東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
時は来た。月は満ち、夜は闇。見えるのは幾つもの行灯からの火。
風はなく、辺りには弓矢を持った兵士や輝夜の部屋を護る兵士が居る。
輝夜は渡さんと。
輝夜の養父である
造「必ず返り討ちじゃ。月になど行かせん」
嫗「良いかい?ここから出るんじゃない」
輝夜「……はい」
造と嫗は、にっこり笑うとそこから出ていった。
輝夜「来るかなぁ……零と、永琳」
輝夜は一人で座っていた。
すると……
兵士「来たぞッ!!」
という声が聞こえた。
私は体を縮め、泣きそうになって顔を隠すように埋めた。
場所変わり、屋敷の庭。
兵士「射てェェェェッ!!」
兵士の言葉を切っ掛けに、雨のような矢が上向きに射たれる。
だが、それは効かない。
月の兎により兵士たちは次々と倒れていく。
女性「良いぞレイセン。もっとやるんだ」
レイセン「……はい」
赤い瞳の兎により、ほとんどの兵士が幻覚を見ていたり、気絶をしている。
造「おい、お前ら!!起きろ!!目を覚ませ!!」
そして、後ろの戸が開いた。
開けたのは輝夜だ。
嫗「かぐや!?部屋から出てはなりません!!」
輝夜「体が勝手に動くんです……」
輝夜は、迎えに来た月読命のところまで行った。
永琳は後ろにいる。
月読「これでわかったろう、汝の罪の重さを。穢れというのは辛いだろう?」
輝夜「……いいえ」
月読「なに?」
予想をしない答え。
そして、許されない理由を言い放った。
輝夜「地上よりもっと穢れているあなたの心が有る限り、ここは楽しい」
月読「なんだとッ!?我を侮辱しようというのかッ!?」
怒り、顔を真っ赤にしている。
しかし、なにかを思い出したかのように落ち着く。
月読「まぁ、いい。帰ったら人体実験をするつもりだ。お前を使ってな」
輝夜「それが穢れた心だと言っているのです」
月読「チッ」
月読は、腹立たせて輝夜を睨んでいた。
反して、輝夜は目を閉じ、そこに正座し、なにか余裕を持っていた。
造「輝夜を返せ!!」
月読「返せ?逆だろう。返してもらうのはこっちだ。よし、見えた。今までずっと送っていた宝石や宝が欲しいからそう言っているのだろう?分かった分かった。これからも送ろう」
造は、なにも言わなくなった。
嫗「輝夜を……お願いします。私の娘なのです……」
月読「娘……フフ…貴女のじゃあないですよ。血が繋がってないのになにを言っているのです?」
嫗「血は繋がってない。そうです。ですが、それでも家族です」
輝夜「お母様……」
母はいつも優しかった。
だが、それももう終わる。
月読「フッ、くだらない。さあ、行こう。永琳よ。……永琳?」
永琳は…そこに立ったまま、なにもしない。
不思議に思った次の瞬間ッ!!
兎「うぐッ!?」
一匹の兎が苦しんだ。
それを最初に、ある程度雑魚の者はどんどん苦しむ。
何故雑魚だけか?弓矢が飛んできたからだ。強いものは回避した。
月読「なんだこれは……?」
百も居た兎は、一羽しかいない。
レイセンと呼ばれた者。
??「やあ、輝夜。この前に会ったきりだったな」
数人を引き連れやって来た男。
月読「お、お前は……神田零か」
永琳「え……」
その名を聞いたまわりの者たちは驚いた。
なにせ、死んだと思われた人物がノコノコと弓矢を挨拶がわりに射ってきたのだから。
月読「噂は本当だったとは……神田零よ。私と来ないか?君は良い戦力になる」
零「断るよ。なにせ、この地より穢れた心のあんたに従うのは、地獄の他ない」
月読「なんだと?」
零「もしかして、輝夜がさっき言い放った言葉は挑発だと思ったのか?違う、本心さ」
明らかに顔を赤くして、睨む月読命。
月読「永琳……やれ」
永琳「……」
永琳は持っていた弓矢を、敵に向けた。
そして、射った。
月読「何を……している?」
永琳「私は、敵に矢を射っただけです」
月読は、永琳が射った矢を空中で掴んでいる。
永琳は……恋人を選んだ。
零「久しぶり、永琳」
永琳「久しぶり……零」
永琳は涙を浮かべていた。
だが、月読は空気は読まず、剣を出した。
月読「貴様ッ!!私を裏切って、生きていられると思うなよッ!!」
永琳「五月蝿い」
月読「なッ!?ぐふッ!?」
いきなりだ、背中から腹部にかけて痛みを感じる。
青い、手形のなにかがあった。
零「生きるよ。なんとしてもな。愛した者と一緒に生きる」
月読「ふ……ざけ…る……なよ…」
永琳「いいえ、ふざけてなどおりません。貴方が邪魔だから、貴方を殺します」
月読はその場に倒れる。
圧倒的の強さを誇っていた月読が、呆気なく負けた。
女性「月読様ッ!!」
零「大丈夫さ、神は信仰が有る限り死なない」
零は亜空間を開け、永琳と輝夜を連れ、移動しようとする。
女性「待て」
二人の女性が、零を止めた。
零「なんだ?」
女性「私達と勝負をしなさい」
零「……」
永琳「依姫、もういいわよ。貴女に教えることはなにもないわ」
依姫と呼ばれた女性は、剣を持ち、戦いを挑んできた。
零「皆、先に行っててくれ」
美鈴「ですが師匠…」
零「久しぶりに動きたい。月読が呆気無さ過ぎてつまらなかった」
永琳「フフ……後で、今までの話を聞かせてね」
零「いいぜ、じゃあまた後でだ」
そう言い、亜空間を閉じた。
依姫「我が名は『綿月依姫』ッ!!」
豊姫「我が名は『綿月豊姫』」
レイセン「え、あ、『レイセン』です!!」
零「神田零。名前は神田零だ」
そう言い、構えた。
兎の数え方は、一羽、二羽、三羽って数えるらしいですね。