ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版   作:舞翼

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こ、更新が遅れてすいません(>_<)
またしても、新しいのを書き始めてしまって……。あれ、違う小説の前書きでも書いたような……。
と、ともあれ、書きあげました。

では、投稿です。
本編をどうぞ。


第22話≪リズベット武具店≫

今、俺たちが足を運んでいる場所は、第48層にある《リズベット武具店》だ。

何故此処に足を運んでいるかというと、あのスキルの修行も終わったので、この剣と同等な得物を見繕おうと思ったからだ。

最近、Mobの動きも変化ししつつある為、あれと同等な剣が必要になってくるだろう。

スキルの途中で、剣が折れました。とかは洒落にならない。

 

「でも、鍛冶スキルとか大丈夫か?」

 

「そこは大丈夫。 ボクの《黒紫剣》を打ってくれたのは、リズなんだよ」

 

ユウキが腰に下げる《黒紫剣》は、エリュシデータに劣らない性能がある。

アスナとランの剣も此処で打った物で、店主とユウキたちは、かなり仲が良いらしい。

 

――閑話休題。

 

あの後、俺たちが離れた事は一度もない。

俺は、最後の一瞬まで(ユウキ)と生きると決めているのだ。 一方的な、俺の片想いなんだが。

 

「(コイツも、同じ事を考えてくれてたら嬉しいけどな)」

 

そう考えていたら、目的地に到着した。

巨大な水車がゆるやかに回転する職人クラス用プレイヤーホームだ。 軒先には《リズベット武具店》と書いてある大きな看板が掲げられていた。

 

「ここか?」

 

「そそ。 ここだよ」

 

俺の前に立ったユウキが、玄関を開け店内に入っていく。

俺もその後ろに続いた。

店内には様々な武器が陳列されていた。 剣に五月蠅い俺の目から見ても、かなりレベルが高い代物だ。

 

「リズベット武具店へようこそー!ってユウキじゃない」

 

店主の名前はリズベット。

彼女の恰好は、檜皮色(ひわだいろ)のパフスリーブの上に、同色のフレアスカート。

その上から純白のエプロンをかけ、胸元には赤いリボン。

特徴的なのは、ピンク色のふわふわしたショートヘアーだ。

 

「久しぶりだね、リズ」

 

「そうね。 元気だった? 最近は、あんま見なかったからさ」

 

ユウキは頷いた。

 

「元気だったよ。 色々あってね」

 

「そっかー。 で、今日はどうしたの?」

 

「オーダーメイドを頼みたくて。 ちなみに、使うのはボクじゃないよ」

 

ユウキの視線が俺に向く。

『キリトも挨拶をして。』という意味も込められている。

 

「初めまして、キリトです。 今日は剣が欲しくて」

 

「店主のリズベットよ。 リズでいいわ。 あと、堅苦しいのはやめて。 もっとフランクに接して頂戴」

 

「おう、了解だ。 リズ」

 

「んー、見た所中層プレイヤーに見えるけど。 でも、中層プレイヤーが《絶剣》と居るわけないしね」

 

まあ確かに。リズの言う通り、俺の装備は中層でも購入出来そうな代物ばかりである。

最初の印象から、この反応になってしまうのもの致し方ない。

ユウキは苦笑してから、

 

「ボクの相棒で、ボクより強い攻略組プレイヤーだよ」

 

ユウキの言葉を聞き、リズは僅かに驚愕した。

だが、納得したように、

 

「真っ黒装備の攻略組プレイヤーって言ったら、《黒の剣士》ね。って、《鬼神》の方割れじゃない」

 

俺は肩を落とした。

此処まで《鬼神》が広まっているとは……。と言う事は、アインクラッド全体と考えるのが妥当かもしれない。

 

「そうも言われてる。 不本意だけど……」

 

「こんな人がねぇ」

 

うっ、リズさん。 俺の心を抉りにきますね。

俺、泣いちゃうよ。

 

「で、《黒の剣士》様がオーダーメイドって事でいいのかしら?」

 

「そうだな。 これと同等でどうだ?」

 

俺は背からエリュシデータを鞘ごと外し、リズに手渡した。

 

「重ッ!」

 

