誤字、脱字があるかもしれませんので、そこのとこよろしくお願いします。
六月の中旬、学園都市もさすがに科学のチカラで気温は変えることはできず、いまだに肌寒い日が続いていた。粕谷瞳と、神無城紗夜は学園都市に到着すると『シークレット』ために用意された秘密マンションの一室に足を運んだ。
「るーりぃーいまかえったぞー」
「あ、おかえりなさいおねえちゃん」
部屋に入るや早々紗夜は妹の瑠璃に勢いよく抱きついた。
「瑠璃はあいかわらずいい匂いがするなー、クンクン」
「もう、おねえちゃんく、くすぐったいよ~」
「えへへ~この胸はあたいのだあ」
「んっ.....だ、ダメだよ、おねいちゃん」
「まったく何をしたらこんなにも・・・・・・その・・・・・・む・・・・む、胸が大きくなるんだ?」
姉の紗夜の絶壁とは違い、妹の瑠璃の胸は瞳にはまだ適わないまでも、九歳とは思えないほど成長していた。姉の紗夜は今年で十歳になるのだが.......完敗である。
「うっさい!」
「いきなりどうしたのおねえちゃん?」
「―――――な、なんでもっなぃ」
紗夜は妹の胸を一瞥すると自身の胸に手を当ててうなだれた。
「まったく、二人揃って何をやっているのですか。紗夜、メイド服がくずれていますよ」
粕谷瞳は藍色を基調としたエプロンドレスにヘッドドレスを身につけている普通のメイド服だが、スカートのスリットからは黒いガーターベルトが覗けている。対して神無城瑠璃のメイド服は瞳と同じく藍色を基調としたエプロンドレスにヘッドドレスを身につけてはいるが、スカートにはスリットは無く、ごく普通のメイド服だが、姉の神無城紗夜は藍色を基調としたエプロンドレスにヘッドドレスまでは一緒だが、スカートの丈は短く、白のガーターベルトが覗けている。そして、他のメイド服とは違い、長袖ではなく半袖といった動きやすいく、ラフなカッコをしている。
「う、うっさい!今はそれどころじゃないんだよ」
「お、おねいちゃん。そんな言い方は、だ、ダメだと、思うよ」
「まったくあなたは、離れていたのはたったの一週間ですよ」
「あたしに言わせれば、一週間『も』っだ!」
「だ、ダメだよ、おねえちゃん。えっと・・・・瞳さんは年上だし、私たちの隊長さんなんだから、そんな言い方しちゃだめだよ」
「うっ・・・・わかったよ、瑠璃がそー言うなら気おつけるよ」
「ほほーう。言いましたね?実は前々からその口調を何とかしようと思っていたところなんです。メイド見習いとは思えない喋り方ですしね。では早速やってみましょう」
「な!?なんでそおいう事になってるん(ギロッ)なってるのですか?」
「「・・・・・・・・・」」
「・・・・・・違和感がありますね」
「そ、そうですね。なんていうか・・・・・おねえちゃんがおねえちゃんじゃない・・・・・みたな感覚が」
「なんだよそれ!あたしが敬語を使うのがそんなにも変なのかよ!!」
「分からないなら言いますが、変です。すごく変です。ですのでまずは喋り方よりもその言動から直していきましょう」
「そ、そうですね。おねえちゃんはそのガサツなところから、直したほうがいいかもしれませんっね」
「――――!揃いも揃って人のこと馬鹿にしやがって!!」
今にも暴れだしそうな紗夜を、瑠璃は後ろからしがみつくかのように止めに掛かる。
「お、おねえちゃん――――あ、暴れたら・・・・・ダメっだよ」
「うがーーーーー!!離せ瑠璃!!」
今にも暴れたい紗夜だが、瑠璃がしがみついていてはそれができず、ブンブン振り回す腕は空回りするばかりであった。
「紗夜、落ち着きなさい。瑠璃が困っていますよ」
