東方化物脳 ~100%の脳が幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
心の隙間の温かみ I 『喪失』
時は戦国時代。織田信長が勢力を上げ、全国を統一するかと予想されていた時代。
ここで、零は今後の人生を変える妖怪とで会う。
場所は蝦夷地。新たな地として踏み入れた。
零「しっかし、寒いな」
美鈴「えぇ、もう一枚着てくればよかった」
義経「私は何も感じませーん」
零「お、おのれ……」
思いの外寒い。
蝦夷は寒いとは言え、そこまでだろうと思い込んでた。
不意に声が聞こえた。
零「……ん?何か聞こえる……?」
遠くから聞こえる。
妖怪の声か?人間か?どちらにしても、とても楽しそうには思えない。
美鈴「……行くんですか?」
零「勿論だ」
青蛾「ハァ……お人好しね」
零「まだ、人かどうか分からない。ホラ、掴まれ」
皆、俺に掴まったことを確認して……
零「『瞬間移動』!!」
~場所変わり、その声の持ち主~
男「おい、紫。人と妖怪が共存するだぁ?舐めたこと言ってんじゃあねぇぞッ!!」
紫「うッ!!」
蹴られる。思いきり、強く蹴る。
一帯には血が広がっている。
それでも、『八雲紫』は願い出る。式の『八雲藍』も心配するほどに。
イペタム「妖刀と呼ばれた『イペタム』様がお前らの言うことを聞くと思うたか?」
紫「お願いします」
藍「紫様、もうお止めになった方が……」
紫「黙りなさい」
藍「………」
頭を地面に擦り、いつまでも願い出る。
イペタムは見苦しく思ったか、どこかへ行こうとした。が……
紫「お願いします!!」
紫はイペタムの脚にしがみつき、諦めなかった。
最早プライドと言うものは無かった。
イペタム「しつこい奴だ」
イペタムは剣を取りだし、紫に振りかざす………筈だった。
不思議に思い、イペタムは振り返った。
零「殺生は好ましくないなぁ。別に悪党でもないのに」
零がそこにいた。神田零がそこにいたのだ。
彼はイペタムの腕を掴んでいたのだ。
イペタム「な、なんだお前!?」
零「神田零だ。しがない旅人さ」
紫「神田……零?」
イペタム「んな!?……チッ、分かったよ。生きる伝説を見ることができたし、今回は許してりやる」
そういって、イペタムは森の方へと消えていった。
零は紫の方を見て、しゃがみこんで手を差し伸べた。
零「大丈夫かい?」
紫「零………なの?」
零「んあ?まぁ、そうだが……どうした?」
紫「零!!」
零「ふぬおッ!?」
いきなり抱きつくというナンパか?逆ナンか?
いや待て、まず様子を見るに俺のことを知っている?だが、俺の記憶には彼女のような人は居ない。誰だ、この娘は?
紫「やっと……会えた……うっ…うう……」
遂には泣いてしまった。
もう、逆に心配になってきた。俺が忘れているだけなのか?だとしたらスゴく申し訳ない。
彼女の付き添いも目を点にしている。
零「……すまないが、俺は君のことを知らないんだ。忘れているのか、本当に会ったことがないのか分からない」
紫「え……そ、そんな」
酷く絶望した表情。申し訳ない。
零「すまん、本当に君が分からないんだ」
紫「……そう…やっぱり、私のせいなのかもね」
零「え?どういう……」
紫「ううん、気にしないで」
そう言われても気になるんですが……
紫「私は『八雲紫』。この娘は私の式の…」
藍「『八雲藍』です。以後、お見知りおきを」
零「うむ、分かった」
自身の自己紹介を改めてやった後、美鈴達の紹介もした。
紫「キョンシーや幽霊も一緒に……しかも幽霊が源義経って……」
藍「式ではないんですか」
零「うん、青蛾や芳香は親友、美鈴と丸……義経は弟子だ」
義経「なんか、しれっと弟子になってました」
紫「いや、どうやったらしれっと弟子になれんのよ」
ごもっともな意見だ。
紫「……」
零「どうした?」
なにやら真剣な顔付きになった。
どうかしたのだろうか?
紫「ねぇ、零」
零「どうした?」
紫「その…人間と妖怪の共存できる世界を一緒に創らない!?」
零「いいよ」
紫「……え?」
零「え?」
何故疑問になった?
紫「い、いいの?あ、あれだよ?妖怪と人間の共存する世界だよ?」
零「だから、いいって言ってんじゃん。なぁ?」
美鈴「ん~そうですね、出来んじゃないんですか?師匠だし」
謎の根拠。
俺って何なんだよ。
そうして俺はすんなりと謎の妖怪、紫と約束を結んだ。