粕谷 瞳は幸せだった
どこにでもある普通の家庭
唯一変わっているといえば、お母さんが日本人でお父さんがイギリス人であることだっけ
お母さんは、私が生まれると同時に亡くなり
お父さんの本国に住むようになった
だけど私にはもう一つ誰にも言えない秘密がある
それは、《紙を自在》に操ることができるというもの
この"力"に初めて気がついたのは折り紙で紙飛行機を作ろうとした時だった。
いつもならクレヨンで落書きをして終了なのだが、今日は唐突に何かを作ってみようと思ったのだ。
普段は「描きたいもの」を頭に思い浮かべて折り紙に触るのだが、今は「何かを作る」ことをイメージして折り紙に触れた瞬間、いつもと違う違和感を覚えたのだ。覚えのあるフニャフニャした感触ではなく、それとは逆の何か硬い感触がしたのだ。だけど粕谷 瞳はその現象を知っている気がした。記憶がその現象を知っているわけではない、体がその現象を知っているわけではない‥‥‥‥‥‥だけど、粕谷 瞳の根本的な何かがその現象をしっている気がしたのだ。
そして、粕谷 瞳は折り紙に触れながら「紙飛行機を作る」イメージをした。
最初は簡単に折り紙の中央が半分に折れるイメージすることにした。
すると、触れているだけなのにひとりでに紙が動き出した。
いや、イメージした命令通りに紙が動き出したのだ。
最初はひと折ひと折ぎこちなくだったが、慣れていくうちに折るスピードが上がっていた。
そして、最終的には折り紙に触っているだけで紙飛行機ができてしまった。
私自信、いまの現象に驚いていた。けど、頭の中では冷静に今おきた
それからは、ひたすら紙飛行機を折り続けていた。
イメージを思い浮かべては作る。
イメージを思い浮かべては作る。
イメージを思い浮かべては作る。
ただそれを繰り返した。
新しい折り紙を取ろうと手を伸ばしたらそこには折り紙がなかった。
あれ?そう思い顔を上げて見るとそこには折り紙はもう無く、どうやら折り紙を全部使い切ったようだった。
それから、帰ってきた両親に"力"を見せて驚かせることに成功した。
お父さんは驚いていたが私を褒めてくれた。
とても嬉しかった。
次の日、同じ日本出身の友達の柚ちゃんに、イギリスで友達になったアンちゃん、ナンシーちゃんにこの"力"を披露した。
最初はびっくりさせてしまったけど、喜んでくれた。
紙飛行機を作って皆で遊んだ。
練習中の蝶々を飛ばすことに成功して友達みんなでさわぎまくった。
それから数ヶ月が経ちだいぶ作れるバリエーションが増えてきた。
しかし、時間が経つにつれて自分以外の子供が"力"を使えない事を知った
だけど彼女はこの"力"を気に入っていた
友達に見せたら喜んでくれた
お父さんはすごいと言い私を抱きしめてくれて
微笑んで私の頭を撫でてくれる
けれど、お父さんからはあまり人前で使うなと言われてしまった。
でもそんな何気ない彼女の日常を眺めている存在がいた
感想のほどよろしくお願いしますm(__)m