「誰のせいだと思ってるんだ!」
「お、おねえちゃん、おち・・・落ち着いてっ」
「紗夜、落ち着きなさい。何故ここに来たのか忘れたのですか?」
「は?そんなの決まってんだろ」
「だ、だよね。流石のおねえちゃんでも、それはわかるよね」
「瑠璃に会うためだ!!」
はぁ・・・・・・・、これには流石の瞳もため息しか出なかった。
「――――瑠璃、そろそろ紗夜から離れなさい。―――――――それでは、紗夜、私たちがここに集まった理由は「おっかえりーーー紗夜ちゃん!!」・・・・・・・・・・」
頭が痛いとはこのことだろう。つい右手を頭に当ててしまったのは仕方がないことだろう。
「おーいおいおいおいひとみっち。何で俺を呼ばなかったわけ?帰ってきたならそう連絡をよこせよ。あ、瑠璃ちゃん紗夜ちゃん久しぶりだなー、ここんとこ俺だけ仕事が無くて会えなかったからなー、どこかの誰かさんのせいでな」
この男―――岩城紀陸は、日本人特有の黒髪を赤髪に染め、ショートヘアは寝癖がついており、白のスーツを身に
部屋に入るなり、私のことを変なあだ名で呼んでくるは、ふざけた態度で接してくるは、神無城姉妹には優しく接するは、ムカつく顔でコッチを見てくるわで・・・・・・・・・・正直に言ってウザイです。嫌いです。
「おいおい露骨に嫌そうな顔するなよな」
「それはそれは申し訳ございません。流石の私も貴方のような人?の顔を見てしまったら、少々体調がすぐれなくなってしまったようです」
「何で人の部分が『人?』なのかはこの際気にしないが、俺を見ただけで体調がすぐれないとか
どうやら死にたいようですね。
懐から紙を取り出そうと手を伸ばすと――――
「ひ、瞳さん・・・・だ、ダメですよ!岩城さんは、一応私たしの仲間なんですから」
「あれ~?聞き間違いかな?味方であるはずの瑠璃ちゃんから毒のある言い方が聞こえたような」
「き、気のせいですよ」
「本当かなー?これは確かめる必要があ・り・そ・う・だ・な」
両手をワキワキさせながら瑠璃に近づいて行く岩城紀陸は突如の蹴りに吹き飛ばされた。
「あたしの妹に何しようとしとるんじゃーこの、ボケガァーーー!!」
「ぐぼっ!」
そのまま綺麗な弧を描きながら壁に衝突した。
「へぼっ!」
「どんなもんじゃい、このHENTAIが!」
「ごほっ・・・・・・酷いじゃないか紗夜ちゃっ」
「気軽にあたしの名前を呼ぶんじゃねー!」
「おっと」
さらに紗夜は蹴りを放つが、先程とは違い躱される。
「~~~~っ!避けんな、このボケ!!」
「HAHAHAHA、そんな大振りじゃあ当たんないぜ。マイナス20点だ」
「このっ!」
「お、おねえちゃん・・・・こんな、こんなところで、暴れたら、だめだよ――――――止まらないよ~瞳さん」
「このままでは話が進みませんね・・・・・・仕方ありません」
そう言うと、先ほど懐から取り出そうとしていた紙を再度二枚取り出した。
「ふっ!」
「「――――――――ッ!!」」
紙を取り出した瞬間―――一瞬にして二人の首筋に刃を突き立てた。
「そろそろ辞めなさい。ここはそのような事をする場所ではありませんよ?」
「―――わーったよ」
「へいへい、あぶねーなー。だが、今のは反応できんかった。プラス80点だ」
紗夜は先ほどと違い、納得出来ないといった顔をしながら拳を下げ、紀陸は先ほどまでと同じ態度で後ろに下がるのであった。
「にしても、ひとみっち。――――――――紗夜ちゃんのは寸止めだとして、俺のはそのまま動脈ごと切ろうとしただろ?」
「貴方の場合は効かない事はわかっているのでそのまま当てにいったまでですが」
