すみません。
「ここは・・・・・どこだ・・・」
彼――バロネット・ジェントリは今自分に何が起きているのか全く理解できない状態だった。
今自分が座っているのは自室にある椅子の一つだ。これだけでも高級車を一台買うことができる。
疲れた時など座ればさぞかし肉体的、心理的にリラックスできるだろう。
しかし、手足をロープで固定したこの状況ではリラックスなど出来るはずがなかった。
手足に力を込めてもビクともしない。
昨日までの記憶を思い出してみた。
(今日はいつもより早く屋敷を出て・・・・・・仕事を・・学園都市に対する・・・・・・いや、そこじゃない、屋敷に帰ってきてから酒を飲みんで・・・・・・・そこから・・・・・・・・・・・・・・マリーに連れられて・・・・・・・・・・・・)
そうだ、忘れていた!!
「マリーは、マリーはどこにいる!!」
おそらくこの状況にはマリーがかかわっているはずだと考えた私は、ただひたすらにマリーと叫んだ。
「どうかなさいましたかバロネット様?」
「っっ!!」
いつからそこにいたのかわからなかった。だがそんなことより。
「マリーこれはなんだ!!主人である私にこんなことをして許されると思っているのか!!」
「誠に申し訳ございません。このようなことは誠に心苦しい限りなのですがっ」
「では、早くロープを外せ!!」
「ですからそれは無理なのでございます」
「何が無理なのだ!!ええい、話にならん、誰か、警備の者はおらんのかー!!」
大声で叫んだ。
すぐにでもこの部屋に警備の者がやってくるだろう。しかし―――
「無駄ですよ」
「なんだと?」
「今がいったい何時だと思われですか?」
「何時だと?それが何だというのだ」
「いいからお答えください」
「・・・・・午前4時くらいか」
「おしいですね。今の時刻は午前3時29分・・・・30分以内にちゃんと遂行したようですね」
「遂行だと?」
「ええ、バロネット様。不思議だと思いません?なぜ先程から誰も助けに来ないのか」
「ま、まさか・・・・・・・あ、ありえん、この屋敷は使用人だけでも15人はいるはず。ましてや、警備の者も合わせれば35人はいるんだぞ!?」
「ですから、その全員には少々静かにしてもらっております」
「マリーお前が殺ったのか・・・・・・・いや、そうじゃない、お前がこの屋敷に潜入できるように銃を装備した部隊、小銃分隊などを手招きしたんだな?」
「流石はかの大富豪バロネット・ジェントリ様。このような状況下でもそこまで考えゆる頭をおもちで」
「甘く見られたものだ。だが、警備の者とはいえ、鍛えられた私の私兵をこうも簡単に制圧するほどの少人数の部隊とはな・・・・・・・そして、マリー、いや、その名前本物か?お前はどこのスパイだ?」
「半分正解です。私はだれも手招きなどしておりません」
「ではどうやって20人もの私兵を制圧した?」
「ここ最近私以外のメイドを一人雇ったではありませんか、メイド見習いですが。使用人15名、兵士20名は、その子が殺りました」
「なっ!!?それこそありえん!!子ども一人相手にそう簡単に殺られるはずが・・・・・・・・まっさか・・・・・」
「お察しの通りです。先ほど私に『どこのスパイだ』と質問しましたね?」
「・・・・・・・・・・・・」
「メイド見習いの子も、私も、――――『学園都市』から送り込まれた。見てのとおり、ただの『通りすがりのメイド』でございます」(ペコリ)
いみがわからなかった。
「・・・・・・・その学園都市のモノが私に何のようだ?」
「今更惚けなくても結構でございますよ、あなたが『学園都市』に対し、様々な事を行っていることは、バロネット様の自室の金庫に必要なだけの情報はありましたので」
「くっ――――なら、何故お前はこのようなことをしている。欲しい情報が手に入ったならさっさと学園都市に帰ればいいだろう」
「ええ、欲しい情報は手に入りました。しかし、バロネット様――――貴方が『学園都市』に対して行ったことは決して許されるものではありません。我々は――――――『学園都市』は舐められては行けないのです」
「ならどうするのかね?私も他の者たち同様に殺すのかね」
「殺すなど滅相もございません。ただ・・・・・・・少々痛い目にあってもらうだけですので」
そう言い終わると同時に、近くに置いてあったキャリーケースに近づき、中のモノを勢いよく取り出した。
その手に握られていたのは――――――――怪しげに月の光に照らされた一台の『チェーンソー』だった。
「貴様・・・・・・・それで私を殺すのか」
「先程も申したように、私はバロネット様を殺す気はありません。ですが―――死ぬ程の痛みを味わいますが」
そして、
"ヴィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンンン"
「このチェーンソーは『MS192T』。刃の長さは25~30cm、重量3.0kg、始動はとても良好ですね。通常は、木の上等などに使用するのですが―――あ、こちらは屋敷の倉庫から拝借したので」
「―――と、ところで、どうして、チェンソーなんだ?」
恐怖を押し殺し、この場を抜け出すために、何より時間を稼ぐために一番の疑問を口にした。
おそらく、屋敷の異常を察知した者が助けをよこすと踏んでの判断だろう。しかし、それは今の瞳には無駄だった。
「メイドといえばチェーンソーですから」
回りだした刃がゆっくりとコチラに迫ってくる。
マリーは、どこか楽しそうに・・・・・なのに狂気を帯びたその表情は―――――――笑っていた。
「最後に一つだけ教えてあげましょう。私の本当の名前は『粕谷 瞳』と言いますので、ああ、覚えなくて結構ですので。ではまず、皮から削ぐといたしますか」
