「・・・ん・・・」
「あ、起きた?」
「・・・貴方は・・・なぜ・・・?」
「なぜって・・・さすがに置いていけないでしょ」
この少年はどうもお人よしみたいだ。
というより・・・はて?なんで私は動いてないのに・・・て言うより声が・・・
「明久、起きたんだし降ろしたら?」
「え・・・えぇ!!!!????」
「うお????」
どうも私はこの少年におぶられていたみたいだ。
私は彼の背中から降りると、
「・・・ゴホン・・・とりあえず負けましたからね・・・案内します」
「うん、お願い」
もしかしたら、この少年・・・明久さんならお嬢様を・・・
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妖夢を先頭に進んでいく・・・
「・・・」
「明久、どうしたの?」
「え?あ、ちょっとね・・・」
いやな気分だ・・・こう・・・まるで死に誘うような・・・
ただの気分で相手を死なせるような・・・
そう・・・いやな感覚・・・それが濃くなっていく・・・
「・・・この先です」
「・・・これは・・・」
そこにはほかの木よりも一回り以上大きな桜の木。
しかし・・・これは駄目だ・・・
さっきからずっと直感がこれにみんなを近づけるなと訴える。
その時、木の近くに女性がいることに気がついた。
「あら?意外と早かったわね」
「貴女は?」
僕は霊夢達の前に立ち質問する・・・
「私は西行寺幽々子。この白玉楼の主よ。亡霊の姫と呼ばれる事もあるわね」
少し薄い桜色の髪をし、薄い青を基調とした着物、その着物と同じ色合いの帽子に三角巾を付けた物をかぶり・・・少し浮いていた。
「でも、まさか妖夢がこんなに早く負けるなんてね~」
「なんで春度を集めるんですか?」
「…この桜……西行妖にはね、何者かが封印されているの
そのお陰で西行妖は枯れたままなのよね~」
「それで咲かせたいのかしら?その桜を」
「う~ん、違うわよ、博麗の巫女」
「じゃあどうしてかしら?」
「この西行妖が満開になれば封印されている存在が解き放たれるらしいのよ。
私はそれと会って話をしてみたいだけ」
「・・・」
「だから・・・貴方達にはお帰り願おうかしら?」
そう言い放った瞬間、彼女から蝶が飛び立ち・・・霊夢達に・・・
『グシャッ』
「「「「「!?」」」」」
僕はその蝶を握りつぶした。
「・・・驚いたわね・・・さっきから結構脅し感覚でやってたけど、
彼女達を守ってたのは貴方かしら?」
「え?」
僕は彼女にあって最初にしていたことは、霊夢達を覆うようにうっすらと霊力を膜にしていた。
霊力はある意味生命力だ。だからこそ死の気には抵抗できる。
「何より・・・まさか死刻蝶を握りつぶすなんてね・・・」
「間接的干渉・・・呪詛とかなら僕は効かないからね」
「・・・ある意味私にとっては天敵なのかしらね?」
「まぁ、その話は今どうでも良いしね」
「明久・・・」
「みんなはここにいて。たぶん彼女の能力に抵抗できるのは僕だけだろうからね」
「連戦だけど大丈夫なの?」
「・・・一応道中回復してたからね」
僕は異様に回復が早い。まぁこれは『 』も原因だろう。
「さて、そういうことだから・・・悪いけど止めさせてもらうよ?」
「あら、威勢がいいのね」
「悪いけど、その桜を咲かせるわけにはいかないんだ」
「そう・・・なら・・・」
僕達は向き合うと、
「桜の下で死(ねむり)なさい、人間(あきひさ)」
「悪いけどそれはお断りするよ。亡霊姫(ゆゆこ)」
僕は刃のような弾幕と普通の霊球を飛ばし、幽々子は大、小、いや・・・
その中に蝶の形をした弾幕も織り交ぜ放つ。
「・・・意外ときついね・・・」
大小の弾幕は相殺できるのだが・・・蝶の弾幕・・・
これがなんと弾幕をすり抜けてくるからめんどくさい。
僕は蝶を体をずらしながら避け、幽々子は優雅な動きで回避
していく。
「う~ん、このままだと埒があかないわね~」