「は、確かに俺の能力はひとみっちとは相性さいやくだからな。点数的にはプラス20点出せればいいほうかもね。あ、もしかして俺のことが嫌いな理由ってそれ?」
「それも原因の一つとだけ言っておきましょう。貴方の能力の前では、私の能力を無力化・・・・・までとはいきませんが、全力を出せなくなってしまいますからね」
「おいおいおい強気だな。なんなら今やってもいいんだぜ?」
「・・・・・・・そんなに死にたいならいいでしょう。できるものならやってみなさい」
「は、最近引きこもっていたかな、いい運動ができそうだ」
そして、そのまま二人は衝突―――――――しなかった。二人の間に人が割り込んだ。
「ひ、瞳さん、今、自分で言いましたよね?ここで、暴れないで下さい。紀陸さんも、瞳さんの事をあまり挑発しないで下さい!」
「え、俺が悪いの瑠璃ちゃん?」
「・・・すみません、瑠璃。落ち着きました」
「あたしのことを言えないよな瞳」(にやにや)
「もう、おねえちゃん。これ以上水を、ささないの」
数分後やっと落ち着いた一同は、それぞれソファーに座りながら瞳を見つめ、話を促した。
「ごっほん。それでは遅れてしまいましたが、本日の仕事についての説明を行いたいと思います」
「は、本当にここまで来るのに時間かかったな。てか、今回の任務って案外重要って聞いたんだけど、何で俺呼ばれなかったの?」
「・・・・・・貴方には後ほど、別の方が連絡で仕事の内容を伝える予定でした」
「本当にひとみっちは、俺のことが嫌いなんだな」
こんな屑は無視して話を進めたほうがいいですね。
「うわー、今絶対クズとか考えただろ」
「も、もう、これ以上話を、ズラさないで下さい」
「瑠璃の言うとおりだぞ、このボケ!」
このままでは一向に終わらないような気がしてきました。無視して早く進めましょう。
「私たちシークレットに新たな仕事が入りました」
「知ってる」
「は、だから集まったんだろ」
「ふ、二人共・・・言い方が・・・・」
「――――――――――――――今回の仕事ですが、依頼主は『木原』です」
「「「なっ!?」」」
この三人はわかりやすいですね。聞く態度が明らかに変わりましたよ。まあ、それでこそ『シークレット』です。
「―――二年前の奪還作戦を覚えていますか?」
「二年前って言うと・・・・・・・あ、あの奪還作戦か」
「に、二年前・・・・・ですか?」
「瑠璃はその頃仕事に参加してなかったからなー、知らなくても当たり前だよ」
「瑠璃、私たちシークレットがあなたを抜いてまだ三人だった頃の仕事です」
「・・・・・・ど、どのような、仕事だったんですか?」
「―――今から十年ほど前の話です。ある組織に木原が誘拐されるといった事件がおきました。それを、私たちシークレットは二年前に奪還作戦を決行したのです」
「・・・・・・どうして八年間も奪還作戦が決行されなかったのですか?」
「それに関しては上の考えがあるので私では分かりかねます」
本当の理由を教える必要もありませんしね。
「それでよ、今回の作戦とその二年前の作戦がどう関係あるんだ?」
「分かりませんか?これだから屑は・・・・・」
「へいへい、クズで済みませんね。私は理解力が乏しいのでお教え下さいませ」
「そこまで言うなら屑の頼みでも聞いてあげましょう」
「アリガトウゴザイマース」
喋り方、態度はアレですがいいでしょう。
「本作戦は、二年前に奪還した―――――『木原円周』様を再び奪還することにあります」
「「「はぁ~~~~!!」」」
何を驚いているのですかねこのお三方は?
