「ハァ・・・」
しかし、さっきの黒い瘴気・・・なんだったんだ?
「すごいわね明久・・・」
「いきなり現れてどうしたの?紫」
僕は幽々子を連れてみんなのところに行こうとしていると、
いきなり紫が現れた。
「・・・友人の事だもの。心配にもなるわよ」
やはり幽々子と紫は友人・・・というより親友みたいだ。
「そういえば、あの西行妖なんだけど・・・」
『ギ・・・ギギギ・・・』
「「!?」」
僕達は異様な音に振り返ると、
そこには根を伸ばす桜・・・西行妖があった。
「な!?」
「うそ・・・なんで封印が・・・」
「今はそれよりもみんなのとこに!!」
「えぇ!!」
僕達は急いで霊夢達のところに向かうと、
「どうしたんだ明久?」
「みんな!!今すぐ・・・!?」
突如いやな感覚が背筋を走る。
まさか、これは・・・死をさそっている!?
僕は幽々子を妖夢に預けるとみんなの前に・・・
「明久!!下がりなさい!!」
紫はそう叫ぶと手を前にかざし、結界を張る。これは・・・
「この結界の中と外の境界をずらしたわ・・・でも・・・」
結界の外では西行妖が結界を壊そうと根や蔓叩きつけている。
「さすがに昔より強くなってるわね・・・」
「持ちそう?」
「みんなを逃がす程度には・・・だけど・・・」
「お嬢様!?」
妖夢の悲鳴のような声を聞き振り返ると・・・
そこには少しずつ透けている幽々子の姿が・・・
「これは?」
「まさか、もう影響が!?」
「影響?どういうことよ、賢者」
アリスの言葉に紫は、
「紫でいいわ・・・この子はね・・・」
紫が悲痛な表情になり、事情を説明しようとすると、
「・・う・・・ん・・・」
「お嬢様!?」
幽々子が眼を覚ました。
しかしなんだろうか・・・雰囲気が・・・
「なんで・・・」
「え?」
「なんで私は生きてるの?」
「「「「「え?」」」」」
「・・・」
「どういうこと?紫・・・」
状況がわからない・・・どういうことだ?
「・・・あの西行妖に封印されてる人ってのはね・・・幽々子なの・・・」
「え?」
「幽々子はね・・・自分の能力に耐えられずに自害したの・・・」
「・・・その遺体を紫は西行妖の封印に使ったって事?」
「・・・失いたくなかったの・・・友人を・・・」
「なんで?私は・・・」
泣き始め、手で顔を覆い、
「私はただ・・・この力が・・・いやだった・・・
だから・・・だから・・・私は・・・」
力・・・死を誘う能力・・・
「もう嫌われたくないのに・・・もう失いたくないのに・・・」
「私はいちゃいけないn・・・」
っ!!!
「ふざけるな!!」
_______________
「ふざけるな!!」
「!!??」
「力がいやだった?ここにいちゃいけない?
わがままも大概にしろ!!」
目の前の男の子は私の襟を掴み、眼前まで引き寄せた。
「確かにその力は危ないところもある。でも・・・
それも含めて貴女を作ってるんだ!!それを否定してどうする!!力を理由に自分から・・・周りから目をそらすな!!」
男の子は涙を浮かべながら叫ぶ。
「幽々子を嫌いになる?みんなが離れていく?いちゃいけない?
そんなの違うでしょ!!周りをみなよ!!」
「え?」
私は周りを見る・・・
そこには私を心配そうに見る
何かから私達を守るようにしながら、
私のほうを心配そうに確認する
そして・・・怒りながらも・・・私をまっすぐ見ている少年。
「心配してる人だっているじゃないか!!守るために頑張ってる人もいるじゃないか!!
それなのに幽々子がそんなんでどうするのさ!!」
「でも・・・私は・・・」
「死を操る能力?それがどうした!!じゃあ聞くけど何で僕を殺せないの?」
「あ・・・」
「それにね・・・」
そう呟くと男の子は眼を閉じ……開いた。
「!?」
「どう・・・?」
「これって・・・」
濃い死の色…
「そう・・・ちょっと違うけど、僕も『死』を・・・・相手を殺すことができる能力がある」
「・・・」
「でも・・・それでも支えてくれる友達がいる。仲間がいる」
男の子は抱きしめるように私を引き寄せ、
「もし、貴女が能力を暴走させそうになったら、僕が止めよう」
優しく
「もし、貴女の周りに人がいなくても、僕は居よう」
でも力強く
「もし、貴女が危険になったら、僕が助けに行こう」
一つ一つはっきりと
「もし、泣きたくなったら、泣き止むまでそばに居よう」
彼は私に伝えてきた。
「みんなが僕を守ってくれるように僕も、あなたを守ろう」
この子は・・・私より年下だけど・・・・
「だから・・・死にたかったなんて、悲しい事言わないで」
まるで・・・親のように・・・私を包むような・・・大きな人だ・・・
side明久
落ち着いたのかな・・・
幽々子は静かに僕に抱きついていた・・・
「紫・・・」
「何かしら?」
「西行妖は封印できそう?」
「・・・弱らせればできるかもしれないけど・・・」
「もう一度封印すれば・・・幽々子は・・・」
「えぇ、成仏しな・・・!?まさか明久!!」
「霊夢・・・みんな。ここに居て紫の手伝いをお願いね」
僕は幽々子を放し、刀を持たせる。
「幽々子、これを持ってて。絶対これを受け取りに来るから」
「あ、明久さん!?」
「妖夢、幽々子を」
「・・・気をつけなさいよ、明久」
「前みたいになったら承知しねえからな」
「帰ってきなさいよ」
「戻ってきてね。傷ついたらお嬢様たちが・・・いえ・・・私も悲しいですから」
「みんな・・・うん!!」
「怪我しないでね・・・明久」
「わかってるよ、紫。幽々子・・・」
振り向かず幽々子に声をかける・・・
「僕は・・・僕は絶対に貴女を死なせやしない!!」
「・・・うん・・・」
僕はそれだけを聞き境界を通りぬけた。
そこには死の気をばら撒く西行妖・・・
僕はポケットから『七ッ夜』を取り出し・・・『直死の魔眼』を発動する。
「僕とお前とでは、似てるけど似てないね・・・」
セカイに禍々しいほどにたくさんの線と点が浮かびあがる。
同じ死を意味するが違う・・・だから・・・
「お前の死を操る力と僕の殺す力。どっちが強いかはっきりさせてやる!!」
そして教えてやる!!
「モノを殺すというのは・・・こういうことだ!!」
僕は七ッ夜を手に、西行妖に突っ込んだ。