進撃の巨人〜錯綜する世界〜   作:モリブデ

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出会い

 

 

 

  〜出会い・奪還〜

 

 

 

 ヒロトは暗闇の中にいた

 

 何処からか声が聞こえた

 

 声の導くままに……ゆっくり意識が戻るヒロト

 頭の後ろに感じる柔らかく暖かい感触

 そして静かに目を開けた

 

 

 

「あっ? 気付きましたか」

 

 

 聞こえたのは可愛らしい少女の声。キャロとは違う声だった。

 

 

 

「ッ……ここは?」

 

 

 

「駐屯兵団本部近くの路地ですよ。いきなり苦しみだしたから驚きましたけど……痛む所ありますか?」

 

 

 

 段々意識がはっきりして来るヒロト。思わず上半身を勢いよく起こした

 

 

「 きゃっ!?」

 

 

 

「あっ? すみま……」

 

 

 

 驚いて声をあげる少女

 振り返り謝る途中で固まるヒロト

 

 

 

「どうしました?」

 

 

 

 ヒロトに問いかける一見儚げな金色の髪をした少女 そんな少女に

 

 

 

「(クリスタ?)ずっと君がみてくれてたのか?」

 

 

 

「そうですよ。大丈夫?」

 

 

 

「ああ、大丈夫だよ。もしかして膝枕してくれてたのか? いろいろありがとう」

 

 

 

「そんな事は」 

 

 

 

 と頬を薄く紅色にしながら微笑むクリスタ。そして、私はこれで、と手を振り立ち去った

 

 

 

「……さて、俺も行くか。かなり時間を食ったな。早く……なっ!? これは」

 

 

 

 1つのびをして立ち上がり何気なく窓を見て固まった。そこには19才の顔ではなく16才の自分の顔が写っていた

 

 

 

 「(これは……さっきの痛みはこのせいか? いやいや某マンガではあるまいし実際……19才も16才もそんなに変わってないな。特に身長同じだよ)」

 

 

 色々考えていたら

 

 

 

「居たぞ、キャロ。おーい兄ちゃん! 兄ちゃん!!」

 

 

 と言いながら駆け寄る2人

 

 

 

「なかなかこないので迎えにきました」

 

 

 

 とヒロトの顔を見ても何事もなかった様に言うキャロ

 

 

 

「ありがとう……2人共俺を見ておかしな所はないか?」

 

 

 

 聞かれて? の顔になる2人

 

 

 

「(2人にはこの姿が認識されているのか? おそらく今まで出会った人達もそうだろうな)何でもない。おかしな事聞いたな。行こうか」

 

 

 

「でも、兄ちゃん服脱いでていいのか? 装置も外してさ」

 

 

 

「俺は……駐屯兵じゃないからな」

 

 

 

「「えっ!?」」

 

 

 

 同時に驚く2人

 

 

 

「その事は行きながら説明するよ(さて、どう言ったものか)」

 

 

 

 2人を促して考えながら向かうヒロトであった

 

 

 

 一方、ヒロトを看ていたクリスタは

 

 

 

「(思わず走って来たけど)……ここは?」

 

 

 

 行く先を考えず走っていたクリスタは薄暗い路地裏に迷いこんでいた

 

 

 

「ここは、嬢ちゃんと楽しむ場所だよ」

 

 

 

「えっ!?」

 

 

 

 後ろから聞こえた声に驚いて振り返ると嫌な笑みを浮かべた男が立っていた

 

 

 

「だ、誰……ですか?」

 

 

 後退りしながら聞くクリスタ

 

 

 

「可愛いいなぁ〜」

 

 

「ッ!? ……そんな」

 

 

 更に後ろから聞こえて慌てて振り向くと5、6人の柄の悪い男達が囲んでいた。壁に追い詰められ、トサッと背中が壁に当たる

 

 

 

「怯えてる顔も可愛いな」

 

 

 

「こないで…」

 

 

 

「大丈夫だ。痛いのは最初だけだ。」

 

 

 

 言いクリスタの左腕を掴む

 

 

「やっ、離して……(どうして私が、こんな目に)」

 

 

 家を追われ……そして今まさに……首を横に振るクリスタ

 腕を掴んでいる男が顔を近付けたら

 

 

 

 

