〜〜始まり〜〜
〜845年シガンシナ区〜
超大型巨人によって壊された壁門から多数の巨人が侵入
多くの住民が混乱し恐怖し捕食されていく
そして、1人の人生が幕を閉じようとしていた。巨人に捕まえられたその姿は紅い夕日に染められたシルエットのようである
美しい程残酷と言うか
残酷なゆえの美しさか
いや
所詮この世は残酷なだけだろうか
ならば
この世界を
運命を
変えてみせる
場所は変わり現代・日本
「もう、いいんじゃないのか?」
ワイヤーに吊るされながら聞く泰斗
「そうだね〜〜データも録れたし、もう良いよ」
返事を聞き立体機動装置に似た装置から出てるワイヤーを使い地上に降りる
「これは、意味があるのか?」
自分の腰に左右付けられた立体機動擬きを目でさして聞く
「何を言ってるんだ。論文の課題が戦争について何だからこれ以外何がある!!」
「そもそも立体機動と戦争とどんな因果関係が……それよりよく戦争と進撃の話を結び付けたな」
「これぞアニ研の成せる技!! それに、泰斗も段々のって来たじゃないか」
「(どんな技だ? )まぁやってる内にな。じいさんも何故か乗り気でこの倉庫貸してくれたしな」
装置を外しながら回りを見て言う泰斗
「ほんと、そこは感謝してるよ。あと、泰斗の武術で鍛え抜かれた運動神経にも」
言われてやれやれと首をふる泰斗。そこで、時計を確認すると
「もう直ぐ0時来るぞ。後片付けは明日朝するとして今日はもう帰るか。鍵閉めはしておくよ」
「ありがとーー 明日の朝片付けに来るよ」
と、スタコラサッサと帰った
「(帰るの速いな……鍵閉めるか)
鍵を確認して荷物を持つ泰斗
帰る前にノートパソコンを開いた。進撃の巨人に関するデータを暫く見ていたが、段々睡魔に襲われてきた
「く……(少し、仮眠を取って帰るか……)」
パソコンを点けたまま深い眠りについたのだった
「……イッ」
「オイッ……」
「……オイッ……にいちゃん!」
「(やばい!? 眠って……た……? )ここは?」
辺りを見回すとそこは見慣れた倉庫でなく見た事がない風景や建物が並んでいた
「何だ、寝惚けてんのか?」
人の良さそうなおっさんが、声を掛けてきた
「ここは……倉庫じゃ……」
「ソウコ? そりゃ内地の何処かかい?」
「内地いや……そうですね」
疑問に思いながらも表情には出さずに答えると、おっさんは笑いながら
「ハハハ、もっと目を覚ましたほうが、いいぞ。ここは……」
次の言葉を聞いた瞬間泰斗は驚愕した
「シガンシナ区だ」
「シガンシナ区!?」
驚きの余り大きな声を上げる泰斗。周りも何事かと泰斗を見る
「驚く事かい? にいちゃんも調査兵団が帰って来たから見に来たんじゃないのか?」
泰斗の声に驚きながらも聞き返すおっさん
「調査兵団……エルヴィン団長が率いる調査兵団ですか?」
「エルビィン団長〜? 団長はキース団長じゃないか」
泰斗の質問に何を言ってるんだの表情で答える
「(と、言う事は今は超大型巨人が襲撃する直前位……!?)
今すぐローゼ内ににげるんだ! もう直ぐ巨人が攻めて来るぞ!!」
「はぁ? おいおい夢の続きでも見てるのか? そんな事あるわけないだろ」
泰斗の警告も鼻で笑い聞く耳を持たないおっさん達
その時
壁外 門の直ぐ横に一筋の紅い稲妻が轟音と地響きと共に落ちた
「何だ? いった……い……!?」
言いながら起き上がるおっさんは、壁を見て恐怖に固まった
そこには、壁外の上に両手をかけこっちを見ている超大型巨人の顔があった
驚きと恐怖で皆が固まる中
「速く逃げろ!! 門が壊されるぞ!!」
泰斗の怒声と同時に門が壊された。街に破片が降り突風が吹き荒れる。そして一斉に逃げ出す人々。だが、泰斗は逆の方に走り出した
「おい!? にいちゃん!! そっちは逆だぞ! おい!!」
「(超大型巨人はベルトルトのはず……今行けば捕まえられるかもしれない)」
おっさんの呼び掛けを無視して考えながら全速力で走る泰斗
だが、現実はそんなに甘くはない
むしろ、残酷だろう
泰斗が門付近に着いた頃には無数の巨人が入って来ていた。その内の3m級1体4m級1体が泰斗に気付き近付く
「(避けられないな……なら!)」
先に3m級が泰斗を掴もうと右手を振りかざす。
それを、両手で受け止めた泰斗は背負い投げの要領で投げ飛ばした
「(軽い!? ……そう言えばアニメで)」
巨人は軽いと話ていた事を思い出した泰斗は、4m級の攻撃を避わして右足を掴んだ。
「おおおおおお―ー!!」
