とある冥土の主はマッドサイエンティスト   作:namaZ

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13話休日

 本日のメニューは研究で手が離せない修様のために食べやすいものを作ってまいりました。

 その名も「サンドイッチ」。英発音するなら「sandwich(サンドウィッチ)」。

 発明とは偉大です。

 この様な便利で食べやすく、栄養価が高い食べ物は中々ありません。

 他にも食べやすく栄養価が高い食べ物はたくさんありすが、私はサンドイッチを作ります。

 何故か?答えはわかりきっている。

 修様の好物がサンドイッチだからだ。

 これは推測なのですが、修様の尊敬する人ランキング。堂々の一位がサンドウィッチ伯爵なのでは?と、私は考えています。

 修様はサンドイッチを試食する際。

 見た目より味を重視する方なので、せっかく可愛らしく作ってもそこに対するリアクションはありません。

 しかし、そこで手を抜くようならメイドとは呼べません。

 味、見た目、栄養、盛り付け、さらには修様が食べる際の角度、手に取る際の順番を計算し、より食べやすいサンドイッチを実現しました。

 しかし、サンドイッチを食べる時は必ずサンドウィッチ伯爵の話をします。

 初めてサンドイッチを食べてくださった時の記憶は今でも鮮明に覚えています。

 あれは――――衝撃的でした。

 無表情。無口。が売りの修様がサンドイッチを口に含んだあの瞬間。

 表情はいつも通りなのに口が動く動く。

 

 

 

 『知ってるか瞳?世間一般にはサンドウィッチ伯爵と知られているがフルネームを知っている奴はごく僅かだ。正確にはサンドウィッチ伯ジョン・モンタギューだ。それに更に付け足すなら第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューと言う。元々サンドウィッチの名前の由来は、パンに挟んだ干し肉を片手にカード賭博に興じるサンドウィッチ伯の逸話は、当時のフランス人による随筆に紹介されたとされているが、所詮噂話に過ぎない。伯爵の伝記作家によると、海軍、政治、芸術と大忙しだったために、サンドイッチは、賭博台よりは執務の最中に仕事机で食されただろうとされている。それに、パンにいろいろな食品をはさんだ食べ物は、古来より存在している。ヨーロッパでもサンドイッチと呼ばれる以前から存在していたのが何よりの証拠だ。ちなみに伯爵にサンドイッチを教えたのは、グラウビュンデン共和国生まれの伯爵の義兄、ジェローム・ド・サリスだという説も有力で――――――――――』

 

 

 

 このままだと回想だけで終わってしまいそうなので中断させていただきます。

 備考ですが修様はサンドイッチだけではなく、興味のあるモノに対しては口が動く動く。

 それを持ち出したら日が暮れてしまうので今は遠慮しときましょう。

 それと、修様の前で『サンドイッチ』と発音してしまい、『サンドウィッチ』と発音しろと注意されたのもいい思い出です。

 

 (ああぁ、もっと叱られたい・・・・・・)

 

 しかし、仕事に失敗は許されない。

 今思えば、修様に仕えるようになって初めての失敗が『サンドイッチ』と『サンドウィッチ』の発音とは、嬉しいような悲しいような・・・・・・・・・・ちょっと複雑な気持ちです。

 

 

 「こちらです修様」

 「・・・・・ああ」

 

 ディスプレイに睨めっこしながら手だけをサンド()()ッチに伸ばし口に含む。

 今日はいつもと違い何も語らない。

 ただ黙々と食べ進める。

 十個もあったサンドウィッチはものの数分でなくなった。

 

 (こう見えて修様は意外と暴食です。動かない分、頭を使いになるのでお腹が空くのでしょう)

 

 しかし、今日は様子がおかしい。

 無表情。無口を売りにする修様でも、サンドウィッチの時は真逆になる修様が。

 今日は何も言わずただ食べただけ。

 

 (・・・・・失敗した?)

 

 持てる力を全てを使い、腕によりをかけて作ったのですが―――――失敗した?

