では、どうぞ
屋根の上を立体機動で移動中町並みをみる。
途中、駐屯兵団の紋章がかかった荷馬車を見つけて近くの背の高い塔の上で様子を見る
「……? 速く逃げないと」
恐る恐る聞いてくるキャロの頭を撫でながら見ていると
「(あれを使えば逃げ遅れた人達を……ガスも抑えられるか)ちょっと、待ってて」
「うん……えっ!?」
驚くキャロを置いて荷馬車に向かった
馬に近付き首を撫でると気持ちよさそうにしている。その時後ろでゴトッと音がした。振り返ると大きめの木製ゴミ箱があった。近付き蓋を開ける
「ひっ!? ……あ、あれ?」
「何をやってるんだ。こんな所で……」
そこには、青ざめた顔で半泣き状態の駐屯兵が丸まって入っていた
「いきなり巨人が現れて……恐くなり……その」
「(恐くなりここに隠れたか)……まぁいい。ここを脱出する。荷馬車の操作お願いします。」
「そんな事したら巨人に食べられるだろ!? ここに隠れてる!」
「(おい……)ここに入れば同じ事です。それより逃げ遅れた人々と脱出をした方がいい」
「いや……でも……それは危険な……!?」
それでも口ごもりうじうじしていると、いきなり右手だけで胸ぐらを掴むと上に持ち上げるヒロト
「……く、くるし……」
自分の顔に近付けると
「ごちゃごちゃ言わずにさっさと馬に乗れっつってんだろーが!!」
「ひっ!? ……ハ、ハイ」
先程より青ざめた顔になり慌てて馬に乗る駐屯兵
「1人連れて来るから待っていろ」
「わ、わかった(先に行ったら殺されそうだし)」
その後キャロを連れて来て出発した。途中何名か避難民を乗せながら
〜その頃〜
イェーガー邸では
エレンとミカサが必死に下敷きになっているカルラの上にある柱を持ち上げようとしていた
「エレン速く逃げなさい!」
「ハンネスさんが巨人を倒してくるからそれからだよ!!」
戻って来るハンネス。だが、エレンを担ぎミカサを抱えると逃げ出した。
「何やってんだよ!? 母さんがまだ!!」
エレンの声を無視して走り続けるハンネス。その後ろ姿に左手を伸ばしながら
「エレン……ミカサ、生き延びるのよ」
そして、走馬灯のごとく思い出した。懐かしい平和だった日々
失いたくない
死にたくない
動かせる左手で口を抑え叫びたくなるのを必死で抑える
「……行かないで……」
涙を止めどなく流しながら呟いた
無情にも巨人が瓦礫をどかしカルラを取り出した
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉお――――!!!!」
力の限り叫ぶエレン
捕まった姿は夕日に染まり残酷な程に美しいシルエットの様であった
運命はやはり残酷なだけなのか
だが
「させるかぁ――――!!」
雄叫びに近い声が響くと共に突然膝を付く巨人。カルラを捻ろうとした右手を地面について体を支えた。そのままカルラを喰べようとする巨人
だが、巨人の顎に下から2本のアンカーが刺さった次の瞬間、下から最大でガスを吹かして突撃して来たヒロトの膝蹴りが巨人の顎を蹴りあげた
口を開いていた為、下歯が上の歯にあたり何本かの歯が砕けちると共に頭が後ろに傾く
顔を駆け上がると前髪を掴みバグ転して頭を蹴るヒロト
頭を前に倒した反動で更に上に飛びながら体勢を直しアンカーをうなじの左右に撃ち込んだ
そして、ブレードを構え一気に降り下ろした
一方エレンは
何が起きたか判らずにいたが、巨人の頭が下がりヒロトの姿が巨人の更に上に見えた時、全てを理解した
「やれ! 巨人を倒せ!!」
