最近身の回りが忙しく、更に五月病(風邪)に感染してしまい遅れてしまいました。
正直この様な作品を見て下さっている皆様には感謝しきれない程感謝しております。
神無城紗夜は一人、第四学区に来ていた。
紗夜が外に出れるのは仕事の時か瞳が忙しい時にしかできない。
後者だとすれば瑠璃と一緒ではない時点で違う。
なら前者の仕事という事になるのだが、紗夜は表情がすぐれないでいた。
いつも通りのメイド服、瞳や瑠璃との違いといえば半袖とミニスカートというだけ普通のメイド服。
午前10時平日。学生ばかりの学園都市でもこの時間帯、人が多く集まるところには暇を持て余した奴がいてもおかしくはない。紗夜を珍しがって見ている人がチラホラいる。
普段の紗夜ならその類稀な獣の様な感覚からその視線を鬱陶しく感じただろう。しかし、今の紗夜はそんな視線さえも気付かない程焦っていた。
紗夜の右手には何か書き写した紙のメモ。左手には紗夜が持つには少し大きいくらいの買い物袋。
そしてこの第四学区は食品関連の施設が多く並ぶ学区として知られている。
紗矢はメモと睨めっこしながら自分の現在地と照らし合わせていた。周りをキョロキョロ見渡しまたメモを見る。
紗夜は瞳から一人で買い物をする様にと言われこの第四学区に一人で来た。そして—————————迷子だった。
(ど、どうしよう・……………どこだろここ)
いつもどこかに行くときは妹の瑠璃が一緒だった。その瑠璃は今はいない。瞳に言い渡された仕事は至極単純—————『一人でお遣いである』
今回の仕事は第四学区まで行きお昼に食べる食材を買う事。
タイムリミットは午前零時。食材はメモに書いてあるものを買えばいいだけの簡単な仕事。
そう、簡単な仕事だった。
(落ち着けあたし…………まだ時間はあるんだからメモと照らし合わせて行けばそのうち見つかるはずさ)
~一時間後~
「全然見つかんねー!!何だよこのメモに書いてある地図は!!分かりにくいんだよー!!!」
叫んだ所でこの状況が打開できるわけでもなく、息を整えながらこれからどうすべきか考えた。
(今こそ冷静に考える時だあたし………残り時間は一時間を切ってる。このままでは食材を買うどころか、目的の食材が販売している店自体に付けるか怪しい)
慣れない思考回路までフル稼働し、一生懸命考えるがいい案が出てこない。
そもそも何であたしが買い物をしてるんだと、仕事というのを忘れ真剣に考えだす。
目元が熱くなるのを感じつつ帰ったら絶対に瞳に文句を言ってやると心に誓う。
そうこう悩んでいると肩をトントン叩かれた。
「ふぁああああああ!!!??」
声にならない声を上げ、肩を叩いた相手に距離をとった。
この距離まで近づかれた自分を失態した。これが実戦なら今ので確実に死んでいた。
「おっと……これは失礼した。見るからに困っている様に見えたので同じメイドの
肩を叩いた相手は何とメイドだった(人の事は言えないが)しかも自分の着ているエプロンドレスをモチーフにしたシンプルなメイド服ではなく、これまた派手な黄色をあしらったメイド服を着ており、更にはウサギの形をした名札(?)をスカートに貼り付けた。
こんなメイド服もあるんだなと関心しつつ、こんなメイド服を着た自分の姿を想像したら確実に瞳にしごかれる(よくて半殺し)未来しか見えてこないので頭の中から振り払った。
「ん?さっきから私が身に着けているメイド服を凝視しているが・……着てみたいのか?」
「着たくねーよ!」
相手の一言により、またこんなメイド服を着た自分を想像してしまい、今度は笑顔で(目は笑ってはいない)チェーンソーのエンジン音を鳴り響かせながら迫ってくる瞳を想像してしまい背中にやな汗が流れるのであった。
「初対面の相手に此処までハッキリ断られるとは正直ショックだ」
なんて言いつつ笑うのを我慢するかのように口元を手で押さえるその表情は、自身の服装(メイド服)を否定されて落ち込んでいるのではなく、自身の服装を否定されて喜んでいる様に見えた。
瞳の様に相手を視ただけである程度の感情を読み解く観察力など無い紗夜だが、この年齢で様々な死闘を経験し身に着けた"勘"により、目の前の相手は自分とは相容れない感性を持っていると感じ取った。
「な、何者だテメェー」
