ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

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ども!!

舞翼です!!

約三ヵ月ぶりの投稿になります。
遅くなって申し訳ない(*- -)(*_ _)
てか、圏内事件難し。矛盾があったらごめんよ(^^;

では、投稿です。
本編をどうぞ。


第19話≪事の真実≫

シュミットをDDA本部まで送った後、四人は各自解散となった。 まあ、アスナとランは、二人で今日の調査を纏めるらしい。

俺たちは、第50層転移門前のベンチに座り、空を見ていた。

 

「俺が突き止める。とは言ったものの、糸口が全く見当たらない……。 調子乗りすぎたかな」

 

唯一のヒントは、ヒースクリフが言っていた、『圏内殺人を追いかけるなら、目と耳、己の脳がダイレクトに受け取ったデータを信じること』だけだ。

俺が目で見、耳で聞いた事か……。

 

「う―――んっ」

 

俺は右手を顎に当て、長く唸った。

 

「もう、一人で考えすぎだよ」

 

俺を見て、ユウキは苦笑した。

まあ確かに、一人で考えるより、情報を共有して考えた方が効率が良い。

 

「俺たちが、目で見、耳で聞いたものを考えててな」

 

俺とユウキは考え込んだ。

 

「んと、ボクたちが最初に見たのは、カインズさんが亡くなった所からだね。 その時カインズさんは、厚いフルプレート・アーマーと、大きなヘルメットを装備してたね。……あれ? ご飯食べにくいよね? せっかくの観光地なのに」

 

ユウキの言う通り、圏内でダメージは発生しないのに、観光地でこの装備は場違いな気もする。

だが、短槍(ショートスピア)が胸元に刺さったことで《貫通継続ダメージ》が発生し、短槍(ショートスピア)を掴みながら、己のHPバーを見ながら消滅した。

また、デュエルでないと確証済みであり、新たなユニークスキル使いの犯行ではない。

 

「となると、システムの抜け道だよな。――なあ、ユウキ。 圏内の中で減少する物って、デュエルの決着以外に、何かあったけか?」

 

「ん――と。 お料理の耐久値かな。 最初の頃は、耐久値をすぐに切らしちゃって、色々大変だったよ」

 

失敗ばっかりしちゃってね。と舌をぺろっと出し付け加えた。

まあ、上手くなった料理を、ほぼ毎日口にしてる俺なんだが。 うん、いつも美味しく頂いてます。

 

「……耐久値、か。 だがその前に、俺たちは、カインズ氏とヨルコさんのHPが0になった所を見たか?」

 

「ううん、そこまでは見てないかな。 カインズさんの時は距離があって確認できなかったし、ヨルコさんの時は事態が急変したから、ボクたちは、そこまで見る余裕はなかったかも……」

 

俺は、耐久値とHPバーで一つの可能性を考えた。

 

「もしだぞ。 もし、耐久値を利用して、その隙に、欺瞞やトリックを差し込んだ。とかありえると思うか? 鎧とかの類なら、剣が刺さったまま圏内に入っても、耐久値は削れるんだろ?」

 

「でもでも、カインズさんとヨルコさんの仮想体(アバター)が、青いポリゴンの破片になったのを、ボクたちは見たよ」

 

そこで俺は、転移結晶の残滓と、ランがラーメン屋で落としたコップの残滓が同じようだと、遅まきながら気づいた。

 

「……そうか。 カインズ氏は、あの砕けた鎧と同時に、転移結晶を使用したんだ。 カインズ氏が見てたのはHPバーじゃなくて、やっぱり、鎧の耐久値だったんだ」

 

「てことは、カインズさんは、圏外で短槍(ショートスピア)を鎧の胸元に刺してから、回廊結晶を使用し教会の二階に上がり、自身の首にロープかけ窓から跳び下り、鎧の破壊と同時に転移結晶を使ってどこかの街に転移した?」

 

「おそらく、それで正解だと思う。 最後の呟きは、転移コマンド、だったんだろうな」

 

ユウキは首を傾げた。

 

「――じゃあ、ヨルコさんは?」

 