叫んでいた。その声を聞き立ち止まり振り返り驚くハンネス。まさにヒロトがうなじを斬る所だった
そして崩れ落ちる巨人
「ミカサやったぞ! 母さん助かったんだ!」
「うん……うん!」
頷くミカサ。だがハンネスは2人を抱え直すと走り出した
「何処に行ってんだよ!? 母さんを助けに行かないと!!」
ハンネスに抱えられていたが「降ろせよ」と暴れだし前に投げられた。側に寄りエレンを支えるミカサ
「……今、お前が行っても足手まといになって巨人に食われるだけだ」
「な!? ……じゃ何であの時母さんを助けてくれなかったんだ!!」
「それは……俺に巨人に立ち向かう勇気が無かったからだ!」
一度俯いて顔上げたハンネスは悔し涙を流しながら答えた
「俺達が行っても邪魔になるだけだ。だから今は逃げる事だ。避難場所は決まっているんだ。だからカルラも必ずそこに避難してくる。だから……いいな」
少しして頷くエレン。立ち上がり2人の手を引いて歩き出した。後ろを振り返ったミカサが
「(もう……家族を失うのはイヤ……だから)」
祈る様な目線を向けたのだった
だがハンネスはある事を失念していた。避難場所は1つではない事を、まだ巨人は無数に居る事を……
そんなに運命は甘くはない
少し遡りカルラが巨人に掴まった頃
巨人のうなじ左右にアンカーを射ち狙いを定めながらヒロトは
「(これで、運命を変える!)」
その想いと共にブレードを一気に振り降ろした
うなじを削られ瓦礫の上に握っていたカルラを落とした巨人はその上に崩れ落ちた
「しまった!!」
慌てて巨人の下からカルラを助けだすヒロト
「大丈夫か!? しっかりしろ!」
抱き抱え声を掛けるとうっすらと眼を開け直ぐに気を失った
胸に耳を当て手首の脈を探すヒロト
「(心音は聴こえるし脈もある……気を失っただけだといいが)」
そのまま抱き上げ荷馬車まで運んで、出発したのだった
その間も巨人は逃げ惑う人々を捕まえては捕食していった
そんな中で6m級と8m級を涙を流しながら憎悪と怒りが籠った目で睨み付ける少年がいた。
突然、表が騒がしくなり見に行った母親が一瞬で姿が消えた。何事かと表に出た父親と少年が見たものは、巨人に下半身を食わえられた母親の姿だった
恐怖と絶望に染まった表情のまま飲み込まれる母親
助ける為走り出した父親を8m級が掴み食い千切った。撒き散らされる鮮血は辺りを赤く染めた
「……あっ……えっ……っ……」
あまりにも突然すぎて声も出ず固まっていたが、母親を飲み込んだ巨人と目が合った瞬間
「っ……うっ……うぁぁああああああああ!?!? 母さんと父さんを返せ!!!!」
巨人を睨み大声で叫ぶ少年。巨人はそんな少年を掴まえ様と近付いて来る
咄嗟に逃げようと少し走った所で血溜まりで足を滑らし転んだ
尻餅をついた状態で後ろを振り返り間近まで迫っている巨人を見て頭を抱えて目を閉じた
でも、掴まる事はなかった。替わりに
「もう大丈夫だ」
突然上から聞こえた声に驚いて振り替えるとそこには、穏やかな笑みを浮かべた黒髪の駐屯兵が立っていた
更に驚いた事に巨人に背を向け立っている駐屯兵は右手で8m級の右腕を左手で6m級の右腕を押さえていた
だが、次の瞬間には表情は一変した
「おぉぉぉぉおおおおー!!」
烈迫の声と共に気合いを入れると両足の地面が音と共にめり込んだ。
そして、右足を軸に回転して両手で8m級の腕を掴み投げ飛ばした
続いて6m級の腕を掴み投げ飛ばした
「よし、逃げるぞ」
向き直り手を伸ばしたが、少年は悔しそうに下を向き
「でも……父さんと母さんの仇を……」