「おい」

 

 

 

 

「あぁ? ……がふぅ!?」

 

 

 腕を掴む男に突然、声がかけられた。横を向いた時顔に蹴りを入れられ壁に叩きつけられる。

掴んでいた手を離しずり落ちる男

 

 

 

「「「????」」」

 

 

「貴方は……」

 

 

 

 突然起きた出来事に驚く男達。その一瞬の隙にクリスタの腕を掴み引き寄せる人物

 引き寄せた人物……ヒロトを見て呟くクリスタ

 

 

 

「何だ、てめえは!?」

 

 

「彼女の知り合……いや、恋人だ」

 

 

 

「!? ……//」

 

 

 

 ヒロトの恋人の言葉に驚き一瞬紅くなるクリスタ

 

 

「ふざけんな!?」

 

 

 

 逆ギレして右手にナイフを持ち襲いかかってくる男。

 

 

 

「危ない!」

 

 

 

 叫ぶクリスタだが、ヒロトは男の右手をあっさり掴み捻り上げるとナイフを落とす男。左手で男の顔を掴むと力を籠める。ギリギリと音がして悲鳴をあげながらも空いてる左でヒロトの脇を殴る男

 

 

 

「(痛ってぇ、何なんだこいつの体は……まるで硬い木の板か壁を殴ったみたいな感覚だ)」

 

 

 

 殴って更に驚く男の胸ぐらを左手で掴むと壁に投げ付けた。そして、残りの男達が襲って来るが1人目は攻撃を避けると同時に顔面に右フックを喰らわし2人目は足払いをして横向きになった時腹部に蹴りを叩き込む。残りは一瞬固まるが

 

 

 

「ゲホッ……ハァ……ハァ……そ、そこまでだ」

 

 

 

 と後ろから声がかかり振り返ると先程顔を締め上げた男がナイフをクリスタの喉に突き付けていた

 

 

 

「に、逃げて! 私はいいから!」

 

 

 

「おーおー健気だねぇ。おい、彼女の命が惜しかったら、動……!?」

 

 

 

「(……自殺願望ではないよな? だが……)」

 

 

 

 クリスタの発言に考えながらも男が言い終わる前にヒロトは動いた。右足辺りに落ちてるナイフの刃を踏んで軽く力を入れるとナイフが弧を描いて空中を舞った。男は不意を付かれて一瞬固まった。ナイフが自分の前に来た時、半歩下がると柄の後ろを蹴り飛ばした。するとナイフは矢の様に一直線に飛び男の右肩に刺さった

 痛みにクリスタを離し地面にのたうち回る。

 残りの1人が鉄パイプで殴りかかって来たが、あっさり左手で受け止め奪い取ると反対側を右手で掴み力任せに2つ折りするヒロト。真っ青になる男の前でこれまた力任せに壁のレンガとレンガの隙間に突き刺した

 

 

 

「貴様等もこうしてやろうか?」

 

 

 

 静かに凄みのある声で言うと

 

 

 

「お、俺達が悪かった……勘弁してくれ……いや、して下さい」

 

 

 

「早く行け」

 

 

 

 ヒロトが言うと倒れている男達を起こしそそくさと立ち去った

 そしてこちらを見たまま立ち尽くすクリスタに近付き優しく抱き締め

 

 

 

「もう大丈夫だよ」

 

 

 

 優しく言うと、緊張が解けたのか安心したのかヒロトの胸に顔を埋めて抱き付いた。暫くして

 

 

 

 

「兄ちゃん……走るの……早すぎだ」

 

 

 

 息を切らしながら言うディア。その一言で我に返り慌てて体を離すクリスタ

 

 

 

「あっ……ありがとう……ごめんなさい」

 

 

 

 顔を紅くしてそれだけ言ったクリスタ

 

 

 

「その娘、誰?」

 

 

 

 と聞くディア

 

 

 

「ここで、男達に襲われてたのを助けたんだ」

 

 

「それで……いきなり……走り出したん……ですね」

 

 

 

 漸くして息が落ち着いてきたキャロが言う

 

 

 

「そうだよ」

 

 

 

「ふーん、あっ、俺ディアって言うんだ……お前は?」

 

 

 

「えっ? ……私? 私は、ヒ……えっと、その」

 

 

 