 そんなはずわない――――――――計算に計算を重ね――――――――持てる技術を全て使い――――――――修様に――――――――この想いを――――――――・・・・・・・・・・・・・

 

 修様が手を止めてこちらを振り向く。

 当然の如く私は気が気ではない。

 数分。いや、数秒。たったそれだけ目を合わせただけなのに私には数時間に感じた。

 修様がまた視線をディスプレイに戻すと小さく。

 耳をすませないと聞こえないくらいに小さな声で呟いた。

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・おいしかった」

 

 ―――――――私はこの声が聞きたかったのだ。

 

 「―――――はいっ!次はこれ以上のモノをご用意いたします!」

 

 

 メイドは今日も主人一筋なのであった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 その頃、シークレットの面々は――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 「はっ!この俺相手にここまで粘れるとは思ってなかったぜ!」

 

 彼――――岩城紀陸は徐々にターゲットを追い込んでいた。

 

 「さあ!今こそを渡してやろう!!」

 

 相手は学園都市レベル5である紀陸と十五分間も交戦していた。

 

 「クククククク、ここに来てしくじったな!!逃げ回るのに集中しすぎて地形判断を誤ったな!!?」

 

 この先は行き止まり。

 しかも直線上の一本道になっている。

 

 「あとは銃口を野郎に向けてトリガー引くだけ・・・・・・・俺の勝ちだ」

 

 道に出た。

 相手は慌ててこちらに銃口を向けようとするが時すでに遅し。

 

 「ぶぁ~~かぁ~。気づくのが遅いんだよこの○ンカス野郎が!!」

 

 相手が振り向く前にトリガーを―――――

 "バン"

 撃たれたのは紀陸の方だった。

 

 「なにぃぃぃいいいいぃぃぃぃぃいい!!!!???##&$&&%%(&’)””!’%(」

 

 撃ったのは先程から追い駆け回していた奴ではなく――――――紀陸の遥か後方の屋上。

 そう、スナイパーだ。

 

 

 

 

 10000(スペッツ)  ―  9400(ブラック)

 

  勝利       敗退 

 

 

 

 

 「待ち伏せだとぉぉぉぉおおおおぉぉぉおおぉ!!!!??」

 

 紀陸はテレビ画面を睨みつける。

 

 「追い込んでいたのは俺ではなく、あいつらだったのか!!!」

 

 髪をクシャクシャにしながら悔しさのあまり叫び続ける。

 

 「クソッ!!地形判断を誤っていたのは俺の方だったか!?あそこの一本道はスナイパーが最も狙撃しやすいってことを忘れていたぜ!!マイナス100点!!」

 

 まだ一口もつけていないコカ・コーラを一気飲みする。

 コーラの甘味と刺激で思考を一度落ちつかせる。

 

 「――――――――ぷは~っ・・・・・・・・・・ごふっ・・・・・・・・・(涙)」

 

 ※想像にお任せします。

 

 コントローラーを握り直すとまた同じチームに対戦を申し込んでいた。

 

 「はっ!一度勝ったからって調子に乗るなよこの雑種が!同じスナイパーにやられる程の俺ではない!しかもビギナーだと?『Doctor』なんて名前にしやがって、博士なら博士らしく実験でもしてろ!!」

 

 特攻を仕掛けるがまたもやスナイパーにヘッドショット。

 

 「~~~~~~~~っ!!」

 

 

 

 

 

 第六位は今日も休日を満喫していた。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 「暇だな」

 「ひまだね」

 

 彼女たち――――神無城姉妹は文字通り暇を持て余していた。

 今日は仕事もなく、メイドの稽古もない。

 滅多にない休日。

 メイドの作法が面倒、サボりたいと普段から愚痴っている神無城紗夜であったが、実際に休日をもらうと何をすればいいのかわからなかった。

 

 「暇だな」

 「ひまだね」

 

 もう一度同じ言葉を繰り返す。

 灼熱の太陽は二人から体力と精神を奪い去っていく。

 紗夜と瑠璃は汗を拭いながら空を見上げる。

 そう、二人は街を歩き回っていた。

 仕事上。学園都市外や、学園都市内で暗躍することが多い二人だが、なにげにこうやって表立って街を歩くのは初めてだったりする。 

 だが―――――――――太陽の容赦のない輝きが二人からやる気、好奇心を蒸発させる。

 

 「暇だな」

 「ひまだね」

 

 本日三度目。

 時刻は午前十一時。

 しかも日曜日。

 人通りの多いこの時間帯、周りの学生達から注目されていた。

 それもそのはず、この日本において黒髪が当たり前。

 学園都市でもその基準は当てはまる。

 そんな中、二人は紅色。しかも、九歳ながら整った顔立ちは無意識のうちに男どもが振り向くほど。

 太陽の光により髪の色はより際立ち、妖艶な美しさを引き出していた。

 何より二人の服装―――――――そう、メイド服である。

 太陽と視線の四面楚歌。

 紗夜は鬱陶しそうにしながらはんば諦めていた。

 