言っていた時、突然起き上がった8m級が後ろからヒロトを摑もうと右腕を上げ振り下ろした。勢い良く振るった右手は左肩近くまで上がり止まった。
「遅いな」
その右手の上につかまり言うヒロト。其処から一気に旋回してうなじを削った。
さらに旋回して俯せで建物に半分埋もれている6m級のうなじを斬り裂いた。
そして、煙を上げる2体の巨人
「仇は取った。さぁ、行くぞ」
尻餅ついてる少年を立たせながら言った
「うん……ありがと! 兄ちゃんすげー強いんだな、俺ディアって言うんだ」
「俺は、ヒロトだ。宜しくな」
荷馬車まで走りながら自己紹介する2人。荷馬車に乗り込むとマリアに向け走りだした。
荷馬車には他に、父親、母親、女の子の家族と老夫婦が乗っていた。
「おとーさん、私達たすかるの?」
「ああ、もう少しの辛抱だ」
父親に後ろから抱かれて聞く娘の頭を撫でながら答える父親。
その横ではヒロトの鞄を枕に今だ眠ったままのカルラの横に座り心配そうに右手を握るキャロ。その時
「前方に巨人だ! 2体いるぞ!」
馬を操りながら大声でいう駐屯兵。直ぐ様前方を確認してトリガーを握り直すヒロト。その時一瞬違和感を感じたヒロトだが2体の巨人にむけアンカーを射ち空を舞ったその時だった。荷馬車の横から奇行種が襲って来たのは……
14m級の奇行種が中腰の格好で猛スピードで走って来た
「この距離では……間に合わない!」
気付いたヒロトは戻ろうとしたが距離が離れてしまい動きが一瞬停止した
「このまま食べられちゃうの!?」
娘が言った時父親は娘の頭と母親の肩に震える手を置き
「お前達必ず生き延びてくれ」
「えっ? おとーさん何を……!?」
そして奇行種に向け荷馬車を降りるのだった
「おとーさん!? だめ!! 戻って!!」
端に駆け寄り降りた父親に体が落ちそうになっても手を伸ばす娘。後ろから必死に抱える母親
無情にも奇行種に捕まった父親は2人が見ている目の前で頭から丸飲みされた
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!おとーさん!? おとーさん!!」
女の子の叫びが辺りに響いた
それを見ていたヒロトは
「くそっ!」
目の前にいる7m級の噛み付こうとして来る頭を蹴り巨人の後ろに跳ぶとそのままうなじを削った
そして、隣の13m級の顔を回し蹴りして後ろに向かせるとうなじを斬った
今だ動かずその場にいる奇行種に向かおうとガスを吹かした瞬間
「ガス切れ!? ……くっ!」
ガスが尽き急速に落下するヒロト
途中、柱に足をかけ滑り落ち地面を2・3回転げて走ってくる荷馬車の端を両手で掴んだ。
そして、右と左をキャロとディアが持って持ち上げたと同時に
「ねぇ、おとーさんを助けて! お願いだから!」
泣きながらヒロトに抱き付き懇願する女の子
女の子を見て奇行種を見てガスボンベを触りながら
「すまない。ガスが尽きてしまった。残念だが……」
「何でよ!? 助けてよ!! おにーさん強いんだよね!? お願いだから」
それに対してヒロトはゆっくり首を横に振った
「なんで……
人殺し!! 巨人と同じ人殺しじゃない!!!!」
「…………」
キッと睨み付けヒロトに罵声を浴びせる女の子。ヒロトは一瞬驚き下を向いた。自分の力の無さを噛み締めながら
「てめぇ、いい加減にしろよ!」
女の子の左腕を掴みヒロトから引き剥がし自分に向けるディア
「ッ!? 何よ! あんたに私の気持ちがわかるの!!」
「悲しいのはお前だけじゃないんだよ!! 俺は目の前で父さんも母さんも食べられたんだよ!」
