抜刀術のあの人が異世界から来るそうですよ? 作:rearufu
言葉にするのって難しいですねー
「おれは─────剣士なのか?」
「面白いことを言うなおんし」
銀閣の呟きを耳にし、興味を持ったのか白夜叉が銀閣にそう言った。
「いや、どっからどう見ても剣士だろ」
「恐らくそういう事が言いたいのではないであろう」
十六夜の言葉を白夜叉が窘める。
「忘れてくれ」
思わず口をついた言葉だ。答えを期待したわけではないし、答えられるとも思わない。その答えが出せるのは銀閣自身のみだと分かっているのだ。
「まあそう言うでない。確かにおんしの望む答えは出せぬやもしれんが、その手伝いぐらいはできるかもしれんしの。そうさの、まずはそのカードに表示されているギフトからがいいか。先刻専門外故鑑定は出来ぬと言ったが既知のモノであれば話は別だ。名称は剣士・騎士・戦士と人によって多少の違いはあるかもしれぬが、おんしのギフトはありふれたモノだ」
「弱いってことか?」
十六夜の直球な疑問に、そうではないと白夜叉は首を振る。
「おんしらの個性的なギフトと違い、このギフトは言わばきっかけに過ぎぬ。剣を扱う事に対して人より多少適正があるというだけで、手に入れたからといって持っていた者の強さを手に入れられるようなモノではない。逆に無くなったからといって剣が振れなくなるわけでもない。そういう意味では童達のギフトよりはよっぽど優秀じゃ」
「つまり適正はあってもそれだけでは意味は無いってことよね」
「その通り。そういう意味であればギフトネームを持っていたからといってイコール剣士ではないと言える。なら何を持って剣士とするか分かるか、小僧」
「あれだろ。女が幾つになっても乙女とか言う理論的な」
「うむ。かみ砕いて言えば、要は己の心次第。銀閣、おんし何のために剣を振るう?」
「…ご先祖さまから代々続いてるとか、守りたいものがあったとかいろいろあるんだけどよ。意地…かな」
そう、意地だ。
因幡から人が去っていった時も。刀狩りの時も。賢いやつなら他の道もあっただろう。だがそうしなかった。おれにはそんな生き方しかできなかった。そんな生き方が嫌いじゃなかった。
「答えは出たようじゃな」
「そうだな───って、いや出たのか?よくわからなかったんだが」
うむうむと頷く白夜叉につっこむ十六夜。
「察しがわるいのう。よいか、こやつにとって剣士とは肩書ではない。生きざまなのだ。そしてその答えは本人にしかだせん」
「それ結局何にも解決してないんじゃないかしら」
「最初に答えは出せぬかもと言うたであろう。だが助言ぐらいはしてやろう。銀閣とやら。とりあえずそこな童たちと行動を共にするがいい。おのしの求める答えは座って考えておっても出るようなものではない。とりあえずでいい。流されてでもいい。人と関わるうちに答えは自ずと出るであろう」
言う通り考えても詮無いこと。銀閣は白夜叉の言葉に頷く。
作中のギフト云々は妄想な考えで書いてます