料理をする際に野菜の皮を剥くかの様な軽いノリで、まるで作業の様にソレは実行された。
「・・・・・・・や、やっめ――――――――――――――――――――――――――――――――っっ!!!!?」
右足をやられた。だが、生き残れるなら右足の一本くらいくれてやると思った。だが―――
「まだ、右足の皮を削いだだけですよ?ちゃんと
ああ―――自分はこの地獄から抜け出す事は叶わないのだと悟った。
――――――――――――――――――――――――
(さて、仕事も終わりましたし帰るといたしましょうか)
欲しい情報は手に入ったし、『学園都市』流(自己流)説得術は終わりました。もちろんバロネット様は生きてますよ。ですが、もうベットからは離れられない体になってしまいましたが。
歩くこと数分。目的の部屋に到着した。
扉を開けるとそこのは、一人のメイド見習いがいた。メイド服は私と同じく、藍色を基調としたエプロンドレスにヘッドドレスを身につけているが、スカートの丈が短すぎて白のガーターベルトが丸見えである。
「あ、よう瞳!遅かったなーそっちはコッチと違って楽だったんだろ!」
こちらに向かって愚痴をこぼす少女―――
「・・・・・・・・私は何分までに仕事を終わらすように言いました?」
「ちょっ違う!あたしはちゃんと時間までに仕事は終わらせたぞ、こいつらはその後に来たんだ!」
「まぁいいでしょう。早く学園都市に帰りますよ」
「それをはやく言えよな!あー、
「そう思うなら、さっさとソレを片付けてください」
「おうよ」 "グキッ"
妹に会えるのがそんなに嬉しいのか、万遍の笑みを浮かべながら男の首の骨をヘシ折った。
「では、帰りますよ」
神無城 紗夜を連れて帰ろうと歩き出す。
「ところでよー、瞳。自分で殺っといてあれなんだが・・・・・・死体の処理ってどうするの?」
「それに関しては大丈夫です。明日にはニュースで
「相変わらず仕事がはやいなー、まっ下っ端どもはそれしかやることがなっか」
それからは、お互い無駄口を叩かずに学園都市が用意した超音速ステルス機『HsB-02』 に乗り込んだのであった。
――――――――――――――――――――――――
―????―
学園都市には暗部組織が多数存在している。
分かりやすく例を挙げるのなら
アレイスター直属の実行部隊で、リーダーは木原数多。元より素行や人格に問題のある者達ばかりで構成されている部隊で、有り体に言えば"人間のクズ"ばかりを集めて構成されている部隊だ。
他に例を挙げるのなら、猟犬部隊といった大人数で構成されているのではなく、小人数で構成されている部隊もある。
『グループ』
4人で構成された実行部隊。だが、最近3人が任務中に殺られてしまい、今は一人らしい。
『アイテム』
4人で構成された実行部隊。リーダーはレベル5第四位の麦野沈利。こいつにはハッキリ言って近づきたくない。
『スクール』
4人で構成された実行部隊。リーダーはレベル5第二位の垣根帝督。何があったのかは詳細は分からないが、粕谷瞳に対し、絶賛プロポーズ中らしい。
『メンバー』
4人で構成された実行部隊。リーダーは白髪のジジイで博士と呼ばれている。可愛い女の子以外はどうでもいい。
『ブロック』
4人で構成された実行部隊。リーダーは熊のような大男の佐久辰彦。こいつもまた横暴な性格なため、知り合いたくもない。他の奴に同情すら覚える。
そして、俺が所属している部隊名は『シークレット』。他のとこと同じく4人で構成された実行部隊である。だが、うちの部隊は他のとこと違い部分がある。他の部隊は基本的には学園都市内の問題解決などを仕事にしている訳だが、あ、もちろんウチでもやってるよ。でもねーウチの部隊は根本的なあり方がちょっと違うっていうのかなー、こういうの何ていうのかね?――――そお!あれよあれ、あーー他のとこの部隊はお金とか、自分の目的のためとか、主に私利私欲なわけよ、わかる?学園都市のためにとか、統括理事会のためとか、ましてやアレイスターのためとか思っている奴の方が少ないわけ、てかいんの?ってレベル。
まぁ、こんなこと瞳の野郎の前で言ったらぶち殺されかねないね、本当に。
話は戻すが、『シークレット』の活動理由を一言で言うなら―――
だけど、統括理事会の奴らに忠誠なんて誓ってないし、誓うつもりもないけどね。
俺たちが絶対の忠誠を誓っているのは、学園都市に住み
これは俺の主観的見方なんだが、瞳の場合は、木原一族に忠誠を誓ってはいるが、一族そのものではなく、『木原修』って野郎に絶対服従している。過去に何があったか知らんが、てか、聞きたくもないがな。何より瞳はアレイスターにも忠誠を誓っているって感じだ。正に、学園都市のためだな。
他の二人――――神無城紗夜と、神無城瑠璃の姉妹は粕谷瞳に付いて行くって感じだ。これまた詳しいことは知らないが、昔、なんでも二人を拾ったのは瞳らしい。
え、俺が何で『シークレット』にいるかだって?そんなの答えるまでもない―――――神無城姉妹がいるからだ!!
世界一般的に俺みたいな奴はロリっゴホンゴホん!!
世界一般的に俺みたいな奴は
いいか、俺は女性を年齢で―――見た目で決める野郎が許せない!そもそも――――――――――・・・・・・・・・
PDAが鳴りだした。
(通信?誰からだ)
PDAの画面に表示された名前は暗部の者だった。正直今から仕事の依頼の場合は直ぐに電源を切るつもりで通話ボタンを押した。
『―――――――――』
「今日帰ってくるのか紗夜は!?そうと分かれば迎えに行かなくては!!」
そのまま電源を切ると、急いでマンションを飛び出した。
彼―――――レベル5第六位『