「……でも」
ディアと女の子の頭に手を置き
「……すまない……俺の力不足で」
と言うヒロト。その時
「なぁ、俺のガスは使ってないから、まだガスが残っている。これと交換しよう」
駐屯兵の提案に驚くヒロト
「だが、それでは君のが無くなるぞ」
「情けないけど、俺が持ってるよりお前が持ってる方が役に立つ。だから……」
「わかった」
と言い馬に乗りガスボンベの交換を始めるヒロト。その時
「また、奇行種が来た!!」
ディアが荷馬車後方に指をさしながら言う。そこに目を向けると同じ格好で同じスピードで走る奇行種
「次を右に曲がってくれ」
ガスボンベを交換しながら言うヒロト。言われた通り右に曲がる駐屯兵。後をついてくる奇行種
少しして荷馬車が走った後、突然地面からロープが張り出して来た。
そのロープに足を取られ前に倒れる奇行種。
同時にガスボンベの交換が終わったヒロトは瞬時にガスを吹かし空を跳びうつむせに倒れている奇行種のうなじを斬った
そして、直ぐ様奇行種を持ち上げ仰向けして、口を広げて中に入って行った
「何を……しているの?」
「わからねぇーよ」
呆然と見ながら隣にいるディアに聞く女の子。同じく呆然と見ながら答えるディア。暫くして奇行種が蒸発を始めた時、口から出て来たヒロト。脇に抱えている者を見て走りだした女の子と母親
「おとーさん! おとーさん!!」
ヒロトに抱えられている服が若干溶け出しつつある父親の手を握り呼ぶと
「……う……あっ、ここは……生きてる……のか?」
「そうだよ! そうだよ!!」
と言い父親に抱き付き泣く女の子。父親から離れて建物と建物の間を見ながら
「ありがとう、お陰で助かった」
と言うと、1人の男の子が出て来た
「良いって、良いって、それより良く分かったな。俺の事」
「一瞬こっちに手を振ってるのが隙間から見えたからな」
話していると
「モーゼフ? ……モーゼフ!」
いきなりヒロトに抱き付いてくる老婆
「お袋、落ち着けって。兄貴じゃねーよ」
両肩を優しく掴み落ち着かせる
「モーゼフ……もしかして調査兵団の?」
「知ってんのか。そうだよ、俺の憧れの兄貴で調査兵だった……そうだ、俺はリュード・リガー」
「俺はヒロト……ヒロト・リグレインここに居たら巨人に捕まるな。早く行こう」
荷馬車に乗り込んでウォール・マリアを目指して進んだ。進みだして直ぐ女の子が
「あの……ありがとうございました。それと、すごい酷い事言ってごめんなさい」
と頭を下げて謝る女の子。頭に手を置きながら
「気にしてない」
だけ言い優しく頭を撫でた
運命はそんなに甘くはない
それでも
どんなに酷しくても変えれる運命はあるはずだと思った
ウォール・マリアに入る門の近くまで来た時、地響きがして騒然としていた
「何が起こってるのでしょうか?」
周りをキョロキョロしながら言うキャロ
「(ライナー……鎧の巨人が門に近付いている!? )俺は先に行く! 何があっても振り返らずに荷馬車ごと門を突っ切ってくれ!!」
と言い立体機動で空中を一気に移動するヒロト
「おい!? 待て! ……行っちまったか……確り掴まってろ! とばすぞ」
と言い手綱を握り直した。その時、門の所では
「まだ中に大勢人がいるんだぞ!!」
「ここを突破されたら次の壁まで活動領域が後退してしまうんだぞ!!門を閉めろ!!」
「待て!! ……!?」
止めに入ったハンネスを羽交い締めにする駐屯兵。同時に、地響きと共に表れる鎧の巨人。門に向き直ると構えて走り出した
