ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
舞翼です!!
約三ヵ月ぶりの投稿になります。
遅くなって申し訳ない(*- -)(*_ _)
てか、圏内事件難し。矛盾があったらごめんよ(^^;
では、投稿です。
本編をどうぞ。
シュミットをDDA本部まで送った後、四人は各自解散となった。 まあ、アスナとランは、二人で今日の調査を纏めるらしい。
俺たちは、第50層転移門前のベンチに座り、空を見ていた。
「俺が突き止める。とは言ったものの、糸口が全く見当たらない……。 調子乗りすぎたかな」
唯一のヒントは、ヒースクリフが言っていた、『圏内殺人を追いかけるなら、目と耳、己の脳がダイレクトに受け取ったデータを信じること』だけだ。
俺が目で見、耳で聞いた事か……。
「う―――んっ」
俺は右手を顎に当て、長く唸った。
「もう、一人で考えすぎだよ」
俺を見て、ユウキは苦笑した。
まあ確かに、一人で考えるより、情報を共有して考えた方が効率が良い。
「俺たちが、目で見、耳で聞いたものを考えててな」
俺とユウキは考え込んだ。
「んと、ボクたちが最初に見たのは、カインズさんが亡くなった所からだね。 その時カインズさんは、厚いフルプレート・アーマーと、大きなヘルメットを装備してたね。……あれ? ご飯食べにくいよね? せっかくの観光地なのに」
ユウキの言う通り、圏内でダメージは発生しないのに、観光地でこの装備は場違いな気もする。
だが、
また、デュエルでないと確証済みであり、新たなユニークスキル使いの犯行ではない。
「となると、システムの抜け道だよな。――なあ、ユウキ。 圏内の中で減少する物って、デュエルの決着以外に、何かあったけか?」
「ん――と。 お料理の耐久値かな。 最初の頃は、耐久値をすぐに切らしちゃって、色々大変だったよ」
失敗ばっかりしちゃってね。と舌をぺろっと出し付け加えた。
まあ、上手くなった料理を、ほぼ毎日口にしてる俺なんだが。 うん、いつも美味しく頂いてます。
「……耐久値、か。 だがその前に、俺たちは、カインズ氏とヨルコさんのHPが0になった所を見たか?」
「ううん、そこまでは見てないかな。 カインズさんの時は距離があって確認できなかったし、ヨルコさんの時は事態が急変したから、ボクたちは、そこまで見る余裕はなかったかも……」
俺は、耐久値とHPバーで一つの可能性を考えた。
「もしだぞ。 もし、耐久値を利用して、その隙に、欺瞞やトリックを差し込んだ。とかありえると思うか? 鎧とかの類なら、剣が刺さったまま圏内に入っても、耐久値は削れるんだろ?」
「でもでも、カインズさんとヨルコさんの
そこで俺は、転移結晶の残滓と、ランがラーメン屋で落としたコップの残滓が同じようだと、遅まきながら気づいた。
「……そうか。 カインズ氏は、あの砕けた鎧と同時に、転移結晶を使用したんだ。 カインズ氏が見てたのはHPバーじゃなくて、やっぱり、鎧の耐久値だったんだ」
「てことは、カインズさんは、圏外で
「おそらく、それで正解だと思う。 最後の呟きは、転移コマンド、だったんだろうな」
ユウキは首を傾げた。
「――じゃあ、ヨルコさんは?」
「あれも同じ要領だ。 まず、ヨルコさんは、俺たちのメッセージを確認してから圏外に出て、わざと背中に
「あ、そうか。 それなら、ローブの中の人は――」
「おそらく、カインズだろうな」
その時、アスナからメッセージが送られてきた。
メインメニュー・ウインドウを開いてから、メッセージを確認する。
内容はこうだった。
『キリト君。 ランさんと調査を纏めていたら、重大な事が分かったわ』
メッセージを見ている俺たちは首を傾げた。
はて、重大な事とは、何ぞや?