「え、ちょ、ちょっとまて・・・・・何であいつ(ギロッ)・・・・・木原円周様がまた誘拐されたんだ?」
「それ、俺も気になるな。学園都市もそこまでアホじゃないだろ」
「わ、私も、気になります」
「何といいますか・・・・・・誘拐されたと言いますか……そうじゃないといいますか…・・」
瞳にしては珍しく、歯切れの悪い回答だった。
「・・・・?なんだよ、ひとみっちにしては歯切れが悪いな。マイナス5点」
「貴方にマイナスの評価を受けるとは・・・・・・・・・殺しますよ?」
「だがら何で俺に対してはそんな短気なんだよ!!?」
「うるさいですね。―――――話を進めますが、木原円周様は自らの意思で誘拐されました」
「「「……・・・・・・……・・・・」」」
流石の三人も、これにはリアクションができなかったみたいだ。
「詳しい詳細は説明できませんが、木原円周様は二年前に誘拐した同じ組織に誘拐されました。――――これが木原円周様の現在位置と、それぞれの仕事内容の資料です」
瞳は三人に木原円周の居場所と作戦内容の詳細の資料を配った。
神無城瑠璃は貰った資料を一語一句逃さんばかりに覚えようとし。
神無城紗夜は貰った資料を1ページ開くと、そのまま何事もなかったかのように机の上に置いた。
岩城紀陸は貰った資料をパラパラ見し、それだけで内容を覚えたらしく、紗夜と同じく机の上に置いた。
「それでは、瑠璃は移動しながら自分の与えられた仕事内容を把握してください。紗夜は、増援部隊を蹴散らしてください。きり―――――屑は、作戦通りに実行してください」
「りょ、りょうかい!」
「りょーかい」
「は、了解だよひとみっち」
そのまま四人は暗部が用意した車に乗り込み、空港につくとそのまま超音速ステルス機『HsB-02』に乗り込み出発した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
―ステルス機内―
「ところでよー、ひとみっち。質問があるんだけどいい?」
「嫌です。移動中ですよ、静かにできなんですか」
「本っっっ当にバッサリ切るね、俺にだけわ。いいじゃんか、この移動時間暇なんだし」
「はぁ・・・・・・・・・本当に仕方ありませんね。一つだけなら発言権を与えましょう」
「いろいろ言いたいことはあるが、今は時間がないからツッコまないでやろう。それじゃあ一つ質問だ。――――今更なんだが、俺たちシークレットって、他の部隊と違って学園都市外の任務多くないか?」
瞳は、岩城紀陸を屑を――――ゴミ屑見るような冷たい視線を向けた。
「本当に今更ですね。貴方は何年間シークレットとして活動してきたか覚えていますか?二年、二年ですよ・・・・・・・・このゴミ屑が(ぼそ)」
「聞こえてるからな!最後のつぶやき聞こえてるからな!いいじゃんか、今までそう言った質問したことなかったんだから」
「・・・・・・仕方ありません。ついでに紗夜と瑠璃も聞いてください」
G(重力)に当てられて苦しそうな二人に関係なく瞳は喋りだす。
「私たちシークレットの仕事は基本的には、学園都市内の危険分子の排除ですが、それらは他の実行部隊がやってくれるので滅多にそういった仕事はありません。あっても人物護衛といったモノですね。なら何をするかといいますと、学園都市外の危険分子の排除。――――分かりやすく言いますと、学園都市に対して敵対的の人物、組織の排除。そして―――――――――学園都市とは違うカテゴリに属すもう一つの科学的超能力と戦うのが『シークレット』の役目です。補助として、『シークレット』の学園都市の立場ですが、『スクール』、『アイテム』を始めとした部隊より、立場が上とだけ認識してください」
紀陸は納得と言った表情をし、紗夜と瑠璃は、Gに当てられながら最後の部分が理解出来ないといった表情をしていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
空港に着くと、学園都市製のステルス車に乗り込み移動し、車では入れないところまで来ると、そこから四人は徒歩で移動した。
それからしばらく歩くと目的地に到着した。
それは、湖に囲まれた要塞だった。見た目は昔ながらの石でできたお城で、360度湖に囲まれ、城壁は25メートルもあり、唯一の入口は正面しかなく、そこを守るように湖には10隻モノ船が配置されていた。資料通りならあの城は見た目と違い、内装は研究設備なのがあるはずだ。
