ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
舞翼です!!
え~、更新が凄く遅くなり申し訳ないです……。
ここ最近メチャクチャ忙しくて、執筆時間が取れなくてですね……(汗)
でも、時間を作って書きあげました(^O^)
さて、今回の話はあの人との出会いです。
まあ、タイトルのままですが。
それでは本編にいってみようー。
誤字脱字があったらごめんよ
それではどうぞ。
俺は、《ルインコボルト・トルーパ》が振り下ろす無骨な手斧を右にスッテプして躱し、深く息を吸い吐いてから片手剣単発ソードスキル《スラント》を発動すれば、コボルトはHPを全損させ発動させ、ポリゴン体は砕け散った。
武器を構えながら周りを見渡すと、ユウキとランが対峙していたコボルトも、無数のポリゴン片となって散っていた。
俺は構えを解き、左右に剣を数回振り払ってから、背に装備している鞘へ剣を納めた。
「ふう、終わったな」
「私も終わりました」
「ボクも終わったよ」
姉妹は、剣の刀身を腰に装備している鞘へ戻しながら、此方にやって来た。
――《ソードアート・オンライン》の正式サービスが開始してから、一ヶ月が経過した。
この一ヶ月で二千人が死んだ。
その中には、自ら命を絶った者も居たらしい。
「街へ戻るか。 今日の午後四時頃に、第一層ボス攻略会議があるらしいからな」
「ええ、わかりました」
「ん、了解」
踵を返そうとしたその時、迷宮区奥の暗闇で、一瞬の閃光が瞬いた。
「誰か居るな……」
「ええ」
「いってみようよ」
三人は顔を見合わせ頷いてから、右手で剣の柄を握り抜剣させてから、走り出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
細剣使いは、コボルトが振り下ろす斧をぎりぎりの間合いで躱し、回避に成功するとコボルトが大きく体勢を崩すので、その隙を逃さず、全力でソードスキルを叩き込む。
技は、細剣カテゴリで最初に習得出来る単発突き攻撃《リニアー》だ。
剣を体の中央へ構え、そこから捻りを入れつつ、真っ直ぐ突くだけのシンプルな基本技だが、スピードが凄まじい。
止めの一撃を喰らい、コボルトが仰け反りポリゴン片を散らすと、細剣使いは壁に背をぶつけ、そのままズルズルと座り込み荒い呼吸を繰り返した。
暗赤色のレザー・チュニックの上に軽量なブレストプレート、下半身はレザーパンツに、膝までのブーツ。
頭から腰近くまで覆うフード付きケープを羽織っている為、顔は見えない。
近づく足音に気付き、細剣使いはピクリと肩を震わせたが、それ以上動こうとはしなかった。
三人は約一メートル距離を取り、足を止め、俺が口を開いた。
「……さっきのは、オーバーキルすぎるよ」
細剣使いは肩をぴくりと震わせ、フードがほんの数センチ程持ち上げられ、暗がりの奥から二つのライトブラウンの瞳が鋭く俺を射た。
「オーバーキルっていうのは……モンスターの残りHP量に対して、与えるダメージが過剰だって意味だ。 さっきのコボルトは瀕死状態だった。 HPゲージはあと二、三ドットだったよ。 止めは軽い通常攻撃で充分だったはずだ」
数秒後、小さな声が零れた。
「…………過剰で、何か問題あるの?」
「…………オーバーキルしても、システム的なデメリットやペナルティはないけど……効率が悪いよ。 ソードスキルは集中力を要求されるから、連発しすぎると精神的な消耗が早くなる。 帰り道だってあるんだし、なるべく疲れない戦い方をしたほうがいい」
「…………帰り道?」
細剣使いからは、疑問を含んだ答えが返ってきた。
てか、ユウキとラン以外に、こんなに喋ったのは久しぶりだ。
「ああ、このあたりのダンジョンを出るだけでも一時間近くかかるし、そこから最寄りの町まで急いでも三十分だろ? 疲れ切っているとミスも増える。 見たところ君はソロみたいだし、一人だと小さなミスでも命取りになりかねない」
「……それなら、問題ないわ。 わたし、帰らないから」
「「「は?」」」
三人は同時に声を上げた。
すると、俺の右隣りに立っていたユウキが言葉を発した。
「え……帰らないって……、町にだよね?……ポーションの補給とか、どうするの?」
細剣使いは、小さく肩を上下させた。
「ダメージを受けなければ薬はいらないし、剣は同じのを五本買ってきた。……休憩は、近くの安全地帯で取ってるから」
これを聞き、ランが言葉を発した。
「ちょっと待ってください。……じゃ、じゃあ、ダンジョンに潜りっぱなしなんですか?」