やはり、STRを鍛えてないと、かなりの重さらしい。

リズは鑑定スキルを使用し、エリュシデータを調べながら目を丸くしていた。 まあそうなるのも頷ける。 エリュシデータは、第50層のボスからドロップしたラストアタックボーナスであり、《魔剣》の類の剣であるのだ。

また、アインクラッドに存在する全ての武器は、大きく二つのグループに分かれている。

一つは鍛冶屋が作成する《プレイヤーメイド》。

もう一つは冒険によって入手できる《モンスタードロップ》だ。

 

「で、どうだ? 作れそうか?」

 

「作れないことはないわ。 でも一つだけ教えて。 何で剣が二本必要なの?」

 

なるほど。 交換条件みたいなもんか。

ユウキに目を配ると、『リズなら大丈夫。』と言っていた。

 

「了解だ。 ちょっと離れてくれ」

 

ユウキたちには攻撃が届かない位置まで移動してもらい、俺は先ほど渡したエリュシデータを右手に装備し、 左手には、アイテム欄からオブジェクト化した有り触れた片手剣を装備した。

スキル欄を二刀流に変更してから、全方位範囲技《エンドリボルバー》計二連撃を空撃ちした。

にも関わらず、店内のオブジェクトがぴりぴりと震えていた。

 

「とまあ、こう言う事だ。 だから、エリュシデータと同等な剣が必要なんだ」

 

リズはおずおずと、

 

「あんた、それってユニークスキル?」

 

「まあな。 二刀流っていうスキルだ」

 

「あ、ちなみにボクも持ってるよ。 やっぱり、アスナと姉ちゃんにも言っといた方がいいかな?」

 

……ユウキさん、何気に凄い事口にしてますよ。

てか、俺とユウキの言葉を聞き、リズが硬直してしまった。

 

「おーい、戻って来い」

 

「……私、今凄い人たちと一緒にいるのね。 ユニークスキル使い二人とか」

 

リズは、しみじみと呟く。

 

「この事は、口外しないでくれると助かる。 バレたら色々面倒になるし」

 

剣士や情報屋に待ち伏せされるようになったら、第50層に居られなくなってしまう。

まあその時は、第22層辺りに引っ越そう。

 

「分かってるわ。 そこは安心して」

 

「助かる。 んで、どうやって剣を作るんだ? 当てでもあるのか?」

 

「えっとね。 第55層のドラゴンから採れる金属を打って作るのよ」

 

「でも、ドラゴンを討伐しても不発に終わったんだろ」

 

取得には、何かの条件があるとか?

其れだと、しっくりくるが。

 

「ただドラゴンを討伐しただけでは出ないって事よ。 《マスターメイサーがいないと駄目なんじゃないか?》っていう噂ね」

 

「なるほど。 其れはありえるかもな。って事は、リズはマスターメイサーなのか」

 

「まあね。 かなり腕は良い方と自負してるわ」

 

「ほう。 近い内に手合わせしたいものだ」

 

リズは、げっ、と言う顔をした。

 

「あんたとは戦いたくないわよ。 結果は目に見えてるわ」

 

俺は、そ、そうか。と言ってから、装備を一通り確認した。

 

「んじゃ、行くか。 ドラゴン退治に」

 

「よーし! 話が纏まった所で、出発進行!」

 

店を出て、リズがドアの木札をCloseに裏返す。

転移門まで移動し、第55層へ転移した。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

俺たちは問題なく第55層の北にある小さな村に辿り着く事が出来たが、唯一の誤算が――。

このフロアは氷雪地帯だったと言う事だ。 この層は約二日で突破出来たので、俺の記憶から抜け落ちていたのだ。

ともあれ、今は。

 

「ほら、これを着ろ。 俺は問題ないから」

 

俺はウインドウを操作し、二着の厚手のコートを二人に手渡す。

 

「あんたは、大丈夫なの?」

 

「問題ない」

 

これ位なら、精神力で何とかなる。

ユウキが小声で、

 

「キリトは無理しすぎだよ」

 

……どうやら、ユウキにはバレてたようだ。

流石、幼馴染です。

 

「こ、ここは、カッコをつけさせくれ」

 