 聞かれて言いかけて戸惑うクリスタ

 

 

 

「……クリスタ。クリスタじゃなかったかな?」

 

 

 

「え? あっうん。私……クリスタ、宜しくね」

 

 

 

「宜しくな」

 

 

 

「私はキャロ・エプレアと言います。えーと、クリスタ……どう言うの?」

 

 

 

「えっ? ……あっ……レ、レ……レンズ、クリスタ・レンズです宜しくね」

 

 

 

「宜しくお願いします」

 

 

 

「挨拶もすんだな。ここに居るのは危ない。クリスタ、家まで送ろう」

 

 

 

 言われて俯くクリスタ。2人がどうしたの? と聞くと

 

 

「私……帰る家がないの。1人になったから」

 

 

 

 えっとなる2人。そこでヒロトが

 

 

 

「俺達と、一緒に来るか?」

 

 

 

「えっ? でも、それは……」

 

 

 

「私はいいよ」

 

 

 

「いいんじゃない」

 

 

 

 ヒロトの意見に賛成するキャロとディア

 

 

 

「……では、お願いします」

 

 

 

「よし、決まりだな。避難場所に行こうか」

 

 

 

 皆で避難場所に向かった

 

 

 

 

避難場所に到着したヒロト達は

 

 

 

「上手く合流出来たみたいだな。で、その女の子は?」

 

 

 

 ヒロト達の姿が見え手を振るリュード。後ろにいるクリスタを目で見て聞いてくる

 

 

 

「あぁ、彼女は……」

 

 

 

「口説いて来たのか? 見掛けによらず手が早いな」

 

 

 

「えっ……//」

 

 

 

「口説いてない。実は」

 

 

 

 言われて何故か頬を紅くしたクリスタ。ヒロトが今までの流れを説明する

 

 

 

「と、言う事だ。口説いてない」

 

 

 

「そっか……(行動で口説いたってか?)え〜クリスタ、宜しくな。俺はリュードで、あの女性目を覚ましたぜ」

 

 

 

「こちらこそ宜しくね」

 

 

 

「目を覚ましたのは、本当か?」

 

 

 

「嘘言ってどうすんだ。も、記憶がないみてぇだな」

 

 

 

「なっ!? 記憶喪失? 取り敢えず会ってみよう」

 

 

 

 そして、ベンチに座ってるカルラに会うヒロト

 

 

「初めまして……体の痛みはありますか? 足首の感覚はありますか?」

 

 

 

「初めまして。全身に少し痛みはあります。足首は……痛いです。」

 

 

 

 わかりました。それと、名前が思い出せない?」

 

 

 

「名前だけでなく全て……思い出せないの」

 

 

 

「そうですか」

 

 

 

 と言い考えるヒロト

 

 

 

「(……このままでは、彼女も開拓地で、奪還行きに何とかならないか……)」

 

 

 

 と考えていると

 

 

 

「カルラさんではないですか?」

 

 

 

 と声を掛けてきた。振り向くと、恰幅の良い優しそうな中年男性が立っていた

 

 

 

「やっぱりカルラさんですね。大丈夫でしたか?」

 

 

「カルラ?……それは、私の事…ですか?」

 

 

 

 逆に聞かれて驚く中年男性

 

 

 

「実は……」

 

 

 

 今までの事を説明するヒロト

 

 

 

「そんな事があったのですね」

 

 

 

 暫く思案していたが

 

 

 

「どうでしょう。皆さん私の家に来ませんか?」

 

 

 

 驚きの提案をして来た

 

 

「全員がお世話になるのは、迷惑がかかるのでは?」

 

 

 

 聞くヒロトに

 

 

 

「そんな事はありませんよ。グリシャ先生にはお世話になりっぱなしですから、困った時はお互い様ですよ」

 

 

 

「(皆疲れているし、明日また考えるか)皆疲れているからお言葉に甘え様と思うがいいかな?」

 

 

 

 皆に聞くヒロト

 

 

 

「ヒロトの指示で今まで動いてたからいいんじゃねぇか?」

 

 

 

 答えるリュードと頷く3人。顔に疲れの色が出ている

 

 

 

「では、ご厄介になります」

 

 

 

 と頭を下げるヒロト

 

 

 

