ま、気を取り直して行こうか」

コロナ「はい! リリカルマジカル始まります」


memory 12 『少女は迷う』

今日はヴィヴィオとノーヴェさんに誘われ、朝早くからジムに顔を出していた。

指定された時間より少し早く着くとヴィヴィオ達はもう来ていた。

ヴィヴィオとノーヴェ、そしてもう一人の少女の計三人だ。

 

(初めて見る子だな)

 

女の子より遅く来てしまったことを恥じながらヴィヴィオ達に声を掛ける。

 

「おはよ、ヴィヴィオ。ノーヴェさんも」

 

「あ、おはようございます! ショウさん」

 

「私はついでかよ? おはようショウ」

 

挨拶と共に飛びついてきたヴィヴィオを支え、申し訳なさそうにノーヴェさんに弁解する。

 

「ついでって訳じゃないですよ? えっと、この子は?」

 

「初めまして、コロナ・ティミルです」

 

「初めまして、ショウ・S・ナガツキだ」

 

「コロナは私と一緒に徒手格闘技術(ストライクアーツ)をやってるんです」

 

「へー、そうなのか」

 

と、腕に絡みつきながら補足してくれるヴィヴィオ。

 

「ってことは今日はコロナを交えてのスパーですか?」

 

「そうなるな。お前の実力もまだ未知数だから知っときてぇところだしな」

 

「そう簡単には見せませんよ?」

 

「「ハハハハハ」」

 

「ヴィ、ヴィヴィオ? 何だか二人がとても怖いんだけどーーー」

 

「そう? 二人共楽しそうだね〜〜」

 

「何処が!?」

 

コロナの目には確かに二人の背後に構える鬼の姿を見た。

確認するようにヴィヴィオへと聞くが笑いながら流されてしまう。

当のヴィヴィオもこの光景は見慣れてしまい、恐怖を感じないだけなのだが。

 

「それじゃあ、まずは私とやるか?」

 

「いいですね。手加減はしませんよ?」

 

「はっ、手加減なんてしたらぶっ飛ばしてやんよ」

 

「ふっ、それは怖いなぁ」

 

二人は既に戦闘準備を完了している!

 

「ヴィヴィオ!? これ大丈夫なの? 何だか二人共本気な気がするんだけど!?」

 

「大丈夫だよ、コロナ。ーーー死にはしないから」

 

「当たり前だよ!? え、でも死にはしないってことは他には何かあるの?」

 

「…………」 ニコッ

 

「その無言の微笑みは何なの!? これから何が起きるの!?」

 

「行くぞッ!」

 

「さぁ、始めようか」

 

「責めて、ここから離れてからやってください!」

 

コロナの怒号がジム内に響き渡った。

 

 

 

□■□

 

 

 

「ふぅー、やっぱノーヴェさんは強いッスね」

 

「まだ本気だしてねぇ癖によく言うぜ」

 

スパーを終え、汗を拭いながら他愛ない話を洒落込む。

ノーヴェさんの蹴り技が目の前に迫ると軽く危機感を覚えるほどだ。

こんな風に思ったのはオリヴィエぐらいだったかな?

 

「ショウさん、次は私としましょう!」

 

「ん、いいーーー」

 

「ーーの前にコロナとやってくれよ、ショウ」

 

「ええ!」

 

「まあ、我慢してくれヴィヴィオ。やるなとは言ってないんだから」

 

「それで? どんな魂胆があるんですか?」

 

「気付いてたのか。なら話は早い。コロナと手合わせすれば私の言いたい事が分かるさ」

 

「まあ、良いですけどーーー今度ご飯奢ってくださいよ」

 

「飛びっきりのを奢ってやるよ」

 

ノーヴェさんに奢る約束を取り付け、コロナの前に立つ。

少しビクッとしてから顔を引き締め、構える。

 

「てなわけで俺とスパーすることになったけど大丈夫か?」

 

「はい! 大丈夫です」

 

「ん、ならやろうか」

 

距離を取り、ノーヴェさんが俺たちの中央に立った。

腕を上げ、思いっきり振り下ろした。

 

「始めッ!」

 

「さぁ、始めようか」

 

「行きます!」

 

地を蹴り、勢いを乗せた拳を軽く受け止め別の方向にいなす。

すぐに踏み留まり、振り向きながらフックを打ってくる。

それを後ろに飛んで躱す。

 

「やるねぇ」

 

「ありがとう、ございます!」

 

一気に距離を詰めて追撃を図るが振り抜かれた拳を止めた。

そこでチラッとノーヴェさんの方を見ると頼むぞ、と目で訴えていた。ーーーカウンセラーとかじゃないんだけどなぁ、俺。

でもまあ、目の前に困っている人がいるのなら助かるんだけどさ。

掴まれた拳が振り解けないと分かると前に飛び出し、左上段蹴りを繰り出ししゃかんで躱すがその時緩んだ一瞬を見逃さずに後ろへと飛んだ。

 

大体分かった。

コロナは迷っているのだ。

何を悩んでいるのかは分からないが取り敢えずはこのスパーを終わらせよう。

 