『私たち、昨夜確認しに行った《黒鉄宮》の《生命の碑》には、カインズさんの名前に横線が入っていたでしょ。 でも違ったの。 カインズさんは生きてるわ。 碑に横線が入っていた名前がK、a、i、n、sだったけど、シュミットさんに書いてもらってた黄金林檎のメンバーの一覧表を見ると、カインズさんの本当の綴りは《Caynz》なのよ。 おそらく、ヨルコさんがKの綴りを、わざと教えたのね。 Cと誤認させるためにね。 つまり、Kのカインズさんは、去年の四月二十二日、18時27分に亡くなっていたのよ。 これに気付いた時、思わず二人で叫んじゃったわ』
このメッセージをを読み終えた俺たちは、深く息を吐いた。
「なるほどな。 ヨルコさんとカインズ氏は、かなり早い段階で、同じカインズと読める見知らぬ誰かが、四月に死亡してるのを発見したのか。 この偶然を使い、カインズ氏の死亡を偽装出来るのではないかと思いつき、圏内殺人という演出をつけたと」
「つまり、こう言うことだね。 《指輪事件》の犯人を追い詰め、炙り出すこと。 ヨルコさんとカインズさんは自らの殺人を演出し、《幻の復讐者》を作り出した。 犯罪禁止コードをすり抜け圏内PKをしてのける死神を作り、結果、恐怖に駆られて動いたのがシュミットさんだね」
俺とユウキは、圏内事件の謎説きが終了し、肩の荷が下りた。
まあ、完全に解く事が出来たのは、アスナたちのメッセージのお蔭でもあるが。
「シュミットは今、極限まで追い詰められてるはずだ。 復讐者の存在を信じ切って、何かしらのアクションはするだろうな。 まあでも、ヨルコさんとカインズ氏の狙いはそれだと思うけど。 だが、シュミットにも共犯者の居場所が分からない場合は……」
俺の言葉を、ユウキが引き継ぐ。
「グリセルダさんのお墓があれば、そこに行って赦しを乞う?」
「……そだな。 多分、ヨルコさんとカインズ氏も、グリセルダさんのお墓の前に居るんだろうな。――そうだ。 ユウキは、ヨルコさんとフレンド登録してるんだったな。 何処に居るか分かるか?」
ユウキは右手を振って、ウインドウを出し操作する。
「ん、19層だよ。 主街区から少し離れた、小さな丘」
「そうか、此処がグリセルダさんのお墓の場所か……。 ま、これで終わったな」
「そうだね。 ボクたちの出番は終わりだよ。 あとは、ヨルコさんとカインズさんに任せよ」
「だな」
そう言うと、俺とユウキは微笑んだ。
だが、この時点では事件の真相は半分も見えてなかったのだ。
事件は、まだまだ終わっていなかった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
圏内事件の真相に辿り着いた俺とユウキは、第50層の宿屋の奥の席に身を沈めていた。
追い詰められたシュミットは、赦しを乞おうとグリセルダさんのお墓に向かうはずだ。 ヨルコとカインズはシュミットを待ち構え、この事件に終止符を打つはずだ。
ともあれ、圏内事件がこうして解決しようとしてたんだが、――俺は胸の何処かに、極小さな棘が引っ掛かったような違和感を覚えた。
まだ何か考えるべき事はあるが、何を考えればいいか分からない。 そんなもどかしさだ。
そう思った俺は、無意識に前に座るユウキに話しかけていた。
「なあ、ユウキ。 お前って、結婚した事あるか?」
「……キリト。 幼馴染でも、聞いていい事と悪い事があるよ」
この瞬間、絶対零度の視線が俺を射たのだ。
座ったままだが、右手で剣の柄を握っていた。いつでも放剣できる状態である。
俺は慌てて両手を前に突き出し、振ったのだった。
「う、うそ、なし、今のなしなし!!」
ユウキは柄から手を離し、溜息を吐きながら、
「……もう、結婚は女の子にとって、重要なイベントなんだよ」
「そ、そんなもんか。 男の俺には全然分からんな」
「ボクたちには、まだ早い話かもね。 結婚は」
「は、はあ、結婚ね……。 てか、俺って結婚できんのかな。 一生独り身って感じがするんだが」
まあ、元ボッチの俺には、ありえる未来だが。
ともあれ、
「SAOで結婚すると、言い方は悪いが、特典みたいな物があるのか?」
「そうだね。 SAOで結婚したら、ストレージが共有化されるよ」
「ストレージ……共有化……」
これが棘の正体のようだ。
この結婚のシステムに、俺はこんなにも引っ掛かっていたのだ。
「じゃ、じゃあさ……離婚した時、ストレージはどうなるんだ?」
ユウキは、目を瞬いた。
「うーん。 常識的に考えて、残った人の物じゃないかな……――あ!」
「俺もそれと同意見だ。……つまり、ギルド黄金林檎リーダー・グリセルダさんが何者かに殺害された瞬間、彼女のストレージに格納されていた指輪は、自動的にグリムリックの物になったんだ。……そう、指輪を奪いグリセルダさんを殺害したのは、グリムロックだ」
「で、でもちょっと待ってよ。 あの
ユウキに戸惑いの色が見え、徐々に戦慄していく。
「もし、ヨルコさんたちが、この計画をグリムロックに話していたら、グリムロックはこの計画を使って、ヨルコさん、カインズ氏、シュミット。 最後に三人が集まる所を狙うはずだ――」
ユウキの顔から、血の気が引いていく。 彼女には、俺の言葉の続きが即座に理解できたんだろう。
俺とユウキは立ち上がり、店を飛び出した。
何事だ!?と此方を見る客もいたが、そんなのにも目もくれず疾駆した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「ユウキ! ヨルコさんたちは、第19層《ラーベルグ》から移動してないよな!? いや、ちょと待て。 主街区から少し離れた場所って、圏外じゃないよな!?」
俺は転移前広場に駆けながら、ユウキに聞く。
「た、大変だよ、キリト。 ヨルコさんが今いる場所はフィールドだよ」
まじかよ! 最悪じゃんか!と叫びたくなるが、そんな余裕はない。
俺は並走するユウキに言う。
「もしかしたら、
「嫌! それに、アスナと姉ちゃんも、最後までこの件には関わるって言ってたよ!」
きっと女性陣は、俺が何を言っても身を引かないだろう。
……まったく、頑固なお嬢様たちだ。
転移門前に到着した所で、俺は口を開く。
「はあ、わかった。 俺から離れるな。 これが条件だ。 あと、閃光様たちに連絡を取ってくれ。 間に合わなくてもいい」
「きっと、姉ちゃんたちは間に合うよ」
「まったく、お前らは。――いくぞ」
「ん、りょうかい」
俺とユウキは、転移ポータルに飛び込み言葉を発した。
「「転移、《ラーベルグ》!」」
俺たちを、淡い光が包み込んだ――。
圏内事件難しですね(;^ω^)
さて、圏内事件も終盤?ですね。今後も頑張って投稿いたしやす!
ではでは、感想、評価、よろしくです!!