東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
満月は光る l 『竹取』
今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。
野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。名をば、さぬきの造となむいひける。
その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。あやしがりて寄りて見るに、筒の中光りたりそれを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうてゐたり。
あれから幾年の月日が経った。
四人で仲良く旅をして、元々名の知れた旅人だったがもっと有名になった。
俺に関する神話さえ出てしまった。
ソレは兎も角、本当に色々あった。神に喧嘩売ったり、諏訪の地に戻ったり、たまに依頼を受けたり。
そういや最近、都に美しい姫様が居るとか、いないとか。なんとも、貴族のアプローチを無理難題を押し付けて無視すると言う、中々肝の座った者のようだ。名は何だっけな…そうだ、確か『かぐや姫』だ。
まぁ、野次馬の俺はやっぱり見に行くよな。四人も賛成だしね。
とは言え、現実は甘くない。案の定、会えないようだ。
青蛾「あ~あ、やっぱりダメね…」
零「そうだろうよ。今大注目するぐらい美人の姫らしいし」
美鈴「じゃあ仕方ありませんね。食料を調達して旅を続けましょう」
二人「「え?なんで?」」
美鈴「え?いや、だって会えないんじゃあ仕方が……まさか…」
零「屋敷に忍び込むぜ?」
美鈴「うわ、やっぱりですか」
芳香「なにするんだー?」
零「不法侵入」
芳香「そっかー」
美鈴「ハァ…もう慣れましたよ…分かりました、今日の夜ですね…」
零「お、美鈴もやっと分かってきたな。そうでなくちゃあな」
「やれやれ」と、諦めた声のトーンの美鈴。俺との旅でようやく俺の性格が分かってきたか。
さて、夜まで時間でも潰そうかな。う~む、今日は晴れか。このまま晴れれば月が見れるかもな。あ、でも今日は新月かな?じゃあ無理か。
そして、予想通り、星が見えるのにも関わらず月の姿は無かった。
美鈴「本当に行くんですか?」
零「当たり前さ。もう入り口は目の前だぜ?」
美鈴「はぁ…」
零「いいか、芳香。声を出すなよ?」
芳香は喋らず首を縦に振っている。よし、大丈夫だな。
さて、『ナビゲーター』で確認した見張りは……正面に二人、池に三人、かぐやの部屋の前には……十二人!?幾らなんでも多くねえか?
過保護と言うか……何かあるのか?
と言うか、かぐや姫の霊力……なにか懐かしい……なんだろうか。まさか……いや、そんなはずは…
まぁ、いい。さて、まずどう入るかだ。塀を越えて入るか……そうしよう。比較的かぐや姫の部屋に近い所から潜入しよう。
零「よし、此方だ」
三人を引き連れて、そこまで来た。
近くには池がある。この見張りの三人はどうしようか。池だから……これだ。
俺は地面に手をつける。湿っている。
零「『水威矢』」
水の弓矢を作った。
今から、怪奇現象を起こす。
俺は見張りの目の前に水威矢を射った。
ビシャッ
見張り「うわ、濡れちまった。んだ?誰か落っこちたか?」
と、手を差し伸べたが触れたのは……
見張り「ン?池はどこだ?」
見張り2「なにやってんだよ」
見張り「いや、誰か池に落ちたはずなんだが…」
見張り3「俺ら三人だけで見張っていたろ?て言うか、そっちに池はねえよ。お前の真後ろじゃあねぇか?寝ぼけてんのか?」
見張り「そんなはずは……ン?ほら、誰かに手を掴まれたぜ?見えねえな…ちょいと灯をくれないか?」
見張り3「ホラよ」
見張り「おお、ありがとさん。さあ、さっさと引き上げ……ッ!?」
掴んでいたのは、地面から出てきた手であったのだッ!!
水威矢を『遠隔操作』で手の形に変えただけだがな。
見張り「ヒィ!?」
見張り2「ば、化けもんだ!!」
見張り3「に、逃げろォ!!」
すたこらさっさと逃げる見張り。
その内に侵入。
零「付いてこい」
みんな、屈みながら進むが芳香は関節が曲がらないのでほぼ意味はないだろう。
兎も角、部屋の前までついた。
この大量の見張りは……この木の枝に『熱の細胞』をつけて、また『遠隔操作』で浮かせる。
そして完成!!なんちゃって火の玉。
見張りども「う、うわぁぁぁぁぁ!?」
とか言ってどっかに行く。
結構アッサリだな。等と思っていると、部屋の戸が開いた。そこにいたのは……
女性「誰かいるの?」
美しい、きれいな女性がいた。