倒壊し折れた柱が出てる所に力任せに叩きつけた。柱はうなじと喉を貫通して突き刺さった。
絶命して蒸発しだす巨人
続いて起き上がろうとしている3m級の鼻とおでこを持ってうなじを削る様に巨人を投げ飛ばした
致命傷を負い蒸発しだす3m級巨人
「(俺でも巨人が倒せるのか……)」
蒸発している2体の巨人を見て思う
「(今からではベルトルトには間に合わない。だが、救える命は……)」
そこで、街へ振り返って新たな決意を胸に走り出した
走り出して直ぐに木箱の上に駐屯兵団の紋章をつけた片腕が見えた
「大丈夫か!? ……くっ、駄目か」
声をかけながら木箱の横を見ると下半身を巨人に喰われて絶命していた
「(食い千切られて壁をずり落ちたのか……まてよ、この立体機動は損傷がない……)」
上を見上げ血が付いてる壁を上から下に見ながら死体の立体機動で目が止まった。少し考えたのち
「(すまない。少し借ります。)」
と手を合わせ心の中で謝るとベルトと立体機動装置を取り外し自分に付け替えた
「まさか、こんな形で役に立つとは……ガスも出るな」
取り付けた後ガスの噴出とアンカーの射出を確認しする
「(後は、ジャケットだが……名前は血で見えないが、苗字は、リグ……レイン……か)」
ジャケットを着てもう一度手を合わせると、ある場所に向かって立体機動で移動を開始する泰斗。少し移動して女の子の啜り泣く声が聞こえた
「(今、声が……!? あそこか)」
視線の先には大岩の前で泣き続ける女の子がいた。そこに向け地上に降りる泰斗。後ろに降りて声をかける
「どうしたんだ?」
声をかけられた女の子は腰の上まであるシルバー色のツインテールと肩をビクッと震わせ恐る恐る泣きながら振り返る
「おかーさんが……ヒック……おかーさんがぁ……エッグ……」
大岩を指差し泣きながら言う女の子。ハッとなる泰斗。大岩の下は血溜まりが出来ていた。辛うじて女性の右手首と両足の先だけ見えていた。女の子の側まで行き片膝をつき
「残念だけど……お母さんはもう……」
成るべく優しく話す泰斗
「違うの……今日、お母さんと……お出かけ……グスッ……お家出たら岩が……わけわからない……おかーさん」
思い出し更に泣き出した女の子の頭を優しく撫でながら
「なら、お父さんは? 家の中?」
「お父さんは……いない。ずっと前に……ッズ、死んじゃったの……」
「ッ!? ごめん……とにかくここを離れよう」
「だめ! おかーさん置いていったら……側にいるの……!?」
泰斗は後ろから優しく抱きしめる。驚く女の子に
「よく聞いてほしい。今、とても大きな巨人が壁の門を壊したんだ。巨人も沢山入って来ている」
俯いて話を聞く女の子
「お母さんもきっと君には生きていてほしいと思っている。凄い悲しいけど今は、生きる為に……逃げよう」
黙って話を聞いていたが、何か言おうとして振り返る。そして、女の子は恐怖と驚きの表情で固まった。その意味を瞬時に理解して後ろから近付く気配を察知した泰斗は右斜め前に女の子を抱えたまま一回転して逃げた
直後に巨人の右手が空を切り2人居た地面を叩いた。
「(約8〜10m級か)」
素早く体勢を立て直し巨人を確認する。そして、巨人の右腕を駆け上がった
巨人は泰斗を左手で掴もうとするが、それより速くアンカーを両目に撃ち込む。前のめりになっていた体を痛みにより後ろに背ける巨人。両目にアンカーを射したまま後頭部まで引っ張られると、そこで抜き取り一気にうなじを削り落とした。
女の子の前に着地をして
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……ありがとうございます。えっと……リグレインさん」
「えっ?」
そう呼ばれて驚く泰斗
「あっ、ジャケットに苗字が書いてあったので……名前が見えなかったのでその、あの……」
どう言ったらいいか判らずモジモジしていると
「ヒロト……俺の名前だよ。ヒロトって呼んでいいよ。それで、君の名前は?」
「ヒロトさん……あっ、私はキャロ・エプレアです。キャロでいいです」
「判った、キャロ。取り敢えずここから逃げよう。その前に」
大岩に近づき右手首に着けてあるバンドを外してキャロに渡した。受け取った彼女はそれを見てまた泣きそうになる
「巨人の足音が近づいて来ている。ここは危ない。いいね?」
頷くキャロを左腕で抱き抱えて屋根を登る
助けた命の重さを受け止めて
―次―
次に原作キャラが出て来ます