紗夜の性格上こんな不審者はさっさと無視して仕事に取り掛かる所だが、目的地の場所が分からず、タイムリミットが迫っている現状ではこのヘンテコメイドを当てにするしかない、何より紗夜の中では メイド=同乗者 の構図が出来ているため、どこの部隊だ?の意味も込めの質問をしたのだが、学園都市の闇を知らない一般人であるメイドがそんな意図を知るはずもなく。
「この場合名乗るならまず自分からと言うべきなのかな?だが、見ていた限り一時間くらいここらをさ迷い、今にも泣きそうな顔をしている子供相手にいささかそれは大人げないかな、本当に泣き出したらプライドが折れかねない………私は雲川鞠亜という」
他者との関係を築いたことのない紗夜は最初は自己紹介と分からなかった。相手—————雲川鞠亜は自分の名前を提示した。なら自分も名前を言うべきか?けど自己紹介って何を言えばいいのか分からなかった。てか、暗部なんだし自己紹介なんてしていいのか?と考えていると雲川鞠亜が「挨拶も出来ないのか?全くこれだから
「あたしは子供じゃない!!神無城紗夜って名前があるんだ!!てか、泣かねーし!!」
「神無城紗夜だね。んじゃ紗夜と呼ばせてもらおう」
「何でお前に下の名前で呼ばれなきゃいけねーんだよ!」
「お前じゃなくて雲川鞠亜だ。私は君の事を紗夜と呼ぶから君は私の事を鞠亜と呼んでくれ」
鞠亜はドヤ顔で言った。
イラッときた紗夜は回し蹴りを放ったが躱されまたドヤ顔された。
「ふかぁーーーーーー!!!」
「少しは落ち着いたらどうだ。見たところ買い物に行く最中だと思うのだが………時間は大丈夫か?」
その一言に我に返った紗夜は。
「そ、そうだよ……早くしないと「おーーーいこんな所に居たか鞠亜ー」瞳に———(ぶつぶつ)」
「ん?舞夏、どうして此処に?」
「どうしたもこうしたもないぞー鞠亜。いきなり居なくなって探したんだぞー」
「それはすまない事をした」
「それはいいとして……先ほどからぶつぶつ呟いているこの小っちゃいメイドはなんなんだ?」
「あーーーーっなに、神無城紗夜と言ってな、紗矢と呼んでやってくれ。どうやら迷子の様なので声をかけていた所だ」
「ふーん、そうなのかー」
「………12時まで残り40分…帰る「おーい」距離を考えるなら残り「聞いてるのかー」時間は32分……どこの部隊かはわからねーがこいつ等に聞くし「おおおおおおーーーーーいいい」うっさいな!今打開策考えてるんだからじゃますんな!!」
「やっと反応してくれたねー。私は土御門舞夏。気軽に舞夏と呼んでくれたまえー」
「うっとーしいなお前!清掃ロボの上でくるくる回んな!!」
「そうイライラしてもいいアイディアなんて思いつかないよー。これ読んで少しは冷静になりなよ」
とてもいい笑みで渡された表紙が分からない雑誌くらいの大きさの本を渡された紗夜は乱暴にそれを舞夏の手から取る。その瞬間の鞠亜の「あ」っとした表情に気付かずにそのまま適当なページを開いた。
"ボン"
実際そんな音は聞こえないが聞こえたと錯覚するほど紗夜の顔は紅色の髪と見分けがつかない程赤くしていた。耳まで真っ赤に染めた紗夜はフリーズしたかのように固まり、瞳も見開いたまま固まっていた。よく見ると本を持っている両手が僅かに震えているがそれ以外のアクションが無かった。
「………おい舞夏、どうしてくれる」
「それだけこの作品が良かったわけだねー」
「そうじゃないだろ!?なに子供にR‐18の漫画読ませてるんだよ!!??」
「えー、それを言うなら私たちだって子供だぞー」
「……っく……確かにそうだが見せる相手を考えてからにしろ。見るからに耐久性皆無だぞ」
「あー、これは逆効果だったかも……」
一向に固まったままの紗夜をどうしようか悩んでいると、仕方がないので漫画を取り上げる事にしたがしっかりと漫画を掴んでいるため引き離すことが出来ないでいた。
これでも一般人以上に体を鍛えている鞠亜は10歳くらいの紗夜には力では負けないと思っていたのだが、漫画をどの角度から引っ張ってもビクともしない事に驚きながらそれ程この少女にとって衝撃的だったのだろうと結論付けた。
「どうするのだー?」
「………待つか」
「そうだなー」
~20分後~
「ふにゃぁああ@;/:]aぁ@a!??aあ*!!!!???」
人間その気になれば頭から湯気が出るんだな~と関心し、そのアタフタした姿が何とも可愛いらしかったが、このままでは話が進まないため漫画を掴んでいた力が弱まった瞬間を見逃さず回収する。
「全く……やっと意識を取り戻したか」