「あれも同じ要領だ。 まず、ヨルコさんは、俺たちのメッセージを確認してから圏外に出て、わざと背中に投げ短剣(スローングダガー)を刺したんだ。 圏内に入る時、ローブなどで背中を隠せば見える事はないだろ。 そんで、急いで宿屋に戻ったヨルコさんは厚着をして投げ短剣(スローングダガー)を隠したんだ。 タイミングを見計らってから窓側に移動し、壁を蹴ったりし効果音を立てて、投げ短剣(スローングダガー)が刺さったように見せかける為にな。 んで、転移コマンドを聞かれない為に、俺たちの意識をローブの奴に向けたんだよ。 そいつが、ヨルコさんを殺害したように」

 

「あ、そうか。 それなら、ローブの中の人は――」

 

「おそらく、カインズだろうな」

 

その時、アスナからメッセージが送られてきた。

メインメニュー・ウインドウを開いてから、メッセージを確認する。

内容はこうだった。

 

『キリト君。 ランさんと調査を纏めていたら、重大な事が分かったわ』

 

メッセージを見ている俺たちは首を傾げた。

はて、重大な事とは、何ぞや?

 

『私たち、昨夜確認しに行った《黒鉄宮》の《生命の碑》には、カインズさんの名前に横線が入っていたでしょ。 でも違ったの。 カインズさんは生きてるわ。 碑に横線が入っていた名前がK、a、i、n、sだったけど、シュミットさんに書いてもらってた黄金林檎のメンバーの一覧表を見ると、カインズさんの本当の綴りは《Caynz》なのよ。 おそらく、ヨルコさんがKの綴りを、わざと教えたのね。 Cと誤認させるためにね。 つまり、Kのカインズさんは、去年の四月二十二日、18時27分に亡くなっていたのよ。 これに気付いた時、思わず二人で叫んじゃったわ』

 

このメッセージをを読み終えた俺たちは、深く息を吐いた。

 

「なるほどな。 ヨルコさんとカインズ氏は、かなり早い段階で、同じカインズと読める見知らぬ誰かが、四月に死亡してるのを発見したのか。 この偶然を使い、カインズ氏の死亡を偽装出来るのではないかと思いつき、圏内殺人という演出をつけたと」

 

「つまり、こう言うことだね。 《指輪事件》の犯人を追い詰め、炙り出すこと。 ヨルコさんとカインズさんは自らの殺人を演出し、《幻の復讐者》を作り出した。 犯罪禁止コードをすり抜け圏内PKをしてのける死神を作り、結果、恐怖に駆られて動いたのがシュミットさんだね」

 

俺とユウキは、圏内事件の謎説きが終了し、肩の荷が下りた。

まあ、完全に解く事が出来たのは、アスナたちのメッセージのお蔭でもあるが。

 

「シュミットは今、極限まで追い詰められてるはずだ。 復讐者の存在を信じ切って、何かしらのアクションはするだろうな。 まあでも、ヨルコさんとカインズ氏の狙いはそれだと思うけど。 だが、シュミットにも共犯者の居場所が分からない場合は……」

 

俺の言葉を、ユウキが引き継ぐ。

 

「グリセルダさんのお墓があれば、そこに行って赦しを乞う?」

 

「……そだな。 多分、ヨルコさんとカインズ氏も、グリセルダさんのお墓の前に居るんだろうな。――そうだ。 ユウキは、ヨルコさんとフレンド登録してるんだったな。 何処に居るか分かるか?」

 

ユウキは右手を振って、ウインドウを出し操作する。

 

「ん、19層だよ。 主街区から少し離れた、小さな丘」

 

「そうか、此処がグリセルダさんのお墓の場所か……。 ま、これで終わったな」

 

「そうだね。 ボクたちの出番は終わりだよ。 あとは、ヨルコさんとカインズさんに任せよ」

 

「だな」

 

そう言うと、俺とユウキは微笑んだ。

だが、この時点では事件の真相は半分も見えてなかったのだ。

事件は、まだまだ終わっていなかった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

圏内事件の真相に辿り着いた俺とユウキは、第50層の宿屋の奥の席に身を沈めていた。

追い詰められたシュミットは、赦しを乞おうとグリセルダさんのお墓に向かうはずだ。 ヨルコとカインズはシュミットを待ち構え、この事件に終止符を打つはずだ。

ともあれ、圏内事件がこうして解決しようとしてたんだが、――俺は胸の何処かに、極小さな棘が引っ掛かったような違和感を覚えた。

まだ何か考えるべき事はあるが、何を考えればいいか分からない。 そんなもどかしさだ。

そう思った俺は、無意識に前に座るユウキに話しかけていた。

 