砲弾を撃ち込むも鎧に防がれて通じない。
「駄目だ……通じない!?」
その時
巨人の後ろから高速で飛来して来る者があった
「あれは……人? 立体機動してるのか?」
「だからどうした!? 誰もあいつを止められない!!」
追っているのが、ただの駐屯兵ならばそうだろう。だが、ヒロトは常識外れの速度で巨人に追い付いた。
高速回転でうなじ部分に攻撃をするとその勢いに押され前のめりに倒れる鎧の巨人。
鎧の部分を攻撃した際に折れたブレードを瞬時に取り替えるヒロトは同時にうなじ辺りの隙間を見て狙いを定めた。
「た、倒せるんじゃないのか?」
門を守っている駐屯兵の1人が呟いた。他の駐屯兵は何も言わず見ている
「(隙間にブレードをさし鎧を剥がせばライナーを引き摺り出せる!)」
ブレードを構えた瞬間、突如周りから奇行種が湧いて出て来た。そして、全ての奇行種が飛び跳ねてヒロトに襲い掛かった。その数およそ10体。それでも、ヒロトは奇行種の攻撃を避わして鎧の巨人に攻撃出来ると瞬時に判断したが、その時後方から聴こえて来る荷馬車の音。一瞬考えたヒロト。鎧の巨人を攻撃したら奇行種が荷馬車を襲ってしまう。又、奇行種を排除したら鎧の巨人の進行を許してしまうと。その一瞬の迷いは鎧の巨人が体勢を建て直すのに充分な時間を与えてしまった。
クラウチングスタートの構えから一気に走り出した鎧の巨人。奇行種の数体が荷馬車に気付き一斉に襲いかかった。
そしてヒロトは奇行種に狙いを定め攻撃を仕掛けた。
「(運命を……そんなに俺が変える事が……)赦せないかぁぁぁぁ!!」
奇行種を斬り伏せ又は建物に蹴り飛ばすヒロト。その間に鎧の巨人は門を破壊していた。
「門が……破壊された」
愕然とする荷馬車を操る駐屯兵。荷馬車に戻ったヒロトが
「驚いてる場合じゃない。マリアはもう駄目だ。このままウォール・ローゼまで走れ! トロスト区の門が閉まる前に!!」
青い顔で頷ずく駐屯兵。必死に荷馬車を操る。
「あの巨人まだいるぜ。側を通って大丈夫か?」
前方に見える鎧の巨人を見て言うリュードに
「大丈夫だ……多分」
その横を通過する時巨人の顔を見上げるヒロト。その顔は笑っている様にも見えて自然と拳を握りしめ眉間に皺がよっていた。
その頃船着き場では
カルラの姿を探すエレンとミカサそして合流したアルミンが居た。何処にも見当たらないまま、3人を載せて船は出発した
「母さんが何処にも居ない……」
「大丈夫だよ。きっと駐屯兵の人が助けてくれてるよ」
項垂れるエレンを励ますアルミン
「(シガンシナ区に巨人はたくさん入っていた……母さんはもう……こんな事ならやっぱり助けに行っていれば!! ……最後まで喧嘩別れしたままだなんてあの頃はもう戻ってこない……)」
広げた右手に落ちた一滴の涙。握りしめて立ち上がる
「エレン? どうしたの?」
アルミンの問いには答えず船の端に行き梁を思いっきり握り締めた。そして憎悪と怒りを込めた眼で
「……駆逐してやる!! 一匹残らず!!!!」
ずっとシガンシナ区の方を睨んでいたのだった。
その頃ヒロト達は
ウォール・ローゼ内に入る事が出来ていた。そこで、漸く安堵して抱き締め合う親子。ヒロトにお礼を行って避難場所に向かった。老夫婦は知り合いの所に行ったのだった。
「(俺に礼はないんだね……)俺は荷馬車を連れて本部に報告に行く。」
と言ってヒロトを見る
「俺は少し行くところがあるから」
言うヒロトにディアは
「俺達と一緒には居てくれないの?」
と聞いてきた
「用事を済ませたら会いに行くよ。悪いがカ……その女性を頼む、先に避難場所に行っててくれ」