「資料を見るより、やっぱ実物はデカイな」
「でっけーお城だな」
「う・・・・・船が、人が、いっぱい」
「―――――今より仕事を開始します。準備は・・・・・・できてますね。それでは、深夜零時に結構してください」
そう言うと、それぞれのポジションに向かうのであった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
PDAが作戦実行の深夜零時を知らせるアラーム音が鳴り響いた。
今頃、岩城紀陸が正面から攻めて敵の注意を引いているはずです。今から侵入するのですが、私が今どこにいるのかですか?もう侵入していますがなにか。
え、紀陸が必要だったのか?正直いりませんけどなにか?おそらく本人は、コレがただの嫌がらせだと気づいているでしょう。どうやって侵入したか気になる人もいるかもしれませんが、私がメイドだからでお願いします。
しかし、警備が手薄ですね。陽動作戦が上手くいっているようですね。けど、それだけではないような気がしますね。
そのまま木原円周のいる部屋の前まで到着した。
部屋の前には、死体二体が倒れており、死体は二体とも首があらぬ方向をむいていた。
どうやら感が的中したようだった。いくら岩城紀陸が陽動しているとはいえ、ここまで手薄なのはおかしいと考えた瞳はある考えにたどり着いた。
――――この死体の傷跡を見る限り円周様の仕業なのは間違いありません。
だがここで疑問が生まれた。では何故、木原円周は捕まったのか?わざわざ木原円周自らの手で二年前に誘拐した組織の復讐をしに来たのか。だが、それが一番ありあない。何より私が知る限り
部屋をくまなく捜索したが、予想通り木原円周は見つからなかった。
瞳は思考を巡らした。そして――――――木原円周の居場所を導き出した。
おそらく木原円周様は二年前――――――私が救助した際に『何か』を牢屋の中に置いてきたのではないか。
それが、なんなのかは分からないが、そうと考えれば行く場所は限られてくる。
重要な書類、実験材料、重要人物の所有していた物といったのが保管されている場所。そこを探せば見つかるはず。
そして、木原円周の捜索がまた始まった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ぜってーただの嫌がらせだろコレ。
一番面倒なの俺に当てやがってあのアマは・・・・。
どうせ今頃、『コレがただの嫌がらせだと気づいているでしょう』とか、憎たらしく思ってんだろうなー。
まあ、任務だし、仕事だし、しょうがなくやってやるよ。
「はい、これで四隻目」
船は、一隻に五人が乗っており、それぞれ一隻ずつに20mmバルカン砲、多連装魚雷が装備してあり、五人中一人は操縦、もう一人はバルカン砲の操作と魚雷の発射、残りの三人は重機関銃とロケットランチャーを装備している。これは女、子供だろうが近づいただけで殺されるな、うん。
何よりも、俺のカッコがダメだった。こんな夜中に、赤髪の白いスーツの男が水の上を船も漕がずに歩いてくるんだぜ?夜には白目立つしな。
速攻されましたよ。
そりゃもうライトが俺を照らす前に撃たれたね。
だが、そんなの俺には効かないんだがな。
どうやって水の上を歩いているかだって?
説明が面倒だから俺の能力とだけ言っておこう。
「は、おせーおせーよ。対応が遅い。まだ六隻あるんだろ?チームプレイ見せてみろよ」
破壊したばかりの船に足をかけ、他の船を睨みながら言い聞かせるようにこたえた。
向こうさんは明らかに動揺している。
それもそのはず、彼らにとっては、奇妙な侵入者を発見し攻撃。
気づいた時には、二隻は撃破、そのまま思考が追い付かない内に、もう一隻撃破され、やっと思考が戻った時にはもう一隻撃破されていた。
それだけの風景を見せられても、彼らの思考が理解できたのは――――――白いスーツの男が四回足を振ると、どの船もひとりでに陥没したことだけ。――――――いや、そんな生易しいモノではない。例えるなら、『人』を何らかの方法で船を破壊した『力』だとしよう。『空き缶』を『船』だと思って考えて欲しい。空き缶はただ地面に置いてあるだけ、人はソレを蹴り飛ばす。