幽々子はカードを取り出し・・・
「亡郷『我郷 -自尽-』」
ランダムにばら撒かれる弾幕、だが・・・
「うわっ!?あぶな!!」
まるで道を塞ぐ様にレーザーが放たれる。
「避けないと危ないわよ~」
「あはは・・・」
僕は避けていると、あることに気づく。
「(このレーザー規則性があるのか。それに・・・)」
撃つたびに動きをリセットしてる。なら・・・
「・・・ここ!!四神『朱雀』」
僕は魔力で火を作り、それを鳥の形の大きな弾幕にし空いた隙間に撃つ。
名前についてだが・・・僕はこの眼、『 』についていろいろ調べるうちに、
神話、昔話など古来より伝わる話に興味を持った。
そして、繋がりも知った。
だからだろうか?スペルの名前はいつの間にか中二臭く・・・いやもう言うまい。
朱雀は薄い弾幕を吹き飛ばしながら幽々子に迫る。
「まさか、こんなに早く攻略されるなんてね~」
幽々子は弾幕を撃つのをやめ、ひらりと舞うように避けた。
「次はこれよ~亡舞『生者必滅の理 -魔境-』」
扇のようなものが後ろに現れ、
小さい弾幕の壁が回るように迫り、その間を大きな弾幕が迫る。
僕は避けていくも周りを囲われた。
「明久!?」
「さすがに危ないかな?四神『玄武』」
すると小範囲だが霊力が一瞬甲羅のように張られ広がるようにして弾幕を弾く。
「・・・防御スペル」
「悪いけど危ないからね。四神『白虎』」
腕を振り上げると虎の手のように霊力が形をなし、
「やぁ!!」
振り下ろすと風と霊力が刃のように飛び散る。
「っ!!」
幽々子はスペルを止め避けるも、とめるのが遅かったのか被弾した。
「やってくれるわね・・・」
「次はこっちからいくよ!!四神『青龍』!!」
魔力は水に・・・水気を帯びた魔力弾は飛び散り、時にレーザーのように幽々子に迫る。
「甘く見ないでほしいわ。華霊『バタフライディルージョン』」
被弾しながらのスペルを発動し、その弾幕は・・・
「うわ!?」
僕の弾幕を吹き飛ばし、ばら撒かれる弾幕とともにこちらを狙って突っ込んでくる弾幕。
僕は避けきれず被弾してしまう。
「いつつ・・・」
「これでも貴方よりはるかに長く生きてるのよ?」
あ~ホント・・・
楽しいな・・・
________________
「・・・すごい・・・」
「ホント天才だよな、あいつ」
魔理沙は少しむすくれながらつぶやく。
「前の時よりも遙かに強くなってるわね」
「まさか、お嬢様があそこまで・・・」
「それにしても楽しそうね、明久」
「「「「え?」」」」
私の言葉にみんなが振り向く。
「だから、楽しそうって言ってるのよ」
「なんかつまらなさそうだな、霊夢(ニヤニヤ」
なんだか魔理沙が気に食わないが、事実だから文句言えない。
「明久さんって人間ですよね?」
「人間よ。人よりも死(せい)について理解してるけどね」
「え?」
「だからでしょうね・・・幽々子を止めたい理由・・・」
私は楽しみながら・・・でも何かを伝えるように戦う明久を見つめながらつぶやいた。
____________
「なぜかしらね・・・」
「なに?」
僕達は互いに避け、時に被弾しながらも戦っていると幽々子がつぶやいた。
「なんで貴方は楽しそうなのかしら?」
「なんでって・・・」
そりゃ・・・
「君が全力でぶつかってくるからさ」
「・・・え?」
「だってスペルって個人で形が違うでしょ?」
「そうね。それが何で楽しいの?」
「ようするにそれを見ることで相手を知ることができるじゃない。
相手がどう思ってこれを作ったのか・・・想像だけにしろ、相手を理解できる。
そして全力で相手とぶつかり合える」
「・・・」
「それが僕はうれしい。だってこうやってるときにでも少しづつだけど、
ほんとに少しだけど、君のことが理解できるから」
「・・・不思議な子ね。私は自分勝手な女よ?」
「そうかもしれないし、違うかもしれない。でも・・・」
「でも?」