「どうぞ、どうぞ、馬車があるからそこまで行きましょう」

 

 

 

 馬車に乗り家に向かった

 

 

 

 

 家に到着、そして

 

 

 

「……でかいな」

 

 

 

 家を見て言うリュード。コクコク頷く、ディアとキャロ

 

 

 

「そんな事はないよ。さぁ、中にお入り下さい」

 

 

 案内されて中に入ると

 

 

 

「お帰りなさい〜あら? お客様〜?」

 

 

 

 グレーに近いストレートの黒髪の女の子が若干のんびりした話し方で出迎えてくれた

 

 

 

「ただいま、そうだよ。詳しい説明をするから客室で待っていなさい」

 

 

 

 “は〜い”と返事をして先に部屋に入る女の子。案内されて部屋に向かった。部屋に通された後は、それぞれ自己紹介をした

 

 

 

「まずは私からかな。名前はギニア・ヴィオラデルこっちが妻のルーラで娘のロザージュだ」

 

 

 

 頭を下げるルーラと

 

 

 

「ローザでいいですよ〜」

 

 

 

 微笑みながら言うローザ。ヒロト達も自己紹介をして今までの事を説明した。途中でルーラとローザが席を外す。そして、改めてカルラに向き直り

 

 

 

「まだ思い出されないですか?」

 

 

 

「はい……ごめんなさい」

 

 

 

「いや、謝らなくていいですよ。グリシャ先生やエレン君の事はどうですか?」

 

 

「グリシャ……エレン……エレ……あっ……うっ……あぁ」

 

 

 頭を抑えて前屈みになるカルラ、横に座り背中を擦るクリスタとキャロ。直ぐに落ち着き

 

 

 

「大丈夫……ありがとうそれと、ごめんなさい」

 

 

「いいえ、こちらこそ迂闊な事を言いました。申し訳ない」

 

 

 

 と頭をさげるギニア。そして、話を切り替えようと

 

 

 

「一通り説明も終わったので、御飯にしましょうか」

 

 

 

 そこで、ギニアの提案に乗ることにしたヒロト。皆に

 

 

 

「折角だしいただこう。疲れてあまり欲しくないかも知れないが少しは食べた方がいいよ」

 

 

 

 皆頷くと食堂に向かった。ヒロトとリュード以外は殆ど食べれずに終わったのだった。今後の事は明日話しをする事にして眠りに就いた

 

 

 

 そして就寝時

 

 

 

 ロザージュのベッドで寝るキャロとクリスタ

 

 

 

「1人だと寂しいと思うから一緒に寝ましょう〜」

 

 

 

 と、言うロザージュに遠慮がちな2人だったが引っ張られながらロザージュを真ん中に右にキャロ、左にクリスタで入った。そして、他愛ない会話をしている内に眠りに入った2人でした

 

 

 

 ディアとリュードは

 

 

 

 2人で仲良くベッドに入っていた

 

 

 

「2人で寝るには狭いよな」

 

 

 

「ベッドの数が足りないんじゃ仕方ねぇーだろ」

 

 

 背中合わせで言うディアに突っ込むリュード。そして暫く黙っていたディアに

 

 

 

「お前、泣きたいんだろ」

 

 

 

「いきなり何言ってんだ!? そんな事……ないよ」

 

 

 

 突然のリュードの言葉に驚くが段々声が小さくなるディア

 

 

 

「親が目の前で死んで悲しくないわけがねぇよ。俺は、兄貴が調査兵だったが、壁外に出て死んじまった……」

 

 

 

 驚いて顔だけ振り返るディア。リュードはディアを見ていた

 

 

 

「俺は、泣いたよ……まぁ、上手く言えねぇが、我慢したり恥ずかしがる必要は無いと思うぜ」

 

 

 

 言って反対に向くリュード。ディアは布団を頭まで被り泣いていた

 

 

 

 

 その頃ローザ達は

 

 

 

 ふと目を覚ますクリスタ。すると啜り泣く声が聞こえ声の方を向くとローザがキャロを優しく抱き締め頭を撫でていた。クリスタはキャロの横に行き

 

 

「大丈夫?」

 

 

 

 背中を擦りながら聞くクリスタに小さく頷くキャロ。暫くの間慰めるローザとクリスタである

 

 

 

 