「……そうよ。 もう、三日……か。 四日。……もういい? そろそろこの辺の怪物が復活してるから、わたし、行くわ」
壁を支えにして立ち上がった細剣使いの小さな背中へ向かって、俺は言葉を投げかけた。
「…………そんな戦い方してたら、死ぬぞ」
細剣使いは足を止め、右の壁に肩を掛け、ゆっくり振り向いた。
「…………どうせ、みんな死ぬのよ。 たった一ヵ月で、二千人が死んだわ。 でもまだ、最初のフロアすら突破されてない。 このゲームはクリア不可能なのよ。 どこでどんなふうに死のうと、早いか……遅いかだけの、違い…………」
そこまで言った所で細剣使いの体が揺らぎ、緩やかに地面へと崩れ落ちた。
「ちょ」
「やっぱり限界だったんだよ」
「私たちで、助けましょう」
「……了解。――俺が道を開くから、二人はその人を運んでくれ。 二人でなら、運べるはずだ」
ユウキとランは剣を鞘に戻してから、細剣使いを起こし、腕を己の肩へ回し歩き出した。
俺は右手に剣を携え、周りを警戒しながら歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
気付いた時には、ダンジョンに中には居なかった。
アスナが眼をぱちっと開け、上体を起こし周りを見渡すと、そこは、金色の苔を纏う古木と小さな花をつけた茨の茂みに囲まれた、森の中の空き地だった。
だが――どうして? 迷宮で倒れたはずの自分が、遥か離れたフィールドへ移動しているのか?
その答えは、アスナの顔を正面から見ていた少女二人と、数メートル離れた所で、片手剣三本を抱え、その鞘に頭を預けるように俯いてる少年だ。
少年少女は、アスナがダンジョンで話し掛けられたプレイヤーで間違いない。
この三人が何らかの手段を用いて、この森まで移動させたんだろうが、どのようにして運ばれたかは謎だ。
アスナ――結城明日奈は、掠れた声を押し出した。
「余計な……ことを。 何で……助けたの」
「ボクは助けたかったから、助けたんだよ」
「ええ、私も助けたかったからですよ」
これに気付いた少年が一本の剣を背中に装備すると立ち上がり、二本の剣を両の手に持ち、此方に歩み寄って来た。
「別に、あんたを助けたわけじゃない。 助けたかったのは、あんたが持っているマップデータさ。 最前線近くに四日もこもってたなら、未踏破エリアをかなりマッピングしたはずだ。 あんたと一緒に消えるのがちょっともったいなくてね」
アスナはメニュー・ウインドウを開きタブを切り替え、マップデータにアクセスすると羊皮紙アイテムにデータをコピーしてから、オブジェクト化して手に取り、少年の足許へ放り投げる。
「…………なら、持っていけば。 これで、あなたたちの目的は達成したでしょ。 じゃあ、私は行くわ」
「ちょっと待ちなよ。 もう少し休んだ方が」
「ええ、疲れがかなり溜まっていると思います」
二人の少女がそう言ってきたが、どうせ皆死ぬんだから、疲れていようがいまいが、関係ない。
そう思いながら、アスナは下草に手をつき、立ち上がった。
黒々と伸びる迷宮区へ戻る為、一歩踏み出した所で――。
少年の声が飛んできた。
「待てよ、フェンサーさん」
アスナは無視して数歩進んだが、続きの言葉が気になり足を止めた。
「あんたも、基本的にはゲームをクリアするために頑張っているんだろ? 迷宮で死ぬためじゃなく。 なら、《会議》に顔を出してもいいんじゃないか?」
「…………会議」
「ああ、今日の夕方、迷宮区最寄りの《トールバーナ》の町で、第一層のフロアボス攻略会議が開かれるらしい」
「…………わかった」
「んじゃ、確かに伝えたぞ。 ユウキ、ラン。 行こうぜ」
二人の少女は立ち上がると、少年は両の手に持っていた剣を二人に渡す。
「ほい。 剣だ」
「ありがと」
「ありがとうございます」
少年は歩きだし、少女たちは片手剣を腰に装備してから、少年の背中を追うように歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
俺たち三人は謎の細剣使いと連れ立って――までとは言えない距離を保ったまま、森を抜け、トールバーナの北門を潜った。
視界に【INNER AREA】という紫色の文字が浮かび、安全な街区圏内に入った事を教える。
俺は後ろを振り向き、言葉を投げかけた。
「会議は町の中央広場で、午後四時からだそうだ」
「………………」
当然の如く、細剣使いからの返答は返ってこない。
代わりに、フードに隠れた顔が上下した。
「俺は鼠と会って来るから、後、お願い出来るか?」
