アメリカ合衆国の対日反攻作戦であった、ガダルカナル島を攻略するウォッチタワー作戦が実施されたが、日本海軍基地航空隊の攻撃により頓挫した。
海軍は、ガダルカナル島を無視する意向だったが、そこでアメリカ陸軍の猛反対にあった。
この当時、対日反攻作戦の主要ルートは2つあった。
ニミッツ大将を中心に海軍が、真珠湾を基点にマーシャル諸島を攻略し、マリアナ諸島を占領し、長距離重爆撃機で日本本土を攻撃する中部太平洋ルート
マッカーサー大将を中心に陸軍が、オーストラリアを基点に、ニュージニアを陸伝いにフィリピンを占領し、日本本土を攻撃する南太平洋ルート
の2つがあった。
マッカーサーが主張するには、ガダルカナル基地から日本の爆撃機が通商破壊を行い、
オーストラリアが連合軍から脱落したらどうするのかと主張する。
事実、ガダルカナル基地から、戦力を立て直した陸攻が長い航続距離を活用して、輸送船を狩りまくる通商破壊戦が行われており、潜水艦のも合わせて、オーストリアには物資が滞り、厭戦気運が出ているそうだ。
オーストラリアを拠点とするマッカーサーは降伏だけは避けたい自体だった。
海軍もまた、オーストラリアを脱退させるのは得策でないと気づいたため、ガダルカナルを最優先攻略目標に変えた。
日本軍もまた、航空戦力を増強させ、陸軍の部隊も応援を呼び、一歩も退かないという構えを見せる。
日米の憎しみの炎は消えそうにもなかった。
――昭和17年10月
ガダルカナルに来てから2ヶ月が経った。
才人たちは、しばらくは台南航空隊と共同であったが、6空の本隊が来てからは、6空のみとなった。また、第6航空隊という名称も204空へと改められた。
才人たちは、エスピリットサント島から来襲してくる、B-17や時折やってくる、機動部隊との迎撃で忙しかった。
2度目に機動部隊が来襲してきたときには、空母に戦闘機を大量に積み、周囲に対空能力を向上させた艦艇を囲んでいたため、陸攻隊は成果を挙げられずに全滅し、何度も繰り返しても同じ結果だったため、それ以後、陸攻による攻撃は無くなってしまった。
現在は零戦隊と少数の艦爆しかなかったが、ラバウルでポートモレスビーからの攻勢が盛んになっており、ガダルカナルへの補充は厳しくなっており、潜水艦による通商破壊戦により、補給も途絶えがちだった。
燃えている・・・・・・。
何かが燃えている・・・・・。
何かが赤く燃えている・・・・・。
それは炎の中で崩れようとしているトリスタニア城だった。
トリスタニア城下にあるブンドネル街道は何かで赤く染まっていた。
それは血だった。
老若男女が血の池に倒れていた。
中には見知った顔の人もいた。
スカロンさんやジェスタも倒れていた。
――――――な・・・・・なん・・・・・・・何だ?・・・・・この景色は
後ろから声が聞こえた
「それは、あなたが逃げたせい」
振り返れば、血まみれのシャルロットが
「あなたが逃げたせいでこうなった」
――――違う!俺は逃げたんじゃない!
「そうかもしれない。しかし、結果からは信じられない」
また、声が聞こえたそこにはコルベール先生がやはり血まみれでいた。
「君自身はそう思っても、結果的には逃げたことには変わらないんだよ」
――――せ・・・・先生まで・・・・
「君は、私達の信頼を裏切ったのだよ」
その言葉と同時に才人の周囲を囲むように人が現れる。
シェスタがテファが学園のメイドが学校の生徒が水霊騎士が才人を見る
「ねぇ、どうして裏切ったの?」「どうして逃げたの?」「どうして生きているの?」「私たちを守ってくれなかったの?」「私、憧れてたのに」「どうしていなくなったの?」「私信じていたのに」「良いところあったのに」「やはり平民なんか信用すんじゃなかった」「裏切り者」「偽善者」「臆病者」
―――――あ・・・・ああっ・・・。
よろける才人に何かがぶつかる。
見れば、小さい子供がいた。
「ねぇ、パパとママはどうして死んじゃったの?どうしてパパとママを守ってくれなかったの?どうして逃げたの?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?どうして?」
ゴトッ・・・・・
子供の頭が落ちた・・・・・・
――――うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!
頭を抱えうずくまる才人
――――俺は・・・・。俺は・・・・逃げたんじゃない・・・・逃げたんじゃないんだ!
頭をうずくまる才人、そこに何か聞こえた。
頭を上げてみれば
十字架に縛られた
体中が剣や槍などで貫かれた
ルイズがいた
―――――ああああああああああああああああ嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜亜阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿阿ーーーーーーーーーーーー!!!!!
「ルイズ!!」
がばっと起き上がる。そこにはどす黒く塗られた空ではなく、木の天井だった
「はぁっ・・・はぁつ・・・・。」
才人はしばし深呼吸を行うとそのまま倒れる。
「はぁ・・・・。久しぶりに見たぜあの夢は」
才人は、海軍航空隊に入ってから、しばしばハルケギニアにいたときの夢を見ることがあった。
最初のころは単なる思い出だったが、時間が過ぎ去るごとに、だんだんと夢の内容が変化して、今のようにひどい夢となってくる
「みんな元気かな・・・・。」
才人はこちらの世界に来てからは、もう6年近くになる。
最初のころは日食ができたら入ればいいやと考えていたが、なかなかその機会がなくずるずると延びてしまった。
この世界とあっちの世界の時間の流れはどうなっているのだろうかと気になってしまう。
「もしも・・・・。この世界と同じように流れていたら・・・・。」
先ほどの夢のようにみんなが死んでしまうのだろうか。みんな恨むのだろうか。
「ああ・・・・・。俺は・・・・・。どうすればいいんだ・・・。」
手を顔に押し付けながらつぶやく。
「ルイズ・・・・・・・・。」
その答えは、出せそうにもなかった。