 そしてヒロトは

 

 

 

 客室のソファに座って今日の出来事を思い出していた

 

 

 

「(長い1日だったな……そもそも何で俺は飛ばされたんだ? それにあの声に黒い巨人……さっぱり分からん)」

 

 

 

 スマートフォンの画面は真っ黒で何をしても反応がなかった。そこへ

 

 

 

「まだ起きてたのかね? やはりソファは寝にくいだろうか?」

 

 

 

 と声を掛けてきたギニア。そっとスマートフォンを仕舞いながら

 

 

 

「そんな事はないです。下手したら野宿してたのですから、感謝しています(俺は野宿は構わないが、キャロやクリスタ達女の子にはきついだろうからな)」

 

 

 

「なら良かった。君は一番疲れているのでは無いかな? 早く寝たほうがいいだろう。お休み」

 

 

 

 と言って立ち去るギニアに"お休みなさい"と言うヒロト

 

 

 

「……今は、寝るか」

 

 

 

 とベッドの余りがない為、毛布にくるまりソファの上に寝転がった。そして、直ぐに眠りに就いたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 次の日の朝

 

 

 

「俺は、開拓地に行こうと思う」

 

 

 

 皆が朝食を食べた後、開拓地に行く考えを話すヒロト。皆ビックリしたような顔をした。それを聞いてギニアが

 

 

 

「わざわざ開拓地に行かなくても此処に居たらいいよ」

 

 

 

「お気持ちは有難いのですが……決めた事ですので」

 

 

 

 と、言うヒロトに"わかったよ"と頷くギニア。そして

 

 

 

「俺も行く!」

 

 

 

 と右手を上げて言うディア

 

 

 

「無理に、付き合わなくてもいいよ」

 

 

 

 とヒロトが言うが

 

 

 

「兄ちゃんが行くなら俺も行く! そんでもって調査兵団に入って巨人を倒すんだ!!」

 

 

 

「調査兵団は駄目!」

 

 

 

 大声で叫ぶカルラ

 

 

 

「……へっ?」

 

 

 

 きょとんとした顔になるディア。皆も驚いてカルラを見ると

 

 

 

「……あっ!? ごめんなさい」

 

 

 

 言った後でカルラ自身も驚き下に俯いた

 

 

 

「(記憶が無くなる前に調査兵団に入る事でエレンと喧嘩してたからな)調査兵団でなくとも駐屯兵団もあるから、大丈夫だよ。それに、鍛えるのは必要だからね」

 

 

 

 俯いたまま頷くカルラ

 

 

「あの……私も一緒に行きたいです」

 

 

 

 言いながらおずおず手を上げるキャロ

 

 

 

「私も行きます。皆の力になりたい」

 

 

 

 キャロと同じ様に手を上げ言うクリスタ

 

 

 

「2人は女の子だろ。無理にしなくてもいいよ」

 

 

「このまま何もしないのは嫌です」

 

 

 

「私も皆の力になりたい。出来る事をしたい」

 

 

 

 2人の真剣な眼差しを見て考えるヒロト。そこへ

 

 

 

「いいんじゃねぇーか。力を身に付けて損はないしな。俺も、ち……兵士を目指すから一緒に行きたいが……」

 

 

 

 リュードが賛成ね意を言うが途中で口ごみ母親を見た。その意図に気付いたギニアが

 

 

 

「大丈夫だよ。お母さんは私達が責任持って面倒を見るから君達は自分の出来る事をしなさい」

 

 

 ありがとうございますと頭を下げるリュード

 

 

 

「私も……」

 

 

 

 と言いかけたカルラに

 

 

 

「カルラさんその足では無理ですよ。私達にお任せして下さい。恩返しになりますから」

 

 

 

 少し間を置きお願いしますと頷くカルラ

 

 

 

 そして、善は急げとばかりに開拓地に向かう5人。ギニアはそんなに急がなくても、と言ったが迷惑はかけられないとの事だった。

 

 

 

 見送った後、宛がわれた部屋でカルラは

 

 

 

「(私は……誰? …カルラそれが、私の名前……エレン……グリシャ……)うっ!? ……何で、頭が痛く胸が苦しくなるの……?」

 

 

 

 1人考えるカルラであった

 

 

 

 

 