言われて頷くディアとキャロの2人。
「じゃ俺達もディアとキャロと避難場所に行ってるぜ」
「わかった」
カルラと母親の様子を見ながら顔を向けて言うリュードに、応えるヒロト。そして別れ際、駐屯兵に
「「助けてくれてありがとう[ございます]!」」
頭を下げてお礼を言うディアとキャロ
「へっ? そ、そんな事はないよ///」
恥ずかしそうに言う駐屯兵であった。リュードがカルラを抱えてキャロとディアがリュードの母親を左右から支えながら避難場所に向かった。
「俺も本部に行くよ……って、そう言えばお互い名乗ってなかったな。俺は、ワークス。本当に命拾いしたよ、ありがとう」
と手を差し出した
「ヒロトだ……そんな事はないさ」
と言い握り返した。そしてワークスとも別れ人目のない所に移動するとジャケットと立体機動装置を取り外した。
すると、突然鞄から音が鳴り出した。慌てて中をみるとスマートフォンが鳴っていた。
驚いて画面を見ると、そこには見た事ない文字が並んでいた。電話を取ると
「もしもし」
「おめでとう♪ カルラ救出格好良かったよ♪ イェーイ!」
スマートフォンから聴こえたのは、人を小馬鹿にした様なトーンで話して来る機械の声。
「貴様ふざけてるのか」
「おー怖い怖い……せっかく誉めてあげたのに! まぁ鎧の巨人は止めれなかったみ・た・い・だけど♪ アッハハハハハ〜〜」
聴こえてくるのは、機械の声だが強弱がついた人をバカにした話し方だった。
「貴様……何者だ?」
「え〜~~もう知りたいの? ゲームは始まったばかりなんだから楽しまないと♪」
「ゲームだと……ふざけるな! 何万人も死んでいくんだぞ!!」
「そりゃゲームだもん、そうでないとつまんないよ♪」
「舐めているのか!」
「まぁ今日はこんな所で失礼するよ♪」
「待て! 人の質問に答えろ!」
「1つ教えてあげる。君はいずれ選択しなければいけないよ」
「何を言ってる?」
「それはね………
世界の破滅か
世界の存続か
その時、スッゴい楽しみだね〜じゃ♪」
「まっ!? ……くそっ! どういう意味だ……」
『その言葉通りです。マスター』
いきなり声をかけられ後ろを見てさらに驚いた。そこには約3m級の全身黒い巨人が立っていた。構えるヒロトに
『貴方と闘うつもりは毛頭ありません。マスター』
と流暢な日本語で言い片膝ついて頭を垂れる巨人。ヒロトは、敵意が無いのを感じて構えを解き
「なら教えて貰おう。今電話で話した人物は何者だ?」
『申し訳ありませんが、私もわかりかねます。ただマスターが世界の選択をする事だけは知っています。お役に立てず申し訳ありません』
頭を下げる巨人
「……ならお前は何者だ? ただの巨人ではないはずだ」
『マスターに仕える者です。ただ今の私はこの世界では姿が見えず触れませんが』
「(俺以外、見えずに触れないのなら意味ないな、それ)わかった。もういいよ」
『畏まりました。私は此れで』』
徐々に消えていく黒い巨人。見えなくなった後
「(俺の想像もつかない事が起きているのか……それでも、俺の出来る事をしていくだけだ)」
その後、駐屯兵団本部の側にジャケットと立体機動装置を置いて避難場所に向かったが向かう途中
「ぐっ!? 何だ……体が熱い……それに、この痛みは……ぐっ、がぁ!?」
突然体を襲う痛みと熱。徐々に意識が遠退く中誰かに声をかけられながら意識は闇に落ちた。
〜始まり・完〜
〜次回〜
〜出会い・奪還〜
―次―
ここまで読んで頂きありがとうございます。感謝です。