「来なよ」

 

クイクイッと手招きすると気に触れたのか猪突猛進と言える分かりやすい突っ込みをしてくる。

拳を引き絞り、ダッシュとの勢いに乗せて放つ。

コースを見切り、それを顔のスレスレで躱すとコロナに背中を見せながら振り抜かれたままの手を掴み投げた(・・・)

 

「カハッ!」

 

今のは地球の武術ーーー柔道の背負い投げだ。

地球にはいろんな武術があるので調べている内に覚えた。

地面に叩きつけられたコロナは肺にある空気を全て吐き出し、動かなくなった。

 

「あり?」

 

『力加減考えましたか? マスター』

 

「あー、考えてなかったわ」

 

「お前は加減考えろよ!」

 

「痛ッテェ!? 元はと言えばノーヴェさんがやれっていったんだろ!」

 

「やれとは言ったが気絶させるまでやれとは言ってない!」

 

「それよりもコロナを介抱しなきゃ!」

 

「「はい!」」

 

ヴィヴィオの迫力に気圧され二人して敬礼をしてしまった。

最近、ヴィヴィオが魔王(なのは)さんに似てきた気がする。

……それだけは避けなければ! そう心に誓うショウだった。

 

 

 

□■□

 

 

 

「うっうぅん……あれ、私ーーー?」

 

「お、起きたか」

 

「え?」

 

どうして、と言葉を紡ごうとするが真上からショウの声が聞こえて驚く。

そして、よく見てみると私は今ショウさに膝枕(・・)されていた。

 

「よいしょっと、もう大丈夫か? ごめんな。強くやり過ぎた」

 

「いえ、大丈夫です。大したケガもないみたいですし」

 

「そう言ってもらえると助かるよ」

 

俯きながら謝罪を述べるショウに大丈夫だと伝えると少し微笑んだ。

それは恐れが含まれているような気さえした。

 

「それでさ、コロナ」

 

「何ですか?」

 

「ーーーお前は何を悩んでるんだ?」

 

「何で、それを?」

 

「さっきコロナと拳を交えた時に伝わってきたんだ。コロナは迷いながら拳を握ってるって」

 

「……そうですか。少しお話をしましょうか。ーーー私はヴィヴィオが格闘技をやってるって聞いてびっくりもしたし一緒にいたいから格闘技をするようになったんです。でも、私はヴィヴィオみたいに上手くないから私に格闘技は向いていないんじゃないか、って思うんです」

 

「なるほどね。それで迷ってるって訳か」

 

「私は、どうすればいいんでしょうか?」

 

ここで、何か助言をしてあげるべきなのだろう。

しかし、助言してしまうと自分の思いをそっちのけにしてしまうかもしれない。ーーーそれに

 

「その答えは自分にしか出せないよ。君はどうしたい?」

 

「私……私は……」

 

そう自分の抱える問題には自分でしか答えを出せない。

出した答えが合っているとは限らないけど考え、探し、見つけなければならない。俺は出してきた答えは沢山ある。

でもーーーそれは本当に最善だっただろうか? なんて考えてしまう。

俺みたくはなって欲しくないな。

 

コロナは考える。今、自分がどうしたいのか。

ヴィヴィオがやっていて一緒にいたいから格闘技を始めた。

私は弱いから何度も辛い、やめたいと考えてしまう。

ーーーでも、楽しいこともあった。

練習を重ねる内に出来ることが増えて師匠ーーーノーヴェさんに褒められるのが嬉しかった。

ヴィヴィオも自分のことのように笑って喜んでくれて、すごく嬉しかったのだ。

 

コロナの雰囲気が変わった。

どうやら迷いは晴れたらしい。自分で答えにたどり着けたのだ。

だから、確かめるために問い掛ける。

 

「答えは出たか?」、と。

 

「はい」、と力強く返すコロナ。

 

「私はヴィヴィオと一緒に徒手格闘技術がしたいです」

 

「ん、そっか」

 

さっきまでの暗い感じはもうそこにはなくコロナは明るく笑って見せた。

 

「さて、ヴィヴィオのトコに行こうぜ。いい加減待ちくたびれてるだろうし」

 

「そうですね。あの、ショウさんのこと『お兄さん』って呼んでも良いですか?」

 

「ん? 良いぜ、それぐらい。それじゃ行こうぜ、コロナ」

 

「はい、お兄さん!」

 

 




次回は戦闘回になる予定?です。
最近寝不足で辛いですが頑張って書きます!
それではまた次回お会いしましょう。



次回予告

「嘱託魔導師になりました」

『こんなにアッサリなれて良いんですかね?』

「今回一緒に任務をこなす仲間ってわけ」

「よろしくね、ショウ」

「……初めて男友達が出来た」

「泣くほど嬉しいの!?」

「……身長はこれから伸びるさ」

「私は小さくなんかない!」

「おいおいおい、これは酷すぎるだろッ」

「ショウだけでも逃げるんだ!」

「は? 寝言は寝てから言えよ。ーーー俺の目の前ではもう、誰も殺させない」


memory 13 『友達が三人出来ました』
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