「OK♪」
「わかりました」
「ユウキは、コミュ力を発揮しすぎるなよ。 フェンサーさんは疲れてるみたいだし」
「そうならないように、私が見ときますよ」
ランがそう言ったので、大丈夫だろう。
俺は歩きながら掲げた右手を振り、メッセージに書かれた場所へと向かった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「何処かに隠れてるだろ。 出て来いよ」
「妙な女だよナ」
と、不意に背後から声を掛けられ、俺は振り向いた。
其処に居たのは、βテスト時から付き合いのある、鼠のアルゴだった。
「……すぐに死にそうなのに、死なナイ。 どう見ても素人なのに、技は恐ろしく切れル。 何者なのかネ」
「さあ、俺は興味ないしな」
「そうだったナ。 キー坊は何時も一緒に居る女性プレイヤーしか興味ないんだったナ」
「ちょ、妙な言い方はやめてくれ。 ただの幼馴染だ」
「幼馴染なのカ。 良い情報が手に入ったナ」
……上手く情報を引き出させたな。
まあ、何時かばれることだし、いいか。
「あのフェンサーの事は聞かないのカ? 安くしとくヨ。 五百コル」
「いや、いいよ。 この事がばれたら、殺されそうだし……」
「にしし、キー坊は、頭が上がらないのカ」
「いや、そんな事は…………、まあ、俺の事は置いといて。 で? 今日もまた、本業の取引じゃなくて、何時もの代理交渉か?」
するとアルゴは渋面になり、通りの左右を見回すと、俺の背中を指先で押して近くの路地へと移動させた。
細い路地の奥で立ち止まったアルゴは、背中を民家の壁に預け、頷いた。
「まあナ。 二万九千八百まで引き上げるそーダ」
「ニーキュッパときたか」
俺は苦笑し肩を竦めた。
「……悪いけど、何コル積まれても答えは同じだ。 売る気はないよ」
「オレっちも、依頼人にはそう言ったんだけどナ」
アルゴの本業は情報屋だが、副業でメッセンジャーの仕事も請け負っているのだ。
ここ一週間ほど彼女経由で、俺に接触してきている何者かは、少々複雑……というか面倒な依頼人らしい。
そしてその依頼人は、俺の持つ《アニールブレード+6》を買い取りたいらしい。
「………………ったく、情報を売るだけじゃなく、売らないほうでも商売したんだからなあ……見上げた商売魂だよ、ほんとに…………」
「にゃははは、それがこの商売の醍醐味だナ! 誰かに情報を売ると、その瞬間に《誰それが何々の情報買った》っていうネタが生まれるわけだからナ!」
「…………どっかの女性プレイヤーが、俺のパーソナル情報をお求めになった時は知らせてくれ、相手の情報買うから…………。 これなら、ばれても大丈夫だと思うしな……」
「にゃははは、将来のキー坊は、奥さんに頭が上がらないナ。――んじゃ、依頼人には今度も断られたって伝えとくサ。 この交渉は無理筋だ、ともナ。 ほんじゃナ、キー坊。――ユーちゃんとラーちゃんにも、よろしく言っといてくれナ」
アルゴは身を翻すと、《鼠》の渾名に相応しい敏捷さで表通りを去った。
「……てか、何で二人の名前知っているんだ」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
俺が三人の居る場所へ戻ると、ユウキとランは細剣使いと話をしていた。
――すげぇな。
「……あの人とは幼馴染なの?」
「ええ、そんなんですよ。 さっきのアスナさんに言った言葉も、本心からじゃないですよ」
「そうそう。 『無理するなよ』って言えばいいのにね」
俺はそっと近づいて、言葉を発した。
「…………あの~、戻りましたけど」
「あ、キリトお帰り」
「お帰りなさい、キリトさん」
「…………えっと、おか……やっぱり無理」
「…………ま、まあ、行こうぜ。――残りは二時間くらいあるし、メシでも食うか」
そう言ってから、俺たち四人は歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
アスナが三日、或いは四日ぶりの食事に選んだのは、NPCベーカリーの売り場で最も安い黒パン一つと、町のあちこちにある泉で好きなだけ汲める水ひと瓶だった。
現実世界でも食事を楽しいと感じた事は数える位しかないが、この世界での飲食の空しいものだった。
トールバーナの町の中央部、噴水広場中央に置かれた木製のベンチに座ったアスナは、フードを眼深に下ろしたまま、口を動かし続けた。
何時もはひっそりと、誰にも見つからない場所で摂っていたが、今日は違った。
アスナの左側に座る、ユウキから声が掛けられた。