 5人が開拓地に行って数ヶ月がたった

 最初は慣れない作業でヒロト以外苦戦していたが次第に慣れていった

 

 

 

 

 そんなある日

 

 

 

「ヒロト! ちょっと来てくれ! 頼む」

 

 

 

「あーはい、わかりました」

 

 

 

 ヒロトを呼びに来た男性に返事をしてリュード達にちょっと行ってくると言い男性に付いて行った

 

 

 

「ヒロトさんが呼ばれるって事は…」

 

 

 

「まっ、喧嘩の仲裁だろ」

 

 

 

 キャロの問いに答えるリュード。ヒロトはその常人離れした力で何時しか喧嘩やゴタゴタ仲裁役をする様になっていた。いつもの事と思っていたクリスタだが

 

 

 

「(なんだろう……嫌な予感がする)」

 

 

 

 

 ヒロトの行った方をずっと見ていた

 そして、無事喧嘩を止めたヒロトは皆の所に帰ろうとして

 

 

 

「ちょっといいか?」

 

 

 

 と憲兵に止められた

 

 

 

 その日の晩

 

 

 皆が集まった所でヒロトが

 

 

「俺は、明日ウォール・マリアに行く」

 

 

 

「行くって何しにだよ?」

 

 

「そもそもマリアは巨人が占領してるのよ」

 

 

 

 驚きの声を上げるディアとクリスタ。

 

 

 

「奪還作戦とか、言うやつか?」

 

 

 

 リュードの言葉に皆驚きヒロトを見た。ヒロトはリュードを見て

 

 

 

「その通りだ。俺以外の開拓地の人々も駆り出される」

 

 

 

「で、でも、奪還って言っても出来るんですか?空いちゃってる門はどうなるんでしょうか?」

 

 

 もっともな疑問を言うキャロ

 

 

 

「門は空いたまんまだろ。早い話が口減らしじゃねぇーか」

 

 

 

 黙って頷くヒロトに

 

 

 

「そんなの、駄目だよ。行ったら駄目」

 

 

 

 ヒロトの手を握り言うクリスタ

 

 

「そう言う訳には行かないんだ(行かないと、カルラさんとリュードの母親が…)それに、俺の強さは分かっているだろ。大丈夫、必ず戻るから」

 

 

 

「でも……」

 

 

 

 まだ、何かを言いかけたクリスタの肩に手をかけ

 

 

 

「分かったぜ。死ぬなよ」

 

 

 

 リュードが言うと黙って下を向いたクリスタ

 その後明日に備えて早目に休む事にした

 

 

 

 

  けど

 

 

 

 

「なかなか眠れないな」

 

 

 

 寝付けずにいた。外の風に当たろうと皆を起こさない様に外に出た

 

 

 

「(巨人と言えど、そう簡単に喰われるとは思わないが……こんな所で終わる訳にはいかない。俺には守る者がいる。それにスマートフォンの機械の声、黒い巨人ここ数ヶ月は出てきてないが、彼等が何者か知らないといけない)」

 

 

 

 夜空を見上げ考えを廻らせていると

 

 

 

「……ヒロト」

 

 

 

 と後ろから声をかけるクリスタ

 

 

 

「クリスタ? どうし……!?」

 

 

 

 呼ばれて振り返るより早くヒロトの後ろに抱き着くクリスタ

 

 

 

「行かないで」

 

 

 

 腰に回している腕に精一杯力を入れて震える声で言うクリスタ。ヒロトはクリスタの両手の上に手を重ねて

 

 

 

「クリスタすまない……だが、俺が行かないとカルラさんやリュードの母親が送られる事になる…必ず戻る。約束する」

 

 

 

 と言いながら向きを変えてクリスタを真正面から優しく抱き締めるヒロト。クリスタが顔を上げた時おでこにキスをした。クリスタは真っ赤になって驚いた。

 

 

 

「絶対死なない。必ず帰る」

 

 

 

 その、言葉にヒロトの胸の中で静かに頷くクリスタだった

 

 

 

 

 

 

  次の日の朝

 

 船でウォール・マリアに送られるヒロトであった

 必ず戻ると心に秘めて

 故に気付いていなかった

 これが、送りのみの片道切符である事に

 

 

 

 

 

    ―次―

 

 






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