くの字に陥没する空き缶。だがこの例え、あらがち間違ってはいなかった。
どの船も、『人』が蹴り飛ばしたかのような有様だったからだ。
誰かが引きがねを引いた。それにつられるかの様に、六隻の船から20mmバルカン砲の圧倒的な破壊が撒き散らされた。
当然、紀陸にもバルカン砲の脅威は迫り来る。しかし―――――――バルカン砲の弾丸は岩城紀陸に当たることはなかった。紀陸に当たると思われた全ての弾丸は、時間が止まったかのように空中に停止していた。
「・・・・・・・・ば……・・・・・・ばか・・・・・・・な・・・・・・・・」
誰がつぶやいたかは分からない。
だけど、その言葉はこの現象を起こした岩城紀陸以外の全員が思ったことだった。
「は、何お前ら鳩がRPG―7くらった顔してんの?―――――あ、そうか、お前らから見たら止まって見えたりする?違うんだよなー天下の学園都市レベル5の俺様でも流石に物質の時間を止めたり、第一位みたいな演算能力や、反射なんかできないからな」
冗談にしては笑えない事を言い、最後にいたっては何のことだかわからなかった。
「お前らに分かりやすく説明するとだな――――その前にこの弾よーく見てみ。まだ回転しているから」
言われたとおり目を凝らして確認してみると、確かに弾丸は空中でまだ回転していた。
「俺はこの弾丸一発一発止めるだけの演算能力を残念ながら無いからな。だから、止めるのではなく、受け止めたんだよ―――――まだわかんね?はぁ・・・・・要するにだ―――」
こんなのは気まずれ、暇つぶしかのように白いスーツの男が語りだす。
「―――拳銃の弾ってのは不思議でよ。鉄やら鋼に撃った場合、跳弾したり潰れたりするわけだよ。逆に強度の低い物だったらそのまま貫通したり、貫通はせず、弾丸は内部で止まったりする。――――なら強度がそこまで高くもなく低くもない物質はどうなる?答えは簡単だ、弾丸はある程度突き刺さり弾は止まるが、そのまま回転し続けるんだよ。もっと分かりやすく言うとだ、『強度がそこまで高くもなく低くもない物質』に弾丸が当たると、さっきもいったとおり、ある程度突き刺さり弾は止まるがそのまま回転し続ける。では何故か?その物質は弾丸が当たると衝撃を分散、吸収するんだよ。だから弾は止まるが、そのまま回転し続ける」
休憩のためか、一息ついてからまた口を開いた。
「この現象もソレに似たようなもんだ。空気を『強度がそこまで高くもなく低くもない物質』程度に固める。あとはソレを前方に展開すれば完成!はい、説明終わり」
最後はもう面倒くさくなったのか、無理やり終わらせた感があった。
するとさっきまでの軽い雰囲気とは違う、重々しい雰囲気に変わった。
「ここまで説明してお前達が犯した過ちに気づかないなら・・・・・・・・・・・マイナス100点だ」
比喩ではない、放たれた殺気は文字通り、この船を、人を、空間ごと震えていた。
それは、死刑を言い渡す閻魔様のような宣告だった。
「学園都市に――――シークレットに喧嘩吹っ掛けたんだ・・・・・こんぐらい予想できていただろ?」
閻魔――――違う。
こいつは閻魔のようにただ宣告するだけじゃない。
今この場で圧倒的破壊をもたらす存在――――悪魔。
いや、アレは悪魔なんかじゃない。
笑みを深めたその表情はさながら――――魔王のようだった。
「これでお前らの持ち点は0になった・・・・・・・100点が0になったんだ、お前らの運命は・・・・・・今さら言うまでもないか?」
いつの間にか、紀陸が履いていた革靴がローラースケートのような車輪が取り付けられていた。
外見は普通のローラースケートとは違い、踵に後輪が収納されており、前輪は無く、何故か足の甲に取り付けられていた。
右腕を頭の高さまでゆっくりと上げながら、紀陸は最後の宣告を告げた。
「残念だけど一瞬で終わらせる――――――――こいつを使わせたお前らが悪いんだ」
言い終わると同時に右手を振り下ろした。
それで、全てが決着した。
投稿した次の日気づいたのですが、
神無城姉妹の容姿の描写書いてねーーーー!!!!Σ(゚д゚lll)
粕谷瞳さんの容姿は書かなくてもわかりますし。
岩城紀陸の容姿もある程度わかるようにしてきましたが・・・・・
神無城紗夜と神無城瑠璃の容姿の説明してねーーーー!!!ヽ(´Д`;)ノ
これを機会に今の話が終わったらシークレットのメンバー紹介します。