「友達になるのにそんなこと関係ないし、そんなことで相手を嫌いになる気は僕は無い」
自分勝手って言うなら僕のほうが自分勝手だよ。
「・・・ふふふ。紫の言うとおりね」
「あ、やっぱり紫と知り合いだったんだ」
「あら?気づいてたの?」
「なんとなくね」
「なら・・・」
幽々子はカードを取り出し、
「言うことはわかるわよね?」
「やっぱりこうなるのね」
「当たり前じゃない。いくわよ?桜符『センスオブチェリーブロッサム』」
「うわ・・・」
それは壁・・・桜のような弾幕は壁のように僕に迫る。
「いくよ・・・・幻想『麒麟』!!」
ラストスペル。作り出すは幻想・・・金のような一角の銀の鹿のような幻獣。
麒麟は桜色の弾幕に突撃する。
普通なら負けるかもしれない・・・だが僕がこれを選んだのにはちゃんと理由がある。
それは・・・貫通性。
麒麟の角は邪を払い、あらゆるモノを貫く。
この麒麟もある意味等しく、角の部分は魔力、霊力両方を鋭く、鋭利に組んでいる。
だから・・・
「いけぇぇぇぇぇぇ!!!!」
「な!?」
麒麟は壁を貫き、幽々子を吹き飛ばした。
「やった?」
「お嬢様!?」
妖夢が急いで駆け寄ろうとするが、
「!!危ない!!」
「え?」
幽々子から死刻蝶が回りにあふれた。
危なかった・・・
「お嬢様・・・・?」
ゆらりと幽々子は立ち上がると高く飛び上がり・・・
「・・・反魂蝶 -八分咲-・・・」
そんな声とともに多いでは収まらない量の弾幕がばら撒かれる。
僕は妖夢を霊夢達のとこに投げ飛ばし、
「くっ!!」
僕は麒麟を操作し、幽々子に突撃させるも、
「すり抜けた!?」
そのまま通り抜けてしまった。
耐久スペルか?だけどなんだかおかしい。
幽々子の眼は虚ろとしており、まるで・・・まるで何かに操られているような・・・
「まさか・・・」
僕は弾幕、そしてレーザーを避けながら視る。
ただ視るんじゃない・・・『直死の魔眼』をもって幽々子を・・・
その先(おく)を視る。
「な・・・」
それは悪意・・・
まるで幽々子を捕らえるように包む黒い瘴気だった。
「・・・やめろ・・・」
普通のじゃ駄目だ・・・この弾幕は貫けない。あれを撃てない。
「・・・その人を・・・」
ならば・・・
「その人を巻き込むなああああああ!!!!」
スペルで発動したら意味が無い・・・だから、
僕は魔力、霊力、気、すべてを織り交ぜるように両手の中に作る。
「神技・・・」
打ち出された4色の光弾はそれぞれに4つの形を成し、
一つは赤い龍、そしてその姿は朱雀に・・・
一つは白い龍、そしてその姿は白虎に・・・
一つは黒い龍、そしてその姿は玄武に・・・
一つは蒼き龍、そしてその姿は青竜に・・・
それぞれは東西南北を司り、四竜、四獣・・・四神と呼ばれ・・・
四神は弾幕をなぎ払いながらも共鳴しあい・・・同化する・・・
「四神・・・」
それは一つの・・・中央を守るとされる四神の長の形を成す。
「黄竜!!!!!!」
ー神技『四神・黄竜』-
『グオォォォォォッ!!!!!』
それは巨大な黄金の竜。同化し現れた空間をこじ開けそれは天を舞う。
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「うそ・・・・」
「え?なにあれ・・・」
「竜?」
「え?え?」
驚く四人の中、
「ありえないでしょ・・・まさか・・・擬似的とはいえ、神降ろしに等しいことをするなんて・・・」
霊夢は驚愕した。その膨大な量の霊力、魔力、気・・・
それは今ここで神とも言うべきものを作り出しているのだ。
「砕けちろ!!!」
明久の声に応えるように、その竜は弾幕を薙ぎ払い、幽々子を・・・
黒い瘴気を噛み砕いた。
幽々子はまるで糸が切れたかのように落ちていき、
「あぶな!?」
僕はそれをキャッチした。
「息は・・・してるね」
よかった・・・
しかし、事件はこれで終わりではない・・・
『ギ、ギギギ・・・・』
本当の勝負はこれからなのかもしれない。