「も、もう、バカなんだから。 これが終わったら、何か温かい物を作ってあげるから」

 

「うぅ、何かゴメン」

 

俺は情けない声を出す事しか出来ない。

――数分後。 クエストのトリガーとなる村の長のNPCを発見し、話を聞くことに成功したのだが……。 話がかなり長かった。

外は既に、夕暮れに包まれていた。

 

「……まさかフラグ立てでこんな時間を食うとは」

 

「でも、ドラゴンは夜行性なんだよね? 倒しちゃう?」

 

ユウキの言う通り、ドラゴンは夜行性なのだ。 と言う事は、夜にならないと現れない。

 

「そだな、今日倒しちゃうか。 ここまで面倒な事をしたんだし。――リズもそれでいいか?」

 

「いいわよ。 パパッと倒しちゃいなさい。 早く研磨の続きもしないといけないし」

 

「な、何か悪いな」

 

「気にしない。 さ、行くわよ」

 

目的の雪山を登ること数十分。切り立った氷壁を回り込むと、西の山の山頂に到着した。

山頂には、巨大なクリスタルの柱が伸びている。 残照の紫光が乱反射して、虹色に輝くその光景は幻想的の一言だ。

 

「んじゃ、ユウキはリズの護衛を頼むな」

 

「任せて」

 

そう言うとユウキとリズは、近場の水晶柱に身を隠した。

俺は回りを見渡しながら歩を進めるが、深い谷が見えるだけだ。 不発かもなあ。と思った直後だった。 俺の目の前に巨大なポリゴンが出現し、形を整え始めた。 姿を現したのは、氷のように輝く鱗を持った白竜だった。

巨大な翼を緩やかにはばたかせ、宙にホバリングしている。

俺は背から放剣し中段に構える。

 

「グオァァァァァ!」

 

ドラゴンは凶悪な口を開き、白く輝くブレスを吐いた。

俺は剣を目の前で回転させてブレスを防ぐが、完全に防ぎきれなかった為、HPが減少する。 だがそれは、戦闘時回復(バトルヒーリングスキル)で問題なくやり過ごす。

 

「げッ、マジか」

 

俺は声を上げた。

そう、ブレスの特殊能力で当たった個所が数秒間凍り、動きを止められてしまうのだ。 両腕は動かせるが、両脚は動かせない状態である。

 

「(この状態で、鉤爪はちょっとヤバい……かも)」

 

まあ、一撃耐えれば問題なしである。

だが、俺が攻撃を食らうことも、大きく吹き飛ばされることもなかった。

ユウキがクリスタルの陰から出てきて、片手剣ソードスキル《ホリゾンタル》でドラゴンの腹部を切りつけたのだ。

この攻撃によりドラゴンのHPはイエローまで落ちた。

 

「もう、何やってんのさ」

 

「す、すいません……。 ちょっと油断しまして」

 

「まったくもう、二人で倒すよ」

 

「「あッ、やば」」

 

高く舞い上がったドラゴンが両翼を大きく広げた。 其れが、体の前で打ち合わされると同時に、ドラゴンの真下の雪が舞い上がった。

 

――突風攻撃である。

 

俺たちは剣を雪に突き立てるが、それは用を成さなかった。

俺たちは空高く投げ出されたが、空中で手を繋ぐと、剣を握った腕を動かし振り抜いた。 重い突き技の反動で俺たちは穴の壁面目指して角度を変えた。 氷の絶壁へ迫っていく中、再び腕を振りかぶり、思い切り壁面に剣を突き立てた。

急ブレーキをかけたように、凄まじい火花が飛び散る。 衝撃音と共に落下速度が鈍るが、完全停止には至らない。

金属を引き裂くような音を盛大に立てながら、二つの剣が氷の壁を削っていく。

下を見ると、雪が白く積もった底が見える。

俺たちは剣を手放し、着地する。

衝撃と轟音。

そう。 俺とユウキは、何処かの穴の中に落ちたのだった――。




き、キリト君がドジを踏んじゃいました。ま、まあ、ご都合主義ですね。攻略組プレイヤーなら、ありえないことですから(^_^;)

次回は、ドラゴンの巣ですね。
甘く書けたらいいなー。頑張ります!

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