「なあ、ユウキ。 お前って、結婚した事あるか?」

 

「……キリト。 幼馴染でも、聞いていい事と悪い事があるよ」

 

この瞬間、絶対零度の視線が俺を射たのだ。

座ったままだが、右手で剣の柄を握っていた。いつでも放剣できる状態である。

俺は慌てて両手を前に突き出し、振ったのだった。

 

「う、うそ、なし、今のなしなし!!」

 

ユウキは柄から手を離し、溜息を吐きながら、

 

「……もう、結婚は女の子にとって、重要なイベントなんだよ」

 

「そ、そんなもんか。 男の俺には全然分からんな」

 

「ボクたちには、まだ早い話かもね。 結婚は」

 

「は、はあ、結婚ね……。 てか、俺って結婚できんのかな。 一生独り身って感じがするんだが」

 

まあ、元ボッチの俺には、ありえる未来だが。

ともあれ、

 

「SAOで結婚すると、言い方は悪いが、特典みたいな物があるのか?」

 

「そうだね。 SAOで結婚したら、ストレージが共有化されるよ」

 

「ストレージ……共有化……」

 

これが棘の正体のようだ。

この結婚のシステムに、俺はこんなにも引っ掛かっていたのだ。

 

「じゃ、じゃあさ……離婚した時、ストレージはどうなるんだ?」

 

ユウキは、目を瞬いた。

 

「うーん。 常識的に考えて、残った人の物じゃないかな……――あ!」

 

「俺もそれと同意見だ。……つまり、ギルド黄金林檎リーダー・グリセルダさんが何者かに殺害された瞬間、彼女のストレージに格納されていた指輪は、自動的にグリムリックの物になったんだ。……そう、指輪を奪いグリセルダさんを殺害したのは、グリムロックだ」

 

「で、でもちょっと待ってよ。 あの短槍(ショートスピア)を作製したのはグリムロックさんだよね? も、もしかして、今回の計画を利用して……」

 

ユウキに戸惑いの色が見え、徐々に戦慄していく。

 

「もし、ヨルコさんたちが、この計画をグリムロックに話していたら、グリムロックはこの計画を使って、ヨルコさん、カインズ氏、シュミット。 最後に三人が集まる所を狙うはずだ――」

 

ユウキの顔から、血の気が引いていく。 彼女には、俺の言葉の続きが即座に理解できたんだろう。

俺とユウキは立ち上がり、店を飛び出した。

何事だ!?と此方を見る客もいたが、そんなのにも目もくれず疾駆した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「ユウキ! ヨルコさんたちは、第19層《ラーベルグ》から移動してないよな!? いや、ちょと待て。 主街区から少し離れた場所って、圏外じゃないよな!?」

 

俺は転移前広場に駆けながら、ユウキに聞く。

 

「た、大変だよ、キリト。 ヨルコさんが今いる場所はフィールドだよ」

 

まじかよ! 最悪じゃんか!と叫びたくなるが、そんな余裕はない。

俺は並走するユウキに言う。

 

「もしかしたら、殺人者(レッド)が出る可能性が高い。 ユウキ、お前は待ってるんだ。 危険すぎる」

 

「嫌! それに、アスナと姉ちゃんも、最後までこの件には関わるって言ってたよ!」

 

きっと女性陣は、俺が何を言っても身を引かないだろう。

……まったく、頑固なお嬢様たちだ。

転移門前に到着した所で、俺は口を開く。

 

「はあ、わかった。 俺から離れるな。 これが条件だ。 あと、閃光様たちに連絡を取ってくれ。 間に合わなくてもいい」

 

「きっと、姉ちゃんたちは間に合うよ」

 

「まったく、お前らは。――いくぞ」

 

「ん、りょうかい」

 

俺とユウキは、転移ポータルに飛び込み言葉を発した。

 

「「転移、《ラーベルグ》!」」

 

俺たちを、淡い光が包み込んだ――。




圏内事件難しですね(;^ω^)
さて、圏内事件も終盤?ですね。今後も頑張って投稿いたしやす!

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