歎息しつつ手に持った表紙が分からない漫画を舞夏に渡し、眼で「もう見せるなよ」と語りかける。舞夏の方も少しは反省しているのか苦笑いを浮かべていた。
「お……おま……お…おお………~~//////////////」 (ぷしゅ~)
漫画の内容を思い出したのかまた赤面しだした紗夜は腰が抜けたのかその場にぺたんとしゃがみ込む。
「………どうしたものか」
「兄と妹でのドロドロ系がいけなかったかなー」
「そういう問題ではないと思うんだが」
「―――――そんな事より紗夜をどうするのだー?手持ちのバックからして買い物の最中だと思うんだがー」
「分かりやすいまでに話を変えたな……おい紗夜。時間は大丈夫なのか?」
肩を揺すっても反応しない……まずいな
「おい舞夏」
「なんだー?」
「何かいい方法ない?」
「ないなー」
「ですよねー」
マジでどうしようかと頭を抱えていると、鞠亜は閃いた。
「ショック療法なんてどうだ?」
「……それしか思いつかないなー。んじゃ任せた」
「……ちょっとまて」
清掃ロボに乗ってこの場から去ろう(逃げ出す)とする舞夏の頭をアイアンクローで止める。
「力を込めすぎではないかなー。痛いぞーコノ☆」
「可愛らしく『コノ☆』とか言ってもダメだ。乗り掛かった舟なんだから最後まで付き合え」
「……ほーい」
肝心なショック療法の内容だが、お互いで話し合った結論が、『同じメイドならメイドの共通する怖い"モノ"で攻めればいいんじゃね?』で、決定した。
メイドが怖いモノ—————特に耐久性のない新人メイドが最も恐怖する存在。
それは—————メイド長である。
服装、身だしなみ、姿勢、マナー、
全てに置いて一流のメイド長という存在は時に新人メイドにとって——————口うるさい上司、先生でもあるのだ。
繚乱家政女学校おいて優秀な成績を収めている二人だが、元からそうだったわけではない。
過去に先生にぐだぐだ言われたのだって一度や二度ではない。
料理を作ってもちょっと形がずれているだけで作り直しくらった事もあった。
滅多に怒らないから怒った時は怖いんだよなー。あの眼光の鋭さは絶対一人や二人ヤッテルヨ。
神無城紗夜の年齢はおそらく10歳。この時期が一番目上のメイドの怖さを身でしっているだろう。それなばら其処をつけばいい。
「おーい紗夜。買い物はいいのか?こわーーいメイドが待ってるんだろ?」
「………こわいメイド?」
「そうだぞー。こわーーーーいメイドだー」
「こわい……メイド……」
赤面していた顔が徐々に元に戻り、慌てた様に立ち上がる。
やばいと言いながらダッシュで何処かに行く紗夜はまた舞夏と鞠亜の元に戻り、「ここ、どこ!?」と、メモを見せながら息を整える。
メモを見た二人は、「ああーここね」と紗夜にその場所を教えると。
「ありがとな!!」
その一言と同時に教えた場所に走り、すぐに姿は見えなくなった。
(全く、最後まで可愛らしい反応だったな。うちの学校の生徒ではない様だが……何処かの専属メイド見習いなのかな?それにあの瞬発力只者では—————)
「どうしたのだ鞠亜ー?」
「何でもないさ―――――学校に戻ろうか」
「そうだなー」
「ただいまああ!!」
時間ぎりぎりに帰って来た紗夜を瑠璃と瞳は迎える。
「二時間もあったというのに……間に合ったのでいいとしましょう」
「そ、そうだよ瞳さん。おねえちゃんも、頑張ったんだから」
「それもそうですね」
仁王立ちでドヤ顔で胸を張っている紗夜を無視しつつ買い物袋の中身を確認しようと瞳は中身を確認した瞬間固まった。
「……………紗夜。これはどういう事ですか?」
「何って、頼まれた物買ってきたはずだけど?」
「ええ……確かに注文通りの食材はあります。が、どうすればシェイク状になるのですか」
溜息をつき。
(どうせ迷子か何かに巻き込まれ時間も忘れ、いざ店に着いても買うのに手こずり、時間に間に合わないと悟り能力で帰ってきましたね)
本気の紗夜は音速での移動が可能。しかし、食材の入った買い物袋を持った状態からやる行動ではない。当然その様な事をすれば食材がシェイク状になるのも納得だ。
(さて、これは説教ですね)
笑みを浮かべる瞳に対し、紗夜は恐怖に顔を歪ませるのであった。
正直感想が欲しいです。
「あ」でも「い」でもいいので感想お待ちしております。
実際問題本当に「あ」って返事きたら何て返事をすればw