ソードアート・オンライン~黒の剣士と絶剣~ リメイク版 作:舞翼
舞翼です!!
今週中に投稿できました。
更新ペースが落ちてきてしまった……。
でも、一週間に一回は投稿したいと思います。
誤字脱字があったらごめんよ。
それではどうぞ。
最前線を第三十層へ置き、デスゲームが開始されてから五ヶ月が経過した。
俺は第一層ボス戦後にビーターと名乗り、己に敵意を向けさせ、元βテスターへの恨み妬みを緩和させる事に成功した。
そして今、俺たちは第十一層迷宮区へ訪れている。
此処の層は、主にゴブリン達が根城にしている迷宮区だ。
ここのモンスターは、俺たちの全力のソードスキルで一掃できるし、ダメージを喰らっても
なぜ、俺たちが下層へ降り立ったかというと、必要な素材集めの為だ。
俺はだらだらと歩きながら、言葉を発した。
「もう帰ろうぜ。 俺、腹減った」
「そうだね。 必要な素材は集まったし、帰ろうか」
俺の言葉に応じたのは、第一層からコンビを組んでいるユウキだ。
出口を目指して歩いていたら、集団ゴブリンに追い掛けられているパーティーを発見した。
HPバーを確認した所、出口まで逃げ切る余裕はありそうたが、途中で他のModと遭遇してしまったら、その限りではない。
「……俺、ちょっと行ってくるわ」
「じゃあ、ボクも行くよ」
俺たちは放剣してから駆け出し、そのパーティーの援護へ向かった。
パーティーの横まで移動した俺が、問いかけた。
「ちょっと、前支えましょうか?」
棍使いは眼を見開いて俺を見ると、一瞬迷ったようだったが、頷いた。
「すいません、お願いします。 やばそうだったらすぐ逃げていいですから」
「ユウキ。 行くぞ」
「OK」
俺とユウキは同時に突っ込み、片手剣単発ソードスキル《スラント》を放つ。 ゴブリン四体を一撃で葬ると、剣を左右に数回振って鞘に納めた。
ユウキはパーティーメンバーに振り向き、
「大丈夫ですか?」
これを聞いたパーティーメンバーは、頷いた。
俺はこれを見て、ほっと息を吐き、言葉を発した。
「そうか。 すぐに此処から出て、街へ戻った方がいい」
「……ああ」
棍使いは呆然と呟き、残りのメンバーも頷いた。
俺とユウキの先頭の下、出口へ向けて歩き出した。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
黒猫団リーダー、ケイタが音頭を取った。
「我ら月夜の黒猫団に、そして、命の恩人のキリトさんとユウキさんに、乾杯!!」
「「「「乾杯!!」」」」
「「か、乾杯……」」
俺とユウキは、第十一層の街タフトのNPCレストランに訪れていた。
理由は、助けてくれたお礼がしたいから、だそうだ。
まあ、ほぼ強制的に連れて来られたんだが。
「ありがとう……ほんとうに、ありがとう。 凄い、怖かったから……」
「……あ、ああ」
サチと名乗る女性プレイヤーにそう言われ、俺は言い淀んでしまうが、ユウキが代わりに答えてくれた。
「どういたしまして」
談笑するユウキの姿を見て、俺は表情を柔らかくする。
数分後、ケイタがおずおずと聞いた。
「あ、あの~、失礼を承知でお聞きしますが、お二人のレベルは、どれ程ですか……?」
俺とユウキは顔を見合わせ、口を開いた。
「……お、俺は四十五だ」
「……ぼ、ボクは四十三かな」
これを聞いたケイタが、眼を輝かせ喰い付いてきた。
「や、やっぱり攻略組の方だったんだ。 さっきの強さを見て、攻略組の人かなって思ったんです!」
「ケイタ、敬語はやめにしよう」
「呼び方も“さん”付けじゃなくていいよ」
「そ、そうか。 じゃあさ……キリト、ユウキ。 うちのギルドに入ってくれないか?」
「「え?」」
俺とユウキは同時に声を上げた。
ケイタは言い募った。
「僕ら、レベル的には、さっきのダンジョンくらいなら充分狩れるはずなんだよ。 ただ、スキル構成がさ……君たちも分かってると思うけど、前衛できるのがテツオだけでさ。 どうしても回復がおいつかなくて、戦ってるうちにじり貧になっちゃうんだよね。 キリトとユウキが入ってくれればずいぶん楽になるし、それに……サチ、ちょっと来てよ」
此方にやってきたサチは、俺とユウキを見て会釈をした。
「こいつ、見てのとおりメインスキルは両手用長槍なんだけど、もう一人の槍使いに比べてスキル値が低いから、今のうちに盾持ちの片手剣士に転向させようと思ってるんだ。 でも、なかなか修業の時間も取れないし、片手剣の勝手がよく分からないみたいでさ。 二人とも片手剣士だろ。 片手剣のことは良く熟知してるはずだし、よかったら、コーチをしてくれないかなあ」
「何よ、人をみそっかすみたいに」
彼らのやり取りは微笑ましく、そして眩しく映った。
「うちのギルド、現実では、みんな同じ高校のパソコン研究会のメンバーなんだよね。 あ、みんないい奴だから、二人もすぐ仲良くなれるよ」