「ねぇねぇ、アスナは何でフードを羽織っているの?」
アスナはパンを千切ろうとしていた手を止め、口を開いた。
「……顔を見られたくないからよ」
「そっか。――そうだ、キリト。 クリーム持ってたよね」
「ああ、あるぞ」
少年はポケットに手を入れ二つの小瓶を取り出し、一つはユウキに渡し、もう一つは己とランの間のベンチの上へコトンと置いた。
「これをパンに使ってみなよ」
パンに使う、パンの上に塗ると理解したアスナは、おそるおそる右手を伸ばし、指先でツボの蓋をタップし、浮き上がったホップアップ・メニューから《使用》を選ぶと、指先が仄かな紫色に光る、《対象指定モード》と呼ばれる状態で、左手に持った食べかけのパンを触れる。
すると、微かな効果音と共に、パンの片側が白く染まった。
これは、どう見ても――
「……これは、クリーム? こんなもの、どこで?」
「えっと、どこで取ったんだっけ? 姉ちゃん」
ランは手を止め、言葉を発した。
「ひとつ前の町で受けられる、《逆襲の雌牛》ってクエストよ」
ランがそう言うと、三人はパンにクリームを塗る。
少年は大口を開けてかぶりつき、ユウキとランはパクリとパンを食べ始めた。
アスナは左手に持ったパンを、おそるおそる齧った。
「ッ!?」
いつもぼそぼそと粗いだけのパンが、質感のある田舎風ケーキのように変わってしまったかのような味が口中に広がった。
クリームは滑らかで、しかもヨーグルトに似た爽やかな酸味がある。
アスナは、二口、三口と夢中でパンを頬張った。
気付けば、皆より早く完食していた。
羞恥が強烈に立ち上がりこの場から逃げ出したくなるが、ここまでして貰っておいて逃げ出すのは礼儀知らずな行為だ。
「…………ご、ご馳走様」
「は、早いね」
「お腹減ってたんですね」
「腹一杯になって何よりだ」
少年と少女にこのように言われ、羞恥が先程より増してしまった。
フードの中に隠れている顔は、真っ赤になっているだろう。
少年が両の手をパンパンと払い、言葉を発した。
「さっき言ってた牛のクエスト、やるならコツを教えるよ」
アスナは頭を振った。
「……いい、わたしは、美味しいものを食べるために、この町まで来たんじゃないもの」
「じゃあ、何のためだ?」
「わたしが……わたしでいるため、最初の街の宿屋に閉じこもって、ゆっくり腐っていくなら、最後の瞬間まで自分のままでいたい。 たとえ怪物に負けて死んでも、このゲーム……この世界には負けたくない。 どうしても」
「あ~、今の言葉を訂正する事になっちゃうけど。 フェンサーさんは死なないと思うぞ。 ユウキとランが、全力で君のことを守ると思うからな。――でも、この状況を生み出したのは……言い換えれば、君をそこまで追い込んだのは、ある意味俺の……」
アスナには言葉の続きが聞こえなかったが、ユウキとランには聴こえていたようだ。
二人は真剣な顔となり、
「キリトさん。 そんなこと言ったらダメですよ」
「キリトは頑張ってるよ。 みんなの為に情報を集めて、流したりしているでしょ」
「……ああ、ありがとう二人とも」
思ったより重い空気になってしまったので、アスナは立ち上がった。
「……行きましょう。 あなたたちが誘った会議なんだから。 そういえば、君には私の名前を教えていなかったわね」
「ああ、そうだな」
「わたしの名前はアスナよ。 覚えといて」
「……キリトだ。 よろしく、アスナ」
アスナは、会議が開かれる広場へ歩き出した。
キリト、ユウキ、ランも立ち上がり、アスナの後を追うように歩き出した。
――これから、第一層ボス攻略会議が始まる。
話を進めるために結構飛ばしたんですが……。
話があんまり進んでいないような……。
そして、文字数が安定しないですな。ヤバい、どうしよう……(>_<)
すでに自己紹介は済ませていたんだね(笑)
さすが、ユウキちゃんとらんちゃんだぜ(笑)
てか、視点がごっちゃになっているような……。
気のせいであって欲しい(>_<)
『ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~』の後日談も執筆してます。
早く投稿できるように頑張ります!!
リメイク版とごっちゃになりそうだぜ。
最後に、これはハーレムにはしないですよ(^O^)
次回は、ボス攻略会議ですかね。
これからも、『ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~リメイク版』をよろしくお願いします!!
ご意見、ご感想、よろしくお願いします!!