 「おい瑠璃ぃ、何であたしらメイド服着てんだ?」

 「ひ、瞳さんが、『メイドにとってメイド服とは命である』って言って、私たちにメイド服しか渡してないからだよ~」

 「渡してないからだよ~っじゃねーよ!何でメイド服しか渡さないんだよ瞳の奴!」

 「き、紀陸さんよりに比べたら・・・・・・・・マシだと思うよ?」

 

 瞳はメイド服しか渡さないが、紀陸の場合は趣味に走り過ぎてヤバイものしか渡さない。

 例を挙げるなら、スク水(旧)。体操服(ブルマ)。メイド服(猫耳しっぽ有り)。魔法少女(なのフェイコスチューム)。賢者(ドラゴンクエスト)。などなど色々有り。最終的には紐なんてあったりする。

 どちらを着る?と、聞かれれば当然瞳のメイド服を選択するしかない。

 よって、二人の衣類ケースにはメイド服しかないわけだ。

 

 「しらねー相手にヘコヘコして何が楽しいんだ?メイドなんて嫌だー」

 「け、けど私たちにはソレしかないんだよ」

 「・・・・・・・まあな」

 「そ、それに、メイド服ばっかり着ているおかげで、今じゃあこれで当たり前って気がしない?」

 「まあなぁ~。こんな生活できるのも瞳のおかげだしな」

 「そ、そうだよ!私たちに服を渡してくれる瞳さんに感謝しなくちゃ」

 

 過去に――――――二人が瞳に出会うまで何があったかは分からないが、幸せとは程遠い環境で生活をしていたのは確かだろう。

 

 「・・・・・・・・・暑いなぁ~、瑠璃!どこでもいいからどっか入るぞ!」

 「ま、待ってよ~おねえちゃん」

 

 飲食店に疾風のごとく駆け出す紗夜はどこか楽しげで、瑠璃もそんな姉に笑っていた。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 同時刻、この人は――――――――

 

 

 「おっ!またまたワンショットワンキル。この手のゲームはやった事なかったけど案外簡単だったな」

 

 画面には

 

 

 10000(スペッツ)  ―  9400(ブラック)

 

  勝利       敗退 

 

 

 当然このプレイヤーは『スペッツ』の方である。

 

 「相手方で強プレイヤーはこの『Stone_King』だけだね。『ストーンキング』・・・・・・『石の王』とは中々のネーミングセンスだ」

 

 また同じ相手にヘッドショット。

 

 「悪くない作戦だが私には通じないんだよな」

 

 またまた同じ相手にヘッドショット。

 

 「ん~、悪くはないんだけどな・・・・・そんなんじゃ何時まで経っても私のことは殺せないぞ?」

 

 またまたまた同じ相手にヘッドショット。

 

 「ハハハハハハハハハハハハハハ、この手のゲーム中々楽しいじゃないか」

 

 ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。ヘッドショット。―――――――

 

 彼の独占上。

 

 275キル  0デス

 

 と、他のプレイヤーからしたら「こいつチートじゃね?」と思われても仕方がない好成績っぷりである。

 

 「おっと、もうこんな時間か。休憩が一瞬で終わってしまたよ」

 

 言っているうちに扉が蹴り壊される。

 

 「超探しましたよ南博士。・・・・正直人探しの依頼なんて超初めてですよ」

 「これはこれはお嬢さん、丁度良かった。今から向かおうとしていた所だったんだよ」

 「・・・・・・・・・はぁ、超無駄骨ですね」

 「まあまあいいじゃないか。これで君は依頼は達成されたんだから喜ばしいことだろ?」

 「こんなのばかりだから嫌いなんですよね。・・・・・・・・・・これだから研究やら実験やらしている博士馬鹿は」

 「ん~~~~?何か言ったかな?」

 「いいから!超早くしてください!」

 「痛っ!人の背中を蹴るのはどうかと思うよ?」

 「南博士。貴方の体のことなんか超どうでもいいんでさっさと車に乗るです」

 「いたたたたっ!!乗るから!乗るから放してぇ~!」

 

 車に投げ込みと自動で扉は閉まり、そのまま研究所に向かうのであった。




 『超』の口調の時点で知っている方はいるとは思いますが、今はあえて名前を伏せておきました。
「シークレットカンケーなくね?」と思う方もいると思いますが、私個人がこのキャラが好きだから出しました!!!
 今回みたいに、「え、ここでお前くんの?」みたいなのがちょくちょくあると思いますので、よろしくお願いします。
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