「……すまない、ギルドに入ることはできない」
「……コーチならしてあげてもいいけど」
団長ヒースクリフが率いる血盟騎士団からも勧誘があったが、俺たちはそれを断った。
因みに、副団長にはアスナが、副団長補佐にはランが就いている。
「……そっか。 じゃあ、コーチを頼もうかな」
ケイタは渋々頷いてくれた。
そしてコーチは、一週間という期限を付けた。
「あのさ、攻略組の話を聞きたいんだけどさ……。 いいかな?」
この問いには、俺が答えた。
「まあ、構わないけど。というより、黒猫団は、攻略組入りをしようとしているのか?」
だが、今のレベルとスキル構成では、攻略組入りは危険すぎる。
前線へ出ても、命を捨てに行くだけだ。
「え? でも、今の君たちは……」
「二人の言いたい事は分かってるよ。 そりゃ、仲間の安全が第一だけどさ。 将来的には攻略組入りして、ゲームクリアの為に戦いたいと思っているだ。――攻略組の君たちと、僕らは何が違うのかな?」
「……そうだな。 情報力の差かな。 俺たちは、何処の狩場が効率良くレべリングができるとか熟知してるしな。 でも、最前線でレベルが低かったら話にならないし、自分達の危険度が上がる。 低いレベルでボス戦をしても、命を捨てにいくだけだ」
だが、俺の答えは不満だったようだ。
「確かに、そうならない為にも情報力は必要だと思うよ。でも僕は、それに加えて意志力が重要だと思ってるんだ。 仲間を守り、そして全プレイヤーを守ろうっていう意志の力っていうのかな。 そういう力があるからこそ、攻略組は危険なボス戦に勝ち続けられると、僕は思っているかな」
「そうか……そうだよな」
ケイタはこのように熱く語っているが、攻略組のモチベーションはただ一つ。
数千人のプレイヤーの頂点に立つ最強剣士であり続けたいという執着心だけだ。
プレイヤーの解放を願って戦っている者は、極少数だけだろう。
「今日は、ここでお開きにしないか?」
一番の理由は、下層に長く留まりたくないからだが。
ユウキが俺を一瞥してから、言葉を発した。
「そうだね。 話したい事があったら、明日聞くよ」
黒猫団のギルドメンバーが、「また明日」と言ってから、俺とユウキは立ち上がり、最前線である第三十層へ戻った。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
そして翌日。
第二十層ひだまりの森で、黒猫団はレベリングを行っていた。
「やっぱ、厳しいよな……」
「だね……」
モンスターと戦うサチは、上手く戦うことが出来ていなかった。
至近距離でモンスターと剣を交える為には、スターテス以外に胆力が必要となる。
サチの大人しく、怖がりな性格では、前衛に向いているとは思えない。
最後のモンスターが散ったのを確認してから、俺とユウキが口を開いた。
「じゃあ、この辺で終わりにしよう。 明日もあるんだし」
「みんな、帰ろうか」
黒猫団のギルドメンバーは歩き出し、第十一層へ帰るべく足を進めた。
街に戻り、黒猫団のメンバーを見送ってから、第三十層へ戻った。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
そして俺たちは、第二十八層の狼ヶ原でレべリングを行っていた。
「ユウキ、スイッチ!」
「OK」
ユウキが俺と入れ替わり、片手剣単発ソードスキル《ホリゾンタル》を発動させると、《シャドーウルフ》はポリゴン片を四散させた。
剣を鞘へ納め、周りを見渡したら、見知った人物が近づいて来た。
その人物とは、ギルド《風林火山》リーダー、クラインだ。
「おう、キリの字。 久しぶりだなァ」
「……ひ、久しぶりだな。 レべリングか?」
「おうよ。 近い内オレのギルドも、攻略組に仲間入りするからなァ。 やっとキリの字たちに追いついたぜぇ」
遠くで戦っているメンバーを見た感想は、かなり戦い慣れていて、上手く連携も取れていた。
戦力になるのは、間違いないだろう。
「そうか」
「てか、お前ェらは、攻略組で有名だよな」
クラインの言う通り、俺とユウキは二つ名持ちとして有名だ。
そして、パーティーは常にツーマンセル。 これはボス戦でも言えることだ。
何故かというと、俺とユウキの連携についてこれるプレーヤーが、ヒースクリフ、アスナ、ランしかいなからだ。
だが、三人は攻略組の指揮を取らなければならないので、必然的にツーマンセルになるのだ。
「久しぶりだね、クラインさん」
「おうよ。 久しぶりだな、ユウキちゃん。――キリの字を見ててくれてよ、あんがとな」
「当然のことをしてるだけだよ。 ボクは決めているしね。 最後の一瞬までキリトと生きるって」
「そうか。 これからもよろしく頼むわ」
クラインが俺の保護者役に就いている気がするが、気のせいだろうか?
すると、クラインが手を打った。
「どうだ、キリの字とユウキちゃん。 オレのギルドに入いらねぇか?」
「却下。 俺は、何処のギルドにも入る気はない」
「ごめん、クラインさん。 ボクも同じだから」
俺とユウキは即答した。
「二人とも即答かよ……。 ま、気が変わったら何時でも言ってくれや。 そん時ゃ、歓迎するぜ」
「ああ、その時はよろしく頼む。 んじゃ、そろそろ俺たちは行くわ」
「じゃあ、またね」
「おう、またな」
俺とユウキは、第三十層の宿を目指して歩き出した。
その時だった、俺にメッセージが飛んで来たのは。
メッセージの差出人はケイタだ。
『宿屋からサチが居なくなった。 探すのを協力してくれ』、という内容だった。
「ユウキ。 すぐに向かうぞ」
「わかった」
二人は転移結晶を取り出し、第十一層向かう言葉を発した。
「「転移、タフト!」」
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
第十一層に転移した俺は、追跡スキルを発動させ、視界に表示された薄緑色の足跡を追った。
ユウキも、俺の後ろを追うようにして続く。
俺は主街区外れにある水路の片隅で、マントを羽織ってうずくまっているサチの姿を見つけた。
ユウキは、近づき声を掛けた。
「どうしたの? サチさん」
俺はこうなる事を予想していた。
厳しい前衛を強いられていたので、サチへのプレッシャーが強くなってしまったからだ。
「キリト……、ユウキさん」
サチは静かに話し出した。
「……私、死ぬのが怖い。 私、本当はフィールドに出たくなかったんだ。 安全な街の中にずっと居たかった。 でも、みんなに嫌われたくないし、迷惑はかけられない。――何でこんなことになっちゃったのかな? なんでゲームなのに死ななきゃならないの? 茅場って人は何がしたいの?」
俺が呟いた。
「……サチは、これからどうしたいんだ?」
「逃げたいよ……。 黒猫団のみんなから。 モンスターから。……SAOから。 死んじゃった方がいいのかな」
暫し沈黙してから、ユウキが口を開いた。
「サチさん。 死ぬなんて言ったらダメだよ」
「……ごめん、嘘だよ。 死ぬ勇気があったら、こんな街の圏内に隠れてないよね……。 ねえ、君たちは何でそんなに強いの? 私に、その強さを教えて」
俺が強いか……。――俺は弱い人間だ。
大多数のニュービーを見捨てた卑怯者だ。
「俺は強くないよ。 強くあろうと頑張ってるだけさ」
「ボクもかな」
「それって、お互いを想って?」
サチの質問に、俺は暫し思案してしまう。
「それは、解らん。 こいつを守れるように、って頑張ってるけど」
「ボクも同じだね」
「そっか。 二人とも、まだ気付いてないんだね」
何に気付いてないんだろうか?
俺とユウキは、首を傾げるだけだ。
「君たちを見ていたら、私も頑張ってみようって思えてきたよ。 私、みんなの所へ戻るよ」
「ああ、それがいい」
「そうだね。 みんな心配してると思うしね」
「うん、ありがとう」
サチは立ち上がり、みんなが寝泊まりしている宿屋へ戻った。
俺は念の為、ケイタに『サチは、宿屋に戻った』とメッセージを飛ばした。
リメイク版ではレベルを隠しませんでしたね。
二人が黒猫団に入団したら、黒猫団マジ強ッ!になるね。
今回は少しだけ、キリト君とユウキちゃんの想いが出ましたね。
さてさて、今後どうなるのか?
つか、SAO編は難しいっすね。
ではでは、感想、評価、よろしくお願いします!!